明治カナ子「坂の上の魔法使い」シリーズのネタバレ感想|王子から魔法使いへ、父から子へ…受け継がれる愛の物語

コミック

明治カナ子先生「坂の上の魔法使い」シリーズを読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ

変わり者の魔法使いと小さな弟子 のお話。

<あらすじ>
魔法使いが多く住む町・ゲルの外れの荒れ山に、魔法使いのリーと弟子のラベルは住んでいる。
町が苦手でちょっぴり変わり者のリーとの暮らしは決して裕福ではないが、学校に魔法にと勉強に励むラベルは充実した毎日を送っていた。
そんなラベルの成長を、ときに厳しく、ときに温かく見守るリーだが…!?

 

こんな人におすすめ

  • 絵本のような心温まるBLコミックを読みたい📕
  • 独特の絵柄・世界観のあふ作品に惹かれる🥺
  • 明治カナ子先生作品が好き❤️

 

ネタバレ感想

坂の上の魔法使い

無愛想な魔法使いが、滅亡した王国の王子を育てるお話です。

弟子・ラベルに亡き王の面影を見て、ささいな喧嘩中深刻に謝ったり、ふと王への慕情を反芻したりする師匠・リーが切なくも愛おしいです。

ラベルは無邪気で快活でただただ可愛い。ぐずる幼いラベルと夜の散歩をするシーンには思わず涙が…🤦‍♀️

リーが犯されるシーンはラベルの号泣につられ泣きしました。表情の描き方がうますぎるんじゃあ…。

本作は何百冊と読んだBL作品の中でも特に心に残っている作品で、初めて読んだ時、世界観の深さに圧倒されました。

読書中、物語を消費している感覚がなくて感動します。1コマ1コマが心に沁み入るように響くんです。

練られた世界観と絵柄がぴったり合っているから、実在する歴史を紐解いているような、自分に繋がる過去を見せてもらっているような感覚になる。

明治先生の作品と出会えてよかった…。

坂の上の魔法使い
作者:明治カナ子
魔法使いが多く住む町・ゲルの外れの荒れ山に、魔法使いのリーと弟子のラベルは住んでいる。町が苦手でちょっぴり変わり者のリーとの暮らしは決して裕福ではないが、学校に魔法にと勉強に励むラベルは充実した毎日を送っていた。そんなラベルの成長を、ときに厳しく、ときに温かく見守るリーだが…!?
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無二の王~坂の上の魔法使い2~

大号泣。

「リーの愛」編は、読み返すのに勇気が要ります。

息苦しい城の生活の中でささやかに信頼と愛情を積み重ねてきた2人が政略結婚のための道具として使われ、決裂してしまうのが…辛い…。

魔法使い達を道具ではなく人として扱いたい、対等になりたいとリーを愛して思い行動した王の努力と勇気、何度読んでも心震えます。

王が静かにリーを詰るのも、リーが声なき声で王に自分の意思による言動ではなかったと必死で言い募るのも、その後に静かに両目から涙を流すのも、王が壁に手をつき一人で泣くのも、全てが悲しい。

王がやっとの思いで告げたリーへの想いの深さが分かるからこそ、苦しい。

辛い。優しく胸を深く抉られます。

初読時はただただ初夜の苦しみに泣き崩れたけれど、改めて読むと伏線の回収の巧みさと言葉の美しさに慄きました。

床入り前に腕輪を外したのも、王子が本当のリーの姿を見ようとしたのも、箱に入った時から恋に落ちていたのも…王への言動がリーの本心ではなく女王たちに操られていたのだといつか王は知られたのだろうか…知られたらいいな、とかすかな希望を抱いています。

王の魂とリーの使役は次巻で一体どうなるのか…楽しみ😭✨

無二の王~坂の上の魔法使い2~
作者:明治カナ子
ある日、リーに恨みを持つ魔法使いがリーを襲う。リーの力によって事なきを得るが、冷静さを忘れ取り乱したラベルをリーはきつく叱ってしまう。そしてラベルの姿にリーは、ラベルの父親であり、かつて存在した大国・セロハンの王に想いを馳せ─。
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黄金の川岸~坂の上の魔法使い3~

「仕方のない私の魔法使い…」という、王の最期の言葉にどれだけの読者が涙しただろう…🤦‍♀️

初夜は苦い思い出だけど、結局王はリーを変わらず愛して続けていたんだと、王が死ぬ直前にリーへかけたこの言葉で痛感しました。

愛する人を失いたくないと泣くリーの涙を拭う王のささやかな愛情が、リーにとっても私たち読者にとっても救いです。

王のどんなささやかな願いも叶えたいからと、強くなるために何度も死の恐怖に耐えて殺されてきたリー…リーの王への深い深い愛情を感じて、涙がボロボロ溢れます。

王がリーとifの未来を語るくだり、過去の2人が渇望した優しい未来すぎて爆泣きでした。

ラベルとリーの穏やかな日常が永遠に続いてほしいです。

想像以上のあたたかなハピエンに、王とリーの悲恋やラベルの輝かしい未来を思って涙が止まりません…「坂の上の魔法使い」シリーズ、宝物のような物語でした😭✨

黄金の川岸~坂の上の魔法使い3~【電子限定版】
作者:明治カナ子
リーのもとにずっと捜し続けていた元使役・リリドが見つかった、リリドは王・カヌロスの亡骸とともにいるとの報せがはいる。王の復活を目論みラベルを狙うリリドとリーの最終決戦が始まる。リーとラベルの運命は!?
KindleレンタコミックシーモアひかりTVブック

記憶の糸 坂の上の魔法使い外伝

王子ラベル、養い親リー、街の魔法使い長エイベンのお話です。

魔法使いと使役の関係なども詳しく知られて超面白い!設定集が欲しい…!!

読むほど、エイベンが大好きになる一冊でした。

リーと2人でお茶をするのが夢だったり、使役のように名前を与えられたことをリーとの絆だと幸せそうに思い出したりするのが可愛いし、リーの方も満更ではないのか新たな街の名前を「エイヴェ」と命名するのも微笑ましくて…切なくも愛おしいエピソード満載で胸がいっぱいになります😢✨

王家の力はかつて王が望んだようにラベルが民のために活用してくれていて、感激です…😭

外伝を読み終えて改めて、「坂の上の魔法使い」の世界の人々への愛おしさが募ります。

魔法使い、使役、人の数だけ愛の物語があるんだな…。紙の中で彼らの息遣いをリアルに感じられます。幸せ。

記憶の糸 坂の上の魔法使い外伝
作者:明治カナ子
ギルトの長・エイベンの1番古い記憶は敬愛するリー様との出会いだった。なぜ長は記憶を無くしたのか─途切れた記憶の糸が正解へと導く。待望の「坂の上の魔法使いシリーズ」外伝、ついに登場!!
KindleレンタコミックシーモアひかりTVブック

 

まとめ

家族愛や人間愛、無限の生と死について深く深く考えさせられる、温かく優しくも胸を突かれる素晴らしい物語でした。

ストーリー展開やモノローグや台詞の言葉選びが神がかってハイセンスで…天才です。

本当に大切な情報だけをぽんと読者に与え、行間を読ませる絵の描き方やモノローグ・台詞の書き方の絶妙さは、まさに現人神…😭🙏✨

「坂の上の魔法使い」シリーズは本当に全人類に読んでほしい…!!!

BLファンタジー稀代の名作。全腐女子必読のシリーズです!!😭✨