ニシンマスミ「HEARTLESS」のネタバレ感想|美しき吸精鬼と情夫は、カルト教団の魔の手から逃れられるか?

コミック

ニシンマスミ先生「HEARTLESS」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


森で一人暮らしする聾唖の男×人間の命を食べて生きる“吸精鬼” のお話。

<あらすじ>
美しい容貌で人を誘い、命を食べて現代を生きる“吸精鬼”と、共に暮らす”情夫”と呼ばれる男 マヌエル。
森の中でひっそりと暮らす彼らの前に、異端狩りと称するカルト集団が現れて─…圧倒的なリアリティで描く、本邦初のサバイバル・ホラーBL。

 

こんな人におすすめ

  • 人外受けが好き😈❤️
  • グロめの描写も全然平気!👌
  • 救いのない物語は、それはそれで味わい深いと思う📖

 

ネタバレ感想

①カルト教団「狩猟クラブ」のおぞましい活動に吐き気

カルト教団「狩猟クラブ」は悪魔など人智を超えた存在を信じ、それらを狩る(殺す)ことを目的とした集団です。各区にチームが存在し、そのリーダーたちは悪魔を標本・管理しています。

しかし彼らが殺しているのは、人に害を与えることもなくただひっそりと生きているだけの人外の生き物たち。それをわざわざ「狩猟クラブ」は見つけ出して嬲り殺していました。

「狩猟クラブ」リーダーの息子・パトリックは触れた人の心を読むことができる力を利用して、「狩猟クラブ」メンバーに親を殺され隠れていた人外の子供を惨殺するなど罪を重ねます。(隠れていた獣人の幼児をパトリックの仲間が銃殺するシーンは反吐が出ました…)

読み進めるほど「狩猟クラブ」への怒りが募り、「狩猟クラブ」こそ全員生まれたことを後悔するくらい苦しみながら死滅すればいいのにと思いました。(かなり過激な感想に聞こえると思いますが、読めば分かります…😡🔥)

パトリックは彼の恋人のオズ共々「狩猟クラブ」の中でつらい立場に追いやられそうなことが匂わせられていましたが、早く全滅してほしいですね…。

 

②美しい吸精鬼ナルコの包み込むような無償の愛に心揺さぶられる

ナルコは人間の命を食べて生きていますが、死期の迫った子供たちのもとに深夜現れては彼らを天国に連れていこうと根気強くなだめ、痛みを取り除き、慈しむ、心優しい性格の吸精鬼です。

ナルコが見える者・彼が痛みを取り除いてあげられない者は一定数おり、そのうちの1人がマヌエルでした。マヌエルは病院で過ごすうち、ナルコとすっかり仲良くなります。

幼いマヌエルは心臓病のため入院していましたが、そこで「狩猟クラブ」のメンバーたちが「病院に吸精鬼がいる。彼を殺さなければならない」と勝手に侵入した上、悪魔だと勘違いをして罪のない子供たちや職員たちを皆殺しにするところを目撃してしまいます。パトリックの父はそのメンバーたちを束ねており、病院に灯油を撒き点火。証拠も証人も隠滅させます。

森でひっそりと暮らしていたナルコたちを「狩猟クラブ」が追いかけていたのは、「狩猟クラブ」リーダーであるパトリックの父が過去の自分の罪を消し去りたかったからでした。

病院でのナルコは、命を喰らう恐ろしい吸精鬼というよりも、迷える魂を導いてくれる天使のようでした。

「地獄に堕ちるのが怖い」と泣く子供に、毎晩毎晩何の見返りもないのに根気よく「大丈夫だよ。天国に行けるよ」と語りかけ、痛みを取り除いてあげるのです。

作中でナルコは自分の名前をマヌエルに明かさないため、彼から「母さん」と呼ばれていましたが、ナルコはまさに母のように無償の愛で人々を包み込む存在です😭✨

 

③マヌエルとナルコの深い共依存愛に萌え度MAX

パトリックとパトリックの父のせいで半殺しに遭ったナルコとマヌエル。マヌエルは標本にされていたナルコをどうにか助け出します。しかし同時にパトリックの父が集めていた他の標本からも悪魔や怨念たちを解き放ってしまいます。

マヌエルは怨念たちに付き纏われ、たびたび幻覚を見ては自殺しようとしてしまいますが、その度にナルコに助けられます。

ナルコは「マヌエルは僕のだぞ 他のやつに食わせるもんか」「心臓だけは神様に返したとしても…他の部分は全部僕のものだ」と悪魔や怨念たちに威嚇するようにマヌエルを守るのですが…このナルコの表情が凛々しく、まるで姫を守る騎士、子を守る母のようで…とても気高く美しいのです。

マヌエルは自分のせいで「狩猟クラブ」から多くの罪のない人々を殺したという罪の意識を捨てられず、ナルコも自分のせいでマヌエルを罪の意識に苛ませていると罪の意識を抱いています。

贖罪と愛がない混ぜになった、マヌエルとナルコの関係性…複雑で、愛と悲しみに満ちていて、痛々しいけれど美しいです。

 

まとめ

聾唖の男性が吸精鬼に取り憑かれちゃうのほほんファンタジーものかと思っていたら、まさかのカルト教団「狩猟クラブ」による虐殺・吸精鬼による殺人…と冒頭から血みどろの展開で絶句しました。

「狩猟クラブ」の「人間でない生き物は全て害悪だから殺す」という暴力的な考え方は理解したくもありませんが、叶うことなら構成員メンバー全員が死滅してほしいです。

マヌエルとナルコはただ2人で静かに生きていきたかっただけなのに…それを世間は許してくれなかった。命懸けでしか生きることができない2人が悲しいです。かわいそうすぎる…。

愛なのか償いなのか、2人の関係性の軸はもはや分からないけれど、どうか2人が心穏やかに余生を過ごせたらいい…と祈るばかりです。

あと、最後のページと表紙がリンクしていて、そのお洒落な遊び心にグッときました。ぜひ皆さんも読んで体感してほしいです💪🔥

HEARTLESS
作者:ニシンマスミ
美しい容貌で人を誘い、命を食べて現代を生きる“吸精鬼”と、共に暮らす”情夫”と呼ばれる男 マヌエル。森の中でひっそりと暮らす彼らの前に、異端狩りと称するカルト集団が現れて─…圧倒的なリアリティで描く、本邦初のサバイバル・ホラーBL。

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この記事を書いた人

たこわさ
たこわさ
夜明けの腐女子。樋口美沙緒先生「パブリックスクール」シリーズ・葵居ゆゆ先生「愛傷コレクション」・伊勢原ささら先生「嫌われ魔物の大好きなひと」・中庭みかな先生「沈まぬ夜の小舟」シリーズが愛読書。
スパダリ執着攻め×一途健気受けが性癖。