みろくことこ「恋にだけ効くとろける魔法」のネタバレ感想|DVに苦しむ留年生×被り物を常用する同級生 の摩訶不思議でラブリーなコメディBL❤️

コミック

みろくことこ先生「恋にだけ効くとろける魔法」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


母のDVに苦しむ留年生×被り物を常用する同級生 のお話。

<あらすじ>
事故に遭い、ケガで長期リハビリして転校してきた柘植が初日、教室に入ると何故かクラス全員が被りものをしている。
圧倒されながらも柘植は、童顔なクラス委員・かきはのモフモフに触れて惹かれていく。
ある日かきはの家にお泊まりすることになり、うれし恥ずかし、かきはのために男気を見せた柘植だったが―?

 

こんな人におすすめ

  • 可愛すぎる受けに癒されたい🐰💐
  • ほんわか摩訶不思議な、みろくことこワールドに迷い込みたい🗺️✨️
  • 恋にあたふたしてる若い2人をニヤニヤ見守りたい👨‍❤️‍👨

 

ネタバレ感想

①「娘がほしかったのに」「あんたはいつもママの邪魔をする」と母に責められる拓殖(攻め)

主人公の拓殖は、平凡な男子高校生(高三)です。唯一特別なことがあるとすれば、交通事故に遭い、リハビリのために一年留年していること。

拓殖の両親は離婚しており、彼は母親に育てられましたが、バリキャリの母は拓殖がある程度の年齢になると彼を祖母(拓殖にとっての祖母)に預けて、パリ本社でのプレス業務に復帰してしまいます。
もともと拓殖の母はファッションに興味のある自分に似た娘がほしかったらしく、娘が生まれたら楽しくファッション談義ができると思っていたのに、生まれたのは何にも大して興味のない男の子。母は拓殖に失望し、仕事に打ち込むようになります。

しかしそんな矢先、柘植が事故に遭って入院することに。母は拓殖の同級生たちには愛想を振りまきますが、拓殖には「あんたはいつもママの邪魔をする」と吐き捨てます。

ただ、だからといって拓殖の母が息子を案じていないわけではありません。長いリハビリを終えた拓殖に(本人の了承なしとはいえ)体に負担のかからないようなベッドを送ったりと、母なりに拓殖を心配しているようです。
また、自分の邪魔をするなと言いつつも、母は1日の間に何十回も拓殖に電話をかけ、出なければ激怒します(出ても怒っていますが…)。
母の中で、「息子じゃなく娘がよかった」と拓殖を恨む気持ちと、「あんなに怒鳴りつけて悪かったな」という後悔の気持ち、「自分がどんな態度を取っても肉親だから味方でいてほしい、離れないでほしい」という親子が逆転したような保護や愛情を求める気持ちが渦巻いているのかもしれません。

 

②「男らしくしろ」「家名に恥じない友人と付き合え」と父に責められるかきは(受け)

暴力、DV、虐待

地元の名家・常盤木家の次男である、かきは。近所の人たちが「常盤木家といえばあの金持ちの…」と口を揃えるほどのリッチな家庭のようです。
しかしだからと言って家族関係も恵まれているわけではなく、かきはは父からことあるごとに「男らしくしろ」「家名に恥じない友人と付き合え」と責められてきました。

父の怒りが爆発したのは、かきはの文化祭でのことです。かきはは小さくてかわいいからと同級生たちに勧められて白雪姫のコスプレをして、本人は周りに褒められて満更でもなさそうでしたが、これが父の逆鱗に触れます。「常盤木家の人間ともあろうものが」と怒鳴り散らし、かきはは父に対して異常に恐縮するようになってしまいました。

かきはの父はかきはに外見がそっくり(身長が小さくて童顔)なのですが、髭を生やしたり強い言葉を使ったり不機嫌な態度を取ることで周りに頑張って威圧感や威厳を持たせているようなところがあります。
かきはの父も、もしかしたらかきはと同じように幼い頃から「男らしくあれ」「常盤木の人間なら…」と育てられて、それ以外に子供にどんな言葉をかけたら良いのか分からないのかもしれないなと思いました。

 

③恋人という味方を得て、呪いの呪縛から解き放たれる二人

拓殖もかきはも一番身近にいる両親が自分に勝手に期待しては失望し、怒ってくるという状況にうんざりしていました。けれど、二人とも未成年なので家を飛び出すこともできず…。

お互いに好意を持つ二人は、自分だけはあなたの味方でいるよと励まし合い、親の呪縛から解き放たれていきます。
互いの親は変わらないものの、拓殖は母にどれだけ罵倒されてもかきはが味方にいるというだけでトゲトゲした気持ちにはならなくなったし、かきはは父に柘植が「タマの小さい男だな」と言い返してくれたことで父を寛容に見ることができるようになったのです。

子供を導くのは親の役目だと、親は思いがちですが、実際は子供を導くのは子供同士なのかもしれないなと思わされました。

 

まとめ

「男らしくあれ」と厳しく父に躾けられ、それに反発したい気持ちから、クラスメートを巻き込んでかわいい被り物を着て生活するようになったかきは。そんな変人のかきはに興味を惹かれ、好意を抱くようになる転校生の拓殖。

被り物を着て生活する、というところは突飛な設定ですが、物語の大筋は「毒親の呪縛から子どもたちが解き放たれるまでの物語」です。
本作を読んでいると、大人というのは体が大きく、長年生きているだけの子どもにすぎないんだなということがよく分かります。別に分別があるわけでも、人間性が優れているわけでなくても、親にはなれます。子どもたちが親の幼い部分に振り回されるのではなく、こういう人なのだと諦め、切り捨て、前に進んでいく姿は、羽化する蝶を見ているような気持ちになります。

みろくことこ先生らしい超絶かわいい絵柄で描かれる、ドロドロな毒親脱出ストーリー。怖いもの見たさでぜひ覗いてみませんか?👻✨

恋にだけ効くとろける魔法
作者:みろくことこ
教室の扉を開けるとそこはワンダーランドだった――!!?事故に遭い、ケガで長期リハビリして転校してきた柘植。初日、教室に入ると何故かクラス全員が被りものをしている。

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