川唯東子「Marble」のネタバレ感想|人気フレンチ料理店の人たらしソムリエ×料理以外ポンコツ天才シェフ!究極の飯テロBL

コミック

川唯東子先生「Marble」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


人誑しなソムリエ×料理以外ポンコツな天才シェフ のお話。

<あらすじ>
料理人としての腕は超一流、でも無愛想で不器用なシェフ・近森。
そんな近森にとって、細やかに気が配れて仕事のできるソムリエ・梶は、仕事上いてくれないと絶対困る存在。
信頼が好意に、好意が恋に育っていくが、梶は全く気付かず…?

 

こんな人におすすめ

  • 飲食系お仕事BLが好き🍳🍷
  • フランス料理で徹底的に飯テロされたい🤤
  • 丁寧に描き込まれた繊細な絵柄が好き🎨

 

ネタバレ感想

Marble

街で一番の小さなフレンチレストラン「ビストロ・ア・ヴィン・タイチ」、この店の若きシェフ・近森は、天上天下唯我独尊の関白シェフとして有名です。
そんな近森にやれやれとため息をつきながらもオープン当初から2年にわたって女房役として付き添っているのが、人気ソムリエの梶。
最初は近森のあまりに輝くシェフとしての才能に嫉妬したこともあった梶ですが、今は近森の作る料理に夢中。「俺はお前に惚れてんの(お前の料理が好きなの)」と本人に向かって告白するほどです。
しかし、ある日突然近森は「店を辞める」と言い出してしまいます。

と、基本的に本作はソムリエ×シェフの恋模様を中心に描いています。
しかし特筆すべきなのは、その恋模様以外にも、フレンチレストランでの始業から終業までの怒涛の戦いの様子、従業員が風邪で倒れて人数不足になったときの対応、シェフの仲間が急遽応援に来てくれたときの様子…など、レストランの裏で何が行われているのか、それがどんな騒動を巻き起こしたり、どんな喜びを与えているのかというのが鮮やかに描かれている点です。
華やかなレストランの裏側ではこんなに怒涛の仕事が毎日毎日行われているのかと目が回りそうになるのと同時に、それを当然のように回しているシェフやスタッフたちの手腕に感動します。

そしてなんと言っても、イタリアンレストランが舞台ということは…美味しそうなイタリア料理がたくさん登場するということ!!
山ほど出てくる美しく美味しそうなイタリア料理たちに、垂れてくる涎を拭いては垂らし拭いては垂らし…。そしてそんな料理に添えられるのは、蛍光灯の光に照らされて輝く澄んだワインたち。見た目からして完璧なマリアージュに感嘆のため息が溢れます。なんてゴージャスな絵面なんでしょう。料理が描かれている一コマを見つめているだけでも、胸とお腹がいっぱいになる気さえしてきます。

さて、梶と近森の話に戻りましょう。
近森は梶に対していつも強気で横暴ですが、それはシェフとしての自分に自信があり、しかも梶がそれに応えてくれている間だけ。梶が女性客に誘惑されたり、オーナーから梶を他の店に引き抜きたいと言われると、分かりやすく動揺し、いつもの集中力や技術を発揮できなくなってしまいます。
梶はいつもメンタルが安定している人ですが、近森は正反対。だからこそ、梶が近くで近森のわがままを聞いて、そのメンタルの波を整えてやっていたのですが、近森が店を辞めたいと言い出した(梶を意識しすぎて料理中に注意散漫になるから)ために梶はしばらく近森の師匠である小鹿シェフのイタリアンレストランにレンタル移籍することに。その間の近森は常にイライラしっぱなしで、料理も新作が作れず、客にも愛想を振りまけず…最悪のコンディションに落ち込んでしまいます。おかげで店の売り上げも激減。近森本人だけの問題にとどまらず、周囲にも悪影響を及ぼしてしまいます。
結局梶は近森のもとに戻り、二人がお付き合いすることで事なきを得ます。

近森は普段、厨房では暴君そのものなのですが、いざ梶と二人きりになるとドMに変身。梶が恋人らしいふれあいをしようとすると、近森はまるで生まれたての小鳥のようにふるふると震えながら梶の不埒な手を受け入れるのです。初心な様子で梶の手を受け入れる近森は、とにかくかわいくてかわいくて仕方ありません。普段の横暴っぷりはどこに!?と驚愕すると同時に、とろとろに溶かしてあげたいという凶悪な欲望が梶に滾る気持ちがよく分かります。

梶は店に戻る時に「お前よりすごいの作る人はいっぱいいるけど俺にとって「うちのシェフ」は近森だけ 一生このシェフについて行きたいって思える」と言って、近森とずっと一緒に働きたいとプロポーズ(?)しており、いつかは自分の店を持って「俺のシェフ」になってほしいと野望を語っていました。
2025年3月現在、続編は出ていないのですが…できることなら梶が自分の店を出す未来のお話まで読みたい!と願っています。

 

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相変わらず昼は暴君っぷりを発揮しまくる近森に振り回されてばかりの梶。いつものこととはいえ、疲れることに変わりはありません。近森の機嫌を取りながら、客の機嫌も窺い、スタッフたちの士気を上げ…ときりきりまいで働く梶。
しかしいざ夜になると、近森はドMっぷりを発揮。梶にフェラするだけでは飽き足らず、い自分の技術でイかせたいからとイラマまでして梶に尽くし(?)ます。
「超負けず嫌いなドMってやばい(かわいいという意味)」としみじみ思う梶なのでした。

近森を見ながら「昼は淑女、夜は娼婦」なんて言葉を思い出してしまいました。近森は女ではありませんが、昼と夜でがらりと人間性が変わった(ように見える)のって、えっちですよね…。特に傲慢で上から目線の人が夜は奉仕タイプだと、意外性がありすぎてドキドキしちゃいそう。
逆に梶の性癖(?)は全くのド・ノーマルで、昼も夜も全く態度が変わりません。そういう人が多いだろうとは思うのですが、近森があまりにドMなので、梶はSに目覚め始めているような気がします😂
それはそれで凸凹がぴったりはまって良いカップルかも?二人が昼も夜も幸せでいてくれたらいいなと願うばかりです。

 

まとめ

街の小さなフレンチレストランのシェフ・近森は、横暴なことで有名。人気ソムリエの梶を手足のようにこき使っています。しかし近森の料理に魅入られている梶は、そんな近森をうまく転がしながら、店の評判を上げています。

どちらもが欠けては動かない歯車のように、がっちり噛み合いながらレストランを回していくさまは、まさに職人芸。
あのお客様は肉の焼き加減をレアに、あちらのお客様はベジタリアンで、こちらのお客様は小麦アレルギーで…など、来てくれるお客さんごとに要望が違い、それにぴったり合った料理とサービスを提供する二人は、阿吽の呼吸です。

毎日毎日、仕事終わりに新作の試作をして、まずいものでももったいないからと二人で平らげ、少しでも美味しいものを作ろうと奮闘します。その姿はまるで部活に打ち込む少年たちのように純真で、真っ直ぐで、胸を打ちます。

美味しそうなグルメ漫画というだけではなく、レストラン業界の裏側を良い面も悪い面も描き出してくれながら希望を見出させてくれ、料理という一皿にどれだけの人々が努力を重ねているのかという感動も呼び起こさせてくれる…本作は、グルメBLであり、飲食業界のお仕事BLでもあり…さまざまな顔を持つ、素晴らしいBL作品でした。

Marble
作者:川唯東子
料理人としての腕は超一流、でも無愛想で不器用なシェフ・近森。そんな近森にとって、細やかに気が配れて仕事のできるソムリエ・梶は、仕事上いてくれないと絶対困る存在。信頼が好意に、好意が恋に育っていくが、梶は全く気付かず…?

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