ヨシノ「カットバック:エンドロール」シリーズのあらすじ・感想・レビュー・試し読み|俳優×アイドルによるドキドキ同棲ライブ配信、スタート!

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実力派人気俳優と超売れっ子アイドルの若手2トップがドラマの番宣で同棲生配信ーー!?ヨシノ先生「カットバック:エンドロール」シリーズを読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


実力派人気俳優×超売れっ子アイドル のお話。

<あらすじ>
子役時代のハルに憧れ、同じ舞台に立つことを夢見て芸能界に入ったヤマトは、見事ドラマのW主演に大抜擢!
ついに念願の夢が叶ったものの、ドラマ連動企画として撮影期間中2人は同棲しながら生配信することに。
そのうえ、同棲中も役作りとして本気で愛し合うことを要求され…?

 

こんな人におすすめ

  • 芸能界ものが好き📺
  • 個性の強い絵柄が好き🎨
  • 両片想いにときめく🥹

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
ストーリーは王道純愛、CP様式は洒脱、エロは大胆に攻める隙のない布陣でお送りします!

引用:ヨシノ先生インタビュー 2025/03/31 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる

②――今作にまつわる裏話はありますか?
ハル(攻)一人っ子×ヤマト(受)姉弟。完璧に見えてマイペースな攻に振り回される苦労人な弟、という微笑ましい配信生活を覗くことができます。

引用:ヨシノ先生インタビュー 2025/03/31 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる

③――作品紹介をお願いします
『ドラマのPRのため同棲生活を…』帯のキャッチコピーです! BL的寄せ鍋感覚で的を得ています。どこを食べても美味しく仕上がっています!

引用:ヨシノ先生インタビュー 2025/03/31 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる

 

ネタバレ感想

カットバック:エンドロール 上

元実力派子役の一条晴と大人気アイドルグループリーダーの那知大和は、BLドラマ「カットバック:エンドロール」(通称「カトエン」)でW主演を務めることになります。ドラマの連動企画としてOneTube公式チャンネル「EX-CUT」で二人の同棲生活を配信することになりますが…。

大和にだけ当たりが強い晴。撮影中は演技指導と称してネチネチ小言を言ったり、カメラが回っていないところでは大和となるべく距離をとって話そうともしません。
しかし、大和が同棲生活を始めてからエッチがことができなくて困っていると相談すると、「抜いてやる」「必要があるからやるだけだ」「責任は取る」となんとしごきあい・素股まですることに。
突然の距離の縮まりっぷりに風邪をひきそう!?😂
晴は口数が少ない上に鉄面皮すぎて何を考えているか分かりませんね…。
大和の方は明らかに戸惑ってはいるものの、晴と同じ舞台に立ちたいと憧れて芸能界に入ったこともあるし、同い年ということで「友達になりたい」という気持ちもあり、あまり強くは言えない様子です。

晴については他にも気になる点があり、

  • 監督に「欠点がないことが欠点」と密かに言われている
  • 「昔から大和を知っていた」と視聴者に打ち明けるも、「今は叶わない物語を演じているからそれでいい」と締める
  • 「好きな人はいた。つかまえておくために戻ってきた。つかまえてたしかめたい」と泥酔して大和に打ち明ける

このあたりが特に謎ですね。

まず、「カトエン」の監督は晴の演技について、「無邪気なスターは人を惹きつける。それこそ昔のお前みたいにね」と大和を引き合いに出して晴本人に当てこすっており、晴の演技力はある程度買ってはいるものの、どこか納得できていないように見えます。撮影中に彼が殻を破れるかどうか、試しているのかな?晴本人は飄々としていますが、演技について彼がどう考えているかを知りたいところです。

「昔から大和を知っていた」と回想するシーンでは、そのセリフの背景に、学生服を着た晴が机に座ってパソコンの画面を見つめる絵が使われていました。晴は学業に専念するためという名目で12年前に一度芸能界を引退していましたが今年「カトエン」で復帰。一方、大和は晴を追って7年前に上京&芸能界デビュー。ということは、晴は学生時代にアイドル活動をする大和をテレビか何かで見ていたのかもしれませんね。全く畑違いの二人ですが、大和に対して晴は当時何か思うところがあったのでしょうか?

「好きな人はいた。つかまえておくために戻ってきた。つかまえてたしかめたい」という言葉も意味深です。捕まえるのはまだ分かるけれど、「確かめたい」とは?何を確かめるのでしょう?

次巻が最終巻なので、全ての謎がどう解き明かされるのか楽しみです!

カットバック:エンドロール 上
作者:ヨシノ
子役時代のハルに憧れ、同じ舞台に立つことを夢見て芸能界に入ったヤマトは、見事ドラマのW主演に大抜擢!ついに念願の夢が叶ったものの、ドラマ連動企画として撮影期間中2人は同棲しながら生配信することに。そのうえ、同棲中も役作りとして本気で愛し合うことを要求され…?

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カットバック:エンドロール 下

二人が同棲するマンションに謎の女が突撃訪問。さらに女は撮影現場に現れ、大和を刺し殺そうとします。二人の同棲生活はこれで終わりを迎えるかと思われましたが…。

謎の女は「大和を出せ」と言っていたので、てっきり大和ファンかと思いきや…実は晴を幼少期から知る映像業界関係者だと判明。
「そいつが苦しめるから助けたのになんで庇うの!晴くんが無理してるのは分かってる!汚れ役はダメ!私がまた汚いことから守ってあげるから!無理して演技するのはやめてよ!私があなたのママになるから!」と叫ぶ女。ここから推測するに、女は、厳格な映画監督であった父に見放されたくないともがいていた晴少年を当時近くで見ており、「EX-CUT」の最中に晴が吐き気を堪えるような表情を見せたことから(実際は大和にフェラをされて堪えていただけ)、「大和との仕事は晴にとって負担なのでは」と凶行に走ってしまったのかな?と思いました。

ひっかかった点としては、晴が「多くの支えと繋がりがあっても理解できなかった。あの頃(父に見捨てられて絶望していた子役時代)の俺に必要だったのは大和だったんだ」「はじめからずっとここでお前を見た時から消えない感情がわかった。俺は大和だけを好きで生きてきた」と言っていたのですが、なぜ父から見捨てられた時に大和の存在が支えになったのかがいまいちよく分からなかったことです。たしかに大和は晴を追って芸能界に入ったわけですが、晴は当時超人気子役だったし、通っていた学校でも取り巻きがたくさんいたようでした。そういう意味では、憧れの対象にされることや好意を向けられることに慣れているはずなんですよね。それでも、大和だけが特別だったのはなぜなのか?父に拒絶されて一番落ち込んでいる時に見た大和が、あまりにもピュアで美しかったからかな?

それに、大和の晴に対する好意についても、ちょっと描写が少なかったかな…。
濡れ場はたくさんあって、体が晴を求めているのは分かるんですが、心の方がいまいち見えてきませんでした。
というのも、大和にとって晴は「憧れの人」で、「同じ舞台に立つのが夢」なのは明らかなんですが、それと性的な興奮や「生涯を共にしたいかどうか」って別物じゃないですか?
晴は外見がかっこいいし演技力もある優秀な俳優ではありますが、「だから付き合いたい」というのは論理に飛躍がありますよね。
なぜ大和が晴と一緒にいたいのか、恋愛相手として好きなのかが、最後までよく分かりませんでした。

結果的に二人はドラマ「カトエン」の撮影も同棲生活も無事にやり遂げ、交際を正式に発表して、結婚指輪もおたがいにつけて…という完全無欠のハピエン。

どうして二人がお互いを好きだと思ったのか、その「好き」の気持ちがどう変遷して交際に至ったのかがいまいち分かりにくかったものの、それでもやはり最後に二人が結婚指輪をつけて寄り添っている姿を見ると、「二人が幸せになれてよかった」と、あたたかい感情が胸に染み出してくるのを感じました。

カットバック:エンドロール 下
作者:ヨシノ
ドラマの撮影も順調に進みプライベートな関係も深めつつあったハルとヤマト。同棲生活のLIVE配信でもお互いを求め合う姿を匂わせ全て順調だと思っていたある日、二人の住む家が害悪ファンによってリークされ撮影や同棲企画も一時中止に追い込まれてしまう。会う機会が減る中、お互いの気持ちを再確認し…?

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まとめ

大人気アイドルグループリーダーの那知大和は、BLドラマ「カットバック:エンドロール」(通称「カトエン」)で、元実力派子役の一条晴とW主演を務めることになります。
カメラが回っていないところではいたってクールな晴に尻込みする大和でしたが、ドラマの連動企画として二人の同棲生活をライブ配信することになってしまい…。

本シリーズは、ヨシノ先生のデビュー作品!
一作目からシリーズものというのは、そうとう出版社が期待を寄せているのが感じられますね。
実際、画力は驚くほど高い上に、絵柄のオリジナリティもあり、表紙を見て一目で「買いたい!」「この作品についてもっと知りたい!」と思わせてくれる吸引力があります。

キャラ設定は王道、ストーリーも気を衒ったものではありませんが、だからこそ描き手の技量が試されます。新人作家さんにも関わらずあえてその王道で戦おうと真っ向勝負される姿勢がかっこいいと思いました。

おすすめポイントとしては、とにかく濡れ場の描写が丁寧で、エロへの情熱と密度と濃度が高い点!最中のキャラの表情、擬音、アングル…一コマ一コマに一筆入魂されている感じが伝わってきて、感動させられました。
芸能界BLでも、特に濡れ場がエッチな作品を読みたい!という方に激推ししたいシリーズです。