奏島ゆこ先生「また明日会えるよ」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
おおらかな研究員×恋に破れたエリート営業部員 同じ会社の会社員同士のお話。
<あらすじ>
ヤケ酒した日の翌日、見覚えのない一軒家で目を覚ました会社員の木村(きむら)。
泥酔し倒れていたところを介抱してくれたのは、その一軒家の持ち主・国島(くにしま)だった。
落ち着いた様子の国島と温かい家の雰囲気に、木村は久しぶりに心の安らぎを感じる。
こんな人におすすめ
- 丁寧な心理描写の作品が好き✍️
- シリアスな中にも笑いが散りばめられている作品が好き😂
- ハチクロ(ハチミツとクローバー)が好き🍀
ネタバレ感想
①恋に破れ、恋をして…丁寧な心理描写の技が光る
メインカプの2人、木村(受け)と国島(攻め)はどこにでもいそうな普通のサラリーマンです。
そんな2人が恋に破れて、友達になって、新たな恋をする。物語としては単純にそれだけです。
なのに、読み終えた後、猛烈に読み返したくなる。それは、ひとえに奏島先生の心理描写力の高さゆえです。
ゲイの木村は恋人と破局してめちゃくちゃになっているところを国島に助けられます。そこから、ボロボロになった心を国島が少しずつ友人として埋めてくれて、そのうちだんだんと国島が自分にかけがえない存在になっていることに気づいていきます。
国島もまた、いかにもエリートでとっつきづらいと思っていた木村が意外にも人間味あふれていることを面白く思い、友人として付き合っているうちに、彼にほのかな恋心を感じていきます。
2人がゆっくりと相手のかけがえなさに気づき、誰にも渡したくないだとか、かわいいだとか、特別な感情を抱きはじめる様子がじっくり丁寧に描かれていて、「2人がじわじわと恋に落ちていく」さまににやけさせられます。
②肩の力を抜いて読める、ちょうどいいラフさ
奏島先生の絵柄は、独特です。まるで手近なペンなどで描いたような、そんなあたたかみがあります。
最近人気の、どれだけ拡大しても微細に描き込まれたいわゆる「きれい」な絵柄とは少し違います。
けれどだからこそ!気合いを入れすぎないで読めるんです。
伏線などを読み逃さないようにしなきゃ、キャラの心の動きを読み取らなきゃと力を入れずに、ただ、知り合いの恋バナをなんとはなしに聞くように、漫画を読むことができます。これって、とってもすごいことだと思うんです。
仕事にプライベートにと脳をフル回転で使う日々を送っている方が多いであろう現代で、ただしく息抜きとしてそばにあってくれる漫画、というのは本当に稀有で、なかなかない貴重な存在だと思います。
ほっと一息つきたい時のお供に、本作はぴったりです。
③弩級の萌えキュンポイントが散りばめられている
アラサーの人間ならば誰もが知っているであろう、少女漫画の名作「ハチミツとクローバー」。あの作品も、シリアスと笑いが絶妙に混ざっていて、弩級の萌えキュンポイントが散りばめられていました。
本作「また明日会えるよ」は、まさにBL版ハチクロです。
シリアスな中に笑いがあり、さらに萌えキュンポイントが散りばめられています。例えば、会社では後輩だけど実年齢は年上の国島が木村に向かって「待ちなさい」と言うシーンとか。例えば、普段は名前呼びを恥ずかしがらないのに、最中にだけ名前呼びを恥ずかしがる木村とか。
おだやかな恋の物語と思わせておいて、ドキュン!と胸に刺さる萌えポイントを随所に持ってくる奏島先生の描き方はずるい!ずるすぎます!最高です!
まとめ
失恋して行き倒れていたエリート営業部員・木村を助けた、技術部の国島。そこから始まる2人の友情、そして恋。
穏やかに流れていく2人の時間を見つめていると、心が洗われるようです。
ほっと優しい気持ちになれるBLが読みたい、胸キュンしたい、誰かを愛する尊さを噛み締めたい…そんな方に本作はおすすめです。
読後、何度学んだもの読み返したくなる不思議な引力を持つ作品です。ぜひあなたも読んでみませんか。