皆さんは、続編がほしい小説やコミックってありませんか?
私は、葵居ゆゆ先生「愛傷コレクション」の続編がめちゃくちゃほしいです。ほしいです。(プラチナ文庫さんお願いします!!!!!)
というわけで、出版社勤務の友人から聞いた「続編がほしいとき、最も効果的に小説・コミックを応援する方法」をご紹介します。
個人的なメモ程度なので、「ふ~ん、そういう方法もあるんだ」と思って読んでくださいw
続編が決定する仕組みは?
そもそも続編前提で作品が作られることもあれば、売り上げがよかったため続編が作られるというケースもあります。
こうなったら続編決定、という確実な方法はありません。
でも、これから紹介する方法をより大きな規模で行えば、続編決定に近づくことは間違いないです。
続編がほしい小説・コミックは新刊?旧刊?
続編がほしい小説・コミックは、新刊ですか?旧刊ですか?
その小説・コミックが刊行されてから3か月未満なら新刊、3か月以上経っていれば旧刊だと思ってください。(おおまかな目安です)
Q:どうして新刊=3か月以内なの?
A:本が発売されると、出版社から全国書店に本が送られます。
その後、売れなかった本を書店が出版社へ本を自由に返せる期間が「3か月間」だからです。
新刊か、旧刊かによって、あなたができる行動は違ってきます。
では以下、新刊・旧刊それぞれの応援方法を紹介しましょう。
新刊の続編がほしいときの、応援方法
新刊の続編がほしい時の応援方法は
- 電子書籍ではなく、紙本で買う
- 発売から1週間~1カ月以内に複数冊買う
- ネット通販ではなく、リアル書店で買う
- 地元書店での取り扱いがなければ、取り寄せる
電子書籍ではなく、紙本で買う
なぜ紙で買った方がいいのか?
それは、出版社は(ほぼ)紙本の売上しか重視していないからです。
ではなぜ出版社はなぜ紙本の売上しか重視しないのか?
まず、出版社における売上の把握は、基本的に「POSシステム」という「いつ・どの商品が・いくらで・いくつ売れたか」を集計するシステムで行われます。
ただ、これは書店チェーンや取次(卸業者)ごとに乱立していて、統一されていません。
しかし、POSデータは各店ごとに日次、週次、月次のいずれかが取られるので、1週間~1カ月程度でその作品の今後の売れ行きがだいたいわかります。
一方、電子書籍についてです。
現在、小説・コミックの電子書籍を売っている販売店は国内でおおよそ200以上ありますが、販売店ごとに締め日や入金のタイミングは違います。
例えば、どこかの販売店が自腹を切ってセールをしていても、作者はもちろん出版元さえ知らないということもあります。
そんなわけで、電子書籍については入金がなければ「電子で売れているかどうか」はわかりません。
つまり、「その作品が売れているかどうか」は、電子よりも紙の本が早く確認できる(し、早く確認できればその後の重版や続編作成に早く着手できる)ので、各出版社は紙で買ってくれるように読者にお願いするというわけです。
発売から1週間~1カ月以内に複数冊買う
そういうわけで、発売後なるべく早い時期に紙本を買わなければ、「売上が悪い」とみなされて、今後その作者の本がその出版社から出ない、続編作成がされない…となってしまう可能性が高くなるんですね。
では、だいたいどれくらいを目安に買えばいいのか?
だいたい、1週間~1カ月以内に買えば良いでしょう。
最初にお話したとおり、発売から3か月を過ぎると、売れ残った本は出版社に返品されます。
返品率が高い=売れなかったということなので、もしその作品の続編を望むなら、「この作品は売れなかったんだ」「この作家の本は売れないんだ」と出版社に印象づけないように、本屋から出版社に返品されないよう、新刊のうちになるべくたくさんの冊数を買った方がいいです。
ちなみに、「発売後最初の2週間で、各書店で卸した部数の25%程度が売れる」と重版されやすいらしいので、この本を絶対重版させたい!という新刊があったら、発売後2週間以内にいろんな書店でその作品を大人買いするといいかもしれません。
ネット通販ではなく、リアル書店で買う
アニメイト、コミコミスタジオ、ホーリンラブブックス、Amazon、楽天…ネット通販は便利ですが、新刊ならリアル書店で買いましょう。
理由はすでに説明したとおり、リアル書店での返品率が続編の可否に大きく響くからです。
では、地元の書店で取り扱いがなければどうしたらいいのか?
地元書店での取り扱いがなければ、取り寄せる
地元の本屋で探してみたけど、入荷してなかった…でも落ち込むのはまだ早い!!!!
おととし、Twitterでバズった久世先生のこのツイートをご覧ください。
【拡散希望】探している漫画が書店で見つからない。でも重版はかからない。何故?というお話。 pic.twitter.com/9vOIbZGs9e
— 久世岳@ニラメッコ9/9(月)START (@9zegk) 2017年1月7日
久世先生のTwitterで紹介されているとおり、もし地元の書店になかったら取り寄せましょう。
そうすることで市場在庫がなくなり、重版・続編につながりやすくなります。
現在の出版業界はどうしても
紙本>>>|超えられない壁|>>>電子
です。
続編につながるのはまだ紙本が圧倒的に優位なので、応援したい作品は、発売後とにかく早く!たくさん!リアル書店で!買いましょう。
旧刊の続編がほしいときの、応援方法
旧刊の続編は、かなり難しいです。
でも、可能性はゼロではありません!
応援方法は例えばこの2つ。
- SNSでハッシュタグ企画を行う
- 編集部宛に企画書・手紙を出す
SNSでハッシュタグ企画を行う
「新刊ではないけれど、この作品を愛している人がこんなにいるんだ!」と編集部にアピールする意味で、SNSのハッシュタグ企画は有効です。
作家の先生の名前、作品名をハッシュタグにすると、見つけやすくていいですね。
ちなみに私は、いつか「愛傷コレクション」ファンが便乗してくれることを祈りながら、今年はひとりで「#斎条十有くん聖誕祭2019」を開催しました。地道な活動が実を結ぶと祈っています。
#葵居ゆゆ 先生「#愛傷コレクション 」のキーアイテムといえば「アップルクランブル 」!
お誕生日祝いに焼いてみた🥧 同人誌「Holiday in Birdcage」で十有くんが口にしていた、魚介のマリネ、ローストビーフ、シャンパンも添えて🍽
十有くん、ハッピーバースデー!!🥰❤️✨#斎条十有くん聖誕祭2019 pic.twitter.com/miYeuHST8Z— たこわさ (@yuriyuutoutoi) 2019年5月17日
#葵居ゆゆ 先生「#愛傷コレクション 」で、十有くん(受)が花賀屋さん(攻)邸で初めて食べた朝食(p15〜18)を再現したよ🍽
ごはん、わかめと長ネギと豆腐の味噌汁、甘い卵焼き、醤油味で酸味が効いた唐揚げの煮付け、お浸し、漬物!
完璧な一汁三菜😋✨#斎条十有くん聖誕祭2019 pic.twitter.com/04QEiNP4RL— たこわさ (@yuriyuutoutoi) 2019年5月16日
#葵居ゆゆ 先生「#愛傷コレクション 」で、十有くん(受)が花賀屋さん(攻)との初デートで食べたもの…それはビーフシチュー!(p154)今日の昼食です🍽
骨董市でスクェアノットのペンダントを贈られ、夜は五東さんに見せつけながら潮吹きさせられた大波乱の日…🥺✨#斎条十有くん聖誕祭2019 pic.twitter.com/tP8gvX5odj— たこわさ (@yuriyuutoutoi) 2019年5月17日
今日は #葵居ゆゆ 先生「#愛傷コレクション」を読み返しつつ本編に出てきた料理を飲み食いし、五感をフルに使って花賀屋さんと十有くんの世界に浸りきった1日だった…幸せ…🥰 同人誌「Holiday in Birdcage」「ecstasy collection」を再読して1日を終えます📚✨来年が楽しみ!#斎条十有くん聖誕祭2019 pic.twitter.com/5aIfGt7dvO
— たこわさ (@yuriyuutoutoi) 2019年5月17日
編集部宛に企画書・手紙を出す
近年、編集部や作家の先生方宛に手紙を出す人が減っているのだそう。
特に、編集部宛の手紙はほとんどないらしいので、続編希望の企画書・手紙はかなり効果がありそうです。
手紙は複数人で送るとより効果的みたいです。
また、企画書・手紙を書く場合は、作品の中身以外に編集面でどこがよかったか(装丁デザイン、挿絵、企画、キャッチ、帯など)を、ビジネスライクにきっちり書くとウケがいいようです。
ただ、最終的には企画書も手紙も、部数や熱意よりも、「編集が編集長に武器として提示できるようなものかどうか」がキモみたいですね。
あと、もしあなたが「売れなかったら私が買取ります!」と書きたいなら、1000部単位でないとあまり意味がないので要注意です。買い取る覚悟のある人は、続編希望の本×1000部くらいの資金は用意しておきましょう。
そして、ここまで読んで、旧刊の続編は厳しそうだな…と思ったあなた。
もし「続編は諦めたけど、この作品が好きだから応援したい」と思ったらぜひ電子書籍で買ってください。
新刊とは真逆なんですが、旧刊になると重版や続編の可能性がぐっと下がってしまいます。
ただ、実は一冊も売れなくても紙本だと刷った分だけのお金(だいたい30~50万円程度?(※1))が入ってくるのです。
重版されるごとに、この刷った分のお金が先生の手元に入るイメージですね。
一方、電子は実売数の分しか入ってきません。
逆に言うと、重版されなくても、電子の実売数があがればその分先生の手元にお金が入ってくるわけです。
新刊であれば重版・続編の可能性が高いので、紙本を買った方が出版社へのアピールになるし、重版されたり続編決定した方が先生の手元に入るお金も多いし、応援になります。
が、旧刊は重版・続編の可能性が低いので、紙本を買っても市場在庫がなくなるだけで、出版社へのアピールにも、先生の手元に入るお金も増えないのです。
つまり、旧刊であれば、紙よりも電子で買った方が先生のためになるんですね。
しかも、紙の印税は定価の10%程度ですが、電子の印税は22~25%くらい(※2)だそうなので、紙を買うよりも効率的に先生を応援できます。
なので、もし「続編希望のための努力よりも、先生にこの作品が好きってことを細々と伝えられたらいいな」と思った人は、ぜひ電子で買いましょう。
(※)紙媒体での概算金額はこちらの記事を参考にしました。
(※2)紙・電子の印税割合はこちらの記事を参考にしました。
まとめ
新刊・旧刊の応援方法をまとめると
- 新刊の続編がほしいなら、「発売後1カ月以内に、リアル書店で、とにかくたくさん買う」!
- 旧刊の続編がほしいなら、「編集部宛にビジネスライクな企画書・手紙で嘆願する」!
が有効な応援方法みたいですね。
出版社などにご勤務の方で、記事に書いてある方法以外で「こういう応援方法も効果的だよ!」という具体的な案をご存知の方は、ぜひ当サイトお問い合わせフォームから教えてくださいませ。