韓国ブロマンスドラマ「怪物」のネタバレ感想|女性失踪事件をめぐる壮大な陰謀

ドラマ

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怪物はあいつか、俺自身か―片田舎を舞台に連続殺人事件の謎を追う心理サスペンス、「怪物」

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登場人物とあらすじ

引用:2021年最大の話題作『怪物』配信記念!韓国ドラマの“廃人視聴”サスペンス5選|カルチャー|ELLE [エル デジタル]

若きエリート警察官×20年前に妹を連続殺人事件で失った片田舎の警察官 のお話。

<あらすじ>
エリート警察官のジュウォンは片田舎のマニャン派出所勤務を命じられる。
パートナーを組むことになったのはドンシク。
実はドンシクは20年前に妹を連続殺人事件で失い、その容疑者となった過去があった。

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こんな人におすすめ

  • 本格派サスペンスが大好き
  • 演技の上手い俳優たちのブロマンスが観たい
  • 韓国ドラマが好き

 

 ネタバレ感想

第1話 現れる

<あらすじ>
ムンジュ市マニャンに住む女子大生のイ・ユヨンが、自宅の庭に指の第一関節だけ残して失踪するという事件が発生。
その事件は未解決のまま20年が過ぎる。
ユヨンの双子の兄であるドンシクは警官になり、マニャン派出所に勤務している。

パトロール中に通報を受け認知症のおじいさんを探していた、田舎の警察官ジフンとドンシク。転んだジフンは茂みで祈るように合わせられた人間の手首を見つけ、ドンシクに助けを求めます。

2000年10/14、人々が清掃活動に励むムンジュ川の沿いの道路を、花を運ぶマニャン農産の車が走り去ります。街では再開発が確定し生ゴミを減らそうとデモの列ができていました。
ムンジュ市マニャンに住むソウル大学の女子大生のイ・ユヨンは、祖母の追悼ミサで聖歌に合わせてオルガンを弾いています。教会内に花を運ぶユヨンの母親とその友人。友人は「ユヨンは素晴らしいけれど双子の兄のドンシクはどうしようもない」と貶します。

ドンシクはライブカフェ”サロン・ド・マニャン”でギターをかき鳴らしていましたが、店員のパン・ジュンソンから「たった一杯のコーヒーて音も出ないギターを持って何時間も居座るな」と冷たく突き放されます。ドンシクは社長から許可を得たと言いますが、ジュンソンは「妹を見倣いなさいよ。殴りたいなら殴れば?あんたの父親に医療費を請求するけど」と挑むように言います。

その晩、ユヨンがドンシクに「今夜こそ帰ってきて」とメールを打つと、「出てこられる?」と返事が来ます。ユヨンが川辺に行くと、突然街灯が消えます。
そして翌朝、ユヨンは自宅の庭に両手の指の第一関節だけ残して川辺で体中傷だらけになって死亡していました。しかしその遺体もそのうち行方不明になってしまいます。

20年後の2020年10月11日、事件はいまだ未解決のまま、ドンシクは巡査部長になり、マニャン派出所に勤務しています。
美容院で賭け花札でをする婦人たちを諌めるドンシクですが、婦人たちが大騒ぎするため連行します。ナム・サンベ所長や他の警官たちは気が抜けきっていて、賭博が行われていてもなあなあです。法を遵守するドンシクは警察所では鼻つまみものです。

そこにエリートのハン・ジュウォン警部補が異動してきます。ジュウォンは警察大学に主席入学・卒業した27歳の一人息子。本庁の次官、次期警察庁庁長であるハン・ギファン次長の息子だと噂する警官たち。

そこに「息子が失踪した」と男が駆け込んできます。韓国の法律を一言一句誦じて、なぜ「捜索届」を出せず「家出届」しか出せないのかを説明するドンシク。その晩、ジュウォンは足の痛みを堪えながら薬を飲んでよろよろと帰宅するドンシクを車内から見つめ、走り去ります。ドンシクはジュウォンの車を見て「31 ギユ 8305」とナンバープレートを口ずさみ、いい車だとつぶやきます。

韓牛専門店”マニャン精肉店”にてジェイは肉を加工し、隣の店へ肉を持っていきます。鍋を食べるオ・ジフン巡査とドンシクと庶務班長パク・ジョンジェ(ムンジュ市議会議員の息子)。そこに強行犯係のオ・ジファ警部補が現れ、加わります。どうせ不起訴になるのになぜ捕まえたのかと問い詰められるドンシク。
ジェイはちらりとオ警部補とジフンを見ると「サロンの社長はよその人と金貸しをしているみたい。まともな人じゃなさそうだったわ。おばさんたちを守るためにやったんでしょ」と庇います。パートナーを疑うなとオ警部補は弟のジフンを蹴ります。

ジュウォンが来たからしばらくしたらパートナー解消かもなと言うギフン。ドンシクはあんなエリートとは気が合いそうにないとビールを煽ります。
「女子大生(ユヨン)失踪事件捜査打ち切り ムンジュ警察署 ハン・ギファン署長」という新聞記事が壁に打ち付けられています。

父と会食するも食欲のないジュウォン。
「ソウル庁の者たちが寂しがっていた。まだ異動は取り消せるぞ。大事な時期なのだから問題を起こすな」「6ヶ月だけ過ごして外事課に戻ります」「そんなことを言っている場合ではないだろう。大人しくしてろ」「はい、父さん」と父子は言葉を交わします。

ジュウォンに挨拶するドンシク。ファン警部補は情報通の僕がハン警部ほど組んでうちの管轄について教えると言いますが、同じ階級の2人が組むのは良くないから巡査の自分が志願をとジフンが口を挟みます。「変人は好きじゃないのでドンシクさんとパートナーになるのは嫌です」とジュウォンは言いますが、ナム所長は「お互いを嫌い合っているのは2人だけだからドンシクとジュウォンをパートナーにしよう」と独断で決めてしまいます。

ドンシクの運転でパトロール中、車内を除菌シートで拭くジュウォン。「あなたは運転が荒いから私が運転しよう。先週19:20頃、派出所近くの交差点で信号が変わると同時にアクセルを踏んだでしょう」とドンシクは言い当て、ジュウォンはしらばっくれます。「ここには秘密なんてない。どこかで誰かが見てる」と不気味に笑うドンシク。

個人の携帯で通報を受けるドンシクを見咎めるジュウォン。急いで現場に向かう2人。74歳のパン・ホチョルという重度の認知症の老人が葦原のどこかに隠れているかもしれないから手分けして探そうと草むらに入っていくドンシク。防犯カメラを確認してからにしようと戸惑うジュウォンに、再開発地域にカメラなんてないと笑うドンシク。ジュウォンはため息をつきながらぬかるみのなかを嫌々進んでいきます。

茂みが怪しくざわめく方を見ながら、ジュウォンはホチョルの名前を呼び、「本当にいるのか?」と訝しみ探し続けます。ドンシクが歩いていると、葦原の中に座り込んでいるホチョルがいました。警官だとジュウォンが言った途端、「うちのかわいいジュソンを待たないと」と穏やかだったホチョルが「悪い奴は来るな」と激昂し逃げ出します。泥沼の中でホチョルの両脚を捕まえるジュウォン、ホチョルに「俺だよ、ドンシクだよ」と呼び続けるドンシク。
10月になると毎日正気を失い、鍵を壊してしまうとホチョル。ホチョルの家に行くとなぜか家の鍵を直せと高飛車に家人に言われ、ジュウォンは抗議しようとしますがドンシクに止められます。

派出所でシャワーを浴びた2人。ジュウォンは「友人など必要ありません。僕に寄ってくるのは何か頼み事をしたい人だけ」と言います。共用のものは使わないと言うジュウォンに潔癖症かよと笑う警官たち。

ナム所長から会食に誘われたジュウォンは今後も会食には出ないとメールで断ろうとしますが、ジェイから駐車場を案内され渋々会食が開かれる店に行きます。店には既に署員が来ており、所長はジョンジェを紹介しますがジュウォンは握手しないためジョンジェは不機嫌に。ジュウォンが席に座ろうとすると、警官の1人が媚び諂うように先をウェットティッシュで拭きます。ドンシクはジンムクの店に酒をとりに行ったようです。

ジンムクはムンジュ市で唯一生マッコリを取り扱っているマニャンスーパーの社長で、ナム所長はマニャンで一番大事な人だと持ち上げます。所長はジンムクを酒に誘いますが、店に誰もいないしミンジョンは課題があるからソウルに泊まるみたいでと帰っていきます。

ジファはジュウォンに挨拶すると、「お父さんと似てないわね。ムンジュ署で何度かお会いしました」と言いますが、全員黙り込んでしまいます。「名前を言ってはいけないようだ」と揶揄うドンシク。場が盛り上がったところでこっそり帰ろうとするジュウォンですが、隣の精肉店で肉を切っていたドンシクに見咎められ「勝手に帰るとナム所長が機嫌を損ねるぞ」と言われます。

ジュウォンはなぜホチョルを庇うのか尋ねると、ドンシクは「あの家の末娘を俺が殺したから」と言います。「どうやって殺したんですか?」と尋ねるジュウォンに「冗談だ」と笑うドンシク。

ソウルに帰ったジュウォンはバーでクォン刑事と酒を飲み、ファイルを渡されます。誰かが問題を起こしたから外事課がなかなか渡してくれなかったと渋る彼からファイルを奪うと、その中の科学捜査研究所の解剖検査書を確認し始めるジュウォン。そこにはユヨンの遺体の状態とそっくりな遺体に関する情報が載っていました。

「ウィ・スニ」という名前に目をとめるジュウォン。クォンは「ソソン物産の末娘がアメリカから帰国するらしい。財界50位以内じゃないのは気になるが外見は悪くないらしい。”お父さん”の期待を裏切らないようにしないと」とジュウォンに媚びます。
「高1だったお前の家庭教師を始めた日が忘れられない、俺のことをあまり知らないのに次長が2千万ウォンを入金してくれたんだ。その時に一生期待を裏切らない家族になろうと。だからこうして恩返ししてるんだよ。しっかり捜査しろよ。俺が手伝ってやるから」と縋り付くクォンをジュウォンが突き放すと、クォンはひっそりと「偉そうに」と悪態をつきます。

「大人しくしてろ。私の顔を潰すな」と父から連絡が入り、ジュウォンは「僕の手を借りず長官になればいい」と呟き、クローゼットを開きます。そこには、ヨ・チュノク、ウィ・スニ、チン・ファリムといった不法滞在者連続殺人事件の被害者の写真と新聞記事、ドンシクの若い頃の写真が貼られていました。

9ヶ月前、ソウル庁外事課ではジュウォンがドンシクの2007年の写真を挙げながら20年前にユヨンが殺害された事件に加え、同日近くの葦原でパン・ジュソンの遺体が見つかり、現在調査中の事件、京畿・江原・釜山の3ヶ所で起きた殺人事件と遺体の状態がそっくりで、ドンシクはマニャン派出所に勤務していると指摘します。広域捜査隊にいたイ警部補がなぜ派出所の巡査部長なんかになっているんだと首を傾げる職員たち。パートナーが死んだ件で左遷されたんですよ、と他の職員が口を挟みます。ジュウォンはドンシクはパン・ジュソン殺害とイ・ユヨン拉致傷害の両事件の容疑者だったと指摘します。
「ユヨンを探しています」という新しく張り直した弾幕を見つめるドンシク。それを車内から見つめるジュウォン。

またホチョルが失踪したため、夜中にドンシクとジフンの応援に葦原へ向かうジュウォン。革靴が泥まみれになるのにうんざりしながら葦を掻き分けます。
芦原でジフンは泥に塗れた女性の遺体を見つけます。駆けつけたジュウォンは指輪から遺体が何者かを理解しますが、白骨遺体を見てなぜか女だと言い当て、「この女を知ってるだろ」と凄んだドンシクに不審感を抱きます。

ジュウォンは「妹のユヨンさんを本当に殺していませんか?」とドンシクに尋ね、ドンシクは不気味に微笑みます。

 

 第2話 消える

<あらすじ>
葦原で指先を切られた白骨遺体を発見したドンシクとジュウォンは取り調べを受ける。
遺体の身元を知っている様子のジュウォンをドンシクが問い詰めるが答えようとしない。
そしてジュウォンは20年前の事件を調べ始め、ユヨンとパン・ジュソンの事件の調書がなくなっていることに気付く。

葦原に来たイム・ソンニョ巡査長は警察官から、葦原付近の監視カメラは作動しておらず、昨年投入した200台は再開発予定の葦原付近にはなく全て市内の歓楽街に設置されていると報告されます。
指先を切られた白骨遺体を撮影するパパラッチ。ジファは通った車を確認するから道路側の防犯カメラの映像を確保するよう部下に指示します。「ソンニョを頼みます」と他の警官に言い置いて去る部下。

霜が降りる前に終わらせないとと急いでテントを張ろうとするソンニョの無計画さを叱責するハ警部補。妊娠中の女性に対して言葉がきついと言われるハ。ジフンは白骨死体なのに計画は必要かと首を傾げます。警官が埋まっていた遺体の下半身の写真をソンニョたちに見せると、遺体の足は袋のようなものに包まれていました。

2000年10月15日、事件現場からドンシクのギターピックが見つかり容疑者として連行されます。

所長は遺体の第一発見者であり参考人のドンシクとジュウォンが取調室ではなく供述録画室で取り調べを受けることに激昂しますが、2人は自ら入ったのだと言われ驚きます。
「ここまでする理由は?」とジュウォンに尋ねられ、「ある警官が俺を疑っているようだから。俺が好きなのか?調査までするなんて」「あなたは覚えていないことが多いですね。遺体の身元は?まだ答えを聞いてない」とにやつきます。

ジファは供述書を作成したのにわざわざなぜここに居座っているのと尋ね、早速取調べを始めます。ポンコツなパソコンを蹴るジファ。「質問する捜査官が調書まで取らなきゃいけないやり方を変えなきゃね、頭の固い判事を説得しないといけないけど。供述書の内容を確認するわね」と葦原に行った経緯を確認します。
「何も問題がないのにどうしてここにいるの?」と訝しむジファに、「遺体は科捜研に?」「遺体の身元は?」とドンシクとジュウォンは矢継ぎ早に尋ねます。現場保存までが2人の仕事だからさっさと帰れと言われ、ドンシクの後を追うジュウォン。

2人を迎えに来たナム所長はホチョルは見つかり家に帰した、ジフンは着付け薬を飲ませて家に返したと話した後、呼び出されると面倒だから先手を打って取調べを受けるなんてと激怒されます。
ソルロンタンをかっくらうナム所長とドンシク。食欲がないジュウォン。「20年前と同じ場所で遺体が見つかったそうね。その子のお兄さんが殺したんでしょ。名前はドンシク!あの時彼を捕まえた人がそう言って…」と店員から言われたナム所長は必死で反論し、ドンシクは店員に自分の素性を明かして狼狽えさせます。

帰宅したドンシクは、ユヨン殺しの容疑者にされた時のことを思い出していました。
「パン・ジュソンの時と同じように指を切って置いたんだろ」と庭に置かれた指を見せられ、ドンシクは「これはユヨンの指じゃない。爪をほうせんかで染めてないから」と泣きながら供述しました。

みかんをお土産に寝たきりになった母の見舞いに来たドンシクはジンムクに葦原での事件を心配されます。「なぜここにいる?店を閉めてまで何をしてるんだ」と言うドンシクに「店は社長と奥様がいなければ始められなかった。恩を返さないと」と微笑みながら母の体を拭き続けます。「それはジンムクさんが努力したからだろ!ミンジョンと食事でもしなよ。また帰らなかったの?」と咎めるドンシク。

老人ホームを出てドンシクが自分のスマホの連絡先一覧を見ると、ミンジョンの部分が「ドンシクの愛するミンジョン」に勝手に変更されていました。「課題をすると嘘をつかずに家に帰れ。クラブまで捕まえに行くぞ」と留守電を残します。

犯罪のない都市を目指して苦労してきたのに、ムンジュ市第2次再開発計画直前になぜあいつ(ドンシク)の名前と遺体が出てくるのよと激怒する女性議員。彼女は庶務班長ジョンジェの母です。議員の椅子に座るジョンジェに「遺体の身元は?」と迫りますが、「科捜研が緊急で処理しても指紋がないから時間がかかる」とため息をつきます。「白骨化してるってことは20年ぐらい経っているの?」と言う母に、ジョンジェは「あれがユヨンの遺体なら20年間事件はなかったってことだね!」と楽しげに笑います。

科捜研の結果はまだですが、ジファは靴好きな部下から遺体は8ヶ月以内のものだと推測を話されます。遺体が履いていたブランド靴は今年初めに発売されてすぐ完売したのだそう。遺体の靴ではないのではとジファは言いますが、靴に残っていた足裏の形が骨格と合うと言われます。白骨化していた割に靴が綺麗なのは両足が黒い袋に入れられていたからで、袋の中も異様に綺麗です。袋に足を入れる前に靴の汚れを落とし、プレゼントを包むように肩リボン結びをしたようです。犯人は頭がおかしいと震える2人。

雨の中パトロールを行うドンシクとジュウォン。橋でうずくまっている男にドンシクが声をかけると、「家から歩いてきた」「足が痛い」と異常に怯えています。ドンシクがびしょ濡れの靴を自分のものに履き替えさせながら身元を尋ねると、「ムナク洞3番地 地下1階 シン・ソックです」もなめらかに挨拶します。知的障害者らしい彼に優しく声をかけて家族を呼ぶドンシク。ドンシクが雨を喜ぶソックに笑顔で傘をさしかけているのを見て、ジュウォンは言葉をなくします。

ジファはマニャン精肉店でジョンジェとドンシクに「遺体はユヨンのものじゃないわ」と断言します。「20年前の殺人犯がまた現れたの?」「模倣犯かも」と話すジェイとサンベですが、報道されなかった下半身の手口までジュソンの時と全く同じだったと言うジファの言葉を聞いて、まさか失踪中の他の人々も同じように殺されているのではとジェイは不安になり酒を煽ります。遺体の身元を調べないとと言うドンシク。

「遺体があると知っていたのか?」「偶然です。僕が殺して埋めたとでも?そうとも言える。餌に使ったんです。上の許可もなくおとり捜査をするためこの女を使ったのに急に消えてしまった。模倣したんですよ。20年前ムンジュ署長が終結させた事件を。なぜ終結させたんですか?」「科捜研が優秀でも身元は分からないだろう。20年前の事件を模倣した、いい考えだ。そうすれば本件は未解決となりこの女に会ったことを知られずに済む。今回のことはいい勉強になったろう。何もしなければ問題は起こらないから大人しくしてろ。身元が明らかになればお前も私も終わりだ。これは命令だ、ハン警部補」とムンジュはジュウォンに2人きりの部屋の一室で命じます。

ジュウォンは頭だけが鹿の警官の絵を描いて遊んでいるジョンジェにユヨンの事件の調書が欲しいと頼みますが煙に巻かれます。怒りに声を荒げると、「事件番号2000-031486 34番の3列」と誦じられ驚愕します。ユヨンの調書を探すジョンジェですが、彼女の前の被害者であるパン・ジュソンの調書もどちらもが1枚目以降なくなっています。「何度か庁舎を移転したからその時になくなったのかも。一度火事もあったので」と無能アピールをしてうすら笑いするジョンジェに「調書全てではなく1枚目だけ残っているなんておかしい」と怒るジュウォン。ジョンジェは忙しくて確認できなかった、20年間も未解決なのは犯人を特定する証拠がないからだ、そんな事件を優先する警官はいないと言い訳します。

ジュウォンはユヨンとパン・ジュソンのどちらの調書の1枚目にも「担当刑事ナム・サンベ」と所長の名前が書かれていることに気付きます。タイミングよくナム所長から「日番の日に警察署の書庫で何をしてるんだ?」とねっとりとした声で電話がかかってきます。
ナム所長に「ここでは秘密なんてない。正攻法でいかないと」とにやつかれ、ジュウォンは「パン・ジュソン…数日前に僕たちが遺体を発見した場所の近くで20年前にも遺体が見つかりました。容疑者はイ・ドンシク、担当刑事はナム・サンベ。ソルロンタン店で主人の話を遮ったのはなぜ?」と尋ねます。しかしナム所長は「それで疑問を抱いたのか?それともそもそもそれを知りたくて異動したのか?ここに来た理由は知らないが大人しくしてろ。ドンシクのために。俺はあいつが嫌いだ。昨日なんて雨の中6時間も知的障害者の親が車で待ってたんだろ?あいつは正気じゃない、使命感なんてないんだ。恨みを晴らしてるんだ。娘が帰ってくるんじゃと毎朝早くから交差点で真冬でも待っていて凍死した父親と指だけ残して消えた妹と凍死した夫を見つけて正気を失った母親の恨みを…。ドンシクはしばらくここを離れてたんだ。ここまで話したんだからもうやめてくれ」と言います。

広域捜査隊の建物の前に立っているドンシク。足の痛みを感じて慌てて痛み止めを飲みます。ドンシクは近くの食堂で同僚と食事を食べながら、「(ジュウォンについて)何か分かったか?」「外事課は口を閉ざしてる。強行犯係・女性青少年係・広域捜査隊にも隠して捜査してたようだ。それなのに外事課のエースであるハン警部補が異動を申請した。ソウルではなく京畿、しかも派出所に。外事課では不法滞在者に関することを担当していたようだ。でも調査していたのが殺人事件なら?」「殺人なら強行犯係の担当大臣。女性青少年係に隠したなら被害者は女。広域捜査隊が担当するなら被害者は1人じゃない。不法滞在の女性だけを狙った連続殺人」と2人は会話します。

その頃、ジュウォンは自分だけの事件プロファイリングに「被害者6 イ・グムファ」と写真を貼り付けていました。
そこに「大人しくしてろと言っただろ!なぜ奴ら広域捜査隊が嗅ぎ回っているんだ」とギファンから怒りの電話がかかってきます。追い出されたのにツテが残っていたのかとジュウォンは唇を噛みます。

ドンシクが介護施設に行くとジンムクが母のそばにいました。「背中に床ずれが出来そうだったから気になって」と布団をかけるジンムクにミンジョンのことを聞くとまだ帰っていないようです。

ジファはドンシクに「科捜研に連絡したけど遺体の身元は分からないみたい」と言いますが、ドンシクは「だろうな」と分かったふうに返します。聞き返すジファに「今から言う番号の位置追跡を頼む。遺体の身元とは関係ないが頼むよ。010-0578-4343 名義人 カン・ミンジョン」と言います。

ドンシクが歩いてジェイの店に向かうと、ガラス越しにジフンがいるのが見えます。ジフンは白骨死体を思い出して食欲がなくなるようです。
ミンジョンはジフンの友人です。ドンシクはジフンに友達に連絡してミンジョンの写っている場所を探せと命じます。ソウルのとあるクラブに来たドンシクはDJのマイクを奪ってミンジョンを探します。ピンクのシャツの男がそそくさと逃げる様子を見て彼を呼び止めるドンシク。ミンジョンはバックルームで泥酔して眠っていました。
「何もしてない」と半笑いの男の首を絞め、ドンシクは「気を失うまで飲ませたことは?泥酔した女を誰でも入れる部屋に放置したことは?手を出してないから犯罪じゃないと?いいですか、カードの利用履歴と防犯カメラの映像を調べればあなたの身元は分かりますよ。気をつけてくださいね」と釘を刺します。

泥酔したミンジョンを派出所に連れ帰ったドンシク。ジフンを子分と呼ぶ彼女に呆れる警官たち。ミンジョンは過去に3回も逃げたそうですが、ドンシクの言うことだけは聞くようです。ドンシクの両親は身寄りのないジンムクの面倒をみたらしく、さらにマニャンスーパーもドンシクの両親が契約をしたため恩義を感じているのだとジフンは説明します。
ジンムクは人と目を合わせられないほど気弱ですが一人で娘を育てています。母親は娘を生んですぐ家を出たそうですが、ジンムクは20年経っても忘れられずその人の写真を財布に入れており、ドンシクが父と母の役割の半分を担っているのだとか。白骨死体事件で忙しいのにと鼻で笑うジュウォンに、ジフンは「仕方ないです。ドンシクさんだから」と微笑みます。

ミンジョンは「父さんには言わないで」とドンシクにお願いをすると警察署で仮眠を取りはじめます。

その晩、皆が帰宅しようとしていた時、ジフンが「釜山の事件に動きが」と声をあげます。ナム所長に言われるがままテレビをつけると、「釜山の失踪女性の内縁の夫が緊急逮捕されていましたが釈放されました。女性を殺害した可能性に重点を置き追求しましたが、殺害したという確証を得られませんでした。今ある証拠だけでは逮捕状を請求できないため捜査を続け容疑者を特定するとのことです」とアナウンサーが報道します。
「死んだ人がかわいそうだ。失踪者の家のトイレから血痕が出たのだからきっと亡くなっています。内縁関係をかくしたがっていたという動機もあるし」と言うジフンに、ナム所長やジュウォンは「血液の量は多くないし死んでいないのでは」と希望的観測を話します。そこにドンシクが「韓国で遺体のない殺人は起訴できるか?」と口を挟みます。ジュウォンが「不可能です」と言うと、「そう、逮捕状を請求しても棄却される。判事たちがよく言うだろ、”合理的な疑いを排除できないので”。法に従うしかない」と返します。
「遺体が出なければ未解決事件になるな」と警官の一人が言うとナム所長がしまったという表情でゴミを投げつけます。
しかしその間にミンジョンはこっそり仮眠室を抜け出していました。

「落とし物です」と警察署に落ちているミンジョンの家の鍵とドンシクを交互に見るジュウォン。川辺にいるミンジョンはドンシクからの電話に家に帰ったと嘘をつきます。マニキュアを落とし忘れたミンジョンはふと川辺から妙な音が聞こえることに気づき、そちらに向かってにっこりと微笑みます。
その後、ミンジョンは口にガムテープを貼られ、隣で包丁を研がれて泣いていました。

マニャン精肉店にまた来たドンシク。ジンムクはミンジョンが帰ってきたお祝いに警察署員たちを呼んで会食を開きます。ミンジョンの先には誰もいません。ジンムク自ら炭火で肉を焼きますが、見ていられないドンシクは彼からトングを無理やり奪います。ミンジョンは課題のために何日も徹夜していたから呼ばないでと頼むジンムク。ジョンジェは「肉なんて食えるかな。酒を飲んでたから呼べないんだろ」と空気を読まない発言をしてジンムクを落ち込ませます。

ナム所長は「4日前、ムンジュ川で遺体が見つかった。身元も年齢もわからない身元不明の遺体だ。一つだけ確かなことは死の間際に警官がいなかったこと。同じことが起こらないよう必ず犯人を捕まえよう。被害者のために黙とう」とみんなに呼びかけます。酒を煽る警察官たちを冷たい目で見回すドンシク。

ドンシクが帰宅すると、なぜかジョンジェが家に上がり込んで待っていました。「さっきは様子がおかしかったな。今日は泊まっていくよ」と勝手に決めるジョンジェ。「ボイラー室は地下か?」とジョンジェが足を向けるとドンシクは行手を遮ります。「そこにユヨンの調書が?パン・ジュソンの調書も消えた。お前の仕業か?ハン警部補が気付いたんだ」と詰め寄るジョンジェに、壁いっぱいのユヨンの新聞記事を指して「俺じゃない!あれだって母さんのために破ることもできない!」と怒るドンシク。ジョンジェは突然笑い出し、「庶務班長として確認しただけだ」と帰ります。ドンシクは家を出ていくジョンジェの後ろ姿をカーテンの隙間から見つめます。
地下室に行くドンシク。じゃばらカーテンの向こうには大量の事件関連の写真や資料が貼られています。

翌朝、ドンシクが朝のジョギングをしようとすると家の陰にジュウォンの車が止まっており、ドンシクは睨みつけます。車から出てきたジュウォンは「管轄内の地理を覚えているんです」と嘯きます。ドンシクは「運がいいね。元の場所にすぐ戻ることになるから。朝早くから予習までしてるので」と謎の言葉を吐きます。
ジュウォンを伴って場所の説明をするドンシク。「ここらに空き家はないですか?越して来ようかと」と言うジュウォンに「すぐ戻るのだから引っ越さない方が」とドンシクは言いますが「この辺りに住みたいんです」とジュウォンは言葉を遮ります。「俺のどこが好きなんですか。警官としてではないだろうから…容疑者として?」「イ巡査部長は俺のどこが好きですか?外事課で何をしてたのか知りたいんでしょ」と2人は睨み合い笑います。

ドンシクが見つめる先にはジンムクのスーパーがあります。突然表情をなくし歩き出したドンシクに不審な表情を向けるジュウォン。店先には10本の指先が並べられていました。それは明らかにミンジョンのネイルと同じです。ドンシクは指を見て「ミンジョン」と号泣し始めます。慌てて通報しようとするも、ドンシクから目が離せないジュウォン。

ある晩、黒ずくめの何者か(ドンシク?)がミンジョンの指を一本ずつ黒い袋から出して台に並べていました。

 

 第3話 笑う

<あらすじ>
マニャンスーパーの前でミンジョンの指先を発見したドンシクとジュウォンは、ムンジュ署で参考人として聴取を受ける。
だがジュウォンは被害者のミンジョンと親交のあったオ・ジファが捜査を担当することに反発する。
一方、ミンジョンのにおいを追っていた警察犬がシムジュ山で飛ばし携帯を発見する。

マニャンスーパーを取り囲むパトカーとマスコミ。ジンムクは商品は何もかもあるけれどミンジョンがいない、助けてくださいと所長に泣き縋ります。
派出所には記者たちから犯人の身元に関する電話が殺到。その頃、精肉店員のジェイは肉を切る時に嘔吐感を催すようになっていました。
ジョンジェは「20年前と同じなの?」という母からの執拗な電話を無視します。
ジファから「供述録画室に来て」と留守電が入ったのを横目に確認し、ホワイトボードに「被害者7 カン・ミンジョン」と書き足すジュウォン。
ドンシクは地下室の壁から過去の資料を次々引き剥がしていました。

ムンジュ署の書庫では、ジョンジェの制止も聞かず、ドンシクが席を外してくれと懇願します。ジュウォンが書庫に近づくと、車庫内ではジョンジェが「ミンジョンの件はお前が殺したのか?」と問い詰めているところでした。しかし間の悪いことにジュウォンの携帯が鳴ります。
ジュウォンが書庫から去ったのを見届けたドンシク。「あれは何なんだよ?」と車庫を指差して尋ねるジョンジェに、「お前がここにいる方が問題だ。お前はここにいなかった。いいな?」と答えるドンシク。

供述録画室に来たドンシクとジュウォン。既にジファは席についています。ミンジョンはまだ殺されたと決まってもいないのに、ドンシクは「何か出てきたか?」とジファに尋ねます。ジファは訝しみながらも「みんなあのスーパーで買い物するから容疑者は特定しづらい。指紋も科捜研に頼んでいて数日かかるだろうけれど多分これまでと同様に何も出ないわ」と返します。

ジュウォンは被害者のミンジョンと親交のあったジファが捜査を担当することに反発。さらにドンシクは本件の捜査から外すべきだと強固に主張します。警官は事件に私情を挟んではいけないし、20年前の容疑者に事件の内情を話すなんてと憤ります。
「20年前の事件が再び行われ、しかもその人(ドンシク)は今回2件の参考人かつ第一発見者です。おかしい」と言うジュウォンに、「合理的な疑いをかけられるのはあなたもだ。20年ぶりにこの街に来た。ユヨンの調書を盗んだのはあなたでは」と言うドンシク。静かに激怒するジュウォン。
ジュウォンはソウルでギファンと会食し、ドンシクに模倣犯に仕立て上げられそうになったから大人しくしていられないと文句を言いますが、アリバイをうまく答えられなかったことがばれてしまい、ドンシクの方が理性的だ、感情的で分別がないと叱責されます。
しかしジュウォンは怯まず、「今日の書庫の映像を渡してくれればドンシクを捕まえる」と不敵に言い放ちます。

地下室にカメラをつけ、おもむろに床掃除を始めるドンシク。
ジョンジェとジファがジンムクが心配し、ジェイ特製のお粥を持って会いに来ます。「この20年間指先のないユヨンを見た人が誰もいないってことは死んだんだ、そうだろ?」と瞳孔を開いて取り憑かれたように言うドンシクに、「だからあの時(尋問時)、ミンジョンが死んだと確信した質問をしたのね」とジファはため息をつきます。「ミンジョンの遺体も出てこない。あいつには返す気がないんだ」と笑うドンシクを、二人は気味悪げに見つめます。
ドンシクの家を出たジファとジョンジェ。20年前のジファはドンシクを犯人だと疑っていましたが、今は違うと断言します。そして「20年前はどうしてすぐにいかなかったの?」とジョンジェに聞くジファ。ジョンジェは表情を凍り付かせます。

ジュウォンはグムファに「ドンシクがマッサージ店に来たら1と電話してくれ」と追跡アプリ入りのスマホを渡します。判事に令状請求する時に不法滞在中のグムファの名前が知られないようにという配慮です。グムファは足元を見やがってとイラつきつつ受け取ります。グムファ失踪当日、「警官で」「Hミ」「111111…」と3通ものメールが届きました。

シムジュ山では暗くなる前にと警官たちが捜査を切り上げようとしていたところ、ミンジョンのにおいを追っていた警察犬が何かを発見します。

ジュウォンのもとに新着メールが届きます。添付ファイルは書庫内と書庫前の廊下の監視カメラの映像です。どちらにもジョンジェが書庫に何かを戻す様子が写っています。
翌日ジュウォンが書庫に行くとユヨンとパク・ジュソンの調書が戻っていました。「他の段ボールに混じっていたから戻した」と言うジョンジェに、ジュウォンは「ドンシクと共犯なんだろう」と凄みます。

2000/10/22、取調べ中にナム所長(当時は刑事)から「共犯になるぞ」と言われても、ジョンジェは「ドンシクとは日が昇るまで一緒に酒を飲んでいました!本当です!」と懸命に証言し続けていました。

自分は20年前の事件の容疑者だからしばらく休職すると言うドンシクを止めるナム所長。「逆らうとあの時のように殴るんですか」と半笑いのドンシク。今も昔も犯人を捕まえるには自白させるしかない。怪物を捕まえるには怪物になるしかない」とつぶやきます。
そこにジョンジェからドンシクにジュウォンが書庫に来て共犯だろうと脅されたことを打ち明けます。

その後、珍しくジュウォンが運転しパトロール経路を外れてマニャンスーパーに向かいます。車内で資料を隠したことを問い詰めるジュウォン。
そこでジファからジュウォンに署に戻るよう電話が入ります。供述録画室にて、「マニャンにきたのは16日前が初めて」と言うジュウォン。しかし警察犬は山でミンジョンの臭いがする通話履歴のない飛ばし携帯を発見し、さらに送られた3件のメールは全てジュウォンに送られていたとジファはメールの文面を見せます。
グムファに渡したはずの携帯を見せられ、本当にミンジョンを知らないのかと再度問われますが、ジュウォンは知らないと言い張ります。「じゃあこの携帯は誰のものなの?」と問われ、言葉を失います。

デジタル証拠分析結果(グムファの携帯の件)を聞いて激怒するギファン。ギファンはジュウォンを庇うクォンに、彼が熱望する刑事2部部長の席をちらつかせ、科捜研の結果を報告するよう命じます。「刑事2部には既にエースがいるのでは」と戸惑うクォンに、「エースは私が作る」と言い放つギファン。ジュウォンがやらかしたおかげで昇進できるとクォンは大喜びです。

ジョンジェの母、ト・ヘウォンは「ムンジュ市で事件があったので」とムンジュ警察署の外事課に顔を出します。警官たちは迷惑そうですが必死で歓迎ムードを取り繕っています。警察署に来たジョンジェは、母の名前が書かれた車と足の悪い男・JL建設のイ・チャンジン代表を見つけ、慌てて署内に入ります。
「最近は物騒だから自治体警察を公約に入れるべきかしら。私が市長になった暁には必ず実現してみせますからね」と長々と演説する母を署内から追い出し、「あいつを呼ぶな」とチャンジンのことを指摘しますが、ヘウォンは「あの人には久しぶりに連絡したわ。それにここに来たのはあなたのせいよ」と責任転換します。

ジファに親しげに話しかけるイ・チャンジン。ジファは離婚した彼の元妻です。運転免許証の更新罰金2万ウォンを支払うために警察署に来たそうですが、なぜ居住地なソウルでなくマニャンに来たのかと訝しむジファ。実は彼は20年前にジファとマニャンで出会い、その時できなかったことをやりたいからだと自分の名刺を彼女に押し付けます。キスしようとしてくる彼をジファは押しのけますが、勘違い男チャンジンは「照れちゃって」とにたにた笑いながら去っていきます。ため息をつくジファ。

ジュウォンはクォンからバーに呼び出されます。「君のお父さんに頼まれた。この封筒には科捜研の結果が入ってる。何があった?」と茶封筒を差し出すクォンに、「担当検事には話せない」と睨みつけるジュウォン。「先週お前が発見した遺体のDNAが、携帯から出たぞ」と言われ、驚愕します。
ギファンは「自分の携帯でメールを受け取るなんて、そんなに自分の手柄にしたかったのか」とジュウォンに資料を投げつけ激怒します。「僕に関するものは他には出てない。不法滞在者の女と僕の関係がばれるはずない。全ては推測だ」とシラを切るジュウォンですが、「外事課がマッサージ店の事件を調査してたと知られたら女の身元がバレる。マスコミが嗅ぎつけたら有害でなくとも終わりだ!お前のせいで長官の座は得られない!」と凄まれます。震える手で資料を見るジュウォン。「なぜ山にあったんだ」とつぶやきます。

派出所では、「山からは他には何も出なかった」「ミンジョンの携帯じゃないしおかしい」と警官たちが噂話をしています。ファンはジュウォンがムンジュ署に選ばれた理由は…と携帯からDNAが検出された話を胸を張って話していましたが、そこにジュウォンが現れ、休職すると宣言します。派出所の前でドンシクは彼を呼び止め、「今までお疲れ様でした」と言った後に笑います。「笑ったのか?邪魔者が消えて嬉しいか?これで自分の好きなようにできると?僕はあなたの前から消えない。必ず捕まえてみせる」と胸ぐらを掴むジュウォン。しかしその一部始終は監視カメラに映っていました。不敵な笑みを浮かべるドンシクに怒りを抑えられません。

ジュウォンは一人でシムジュ山へ行き、山の監視カメラをチェックして回ります。道以外にカメラは設置してないという村人。登山道の駐車場に定期的に行く車を見かけないかと尋ねると、「この辺は空き地ばかりだからわざわざ上まで行かないよ。家の近くに停める」と言われます。
山を登ると、頂上付近に停まっていた車にカメラが搭載されています。カメラの録画リストを再生してみると、ドンシクが山を登りあたりをきょろきょろと見回す様子が写っており、ジュウォンは彼が殺人犯であると疑惑を深めます。

ドンシクの家に向かうジュウォン。家の裏に地下室の入り口を見つけこっそり入ると、床には漂白剤が置かれています。ドンシクが取り付けた監視カメラには、ジュウォンがはっきり映っていました。ジュウォンは地下室の荷物を漁り始め、ある家具に血がついているのを見つけ、ここが殺人現場だと確信します。その一部始終。スマホで確認するドンシク。

「どうしたんだジファ」「何かの間違いだ」と騒ぐナムたち。ジファは「ミンジョン拉致および傷害容疑で逮捕する」とドンシクに手錠をかけます。

ドンシクの家は捜査対象になり、ジュウォンは追い出されます。「ドンシクを緊急逮捕、署に移送中」と連絡が来て、ジュウォンはにやりと微笑みますが、同じ頃ドンシクもパトカーの中でにやついていました。

 

第4話 泣く

<あらすじ>
ミンジョンの失踪事件の容疑者として緊急逮捕されたドンシク。
家の地下室からミンジョンの血痕が見つかったのだ。
しかし血痕は1滴しか見つからず、別の場所で犯行が行われたと考えたジュウォンは、ジェイの店を家宅捜索する。

科学捜査班がドンシク宅の地下室へ行き、監視カメラも押収します。
ムンジュ警察署の前には記者がたむろしておりドンシクを輸送する車は署内に入れません。チョルムン署長はクァク係長にどこから情報が漏れたのだと怒鳴ります。車を運転するドス刑事に裏門から行こうと提案するドンシク。
無事裏門から署内に入れましたが、廊下にいた記者たちが一斉に群がります。しかもドンシクは警官の制服を見せつけたため、警官が拉致事件を起こしたのかと記者たちは大騒ぎ。にやにやと笑うドンシクに慌てて毛布を被せるジファ。

ハとソンニョらはドンシクの地下室からミンジョンの血痕を探し出しましたが、たった1滴しか見つかりません。クァク係長のもとにナム所長とジュウォンが駆けつけ、ドンシクの供述記録室を見に来ます。
ドンシクは飛ばし携帯なんか知らない、ハン警部補に聞けと言います。袋麺をなぜ山頂に持っていったのかと聞かれるも、非番の日に登山するのは習慣だし、テンテン麺は麺が細くて食べやすいからと煙に巻くような話し方をします。しかし「緊急逮捕してきた奴を記者に見せた、犯人という確証もない奴を連れてきた韓国警察を見せた」と言う彼に、頭に血がのぼるドス。
地下室にミンジョンの血痕があった理由と漂白剤と洗剤で掃除した理由も聞かれますが、ドンシクは「このタイミングで掃除したことを疑ってるのか?漂白剤と洗剤で洗えばルミノール反応が出ないと?素人かよ!指を切ったなら他にも血痕があるはずだろ」と挑むように言います。
血1滴のために緊急逮捕するのか、ドンシクの地下室の監視カメラに指を切る映像はあったのかとクァクに怒るナム所長。

別の場所で犯行が行われたと考えたジュウォンは、ジェイの店を家宅捜索するよう提案します。ジェイの母が失踪した時にも、店の前を通る人々から「父が亡くなって母が失踪したそうよ。浮気したんじゃ?」と好奇の視線に晒されました。事件を掘り返され苦しむジェイ。

ジェイは派出所に出勤してきたジュウォンの車と本人に生卵を次々ぶつけます。「ドンシクと親しくしてたあなたが悪い。あなたは随分楽に生きてきたようですね」とせせら笑うジュウォン。「無実の人を犯罪者に仕立て上げたくせに卵で汚れたぐらいで怒ってるの?真実を明らかにする?望むところよ」と激怒する言うジェイ。ジュウォンは「楽に生きてる人なんていない」とナム所長に釘をさされます。
ジファはジェイを庇い洗車しジュウォンを怒らせますが、ジファは「あなたが手を出したから悪いんだ」と暗い目でつぶやきます。

ジェイの使っている肉切り包丁のハンドルから唯一出た人間の血痕は、ハン・ジョンイムの血痕だけでした。

クォンは検査結果の書類を見せて「逮捕から48時間経つから証拠がないなら自白を取らないと。緊急逮捕を後押ししたお父さんと礼状を請求した俺は赤っ恥だ。事件から手を引け、お前のためだ」とジュウォンに言います。にんまり笑い去っていくクォン。ジュウォンが失踪したジョンイムの連絡先を検索すると、それはマニャン精肉店の番号でした。
マニャン精肉店の評判はガタ落ちです。ジェイは「お母さんがなくしたものを全部取り戻して、お母さんが帰ってきたら私はここを離れる。お母さんに渡したら振り返らないから」と捜査のポスターを抱きながら泣きます。それを店の外から見るジュウォン。

ジュウォンは拘置所のドンシクに会いに行きます。ドンシクは「会いたかった」と嘯きます。「情が深いから被害者たちと仲良くしていたんですね。情という罠だったんだ」と嘲るジュウォン。しかし、ドンシクに「飛ばし携帯の女性はあなたが用意した罠だろ?あなたから死に追いやられたことを彼女は知ってたのか?」と檻越しに言われ、ジュウォンは固まります。

署長と係長から情報漏洩元を探せと言われイム記者に執拗に尋ねる一人の警官。それを見て、ジファは「内通者を探せと言われたの!?電話を今すぐ切って」と激怒します。
そんな時、ドンシクのもとにジンムクが面会に来ます。肉の煮付けを持ってきたと言う彼。なぜそこまでとドンシクが言うと、「ミンジョンは帰ってくるから元気でいて欲しい」とジンムクは返します。そして「あなたは絶対に違うと俺には分かる」と泣き出したのです。「食事を抜かないで。しっかり食べて、ぐっすり眠って、薬も飲むんだよ」とジンムクに言い残すドンシク。

その後、ジンムクからドンシクを釈放してほしいという嘆願書がジファを通して届きます。「ドンシクが犯人という確証がありません。緊急逮捕は間違っていた」とジファは言います。逮捕状も請求できないのは無能と認めることになる、無実の警官を誤認逮捕したということか、犯人だったら48時間経たないうちに釈放したということになると激怒するチョルムン。
と、そこに現れるジョンジェ。ミンジョンが失踪した夜、ジョンジェがドンシクと一緒にいたと証言し、3人は呆気にとられます。
「ト議員はこのことを知っているのか!?遺体が見つかり未解決になったら捜査妨害の責任を取ってもらう」とクァクは怒ります。ジョンジェもドンシクを疑っていたはずです。しかし親友を疑えるはずがないとジファに言うジョンジェ。
実は20年前の事件でも、ドンシクが釈放されたのはジョンジェがドンシクのアリバイを証言していたからでした。「今回もなぜドンシクはあなたと一緒にいると言わなかったの」と言うジファに「20年前と同じだから。供述書をとって解放してくれ」とだけ言ってジョンジェは去ります。

密室で会食するギファン・ヘウォン・チャンジン。「息子さんは嘘の証言をしたわけではないが、先に知っておきたかった」とヘウォンに微笑むギファン。チャンジンはムンジュ市の再開発を成功させたいので殺人事件などで白紙になれば困る、ヘウォンは議員が市長になる確率が落ちる、ギファンは飛ばし携帯から息子の番号が出たので失踪事件から人々の興味が失せればいい…と、3人共今回の連続殺人事件にうんざりしていました。
チャンジンは「うまく処理するから警察側にも協力をお願いします」とギファンに言うと、「Kさんの件、始めてください」とメールを打ちます。「後でニュースを見てください。ドンシクには何もできませんよ」と2人に笑うチャンジン。

釈放されたドンシクを待っていたジョンジェ。ジョンジェが嘘をついていたことを、こっそり停めていた車の中から知るジュウォン。
2人がソルロンタンの店に行くと、「あんたに食べさせる料理なんてない!再開発の話を潰しやがって!地価が下がったら責任を取れるの!?」と老婆に塩をかけられます。
ジェイの店に行くと、ニュースではミンジョンは女子大生ではなくホステス、クラブで遊んでいた家出娘だと悪意あるインタビューが報じられていました。それを見てなぜか爆笑するドンシク。店の外からドンシクを見つめるジュウォン。

ジュウォンはドンシクの家に勝手に上がり込みます。「俺がすまない、ミンジョン」と地下室に置いたテレビを見ながら泣くドンシクに銃を向けるジュウォン。
「3年前のイ・サンヨプ警部補の死亡事件、パートナーのあなたが殺したという噂が」とジュウォンが言った途端、ドンシクは足の付け根を押さえ呻きます。どうにかドンシクから自白を引き出そうとジュウォンは携帯で録音をしていますが、「強要された自白は法廷で拘束力がありませんよ。そこに隠しカメラもある」とドンシクは言います。しかしジュウォンは映像を消せばいいと不敵に笑います。

「20年前も完璧だったのはアリバイが登場したからだ。今回も完璧だ。カン・ミンジョン事件では俺を捕まえられない。10年前に失踪したハン・ジョンイム、証拠はあるかな?本当に失踪者か?あの飛ばし携帯、この人の身元がバレるとあなたはまずい。あなたはここでどうすべきかな」とジュウォンに問いかけるドンシク。銃を構えるジュウォンに、「心臓か頭を狙え。殺し損ねたらあなただけでなく父の人生までめちゃくちゃになる。実習だと思って撃ってみろ」とドンシクは言うなり、自分の額に銃口を当てさせます。ドンシクは微笑んでいます。「今までご苦労様」と言い、ドンシクは去っていきます。ジュウォンは思わず銃を下ろし、過呼吸になり、慌てて地下室から出ます。

同じ頃、緊急逮捕の情報を漏らしたのは、ドンシクだと公表したかったジファだとジファが突き止めます。その時、ジファの携帯にファン警部補とチョ巡査部長から「ニュースを見て」と連絡が入ります。

ジュウォンはムンジュ警察署前にたむろする記者たちの前に進み出ると「最初に事件が発生したのは2000年、20年にわたる連続殺人事件の可能性が高いのです!」と高らかに提起し、警察署内から警察官たちが慌てて出てきました。
ニュースを見ていたドンシクはにやりと笑い、そこにジュウォンが訪れます。「自爆か?」と言うドンシクに「元の場所には戻らない」と返すジュウォン。
資料紛失の時にドンシクが言った、「誰がやったのかがそんなに大事なことか?」が気になるジュウォン。「誰がやったのかがなぜあなたにとって大事じゃないんだ?誰が殺した?あなたが庇っているのは誰なんだ?」とドンシクに問うジュウォン。

 

第5話 だまされる

<あらすじ>
ジュウォンは20年にわたる連続殺人事件が起こっていると記者たちの前で主張するも、父親であるハン・ギファン次長が記者会見を開き、その主張を否定する。
一方、カン・ジンムクはムンジュ市の開発関連のイベントに出席し、娘であるミンジョンの事件のせいで開発が中断することは望んでいないと発言する。
ジンムクを止めるためイベントに駆けつけたドンシクは、ト・ヘウォン議員とJL建設のイ・チャンジン代表に対面するのだが…。

「あなたが死ねと背中を押した女性はイ・グムファというのか」と言うドンシクに、「自分が犠牲になってまでそいつを庇うのか」と問い詰めるジュウォン。派出所のメンバーを1人ずつ挙げていき笑うドンシク。
その時、父親であるハン・ギファン次長が記者会見を開き、ジュウォンの主張を「ごく個人的見解だ」と否定します。「お父さんに見放されたね」とドンシクはつぶやきます。

2人との食事の席は最後だと言うギファン。息子の発言を謝罪し殺人を失踪だと裏付けたことでムンジュ市のためにやれることはやったと言いきり、その場を後にします。ギファンに会いにきたジュウォンは声をかけますが無視されます。
チャンジンは「誰かとは違って息子を自分の手で切れるのは流石」とヘウォンを引き合いに出します。

ジェイの店で泥酔しているジョンジェを迎えにきたドンシク。「女たちが俺を呼ぶ夢を見るから眠れない」と言うジョンジェ。
ジェイは18歳の時、「あんたの母親が釜山のモーテルから出てきた」と聞いて飛んでいき、泣きながら探し回ったことがありました。それ以来、身元不明の遺体を見ることにも「あんたの母親はどこぞの男と駆け落ちした」と罵倒されることにも慣れたと疲れたように言います。
ジフンはドンシクが来るなら店に行かないとジェイに連絡し、ジョンジェはドンシクに「本当にミンジョンを殺してない?」と鹿の絵を差し出しながら尋ねます。

ジンムクかミンジョン失踪事件のニュースを見ていると、ヘウォンの秘書・チャンから電話がかかってきます。

自宅に帰ったジュウォンはギファンに暗証番号を変えられ、家に入ることすらできません。派出所に向かったジュウォンはJSBのイム記者から「監査官室にさまざまな情報提供があった。あなたのような優秀な人がなぜこんなところに?」と言われ足を止めます。
ジュウォンのせいで無能揃いだと悪く言われたにも関わらず、派出所のメンバーは全員で彼を守り記者を追い返します。「これがマニャンのやり方です。内輪で揉めていても外から敵が来たらひとまず庇う」と説明するドンシク。
「その警官は見たことないと言ったでしょ」というグムファの言葉を思い出し、ドンシクではない警官が殺人犯か?と考えるジュウォン。

一方、ジンムクはムンジュ市の開発関連のイベントに無理やり登壇させられ、娘であるミンジョンの事件のせいで開発が中断することは望んでいないと発言します。そこに怒り狂ったドンシクのパトカーが突っ込んでいきます。
ジンムクを止めるためイベントに駆けつけたドンシクは、壇上から彼を下ろします。
「20年前も邪魔したのに今回も邪魔するのか!マンションの値段が上がらない!再開発が始まるタイミングで小娘が消えるなんて良い迷惑よ!あんたは自分の妹も殺したんでしょ!」と叫ぶ民衆たち。ヘウォンは仲裁に入り「20年前もあなたのその性格のせいで私たちは苦労したのよ」と微笑みます。20年前、「息子ためなら何でもする。今度ジョンジェに近づいたら殺すわよ」とドンシクに凄んでいました。ドンシクは「20年前も今もジョンジェが俺に縋り付いているんです。知ってるでしょ。ジョンジェは俺が手を離したら終わりだ」と囁きます。

チャンジンはSPたちにドンシクを引っ立てさせますが、3回警告しても離さないので暴れ始めます。「強行犯係に通報しろ」と言うチャンジンの前にジュウォンが登場し、「集団暴行容疑で現行犯逮捕します。公務の執行中です」と法を引き合いに出して警棒で戦います。ドンシクが「暴行教唆容疑で現行犯逮捕します」と言うと、チャンジンは大人しく手を差し出します。

派出所でジファへの愛をつぶやくチャンジン。ジュウォンが乱闘騒ぎを起こす動画がネットに上がり、ギファンは激怒します。「次長としてジュウォンとの通話記録が残るとまずい。俺に任せてください」と言うクォン。ギファンはチャンジンに電話します。

供述記録室に座っているドンシク、ジュウォンのもとに来るジファ。ジファはチャンジンが示談に応じると言ったと伝え、ドンシクは代わりに動画を消すよう言います。2人きりの時にジファに「ジフンに何かあったのか」と尋ねるドンシク。ドンシクはまたジフンが引きこもっていないかと心配します。

ドンシクを引き止めたジュウォンは「集団的暴行は示談しても処罰が可能です。なのに示談で済ませた理由は目的を達成できたからですね。ジンムクさんに二度と手を出さないようにト議員にあんなことを?」とヘウォンに言った言葉を一言一句そのまま繰り返します。「もし俺とジョンジェの間に20年間人を殺し続けてきた特別な事情があったとしたら、あなたはどこまで行けますか?あなたの好きな法と原則を破れますか?」と言うドンシク。「人を死に追いやっておいて都合のいい時だけ法と原則を守るなんて、ずいぶん楽な生き方ですね」と言い去るドンシク。ドンシクはかつてのパートナー、サンヨプのことを思い出します。

クォンに呼び出されるジュウォン。クォンは「監査官室のハン警部から連絡が来るから調査を受けろ。”聞き込み捜査中に会った1人のようです。名刺にある電話番号にメールを送ったようですか理由は分かりません”と答えれば嫌疑無しで終わるだろう」と指示します。ジュウォンは「父さんが本当にそんなことを言ったのか?」と疑い、ドンシクの言葉を思い出します。事情があるなら俺に秘密を打ち明けろと言うクォンを煙に巻くジュウォン。そしてジョンジェの経歴を調べてくれと頼みます。

イム記者は早朝にドンシクの家の前で待ち伏せをし、「先週警察署で車を降りる(ミンジョン殺害容疑で捕まった)のを見た」と言います。「情報提供者は誰だ」とドンシクは迫ります。

ジョンジェのことを考えながらジュウォンがが自宅でトレーニングをしていると、メールが届きます。

ジフンはドンシクに呼ばれて地下室へ来ます。「なぜ俺を売った?俺は写真を撮られて顔が売れたぞ」と言うドンシクに「違うんです。ミンジョンを殺したのはドンシクさんじゃないから」と言うジフン。

ミンジョンが失踪した日、ミンジョンはドンシクとの電話を切り上げると向かいから来ていたジョンジェに声をかけます。しかしその近くにジフンもいたのです。「送り届けに来た」とジョンジェは言って、2人は消えていきました。

ジフンは「2人とも犯人じゃないと記者に伝えたんだ、でも理由を話したらミンジョンのストーカーだと思われる。僕はミンジョンのストーカーじゃない!」と泣きます。「ミンジョンが最後に会ったのはジョンジェだと言うな。これ以上何も話すな、お前が傷つく。俺が何とかする」と言うドンシク。
ジフンがドンシクの家を出るところを、ドンシクの家の裏手で待ち伏せしているジュウォンが見ていました。

そして勝手に地下室に入り、ドンシクに「なぜあんな人間を庇うんです?ユヨンさん失踪事件の後にジョンジェは何を?」と尋ねます。「予定通りアメリカに留学した」と答えるドンシクに、ジュウォンは「鹿を殺したと言って大騒ぎしていたようですね」と4年間精神病院に強制入院したカルテを見せます。
「あなたたちは共犯でしょう」と言うジュウォンに、「断片的な情報だけで意気揚々とここに来たんですか?ユヨンとミンジョンを殺し俺を共犯にした証拠は?また銃で自白を迫りますか?」と言うドンシク。
なぜ僕にこんな仕打ちをするんだと言うジュウォンに、「イ・グムファ、彼女の遺体を引き取りに来た遺族はいないそうだ。あなただけは忘れちゃだめだ!彼女を死に追いやったことを」と迫るドンシク。「僕の囮捜査のせいで殺してしまったから犯人を捕まえたい!それじゃダメなのか!僕のような奴がまた誰かを殺す前に僕が犯人を必ず捕まえてみせる!だから教えてくれ。僕のことを信じなくてもいいから!誰なんだ!」と涙するジュウォンから目を逸らすドンシク。

しかし実はジョンジェとミンジョンが帰っていく様子を見ていたのはジフンだけではありませんでした。ジンムクも見ていたのです。

 

第6話 だます

<あらすじ>
ジンムクはドンシクに電話をかけて、ジュウォンの連絡先を教えてほしいと頼む。
それはミンジョンの事件の捜査を依頼するためだった。
そしてジュウォンはジンムクの証言を録音する。

ムンジュ警察署総合相談室に来たジンムクはお手製のキムチを持ってジファに会いに来ます。捜査に何も進展はないのに、「ミンジョンを探すのに皆に迷惑をかけているから。ごめんなさい」とジンムクは何度も謝り、ジフンは思わず泣いてしまいます。ジンムクは自宅で「父さんと永遠に過ごすことになるね」とミンジョンの写真に向かって話しかけます。

ミンジョン失踪当日 2020年10月23日、彼女は派出所を抜け出すも、その道中でジョンジェに「迎えに来てよ」とLINEを打っていました。ミンジョンが落とした鍵を片手に、ドンシクは自分がミンジョンに電話をかけておくとジフンに言います。
ナム所長とグァンヨンとギルグはジェイの店で食事をする予定です。ドンシクを車で尾けるジュウォン。ドンシクは帰宅途中にミンジョンに電話をかけますが、その時ちょうどジョンジェが現れ電話は切られます。足の痛みに襲われ、痛み止めを噛み砕きます。
ドリンク剤を渡そうとミンジョンを追いかけていたジフンはジョンジェと帰るミンジョンを見て踵を返します。
ジョンジェの隣でミンジョンは「早く帰りたくない。お父さんが…鳥肌が立つ」とつぶやき、それを聞いたジンムクは走って帰宅します。
ジンムクの脳裏に拘束したミンジョンの隣で包丁の刃を研ぐ自分の映像が映ります。

ジュウォンは「あなたが庇ってる奴の名前を言ってくれ」と乞いますが、ジンムクからドンシクにジュウォンの連絡先が知りたいと電話がかかってきます。ドンシクがジュウォンに電話を代わると、ジンムクはジュウォンにミンジョンの事件の捜査を依頼します。
ジンムクは「ジファを信じていないわけではないけれど、誰も自分に話してくれません。ジュウォンは優秀な刑事だと聞きました。自分は何も持っていない父親だからお願いします」と泣きながら懇願します。トイレに置いてあるカゴを見て、違和感を覚えるドンシク。
ミンジョンの事件なのに率先して動かないのはジファを庇っているからかとカマをかけるジュウォン。事件の翌日、書庫でジョンジェとドンシクが話していた映像が消されていたので、ジュウォンはそれも含めて調べると言います。

ジュウォンは失踪当日からのジンムクの証言を録音します。
7時過ぎにミンジョンが帰宅。ジンムクは焼肉に誘うもすげなく断られ、ジフンから7時11分に電話を受け、ジフンは8時33分にマッコリを買いにマニャンスーパーに来ます。その時ちょうどナム所長から電話がかかってきて、一緒にマニャン精肉店においでと誘われます。11時20分にジンムクと共に退店し、一緒に帰宅しました。翌朝早朝まで何も音が聞こえなかったので娘の部屋を開けなかったそう。
ここでジュウォンは、ドンシクがジンムクと一緒に帰宅したアリバイがあるのに供述記録室で離さなかったことに違和感を覚えます。

ジュウォンはミンジョンの部屋から何がなくなったのか尋ねると、ジンムクは携帯だけだと言います。ミンジョンの部屋を開けるドンシク。財布もバッグも全部あったけれどジェイが買ってくれた長いタオルがないと言うジンムク。
ジュウォンはジェイにそれを確認しに行きます。ジェイは「いつもバスケットの持ち手に結んでいた緑色のタオルが確かにない」と証言。「全員を疑うのが僕の仕事です」と言うジュウォンに「誰を疑ってるのかわかってるんですか?ドンシクさんは違うのに」と言うジェイ。母を求めて全国を探し歩いたジェイに「私は探さなかった」と意味深なことを言うジュウォン。その時、クォンから電話がかかってきます。

クォンは監査官室の捜査日程と失踪事件の捜査記録・10月24日15時から翌日午後22時までの署の防犯カメラ管理室の入退室記録の閲覧要請についてギファンに報告します。クォンはギファンの顔色を伺って自分が止めると言いますが、ギファンは情報を渡して目的を知ってからコントロールすると言い、ジュウォンにうまく使われてるなと鼻で笑います。クォンは「僕はミスを犯したようです。ジュウォンに調査を頼まれた人物はお父さんに関係のある人物ージョンジェでした。20年前ト議員と仲良くしていらしたし、再開発も一緒に進めていらっしゃいましたね?ジュウォンには話していませんが先走りすぎましたか?」とギファンを脅します。

ジョンジェは休暇を取るとヘウォンに宣言します。普段通りにしないと怪しまれると怒るヘウォンに、ジョンジェは「女性の声が聞こえるんだ。怪しまれる理由があるのかも」と言います。ヘウォンはカウンセリングを受けて薬を飲むように言いますが、ジョンジェは拒否。「ドンシクのアリバイを証言するからよ!あのまま事件が終結すればよかったのに!」「ドンシクは犯人じゃないんだよ」「なぜあなたに分かるの?」と言い争う2人。
そこにチャンジンが現れ、「なぜドンシクが犯人じゃないと分かるんだ?もしかして息子さんが犯人?」と揶揄います。「もし息子さんのせいで計画が頓挫したら俺にも考えがある」と言うチャンジンに「車載カメラの映像は?」と言うヘウォン。全部消したとチャンジンは言いますが、「あなたが保険として持っているものから息子の映った部分を削って事件を終息させる」とヘウォンは言い、ギファンは味方じゃないから私がやると宣言します。

クォンづてにムンジュ警察署の防犯カメラ管理室の入退室記録を手に入れたジュウォンは、ナム・サンベ所長が書庫と廊下の防犯カメラの映像を消したことに気付きます。
翌朝早朝に派出所へ行き、所長を問い詰めるジュウォン。携帯で録音していないことを確認され、ドンシクが20年前の捜査資料を書庫から持ち出していたことを前から知っていたが戻せと言えなかったが、ミンジョンの事件が起こったため嫌疑がかからぬよう書庫に戻せと言ったのだとか。ジョンジェに渡して返してもらえと言ったものの、ジョンジェを巻き込みたくないからとドンシクは自分で資料を車庫に戻したため、ナム所長はこっそり消したのだそう。
ジュウォンは公式的には管理室に後輩に激励しに行ったが、今回の件は非公式的に一度だけ見逃してほしいと言われます。
「捜査記録を戻したんですね」と嘲るように言い退室するジュウォン。ドンシクはなぜ画像記録を消したと分かる痕跡を残したのかとナム所長を問い詰めます。ドンシクは記録を削除してほしいと頼んだ理由についてなぜ聞かないのかナム所長に尋ねますが、ナム所長は微笑むばかりです。

ヘウォンはチャンジンに「実行完了」と連絡し、チャンジンは「縄張りを荒らしたらギファンさんが怒るよ」と高みの見物を決め込みます。

強行犯係に匿名で「情報提供します」というメールが送られてきて、そこには車載カメラでジフンが夜道をうろうろする映像が添付されていました。その映像はマスコミにも流されており、クァクはジファにジフンを引っ立てるよう命じます。夜道をパトロールしているドンシクとジュウォン。ドンシクはすれ違った「73 ミ 8965」というナンバーの強行犯人係の車を見るなり突然追跡し始めます。派出所は参考人聴取なのにまるで逮捕のような騒ぎです。連れて行かれそうになるジフンは泣きながらドンシクに助けを求め、「ミンジョンが最後に見たのは僕じゃない!」と叫びます。映像ではミンジョンをストーカーのようにジフンが追っていました。ドンシクは「心配しなくていいから署で全部話せ」と言い、パトカーに乗り込むとジフンと後を追います。ドンシクはジョンジェに電話をかけますが、電話はつながりません。
ジファはチョルムンの圧力で休職することに。後から来たナム所長はジフンは私に任せてドンシクを連れて帰れとジファにに頼みます。

ムンジュ精肉店で食事をするジファとドンシク。ジフンの映像が添付された記事はイム記事が書いており、ジェイは「最低」と吐き出します。
「休暇が終わればジョンジェが全部話してくれるはずだ」と言うドンシクに、「30年来の友もジフンも信じられない。私怪物みたいでしょ」と泣き出すジファ。その光景をなぜか店の外からジンムクが見ており、店に入るとジファを慰めます。思わず笑みが溢れるドンシク。店を出ると、ドンシクは何かを探し始めます。

パトロール中のジュウォンはミンジョンの携帯に電源が入ったと報告を受け驚きます。ムンジュ精肉店ではジンムクが自分の携帯を見た瞬間、絶句し震え出します。ジファは位置追跡して応援要請しろとすぐさま指示。ジュウォンがマニャン精肉店に向かうと、ジンムクの携帯にミンジョンから「お父さん 私を出して」とメールが送られてきていました。

 

第7話 釣る

<あらすじ>
失踪したミンジョンの携帯からジンムク宛てにメールが届く。
ドンシクとジュウォンは、ミンジョンが失踪した日の出来事を思い出したというジンムクに呼び出される。
会食の途中でジェイが消えたという話を聞かされた2人は、事情を聞きにマニャン精肉店へ行く。

3年前の2017年11月21日、強行犯係のドンシクはサンヨプと、女子大生3人を殺害した容疑者ソン・ジオを監視していました。なぜ刑事になったのかと尋ねられ、見合いかよとちゃかしつつ「誰にも悔しい思いをさせたくないから」と本音を吐露します。2人目の被害者の血痕がジオの車内から出たにも関わらず判事は犯人の「鼻血だ」と言う証言を信じました。3人目の被害者イ・ソンアはサンヨプの妹の友人でした。こうしている間にも証拠隠滅してるかもと焦るサンヨプに、ドンシクは違法収集証拠で無罪になったら逮捕できないぞと諌めますが、「証拠を僕が作ったら?絶対に捕まえたいんです」とサンヨプは暴走します。パートナーの命令は絶対だと叱りつけるドンシク。

広域捜査隊1チーム チーム長ナム・サンベ、イ・ドンシク、イ・サンヨプ…と書かれた画面が映ります。交代を送るから戻ってこいと言うナム所長の電話を受けながらコンビニで買い物を済ませたドンシクは、サンヨプがジオの車を勝手に追跡しているのを見てしまいます。1人で接触するなと命じますが、サンヨプは途中で電話を切ります。バイクでサンヨプの車を追いかけるドンシク。
廃工場に着くと血まみれの服がドラム缶の中で燃やされており、サンヨプは工場の2階の窓から銃で撃たれてドンシクの前に落ちてきます。サンヨプは「銃をあいつに取られたけれど僕が死ぬから捕まえられるはずだ。本当は死にたくないけれど早く捕まえて」と言い残して死にます。ドンシクは必死で血の流れる患部を押さえ、泣きながら警察を呼びます。
ドンシクはジオに足を打たれ負傷。ドンシクは「正・当・防・衛♡」とにやつくジオの頭を血まみれになりながら何度も何度も地面に叩きつけます。

実はドンシクはミンジョンの携帯を持っており、派出所で彼女の携帯の暗唱キーを見ていました。ジファが錯乱している間に外に出たのは、ミンジョンの携帯で「お父さん 私を外に出して」というメールを打つためだったのです。

カン・ミンジョン失踪当日 2020年10月23日、ジョンジェはミンジョンを家まで送り帰っていきました。ジンムクはミンジョンを出迎えますが、夕食の誘いを冷たく断わります。ジフンからミンジョンも誘ってマニャン精肉店に来るよう電話がありましたが、その直後、ジンムクは店のドアを閉め切ってしまいます。
ドンシクがミンジョンに電話した時、ミンジョンは風呂場でジンムクに絞殺されていました。ミンジョンに会いたいジフンは彼女に焼肉に誘うメールをした上、マニャンスーパーにも赴きます。
しかしその時、ジンムクは地下室で意識の朦朧としているミンジョンを縛り付け、包丁を研いでいました。しかしそこにジフンが来てしまい、慌てて対応。右手爪先に血がついていたので急いで舐めとります。ジフンはミンジョンも食事に誘おうとしますが、「死体のように寝ているから起きないよ」とジンムクは答えます。

一方、ドンシクも深夜にミンジョンの鍵を彼女に渡そうとマニャンスーパーに来ていましたがベルを鳴らしても反応がありません。ふと思い立って鍵を使ってジンムクの家に入ります。すると地面にはジンムクがジフンに対応した時にうっかり落とした地下室の鍵がありました。
どこからか聞こえて来る携帯のバイブ音を不審に思ったドンシクは、地下室の鍵を開けます。そこにはジフンからの着信で震えるミンジョンの携帯とミンジョンがよく持っていたジェイから贈られた緑のタオル、そしてミンジョンの両手の爪先が置かれていました。その時、ドンシクにジンムクから電話がかかってきます。
ミンジョンに渡すものがあるから家に向かっているとドンシクが言うと、ジンムクは「寝たいと言っていたから行かなくていい」と止め、マニャン精肉店に来るよう促します。

遺体のない殺人事件は韓国では起訴できないため、ドンシクは半狂乱になってジンムクの家を探し回ります。キムチの壺をひっくり返すと、中にはタッパーに入れられた飛ばし携帯がありました。違法収集証拠で無罪になったら二度と処罰ができない…と、ジュソンやサンヨプのことを思い出し呆然と涙するドンシク。違法でも何でもいいから確実な証拠をつかまえてジンムクを殺してやる、とドンシクはミンジョンの指先を前に決意します。
そしてミンジョンの携帯とジェイの緑色のタオルを奪って、こっそりマニャン精肉店に向かったのでした。ミンジョンの血液が一滴だけドンシクの地下室にあったのは、ジェイのタオルについていたものが染み付いたからでした。

2020年11月4日現在、マニャン精肉店から消えたドンシクは眠る母のそばでドンシクはひどくうなされて起床します。母が呼吸していることにほっとするドンシク。そこにジュウォンが来てジンムクからドンシクは必ずここにいると言われたと言います。
3時間後に迎えに来ると言うジュウォン。ジンムクはドンシクとジュウォンは、ミンジョンが失踪した日の出来事を思い出したと呼び出されます。ジンムクは会食の途中で1時間ほどジェイが消えたと言うのです。

ジュウォンは10月23日21時50分〜22時50分までどこで何をしていたのかとジェイに尋ねます。ジェイは普段から会食中は屋根裏部屋で寝泊まりしています。ジェイが「ジンムクさんが私が怪しいと言ったんでしょう」と驚くジュウォン。そこにジフンが現れ、ジョンジェが自首したと伝えます。留置所に自分で入ったとクァクは説明しますが、ヘウォンは気弱な息子ができるはずがないと発狂します。「罪を犯したから罰を受けなきゃ。ミンジョンに最後に会った罪。俺が犯人の可能性が高いんだ。ジフンだって可能性があるだけでここに閉じ込められたんだから」と言うジョンジェに、ドンシクは「誰かがジフンだけが映った車載カメラの映像を提供したんだ」とつぶやきます。ヘウォンは「またあなたが唆したのね!」と叫びます。
ドンシクは「お前は犯人じゃない。早く出てこい」と断言。ジョンジェは「俺を信じるな」と言いますが、ドンシクはミンジョンのメールは俺が送ったと告白します。

しかしミンジョンからまた「お父さん 痛いよ 早く出して」とメールが届きます。携帯の位置はムンジュ川の下流の葦原です。マニャン全体の道路沿いを探そうとジファが音頭をとりますが、ドンシクはまたジンムクが何かをしたのだと苛立ちます。

マニャン精肉店に行き、棚の隙間からマニャン川全体の地図を取り出すドンシク。シムジュ寺に丸がつけてありそこへ向かうと、ジェイが待っていました。ジェイは「一緒にいる時にあんなメールを送れる度胸のある人はドンシクさんしかいない。私のおかげでメール送信の容疑者から外れられたでしょ?」と微笑みます。「俺が怖くないのか?ミンジョンの携帯を持ってた」と言いますが、「1人で抱えてた悲しみが溢れておかしなことをやり始めただけよ。教えて。ミンジョンを殺してドンシクさんを追い詰めたのはカン・ジンムク?ドンシクさんの妹を殺したのも?私の母も?」と言います。「そうだ、おそらくな」と答えるドンシク。「携帯をよこせ。危険な目に遭うぞ」とドンシクは言いますが、「なぜドンシクさんだけが犠牲になるの?望みがあるなら対価を払わないと。お願いだから聞き入れて」とジェイは懇願します。
さらにジェイはジンムクにもう1通メールを送っていました。「お父さん バイバイ もう出ていくわ」と。
ジファはジンムクにシムジュ寺にミンジョンの携帯があると電話します。

クォンはジェイの個人情報をジュウォンに渡します。彼女は身元不明の遺体があると聞けば全国どこへでも行き、盆や正月には担当検事と刑事に会いに行くのだそう。10年間も探し続けるなんて親想いだなと言うクォン。
2010年11月3日 ハン・ジョンイム失踪と資料には書かれています。その時、クォンの携帯にミンジョンの最後のメールの文面が報告されます。奇しくも、ジョンイム失踪場所はシムジュ寺でした。

捜索差押許可状を渡されるジェイ。ドンシクは葦原の捜査に行ったようです。ジェイの朗らかな様子に違和感を覚えるジュウォンは彼女を疑う態度を隠しませんが、グァンヨンとギルグはドンシクこそ9時過ぎに来たから怪しいと言い、ジュウォンはギファンを通してクァクにある要望をします。

チャンジンはギファンにジュウォンが犯人探しを諦めていないので苛立っています。20年前から俺たちは仲間だ、再開発のためにムンジュを暗いイメージにする事件は起きるべきではないと激怒します。ギファンは「連続殺人事件のイメージは消えないだろうが、できることから整理する、つまり犯人を逮捕するべきだ。犯人は誰だっていい」と提案します。ナム所長が来た日になくなった映像を探しに来たジュウォンは、マニャンスーパー前の防犯カメラの映像がなくなっていることに気づきます。ドンシクはミンジョンの指を見つけた夜、防犯カメラに気づいていました。

ジンムクは肉の塊を切ると、中から髪飾りを取り出します。

ジェイは警察が見つけ出した失踪した母とのアルバムを見て涙を堪えます。そこにジンムクが来て、片付けを手伝いたいと包丁を触ります。ドンシクが来るから大丈夫だとジェイは断わり、慌ててドアを閉めます。
ふとジェイが包丁のそばを見ると、失踪時に母が大切な日にだけつけていた髪飾りと手紙が置かれており、手紙には「ムンジュ川 葦原 下流50川 石柱の横 ジェイ お母さんを出してあげて」と書いてありました。ジェイは恐ろしさのあまり声なき悲鳴をあげます。

ドンシクがユヨンに関する新聞記事を庭で燃やしていると、ジュウォンが現れ、「ミンジョンさんの指をなぜ置いたんですか」と尋ねます。穏便に定年までのあと一年間を過ごしたいはずのナム所長がわざわざ夜中に警察署に行き映像を消したのは、ドンシクがマニャンスーパーからミンジョンの指を持って出てきたのを隠蔽しようとしたからだとジュウォンは言い、上層部は犯人を必要としているからナム所長を逮捕するとドンシクに宣言します。
ジュウォンが手錠を出した瞬間、ドンシクにジェイから電話がかかってきます。ジェイは「お母さんを探しに行く。ムンジュ川の下流にお母さんがいるって…ジンムクが置いていったの。あいつが私を殺そうとしたら必ず捕まえてね」と言って電話を切ります。止めようとするジュウォンにドンシクは激怒します。

ジェイは血まみれになりながら石柱の近くを掘ります。そこにパトカーが到着します。

ジンムクはキムチの壺を埋めている裏庭を掘り返しながら、「ミンジョン、お前の望み通りこの家から出してやる」と囁きます。そこにジュウォンが現れ「カン・ミンジョン拉致および監禁等の容疑で逮捕します」と手錠を出します。2人の様子を階段上から見つめるドンシク。「チクショウ」とつぶやくジンムク。
ジェイのもとにはドンシクに言われてジョンジェが訪れ、彼女は安堵で泣き始めます。

 

第8話 釣られる

<あらすじ>
ミンジョンの殺害等の容疑でジンムクが逮捕される。
罪を認めようとしないジンムクだが、ドンシクとジュウォンには話をすると言う。
ドンシクに、ミンジョンは実の娘ではないだろうと問い詰められたジンムクは逆上してドンシクの首を絞める。

夜10時30分、マニャンスーパーに報道陣が押し寄せ、ジファがジンムクを連行します。ドンシクは庭に座り込み泣いていました。

ジュウォンはドンシクの家に来ると、彼に手錠をかけ「一人では行かせない」と叫びます。ドンシクはジョンジェに電話をかけてジェイを助けに行かせると、ジュウォンと共にジンムクのもとに向かったのでした。
失踪しているパン・ジュソンの姉がジュウォンに妹の遺体はなかったかと縋りつきますが、ジュウォンは何も答えられません。

強行犯係ではなく警部補のジュウォンがジンムクを逮捕したニュースを見るギファンに、同行秘書オ・ワング警部補から「外事課と広域捜査隊がムンジュ事件を担当したいそうです」と連絡が入ります。ギファンはチョルムンに「今回の事件をうまく処理してソウル庁に戻れ」と電話をかけます。ジュウォンはギファンからの電話を無視しながら連続殺人事件のプロファイリングを見つめます。

クォンはミンジョンの遺体は科捜研に渡し、緊急で解剖していることと、ミンジョンの遺体もジュウォンが発見した白骨死体も頸部圧迫による窒息死らしいこと、どちらも指先が切断されていたことを伝えます。
ギファンのかつての発言の説明を求めて記者が庁に殺到していると言うクォンに、ギファンは憶測で事件を面白おかしく書き立てる新聞社は公務執行妨害で逮捕しなければと言い、ドンシクの情報は漏れないようにしつつ引き続き事件の担当はムンジュ署にしろと命じます。
クォンは白骨死体の身元はイ・グムファ(38)、不法滞在で追放され妹のパスポートで再入国し、買春容疑で逮捕された記録があると報告します。クォンはジュウォンと彼女との関係を怪しみます。

ジュウォンの名前を公表すること、事件と容疑者の特定状況は流出禁止、イ・ドンシクの情報は外部に漏らさないこと…つまりジュウォンだけ英雄にして長官の座につく気だな、とつぶやくと、クォンはカン・サンボク捜査官からの電話を受け取ります。解剖の結果は、多臓器不全による心肺停止でした。

ジファは報告を聞き「検視の時は頸部圧迫の可能性が高いと…」と狼狽えますが、チームメンバーは「ミンジョンの指先に皮下出血がありましたよね。かめに遺棄された時はまだ生きていたようです」と涙します。ジファからその報告を受けたドンシクは自宅で号泣。

ドス刑事は供述記録室で決して口を開かないジンムクに苛立ちます。「ミンジョンを手放す時が来たようだ」と言う彼に怒りを覚えるジファ。

ジュウォンはクォンから死因と白骨死体の身元を聞きます。彼女については知らぬ存ぜぬを通せと命じられます。ジュウォンは「彼女の知人だ」とイ・グムファの遺体を引き取ろうとしますが、彼女の血縁者でないと駄目だと断られます。
そこにナム所長が現れ、ミンジョンの葬式をするために遺体の所有権を放棄したから迎えに来たと言います。火葬される遺体を見つめるムンジュ署のメンバーたちとジェイ。ジフンが過呼吸になり、騒然とします。

ジンムクはなぜか、ドンシクとジュウォンには話をすると言い出します。チョルムンはドンシクが「署長の機材は最新のものばかりなのにここのは古いものばかりだ。立会人は口を開いたら違法。質問する刑事が調書まで取らなきゃならないなんてな」と文句を言うので、「ジンムクを捕まえていい気になってやがる」と憎々しげに睨みつけます。
ジンムクは「口うるさい女だったから頭に来たんだよ」とミンジョンの殺害理由を仄めかします。

若き日のジンムクがミンジョンの母を探していると、「全部あの女の計画だったのよ。借金を返させて、子供を産んだらあんたに押し付ける。あの女は体を売ってたんだから」と酔っ払った彼女の知人が馬鹿にします。女はジンムクの目の前で何度も指を振り上げます。「マニャン農産」のバンの中で女を絞殺したジンムク。そこに偶然ユヨンが通りかかってしまい、ジンムクは彼女も絞殺。ジェイの母は葦原で、イ・グムファはバンの中で絞殺しました。

しかしそれらの供述には主語がなく、調書が書けません。ジンムクは「誰が誰なのか俺も知らない。全部俺の想像だから。留置所では暇でやることがないから。あの女たちは悔い改めたかな?」と言います。自白しないと遺体は見つけられません。ジュウォンは「あなたの言葉通りなら彼女たちには悔い改めるべき罪があるんですよね?」と一人一人聞き出そうとします。
ジュウォンにミンジョンは実の娘ではないだろうと問い詰められたジンムクは逆上します。

「20年前、ユン・ミヘさんに「ある噂」が広まっていたね?キャバクラで出会いましたね?彼女の妊娠を知ったのはいつ?自分が父親じゃないと知っていただろ」と尋ねるドンシク。ミンジョンは失踪した日、「あんたが間抜けなふりをしてるのを知ってるわ。親子鑑定をすればいい」と言いました。それに怒ったジンムクは彼女を絞殺、ドンシクの首を絞めます。慌ててジュウォンが引き剥がし、怒りのあまり過剰にジンムクを痛めつけてしまいます。
ナム所長は「10年はドンシクとパートナーを組んでるみたいだ。すっかりムンジュの人間だな」とジュウォン。揶揄います。ジュウォンはしばらく休暇を取るとナム所長に願い出ます。

ヘウォンは「支持者とのひととき」と題されたギファンとの写真を撤去します。やけに余裕なチャンジンはジェイを助けたことでジョンジェが特進すると褒め称えます。ジュウォンが陽動作戦を行い、ジョンジェが協力し、ドンシクはそれに乗っかっただけだと説明します。しかしムンジュだけでなく全国的な事件としてムンジュ署から外事課と広域捜査隊へ引導を渡せば再開発は問題なく進められるのに、ソウル庁に息子の手柄を取られないようにギファンはムンジュ署で操作して京畿西部地検に送れと指示を出し、担当検事はジュウォンの家庭教師だったそうだとチャンジンは続けます。
ヘウォンはチャンジンが言うとおり、細かい部分は誇張して息子を昇進させようと企みます。

帰宅したヘウォンは鹿ではなく人間を描くように迫ります。「犯人逮捕に貢献した警官が被害者を追慕する」というストーリーを作るためにSNSにアップすると微笑むヘウォン。「あなたも警部にならないと!ドンシクじゃなくあなたが特進するのよ」と激怒するヘウォンに「俺に死んで欲しいの?俺のたった一人の友達に手を出さないで」と叫びます。そこにジファからジェイを助けてくれてありがとうと電話がかかってきます。

休暇をとったジュウォンはミンジョンの殺害の前日まで頻繁にジンムクが来ていた釜山に行き、ジンムクの妻であるユン・ミヘを捜していました。そこになんとドンシクも現れます。
グロテスクなフグスープを飲む2人。ナム所長はフグスープが好物らしく、広域捜査隊にいた時、蔚山で犯人を逮捕してこれを食べて帰っていたと昔話をするドンシク。

馴れ合いの関係はいらないと怒るジュウォン。ドンシクはなぜここに1人で来たのかと問いかけます。ジンムクを逮捕した夜、ドンシクはジュウォンに迷惑をかけたから自分の代わりにジンムクを逮捕してくれと頼みます。ユヨンまで全員の遺体を見つけ終えたら俺に手錠をかけてくれ、そうしたら自首するからと言うドンシク。馴れ合いの関係だろうとドンシクは笑います。
ずっと平然としているドンシクを理解できないジュウォンですが、ドンシクは怒っても何も解決しないから捨てたほうがいいと微笑みます。
ジュウォンがマニャンに来た理由は外事課での詐欺組織の調査中に見つけた事件で不法滞在の女性が被害者だから彼らは中国マフィアの仕業だと主張し、「昇進のための作り話だ」「事件を誇張している」と言われたからでした。ジュウォンは改めて、被害者を見つけたらドンシクを逮捕すると宣言します。

ドンシクはジュウォンからiPadの写真を見せられます。そこには自分と派出所のメンバーがマニャン精肉店で焼き肉を食べる様子が写っており、「ストーカーじゃないか」と憤慨。その次にはイ・ドンシクの最後のメールがスクショされており、”警官ではない”という意味だったようだとジュウォンは解説します。“Hミ”の意味を考えるドンシク。
グムファには6年前、売春で捕まり国外退去になった記録があります。一緒に捕まったのがチム・ファリム、ウィ・スニ、ヨ・チュノク、ユン・ミヘでした。ミヘは店ではヘミという仮名を使っていました。「警官ではない、ヘミを探している男だ」と伝えたかったのかもしれないとジュウォンは言います。

ジンムクは20年前のミヘの写真を財布に入れていたそうなので、それをマッサージ店で見せてミヘを探していた可能性があります。婚姻届を出していないから法的には捜せません。最初に出会った店から辿って釜山まで来たのではとジュウォンは推測します。

娘の話をしたら逆上し、わざわざ妻を捜し回って女性を4人も殺したのは追っていることを知られたくなかったから、ミヘを見つけて殺す気だったからではとジュウォンは言います。しかしなぜミンジョンをと言うドンシク。携帯の位置記録を見るとジンムクはミンジョンの事件前日、釜山の「マリア」という店にいました。「マリア」へ向かう2人。

店の女性に、10月22日にミヘの写真(ドンシクがジョンジェに財布から撮ってもらった)を持ったジンムクが来たはずだと言います。「チェリーを捜してた男ね。チェリーはうちで少しだけ働いてたけど去年交通事故で死んだのよ」と言われます。

ジンムクの取り調べを行うドンシクとジュウォン。「気になることがあってね。なぜあの日ミンジョンを殺した?」「10月22日、釜山 ミョンソ港の裏通り マリア」「そこでこの写真を見せただろ?」と畳み掛けるドンシクとジュウォン。「ミヘの代わりにミンジョンを殺したのか?」と言うドンシク。ジュウォンが「自分を捨てた女を20年間捜してたのに交通事故で死んだと聞いた。虚脱感でおかしくなりそうな時に自分に全く似てないミヘにそっくりなミンジョンに言われた。” 本当に私の父親?”今回は絶対に逃がさない、そして首を絞めた。ユン・ミヘに対する20年間の怒りを込めて」とジンムクに言います。
「ミンジョンは俺の娘です」と言い張るジンムクに、ドンシクは「99.9998%親子関係は成立しない」という鑑定書を見せると、「俺を騙したなあのクソ女め!」と机を叩くジンムク。

「生きていたら殺されていましたね」「何だと?」「ミヘさんは生きてる。お前が捜してると知って死んだことに」とドンシクとジュウォンは言います。ジンムクは結婚していないので確認できませんでしたが、彼女の基本証書にも死亡記録はありません。
「殺す人を間違えましたね」と言い去るジュウォン。「証明書の偽造は違法なんだぞ」と焦るチョルムン。

「ユヨンは俺じゃない。本当だ。俺がユヨンをお前に返したんだ。どこに埋めたか教えるよ。他の人の場所も全部教える」と手をこまねくジンムク。ドンシクが部屋に入りジンムクの隣に行くと、「その代わりミヘを捜して俺の前に連れてきてくれ。お前ならできるよな?ミンジョンの指を置いたのはお前だとメールが送られてきてすぐに気づいた」とにやつきます。

ジンムクに言われるがままあちこちの家の庭を掘る警官たち。地価の暴落は必至です。
ジェイの家の庭には、彼女の母らしき白骨遺体が埋められていました。ジェイは10年間ずっと私がここにいたのに気づかないはずがないと錯乱します。しかし遺留品から母がつけていた髪飾りが出てきて、絶句します。彼女を支えるジファ。見つけられなくて悪かったと泣くジェイ。

クォンはジュウォンに当時20代のユヨン以外の被害者は全員出てきたと報告します。ドンシクは自宅の庭を掘り起こし尽くしていました。座り込んでいるドンシクに、ジンムクを半殺しにしてでもユヨンの居場所を吐かせようと言うジュウォン。
「俺を捕まえたいから?」「そのためにここまで来たんです」と話す2人。

ドンシクにはジファから、ジュウォンにはクォンから電話がかかってきて、留置所でジンムクが釣り糸を使って首吊り自殺し、さらに壁に「ドンシク ユヨンは違う」と遺書を残したと報告されます。

 

第9話 浮かぶ

<あらすじ>
ジンムクが自殺してから3か月がたち、休職していたジュウォンがマニャン派出所に戻ってきた。
時を同じくして、行方をくらましていたジェイがムンジュ警察署に出頭する。
ジェイが現れたのは、ジンムクが自殺した日にナイフを持ってムンジュ警察署に向かう自分の姿が映った車載カメラの映像を警察に渡すと、何者かに脅迫されたためだった。

ソウル庁 監察調査室にて、ジュウォンは2回目の最終調査を受けていました。特進を祝われますが、ジュウォンは上部に報告せず独断で囮捜査を行ったことを、被害者はイ・グムファで白骨遺体として発見されたことを告げます。監察はもう終わったし20年間も取り逃がしていた連続殺人犯の逮捕と被害者の検挙ができたから事後報告として処理すればいいと監察官に告げられますが刑法123条を引用し、自分は5年以下の懲役か10年以下の資格停止または1千万以下の罰金に処されるべきだと言います。

ジンムクが自殺してから3か月が経ちました。ジンムクの家の塀には「殺人鬼」と落書きされています。ドンシクはジンムクが撮った母からのビデオレターを再生していました。家の工事が大変でしょ。ミンジョンを連れて帰って」という母の言葉をジンムクの家でリピート再生するドンシク。ジンムクの家の床を叩き壊すと、ユヨンがソウル大に合格した時にドンシクが贈った指輪…かと思いきやただのガラスの破片が出てきます。一心不乱に床を壊し続けます。

2020年11月21日付でドンシクとジョンジェは特進。当時のお祝い写真を見つめるグァンヨン。ギルグは3ヶ月間音信不通のジュウォンが警部への昇進を拒否したことを話し、機会が恵まれている人はいいと羨ましがります。夜中にジンムクの家を掘り起こすため、2チームから苦情が来ていると文句を言うグァンヨンに、まじめに勤務するドンシクになんてことをとナム所長は怒ります。

ジフンはパトロール中にジェイの携帯が今日も繋がらない、ジェイが釜山にいないか確認しようとドンシクを誘います。マニャン精肉店の前に来たドンシクはグァンヨンの妻が休業中の精肉店の中でまた勝手に賭博をしているのを積み上げられた焼酎の殻瓶から見つけ、住居侵入・詐欺・賭博・賭博幇助罪で連行します。ジェイの店の鍵の隠し場所は誰もが知ってると言うおばさんたち。お母さんが帰ってきた時のために隠しているのにと言うジフン。実はおばさんたちの掛け金は凄まじい額になっていました。中国元は誰に借りたのかと尋ねるドンシク、外に出ようとするおばさんたち。激怒するグァンヨンとナム所長。
そこに休職していたジュウォンがにこやかに笑いながら派出所に戻ってきました。時を同じくして、行方をくらましていたジェイがムンジュ警察署に出頭したと生活安全係長になったジョンジェから連絡が来ます。ジョンジェは昇進しても日がなゲームをして遊んでいます。

ジェイは尋問を受けます。2020年11月10日5時46分頃、ジンムクを殺そうとナイフを持ってムンジュ署の近くにいたと言うジェイ。留置場に入れて欲しいとジファに懇願したが入れなかったため諦めた、廊下の防犯カメラを確認してくれと言います。
さらに、ジファが「なぜ自発的に出頭したのか」と尋ねると、自分の姿が映った車載カメラの映像を強行犯係に渡すと、メールで何者かに脅迫されたためでした。

ナム所長たちのもとに、ムンジュ署の前でナイフを取り落とすジェイの映像が送られてきて、ギルグはジェイがジンムクを殺したんだと断定します。

ギファンと会食するジュウォン。珍しく生肉を食べ「食わず嫌いは良くないのでこれからは挑戦します」と、謎めいた笑みを浮かべます。ソウル庁に復帰しろと言われても派出所への復帰を主張します。ムンジュ関連の報告をとクォンを呼びます。クォンはジェイの映った車載カメラの映像をギファンに見せ、釣り糸の件も解決できていないためこのままだと未解決事件になると言います。ギファンは再度ソウル庁に戻るよう警告しますが、ジュウォンは「もう命令には従いません。もしかして僕の助けが必要なんですか?自分の力で長官になってください」と煽ります。

ヘウォンの事務所に来たチャンジンはジェイの映像を見ながらまた事件がややこしくなると騒ぎます。「まさかト議員が殺したの?」「私が自分の手を汚すはずないでしょ」「しかし手が早いですね。警察内部情報なのに」「そんなわけないでしょ。役立つかと思って生活安全課(ジョンジェ)に送ったのに相手にしてくれない。私にも情報員くらいいるの」と話す2人。チャンジンは密かに映像を自分に送ります。

マニャン精肉店に集まりジェイのもとで食事をとる派出所メンバー。ジファはドンシクとジョンジェはジェイを3か月間も捜さなかったのは今回の件を知っていたからだろうと言い、ジンムクを殺したのかと尋ねます。
ドンシクはジファとジョンジェをジンムクの家に連れて行き、見ていたビデオレターを再生して見せます。家を掘り返していた理由を知るジファ。しかし家には何もないようです。ジンムクはドンシクとミンジョンに全てを譲るという遺言状を残し、ドンシクは処理する中でビデオレターを見つけたのだそうです。

「ユヨンは俺じゃない」「ユヨンをお前に帰したんだ」というジンムクの言葉を反芻するドンシク。ジョンジェはジンムクが働いた可能性のある工事現場の記録を探しましたが、見つかりませんでした。ビデオを見る限りでは他の地域には行かずマニャンに居続けたようです。ドンシクは家を壊し、ジョンジェは記録を探す。2人だけでずっとユヨンの捜査を続けていたのです。ドンシクはジファを巻き込みたくなかったと彼女に謝り、3人は仲直り。

ジファはふとヘウォンが学校法人の理事になった時、ジンムクは施設室で働いていたことを思い出します。2000年でなく98年、ドンシクたちが高2の時のことです。その後施設管理は管理人を雇って任せましたが、ヘウォンはその後もジンムクをこき使い続けていました。ジョンジェの家は2000年に改装しましたが、壁や床を張り替えはしなかったはずだとジョンジェは言います。しかしドンシクは家ではなくユヨンが失踪した日に俺たちがいたアジトじゃ?と言います。ジョンジェは即座に否定。なぜならすぐにヘウォンが再開発ブームに乗じて売ったからです。私有地には勝手に入れませんが、売った相手はチャンジンです。

「シムジュ鹿牧場」と書かれた看板が置かれている元アジトの前に立つジュウォン。ドンシクとナム所長、ジュウォン、ジフンは勝手に入りあちこちに巨大な穴を掘ります。なぜマニャンに帰ってきたのか尋ねるドンシクに、ここでユヨンが見つかったら自首するのかと尋ねるジュウォン。

ジンムクが自殺したと知った時、ドンシクは傍にいるジュウォンに「俺たちはもうお別れだね。ハン警部補は元の場所に戻らないと」と言います。「ユヨンさんがまだ見つかっていないのに自首するんですか?」「俺が何か悪いことをした?」「あなたがミンジョンさんの指を置いたと言ったんでしょう!あの時あなたが通報していれば彼女は…僕と約束したでしょう!」「お気をつけて(帰って)」と会話を交わす2人。

「あなたは自首なんて絶対しない」「俺をつ捕まえるために戻ってきたの?」と話し、笑うジュウォン。すると穴を掘っていたジフンが突然「あそこに人が」と叫び、ドンシクは必死で土を掘ります。そこにはジンムクが殺した女性たちと同じ体勢の遺体が埋まっていました。

ジファはチャンジンに尋問します。”ジンリ事業 代表イ・チャンジン”と警告文に名前まで入れており、2006年にJL建設に変更するまでジンリ建業と名乗っていたようです。釜山のロシア人街で習ったロシア語を交えて話すチャンジンに苛立つジファ。牧場は自分の所有地だが、私有地に勝手に立ち入れば刑事告訴すると看板に書いていたのに捜索差押許可状も立ち入り許可願は貰っていないがと言うチャンジン。ジンムクとの関係は覚えていない、ト議員が再開発や選挙関連で呼んだ時に顔を合わせた程度だと言います。見つかった遺体の身元が気になるチャンジンを怪しむジファに、ドス刑事が「他にも多くの遺体が見つかっています」という報告メールを見せます。
牧場の捜索を許可する書類を作成するよう言うジファにチャンジンは渋々許可し、ため息をつきます。チャンジンの携帯にヘウォンから「鹿牧場からたくさんの遺体が出た」と連絡が来て、彼は慌てます。

鹿牧場で次々見つかる遺体に動揺するドンシク。科学捜査班のイムが全ての遺体の歯を確認しましたが、20歳(ユヨン)の遺体はないようです。失望を隠してジンムクの家に向かうドンシク。そこではジュウォンがビデオレターを見ていました。
「だから僕を釣ったんでしょ?僕は予習する人間だから」と言うジュウォン。彼の脳裏には、山に捨てられた携帯やスーパー前に置かれたミンジョンの指のことが思い出されていました。
「自分では何もせず俺に質問ばかりする」「僕にはそういう所があるんです」「かわいくなったね」「あなたもかわいいですよ。本当に妹を見つけたいの?全部芝居みたいだ。釣り糸を渡した人がまだ分かっていない。よりによって強行犯係の防犯カメラが止まってしまったから」と話す2人。
あの日、誰かがカメラが止まった後、ユン・ミヘの死体検案書(死亡日時2019年8月29日)と共にジンムクに釣り糸を渡したのです。ジンムクは死体検案書を食べてしまいましたが、胃から出てきました。死体検案書を入手できるのは家族か警察ですが、ミヘには身寄りがありません。ドンシクがジンムクの家を手に入れるためにジンムクだけでなくミンジョンも殺したのではとジュウォンは言って、笑顔で去ります。「ユヨンを見つけたらその時に」とドンシクは言いますが、ジュウォンは「法という漢字はカイチから出来たんですよ。頭にツノの生えた牛に似た正義感の強い動物です。正しくない人を突き飛ばして食いちぎるんです。法とはそういうものです。芝居しているならお母さんがかわいそうだ。そんな奴は八つ裂きにすべきでしょ」と言います。決意は分かったと言いながら、ビデオレターの中の母を見つめるドンシク。

ドンシクは母に会いに行き、両手で顔を覆います。母は夢現で息子ではなくジンムクの名前を呼びます。「ジンムク、工事はやらないで。ボイラーはそのままにしておきなさい」と母は言います。ドンシクは自宅でボイラーの工事をしたことを知らされ、思わず食い付きます。

「ユヨンをお前に返した」とはもしやボイラー室のことかと、帰宅したドンシクはボイラー室の壁を両手を血まみれにしながらハンマーで叩き割ります。ずっと失踪者たちの情報を貼り付けていた壁の中から、ドンシクが贈った指輪をつけたユヨンの遺体の手が出てきます。ドンシクは手を握りしめると、泣き笑い、「お兄ちゃんが気付くのが遅くてごめん。ここにいたなんて知らなかった」とその場に崩れ落ちます。素手で懸命に壁を壊していきます。

ジュウォンはナム所長を尾行。ナム所長は車載カメラに撮られた日、署に来た時に私を見ただろうと逃げようと震えるジェイを捕まえて言います。ジェイは包丁を一瞬見ます。「ナム所長がジンムクを殺したの?」と尋ねるジェイに、クァクはナム所長をジンムクの自殺教唆および自殺幇助および殺人罪で緊急逮捕しろと言う命令を受けたと店内に乗り込んできます。ナム所長は両手を差し出し、微笑みます。
ユヨンの死体の前で呆然とするドンシクは警察に連絡しようとしますが、ジファからナム所長が緊急逮捕されたと連絡を受けます。
科学捜査班が派出所の全ての荷物を持ち去っていきます。

ドンシクは「ユヨンは違う」という言葉を思い出し、ナム所長は移送されるパトカーの中から「ユヨンを探しています」という旗を見つめていました。
所長室から押収された、金庫内に置かれたミヘの死体検案書と釣り糸は、実はジュウォンによって事前に置かれたものでした。

 

第10話 沈む

<あらすじ>
ジンムクの自殺教唆および自殺ほう助罪でナム所長が緊急逮捕される。
マニャン派出所の所長室にある金庫の中から、釣り糸とユン・ミヘの死体検案書が見つかったのだ。
所長室にはマニャン派出所の職員なら誰でも出入りすることができたが、ドンシクはジュウォンの仕業ではないかと疑い、問い詰めるがはぐらかされてしまう。

2020年12月 釜山、ジュウォンは朝から酒を飲み海辺のホテルで豪遊していました。クォンがジンムクは被疑者死亡により不起訴処分になり釣り糸を渡した人は強行犯係の防犯カメラが止まっていたため分かっていないと言います。ジェイも釜山にいるらしいから駆け落ちしたのかと思った、不法滞在者の件は大したことはないと続ける彼を馬鹿にするジュウォンですが、クォンはジンムクを逮捕する前からお前たちはあの家にいて正当に逮捕していないだろと脅します。そして、お前のようにまっすぐなお坊ちゃんは露地で育ったドンシクのような変人に関わると、生まれ変わらない限り結局は食われて終わり、と嘲笑します。生まれ変わると決意するジュウォン。

漁港でおばさんたちに混じって魚を捌くジェイに近づくジュウォン。おばさんたちにジェイの写真を見せ、携帯の位置情報ではこのあたりだ、2週間前に来たはずと言うナム所長。ジュウォンはこっそりナム所長の後をつけます。なぜ逃げるんだと呟くナム所長。

ジュウォンはクォンから「車載カメラを確保」と刃物を持つジェイが映った映像を受け取り、確認します。そしてその後、ナム所長がジェイの店に行き逮捕されるまでを見届けたのでした。

ナム所長は供述記録室からチョルムンの方を見て笑います。ジファとドンシク以外には話さないと言うナム所長に痺れを切らすチョルムンに憤るクァク係長。しかしその頃、ドンシクの地下室はユヨンの遺体保護のため科学捜査班と強行犯係に取り調べられていました。「ユヨン、ここにいたのか」と動揺するジョンジェ。ドンシクがどこにもいないと慌てるドス刑事。

供述記録室に着くなり、「ユヨンが見つかった」とナム所長に報告するドンシク。21年間、ユヨンがあらゆる状態になって対面するのを想像してしたけれど今の状態は想像しなかったと泣きながら笑い出します。ドンシクの手を握るナム所長。「見つかれば終わると思ってた。でも違った」と言い、ドンシクはナム所長の金庫から釣り糸と死体検案書が見つかったことを告げて取調べを始めます。ナム所長は「21年前に自分が…」と謝り、「ならなぜこんなことをした」とドンシクは詰め寄ります。「何もしていない」と不思議な笑みを浮かべるナム所長に、「俺は所長が死ぬ姿まで見なきゃいけないの?72時間耐えて出てきてください」とドンシクは涙を堪えます。ドンシクが退室した途端、笑顔を消すナム所長。
ユヨン失踪事件の担当刑事たちはナム所長だけではなく、チョルムン署長とクァク係長もでした。ドンシクはこれで全員かと睥睨します。

ジェイの店で食事をとろうとしたドンシク・ジョンジェ・ジフンのもとにジファが来ます。
所長室にはマニャン派出所の職員なら誰でも出入りすることができるため、所長の退勤後に何人もの職員が出入りをしている様子が防犯カメラに映っています。「職員なら誰でも金庫に触れるので証拠能力がないのでは」と言うジョンジェ。令状の請求は難しく、他の証拠や目撃者が現れなければすぐにナム所長は出られると言うジファ。金庫を最後に確認したのは4日前。3・1・2チームの順で夜勤をしていました。派出所の全員が容疑者です。なぜ警官が、しかも強行犯係で数十年間働いた所長に罪を着せるため証拠能力のない証拠をでっち上げたのかと首をかしげるジェイ。「警官の注意を引くために偽の証拠を入れたんだ」と言うドンシク。ドンシクはジュウォンが監視カメラに向かって不敵に笑う様子を見て、自分がミンジョンの指をスーパー前に出したようにジュウォンも同じことをしたのではと疑います。

ジュウォンの部屋を訪れると、彼は手料理を振る舞います。釣り糸と死体検案書をなぜ入れたのかと尋ねますが、「思ったより賢くないようです。なぜなのかがそんなに重要ですか?その情報だけでここに来たんですか?」とはぐらかされます。「マニャンの人間は内輪揉めしている時でも団結する。マニャンの人間に気をつけて。あなたがマニャンに戻ったのは2018年でしょう?あなたはマニャンの人間じゃない」と言うジュウォンに、ドンシクは所長の証拠を捏造した人間は目の前にいると譲らないドンシク。しかしジュウォンはなおも「ファン・グァンヨン、チョ・ギルグ、オ・ジファ、パク・ジョンジェ、ナム・サンベらはあなたに隠し事が一つもないのかな?」と囁きます。「俺はハン警部補に借りがある(自首するという約束)から、あなたの正義のゲームで遊んでみますね」と言い去るドンシク。
ドンシクはジュウォンの家を出ると、広域捜査隊のチャンジャンに「メールを送るからIPアドレスの位置と添付ファイルの解析をしてほしい」と電話で頼みます。

水に顔をつけて呆然とするジョンジェ。あの日、「帰るわ、ついてこないで」と言うユヨンを引き留めなかった自分を後悔しています。
息子に黙ってまた警察庁に来たヘウォンはチャン秘書から3日間で52回も41歳の男に電話をかけるのはマザコンと思われると苦言を呈されます。そこに現れ、媚を売るチョルムン。ヘウォンは血相を変えてジョンジェの机を漁ると大量の鹿の絵を見て震えます。呆れるジョンジェ。

ドンシクはジェイに送られてきた脅迫メールの送信者をジュウォンだと突き止め、それをジェイに伝えます。車載カメラの映像の後半は削除されていたためジェイが何を見たのか知りくてジュウォンを脅迫したのだろう、ジンムクを殺した奴は誰だと尋ねます。ジェイは「違う、そんな人じゃない」と口を割りません。

ジュウォンは拘置所にいるナム所長を訪問します。ぶち込んで迎えにくるなんてギファンのしつけがいいんだねと皮肉を言うナム所長。ナム所長の荷物を預かるふりをしてジュウォンはカードケースに発信器を仕込みます。もうこんなところには入らないでくださいよと鍵を開けるクァク係長とふざけて写真を撮るナム所長。その時、ドンシクからナム所長に電話がかかりますが彼は切ってしまいます。

ジュウォンはその晩、ナム所長を追跡します。ドンシクは待ち伏せして何度もナム所長に電話をかけますが、その度に彼は電話を切ります。ナム所長は警察庁に着き、それを追うジュウォン。しかしそこにはなぜかグァンヨンとギルグがいました。ギルグは同期がスポークスマン室にいて、グァンヨンも本庁に友達がいるからと口篭ります。偶然ギファンに会ってしまい、事件を追うなと頼まれますが、ジュウォンは「あなたの父親面を信じて死んだあの人と僕は違う」と母のことを匂わせて引き続きナム所長を追います。

チャンジンと2人きりで食事するヘウォンは鳴り続ける電話を無視し、処方箋なしで精神安定剤は手に入るかと尋ねます。彼女は携帯は20年前から2台持ちです。薬を用意するから息子をドンシクから引き離せと言うチャンジン。

ユヨンの解剖鑑定書の中の変死体発見時の写真を見て、ジファは部下になぜ舌骨が折れていないのか尋ねます。ジンムクの仕業なら首を絞めるので舌骨が折れているはずです。ドンシクは遺体安置室に行き、多発骨折しているユヨンの骨を確認します。遺体には、明らかに殺すつもりで何度も轢いた跡しかありませんでした。
ドンシクはナム所長に電話をかけ、「あの時何をしたんだ?ユヨンに一体何が?何を隠してるんだよ!所長が本当にカン・ジンムクを殺した?」と震える声で叫びます。実はその時すでにナム所長は何者かに殺されており、犯人がその電話に出ていました。犯人は遺体を車に乗せてどこかへ向かいます。しかしその際、ジュウォンのつけた発信機が地面に落ちてしまいます。

ナム所長を追跡していたジュウォンは血痕を見つけ、発信器だけでなく彼につけていた盗聴器も落ちていることを見つけ慌てて再生します。廃車の山の中で立ちすくむナム所長の後ろから何者かが銃で殴りつける音が聞こえます。

嫌な予感がしたドンシクは慌ててナム所長の携帯の位置情報を追跡するようジファに頼みます。ジュウォンはドンシクにナム所長が拉致された、容疑車両はシルバーのSUVでナンバーに”ホ”があったとトンムン方向に地方道77号を走りながら電話します。漢川下流か近くの海が目的地かもしれない、自分が絶対にナム所長を助け出して犯人が誰であろうと捕まえるという彼にサンヨプの影を見て不安になるドンシク。

ジュウォンは慌てるあまり、目的車両を途中で逃してしまいます。たどり着いたのはサムミ港ですが、対象の動きが止まりました。距離は100mほどなので車から降りて見てみると言った瞬間、海に何か落ちる音が聞こえます。走るジュウォン。
ドンシクが着いた時には、パトカーや救急車が止まっており、ずぶ濡れのジュウォンが「申し訳ありません」とナム所長の遺体のそばで土下座し号泣していました。ドンシクは「起きてくれよ」と泣きじゃくります。ドンシクの体をジュウォンは必死で抱き留めます。
「あなたなしで歩く道は寂しい とても寂しい 泣かないで 今夜だけは泣かないで」とナム所長が最期に歌っていた歌詞がジュウォンの脳内を流れていきます。