赤河左岸「羽化(メタモル)」のネタバレ感想|番を失った獣人ボディーガード×病弱なβDK の切ない歳の差ラブストーリー

コミック

赤河左岸先生「羽化(メタモル)」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


番を失った獣人ボディーガード×βだと思い込んできた高校生Ω のお話。

<あらすじ>
自分をβだと思い込むあさひを守るために雇われた大型獣人でαのボディガード・アル。
人間の中で奇異の目で見られながらも静かに優しく自分を見守るアルにあさひは次第に惹かれていくが、アルには既に亡くなった「運命の番」がいた―!
人間と獣人という禁忌、しかも平凡なβの自分にはどうしようもないとあさひは必死で感情を抑え込もうとするが、恋を知ったあさひの身体は暴走していき―!?

 

こんな人におすすめ

  • 異種間の恋に萌える🐺♥️👨
  • 愛憎にまみれた人間関係描写にドキドキワクワクする🔥
  • オメガバースものが好き♂♀

 

ネタバレ感想

羽化(メタモル)

自称ベータのひ弱な高校生・新堂あさひは、獣人のボディーガード・アルブレヒトに守られて日々生活しています。三者面談に父の代わりに来てもらったり、学校と病院への送迎をしてもらったり、昼食のお弁当を作ってもらったり。穏やかな日々の中で、あさひは次第に自分がアルブレヒトに抱く気持ちの強さに気づいていきます。

本作のテーマは、「運命」。
自称ベータのあさひは実際はオメガなので、運命の(人間の)アルファがどこかに存在するはず。一方でアルブレヒトはアルファで、獣人の世界ですでに運命のオメガを見つけており、死別しています。
人間は異種間恋愛を可能と考えていますが、獣人が異種間恋愛をすることはほぼありません。それをあさひは知っているので、アルブレヒトへの好意を必死で隠そうとするのですが…。
運命という鎖を自ら打ち壊し、今自分が信じる愛をしっかりと掴みアルブレヒトに向かっていくあさひは、とてもまばゆく、美しいです。

物語の主な舞台は街中なのですが、海沿いの街なのでたびたび海のシーンが登場します。特にあさひとアルブレヒトになんらかの事件が起こる時、舞台は海であることが多いです。だからか、表紙の印象が強いからか、本作の読後真っ先に思い出されるのは真っ青な海です。作中はモノクロなので色はついていないのですが、不思議とどこまでも澄んだ海が最初に頭に浮かびました。
それは、あさひが運命の相手である人間のアルファではなく、アルブレヒトという獣人のアルファに、運命ではないにも関わらず激しく惹かれ、何の打算もなくただ恋焦がれていたという、まぶしい初恋の美しさが、清々しい海を思わせるのかもしれないと思いました。
また、アルブレヒトは運命の相手である獣人のオメガと番っていましたが、相手が死別したという過去があります。「番を失うと種族としてアルファとしての存在意義がなくなるのと同時に己の運命を失う哀しさを知る」とアルブレヒトは語っていましたが、そのどこか物哀しいたたずまいが、どこまでも孤独な海と印象が被ったのかもしれません。

あさひの同級生であるたけるが、アルファの父に運命のオメガが現れたという理由でベータの母と自分が捨てられてしまい、途中まではアルブレヒトに対して「アルファなんて発情期が来る理性のない獣と同じ」「あんたはアルファでもあさひには何も与えてやれない 俺もね」と皮肉な態度でしたが、最後の最後に「本当はこんな性別なんて関係ないって叫びたかった あいつと友達でいたい」と本音を吐露するのにもぐっときました。何かを与えてやれる運命の相手でなければ意味がないと思うのは、父に捨てられたから。でも、本当は、そんな運命の相手でなくても、たけるは父にそばにいてほしかった…。アルブレヒトに父の姿を重ねて鬱憤を晴らしていたたけるが、アルブレヒトとあさひの愛し合う姿を通して、自分の本当の望みを見つける様子にとても感動させられました。

 

毛皮の中でおどる日々

あさひの何十倍も大きな手のひら、そして鋭利な爪を持つアルブレヒトの手。一見あさひに触れればずたずたに傷つけてしまいそうに見えますが、意外にもアルブレヒトの手は繊細に動きます。
それは毎日の弁当をアルブレヒトが器用に作ることから分かりますが、あさひは夜にアルブレヒトの手がどんなふうに自分に触れるかを知っているので赤面してしまい…。

たけるがなんとなくあさひの赤面の理由を察していそうなのに笑ってしまいました😂同級生のそういうシーンを想像するのは気まずいですよねw
それにしても、アルブレヒトはあさひの弁当まで作ってあげて…できた恋人でもあり母親的存在でもあるのだなあと面白かったです。

 

クレイジー・サマー・ウール

ふわふわの毛皮を持って生まれた羊は、薄い皮の民(シンスキン)である彼氏から夏になった途端に捨てられます。自分は愛玩動物でしかなかったのだと落ち込む羊は、シンスキンよりもさらに毛皮のない蛇に出会います。

羊が美容師の蛇に伸ばしっぱなしだった全身の冬毛を刈られるというシーンが予想以上に色っぽく、ドキドキが止まりませんでした。
羊は毛皮を持っていたせいで彼氏に振られたことをずっと悩み続けていましたが、蛇から「冬にそばにいてほしい。夏は僕が涼しくしてあげる」というような提案を受けた時に「あの人とは次の季節の話をしなかった 今晩俺はあの人の夢を見ないかもしれない そんな気がする」と心の中でつぶやくのがとてもグッと来て…!蛇とならばうまく付き合っていけそうな気がすると勝手ながら思ったりしました。

 

電子限定描き下ろし

アルブレヒトのあさひに作るお弁当の完成度のお話でした。

作り始めて1週間、1ヶ月、2年後とどんどん上手くなっているアルブレヒトに感嘆します。決して手を抜かないところがすごすぎる。しかも2年後のお弁当がのり弁なんですが、狼の形にのりが切ってあるんですよ!!かわいすぎるだろ…!!!
あんなに硬派でクールでかっこいいアルブレヒトだけど、あさひにはこんな可愛いお弁当作るんだ〜とニヤニヤしながら見てしまいました。しかもあさひがちょっと恥ずかしそうなのがまたいいですよね。恋人との親密なメッセージを覗き見されたような気持ちなのかなと思ったりしました。

 

まとめ

ひ弱なベータの高校生・新堂あさひは、獣人アルファのボディーガード・アルブレヒトに守られながら毎日を過ごしています。しかし、あさひになぜかファーストヒートの予兆が出始め、二人の穏やかな日々は崩壊することに。

オメガバースもので一番重要な出来事といえば、アルファとオメガという「運命の番」か惹かれ合うこと。本作でも、人間は人間同士で、獣人は獣人同士で「運命の番」がいると明言されています。アルブレヒトは、獣人の番と死別したため、群れのオメガを襲わないように外界(人間界)へ移動してきた特殊なアルファです。一方、ずっと自分はベータだと信じ込まされてきたあさひは実はオメガで、人間のアルファの番がどこかに存在することが発覚します。
それでも、あさひはただ一心にアルブレヒトのことを愛していて…。

あさひをオメガという特殊な性によって振り回させたくないと苦しむ、オメガであるあさひの父親。アルファの父親に「運命の相手(オメガ)が見つかったから」と捨てられたベータの同級生、たける。運命に惑わされたくないと望みながらアルブレヒトを求めるオメガのあさひ。本来は異種間恋愛が禁じられている獣人でありながら、あさひへの愛に苦悩するアルブレヒト。
それぞれがアルファとオメガ、ベータに対して特別な思いを抱いており、その気持ちには愛憎が入り混じっています。

ただただ愛する人を愛したい、それだけなのに、それだけが難しい。運命に抗って愛したいのに、それは可能なのか分からない。体が心を裏切るからこそ、不安になる。
オメガバースの永遠のテーマに真っ向から挑んだ、王道初恋物語です。

羽化(メタモル)
作者:赤河左岸
自分をβだと思い込むあさひを守るために雇われた大型獣人でαのボディガード・アル。人間の中で奇異の目で見られながらも静かに優しく自分を守るアルにあさひは次第に惹かれていくが、アルには既に亡くなった「運命の番」がいた―!人間と獣人という禁忌、しかも平凡なβの自分にはどうしようもないとあさひは必死で感情を抑え込もうとするが、恋を知ったあさひの身体は暴走していき―!?

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