映画「Summer of 85」(2020)のネタバレ感想・あらすじ・評価・動画配信|「おれの墓で踊れ」ー理想の親友との一夏の恋

映画

「アマプラ同時上映会」第149弾!

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少年たちの刹那の恋に魂が震えるピュア・ラブストーリー、「Summer of 85」

全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:Amazon.co.jp: Summer of 85(字幕版)を観る | Prime Video

父譲りの船屋を切り盛りする人好きな青年×進路に悩む「死」 に憧れる青年 のお話。

<あらすじ>
1985年のフランス、セーリングを楽しもうとヨットで沖に出た16歳のアレックスは突然の嵐に見舞われ転覆し、18歳のダヴィドに救出される。
2人は友情を深め、それはやがて恋愛感情へと発展し、アレックスにとっては、それは初めての恋となった。
そんな2人は、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てるが、ダヴィドの不慮の事故により、2人の時間は終わりを迎える。

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • 耽美なBLが好き🥹🌹
  • シリアスな展開が好き😠✨
  • フランスの昔懐かしい景色やファッションを楽しみたい🇫🇷

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①『17歳』や『8人の女たち』などで知られるフランス映画界の名匠フランソワ・オゾンが、若かりし日に読み影響を受けたというエイダン・チェンバーズの小説「おれの墓で踊れ」を映画化した。

②第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション選出作品。

③アロシネによれば、フランスの33のメディアによる評価の平均点は5点満点中3.9点である。Rotten Tomatoesによれば、99件の評論のうち高評価は81%にあたる80件で、平均点は10点満点中6.5点、批評家の一致した見解は「フランソワ・オゾンの最高傑作ではないが、『Summer of 85』は10代の恋とその容易に癒えることのない後遺症に対する魅惑的でほろ苦い頌歌としての役目を果たしている。」となっている。

 

ネタバレ感想

僕は”死に惹かれてる”なんてイカれてる。死体に深い恐れを抱いている。ある死体に魂を打ち砕かれた。その物語を語ろう。でももし君が死体が生きていた頃を知りたくなければ、ここでやめた方がいいーー。
刑務官に引っ立てられるアレックスは、顔を挙げると「君の物語じゃない」と言い放ちます。

ビーチに賑わう人々。待っているクリスのもとに自転車で近づくアレックスは、彼が技術コースで3年生へ進級したと聞きお祝いをしようとしますが、恋人と過ごすから船を貸してやるとスルーされてしまいます。船でひとり沖へと向かうアレックス。
服を脱いでのんびり日光浴をしていましたが、突然雷雨が近づいてきます。慌てて陸に戻ろうとするも、船は転覆。誰か助けてと叫ぶと、近くにいた船が救援に駆けつけてくれます。
その船を操作していたのがダヴィド・ゴーマン。18歳と1ヶ月でした。彼が未来の死体です。ダヴィドは壊れた船を引っ張って岸まで送ってくれます。家はコトー地区にあると言うと、転覆後に必要なものが家に揃っているから自分の家に来るといいと誘われます。

憔悴した様子のアレックスは、社会福祉士の女性に「なぜあんなことをしたか裁判官に説明したい。何があったの」と尋ねられますが、「誰にも言う義務はない」と突っぱねます。警察の報告書を読み上げる女性。「容疑者は夜11時に墓地に現れて…」と言ったところでアレックスが部屋を出て行こうとしますが、女性は彼を引き留め「話さないと更生施設へ入れられる。重い処分を下されるわよ」と叱りつけます。

ダヴィドの家に来たアレックス。家に帰るなり、「熱い風呂で体を温めて」とゴーマン夫人に浴室へと通され、彼女に服を脱がされます。バスタブは石の棺のようだったと思い返すアレックス。浴室に入ってきたゴーマンに友達の船を埠頭に返してから学校に行きたいと言うと、彼は船は自分に任せるようにと言うと自分の部屋で着替えればいいと服を貸してくれます。
約束に遅れそうだと焦るアレックスに、母が軽食を作ったから食べないと怒られると言うダヴィド。いつも転覆した人の世話をしているのかと尋ねると、休みだから特別だとダヴィドは笑います。
軽食を共に食べながら、昨年父が亡くなったと言うダヴィド。両親は店を開き、ゴーマン夫人が経理をしています。父は船員だったのでヨットに詳しく、船は飛ぶように売れていました。しかし父亡き後、ダヴィドは学校を辞めて店で働き始めたのでした。父が人生を捧げた店を守りたいと言うダヴィドに、アレックスは自分は父のように造船所では働きたくないと言います。就職するか勉強を続けるか悩んでおり、明日ルフェーブル先生と話すと言うと、ダヴィドは自分も相談したがあの先生はいいと太鼓判を押します。今晩君の濡れた服を母が返すからまた家においで、その後映画も一緒に観ようと誘われ、頷くアレックス。

ルフェーブル先生に、死に興味があると打ち明けるアレックス。子供の頃からミイラなどエジプト人の死生観に憧れたと言います。ルフェーブル先生はアレックスの書いた文章は事実に基づいた部分もあるのかと尋ねます。彼はアレックスに見込みがあるから文学のクラスに推薦を出そうと言ってくれます。アレックスの父は早く就職しろと言い、母は好きなようにすれば良いと言ってくれています。ルフェーブル先生は「君には才能がある。学校の誇りになるよ。進学するなら指導するからよく考えてみてくれ」と言ってくれました。

社会福祉士の女性を前に、「裁判長に会っても同じだ。ゾンビみたいに生気がない」とため息をつく父親。母親は「あの子はすごく賢い子なの。でも時々何を考えてるか分からなくて。あの子が立ち直れるように助けたいのに」と困惑します。女性はアレックスに会うと「文学の先生に話を聞こうと思うの」と言いますが、彼は「どうでもいい。好きにしてください」と突き放します。

学校を終えたアレックスはダヴィドに服を返しに来ます。ダヴィドは休日なのに午後店にいた、父親は20年も働き詰めで早死にしたとアレックスを責めるゴーマン夫人。ダヴィドがアレックスには用事があったのだと助け舟を出すと、息子には本当の友達が必要よ、朝帰りだけはさせないでねとゴーマン夫人はアレックスに頼るように言います。映画館にはバイクで行こうと誘われますが、ヘルメットがないからいいとアレックスは断ります。
海岸沿いを歩く2人。母は数字に強いけど接客が苦手だから自分も手伝っているのだと言い、アレックスにも接客の仕事を手伝ってほしいと頼んできます。今朝会ったばかりなのにすぐ決められないと困惑するアレックス。
楽しく映画を観終えて映画館の外に出ると、酔っ払いが「海に飛び込む」と言いながら車道に何度も飛び込んでは車に轢かれかけています。ダヴィドは海に酔っ払いを連れて行ってやります。なぜそんなに人の面倒を見るのかと不機嫌になるアレックス。
酔っ払いの寝顔を見ていたら、なぜダヴィドが助けたか分かった。海で僕を助けた理由も…とアレックスはひとりごちます。

帰宅したアレックスは母は仕事があるからと父に叩き起こされます。夏休みなのに起こされたと不機嫌なアレックスに、母は夜1時に帰るなんて遅すぎる、父は少しでもアルバイトをして稼いでほしいと思ってると小言を言います。アレックスは進路に悩んでいると相談しますが、仕事にできない無意味なことを学ぶのかと母に言われ、ため息を吐きます。アレックスは早速ゴーマン夫人に店で働きたいと頼みますが、ダヴィドが朝4時に帰ったのはいただけないとアレックスを叱りつけます。困惑するアレックス。ダヴィドには「後で説明する」と言われますが、本当に彼を信じていいのか悩みます。そこに21歳のイギリス人・ケイトが話しかけてきます。一緒に日光浴をしようと誘われますが、仕事があるからと断ります。ケイトはベビーシッターをしていると言い、また会いたいと誘ってきます。また海で会おうと言い、2人は別れます。

ラ・マリーヌというダヴィドの店に行くアレックス。アレックスは朝4時まで何をしていたのかと問うと、ダヴィドは悪い奴らが海にたむろしていたから酔っ払いをひとり置いていくのは不安だったと言い訳をします。アレックスが自分には関係のないことだと突き離すと、ダヴィドはバイクのヘルメットをプレゼントしてくれます。一緒にバイクに乗ってあちこちへ行こうと、店を閉店にして誘うダヴィド。アレックスはダヴィドに掴まり、彼の無茶な運転を楽しみます。

「反ユダヤじゃない。彼はショックを受けてる」と言うルフェーブル先生に、社会福祉士の女性は「裁判長は理由が知りたいと。来週の審問で説明しないと彼は更生施設へ。彼はあなたを信頼してます」と食い下がります。「生徒の信頼を裏切りたくない。本人に聞いて。提案がある。裁判長に彼の復学の話を…」と言いかけるルフェーブル先生に、女性は「何があったか聞かないと無理です」と食い気味に却下します。

遊園地に着いた2人。無茶な運転で驚いたと言うアレックスに、「『スピードの彼方』は暴走とは違う。それに追いつけば夢が叶う」と真剣に言うダヴィド。ローラーコースターや射的を楽しむ2人。たまたまクリスを見つけてアレックスが話しかけると、よくも船を放置したなと罵倒されます。船を取りに行き罰金を払わされたと怒るクリスに、ダヴィドが自分のせいだと間に入ります。「すっこんでろゲイが」とクリスに吐き捨てられた上、アレックスは殴られます。殴られて痛がるアレックスの傷を手当てするダヴィド。

「君は難しい立場にある。ダヴィドとの関係は多くの人には理解されない。気持ちはよくわかる。なんとかして自分を守るんだ。社会福祉士と裁判長の理解を得るには、何があったか話すしかない。彼との深い友情、君の行動の理由…」と言うルフェーブルに、無理だと力無く言うアレックス。「君には表現力があるから書くのもいい。君の言葉で感情を表現するんだ」と言われ、アレックスは帰宅すると、ダヴィドに向けて言葉を綴り始めます。

傷の手当てをしたアレックスはダヴィドに連れられて部屋に入ると、「最高に美しい夜」を過ごします。両親が心配するからと帰ろうとするアレックスに、ダヴィドはなぜいつも死の話をするのかと尋ねます。「現実の死は残酷だ。君が憧れてるのは死の概念だろう。死を克服する方法は笑い飛ばすことだ。誓いを立てよう。どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊るんだ」と言うダヴィドは、アレックスに誓わせようとします。アレックスは理解できないと帰ろうとしますが、ダヴィドは執拗に誓わせます。イカれた誓いでも理想の親友が望むならとアレックスは誓い、ダヴィドは彼に深くキスをします。
出会いから永遠の別れまで6週間。あの時から今日まで「なぜ他の誰かではなくダヴィドなのか」と自分に問い続けてきました。ゴーマン夫人の目を盗み、2人は店の奥で何度もキスを交わします。
クラブで音楽に乗って楽しげに踊る2人。クラブの中で突然ダヴィドにヘッドホンをつけられ、うっとりと音楽に聞き入るアレックス。音楽は、ロッド・スチュワートの名曲「Sailing」でした。
「たぶん彼を愛してた。どうすれば確信が?愛したら満たされると思ってた。でもどんなに愛しても足りなくて、ほんの一瞬も離れたくなかった。彼と2人でいる時も満たされなかった。見つめて触れて触れられたかった。あの362万8800秒を」とつぶやきながら、ダヴィドの船でキスした時間や、彼のバイクでドライブした時間を思い出すアレックス。

ゴーマン夫人は店番をしながら、ダヴィドが悪い友達とつるんで問題ばかり起こして荒れていたのだと言います。アレックスと出会ったことで父を亡くした苦しみから救われたのだと言い、商売を一緒に大きくしないかともちかけます。つまり、秋からフルタイムで働こうという誘いです。アレックスがいれば2店舗目を出すという夫シモンの夢が叶うからと言われ、アレックスは考えておくと言います。

隣の部屋にゴーマン夫人がいると言いつつも、いちゃつく2人。ダヴィドは彼女は見たいものしか見ないし、父が死んでからは睡眠薬を飲んでいるから平気だとアレックスにキスします。「あなたが全てを許せば僕は幸せでいられる。悲しみがもたらされても美しき涙が2人を癒す。子供のように少年のように無邪気な恋情と驚き 無垢な緑の葉の下で青ざめる すべてを許されると知らずに」とヴェルレーヌがランボーに捧げた詩を詠むアレックス。ダヴィドはルフェーブルに教えてもらったと言い、横暴な母親に屈して才能と人生を無駄にするなと退学する時に怒られたと言います。学校と父に未練があるかと尋ねると、ダヴィドは学校には未練はないが父のことはよく考えると答えます。そして彼の墓の上で踊りたかったと言い、アレックスはそんな彼にキスをします。

いつも同じ服を着ているアレックスに、ダヴィドは似合う服を選んでやると服屋を回ります。
その時買った風を庭で燃やすアレックス。炎をじっと見つめ、ダヴィドへの手紙の続きを書きます。
ダヴィドと海へ行った時、アレックスはケイトに話しかけられます。2人がダヴィドの船・カリプソに乗っていたのを見たと言われ、よかったら一緒に船に乗ろうとダヴィドは誘います。ケイトを誘ってすぐさま海へと歩き始めるダヴィドを、アレックスは慌てて追います。
終わりの始まりです。でも最後の方は記憶が断片的で、警察や裁判長や社会福祉士に説明できませんでした。他のことは鮮明に覚えているのに…。終わりの始まりは、ひどく陳腐で平凡で死ぬほど悲しいー。
船で沖に向かう間、ダヴィドはずっとケイトの肩に腕を回して、楽しげに口説いていました。

店番をするアレックスは、遅く出社してきたダヴィドを睨みつけます。「セクシーな個人授業をしてきた」と上機嫌の彼に、「見れば分かる」と吐き捨てるアレックス。「嫌な感じだな。後悔するぞ。君のものじゃない」とふざけるダヴィドに、「何様のつもりだ。友達だと思ってた。君から誘ったくせに」と激怒します。客が来て一旦喧嘩は中断したものの、アレックスは身なりを整えるダヴィドにさらに「理由を知りたい」と詰め寄ります。「騒ぐようなことは何もない。初めてじゃないだろ、この前は怒らなかった。相手が女だからか?」とバカにするダヴィド。「違う。古い靴下みたいに扱われたからだ。僕を無視して目の前で彼女を口説いた。僕に船を片付けさせて新しいオモチャと消えた。今頃店に来て平気な顔をしてる。僕は君の使用人じゃない。理由を言えよ」と詰め寄るアレックスに、「理由は聞かない方がいい。ただの嫉妬だ。すぐに落ち着く。落ち着いて仲直りしようぜ。こんなこと忘れて楽しくやろう」とダヴィドは軽い調子で返し、アレックスは「絶対に許さない」と睨みあげます。
「僕がそう決めたのはあの時だ、言った瞬間に後悔すると思った。見つめあって言葉を待つ。人生で最も悲しい時間」と思い返すアレックス。
「知りたいか?もう飽きた。君が原因だ」とふてくされたように言うダヴィド。「君はすごく楽しんでる。僕も楽しかったけど、今は違う。問題は君自身だ。君といるのに飽きた!変化が欲しい。分かるか?いろんは相手と遊びたい。1人じゃ足りない。認めるよ、僕から誘った。同類かと思った。君も僕と楽しみたいだけかと。でも違った。君の望みは僕を独占すること。でも無理だ。重すぎる。誰にも絶対に束縛されたくない」と言うダヴィドに、アレックスはものを投げつけ、店のものをめちゃくちゃにして店を出ていきます。自宅に帰ると部屋に篭り、泣きじゃくります。店に戻ったゴーマン夫人は、呆然としているダヴィドを心配します。
しばらくするとテレビでダヴィドがバイクで猛スピードを出し、車に撥ねられて死んだというニュースを見ます。アレックスは慌てて店に行きますが、店は閉店。家に向かうと、何度も呼び鈴を押します。ゴーマン夫人に何があったのか教えてと窓越しに叫びますが、彼女は「あなたのせいでダヴィドは死んだ!警察を呼ぶわよ!帰って!」と激怒されます。呆然と庭に座り込むアレックス。
彼は死へと疾走した。いや、僕と別れた喜びでスピードの彼方へ突き進んだ。時を越える泡の中に入って自分の夢を叶えようとした。いや違うケイトのせいだ。彼女を愛してもいないのに抱いて後悔のあまり死んだ。僕は自分を責めた。彼に呼ばれた時に戻らなかったせいだと。彼は僕を呼んだ?一緒に走りたかった。ずっと考え続けた。ダヴィドが死ぬわけない。ずっとここにいてほしい。
そう考え続けるアレックスは、何も食べずに一夜を明かします。心配する父親にダヴィドが死んだから辛いのだと打ち明けますが、店を手伝ってやれ、彼の母親の信頼を得るチャンスだと言われます。
店に行くアレックス。店ではダヴィドがいつものようにアレックスを抱きしめてくれる妄想をしますが、現れたゴーマン夫人から「あなたのせいなのにどこまで無神経なの?あなたに会いにバイクで出て行ったのよ。あの子には本当の友達が必要だったのに。あの子には絶対に会わせないわ」と吐き捨てられてしまい、アレックスは家で嘔吐します。
ある確信に取り憑かれた。「僕も死ねば彼に会える」。毒を飲めばいい?首を切る?手首を切る?銃を手に入れる?先生の言う通りだ。ダヴィドに合う唯一の方法は、物語を書くことー。そう綴るアレックス。
早く裁判官に書いたものを読ませないとと焦る社会福祉士の女性に、ルフェーブル先生は彼の意思を尊重したい、教師には守秘義務があると言って、アレックスの小説を見せることを拒みます。

海岸で海を見ていたアレックスに近づくケイトは、ダヴィドが死んで悲しいと寄り添ってきます。アレックスは自分たちは友達以上の存在だったと言い、すべてを打ち明けます。ケイトとは話したくもありませんでしたが、ダヴィドのことを話せるのは今やもう彼女だけでした。墓の上で踊ることを彼と約束したと言い、埋葬される前に彼の遺体を見たい、本当に死んだのか確かめたいから手を貸してくれないかとケイトに頼みます。

書いた物語をフェーブル先生に見せるアレックス。

突き進めばもう戻れないと気づく運命的な瞬間がある。アレックスはケイトの服を来て女装し、ダヴィドはベルナール、アレックスはシュザンヌという偽名を使い、恋人の遺体に別れを告げたいのに交際に反対していた彼のママに見せてもらえなかったというストーリーを守衛に話したとケイトに言われます。男同士じゃ共感してもらえないからと言われ、遺体安置所に入れてもらいます。ダヴィドの死体を出してもらいます。
金属のトレーに乗せられた彼の遺体を見て、もう一度ダヴィドに戻ってほしいと願うあまり遺体に貪りついてしまいます。その拍子にカツラが脱げ、アレックスは逃亡。女装をしたまま家に帰ると、母から「ジャッキーおじさんみたい」と言われます。おじさんは父に嫌われているから、女装姿は父にはバレないようにと口酸っぱく言われるのでした。

小説を書いていると自分が登場人物になったようで書きやすいと言うアレックス。社会福祉士に見せないとと言うルフェーブルに、アレックスはダヴィドは誘ってきたかと尋ねます。誘われたが自分は教師だからと言うルフェーブル先生。

化粧を落とすと、アレックスは女装のままトイレに座り込み、ダヴィドとの輝かしい日々を思い出します。
ゴーマン夫人にダヴィドの写真をもらえないかと頼むアレックス。しかし警察に通報するぞと親族に凄まれてしまいます。
ユダヤ教の埋葬方法を調べます。遺体を清めて通夜を行い埋葬する。それから少なくとも一年は墓石を立てない。どうすれば彼の墓を見つけられる?夜の2時に起き出し、外出するアレックス。母は引っ越ししたのは失敗だったと嘆きます。おじさんを好きだったかと問うと、頷かれます。
自転車で墓地へ向かうと、一つずつ墓石を見て回ります。ダヴィドの墓を見つけると、アレックスは墓を必死で掘ろうとします。自分でも自分がイカれてると分かっていました。しかしまだ踊っていません。
アレックスは父にケイトへ手紙を届けてほしいと頼みます。父はダヴィドとの関係を薄々気づいていたようでした。
ケイトに会うと、アレックスは守衛の元に置いて行ったことを謝ります。さらに、墓を掘り、彼への怒りと悲しみを抑えきれずに遺体を叩きたかったのだと打ち明けます。ダヴィドの死に罪悪感を抱いているのかもと言うと仕事に戻ろうとするケイトを引き留めるアレックス。ケイトはアレックスが愛していたのは彼が作り出した幻想であって、ダヴィドではないと言います。顔と体を好きになって心も理想通りだと期待したけれと、そんなものは存在しなかったのだと言います。遺体安置所のことを感謝するアレックスにケイトはキスすると、慌ただしく帰っていきます。
また墓地に来たアレックスは、ダヴィドの墓の前でかつて彼にクラブで聞かせてもらった「Sailing」を流しながら、何度も墓に触れます。そして、ゆっくり踊り始めます。

そこに警官が来て、アレックスを捕らえます。こうして1985年9月2日、2人の警官が16歳の少年を逮捕したのでした。アレックスにとっては誓いを守ったことが重要でした。
ダヴィドの墓を損壊した罪で出廷するアレックス。法廷にはケイトもいました。友人との誓いを守るためとはいえ、墓を冒涜する行為は犯罪であり法の裁きを受けねばならない、140時間の社会奉仕活動に従事するとともに精神科で継続的な治療を受けろと裁判官に言い渡されます。ケイトはアレックスを一瞥すると、先に法廷を出てしまいます。
社会奉仕活動の一環で、海岸のゴミ拾いをするアレックス。
アレックスは以前ダヴィドと海に連れて行った酔っ払いが海辺でタバコを吸っているのを見かけ、声をかけます。彼女と別れたから髪を切ったと言う彼は、父と同じ職場で来週から船の修理をするのだと打ち明けます。カリプソというヨットで沖に出ないかと彼を誘うアレックス。船の修理をしないとと言うアレックスに、まかせろと言う男。

物語はまだ終わらない。僕も結末を知らない。始まったばかりかも。理想の親友ダヴィドといた1985年の夏。自分という人間に出会った。でも今の僕は違う。大切なのは過去を乗り越えて新しい物語を生きること。
カリプソで男とともに沖へと漕ぎ出すアレックス。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

アレックスとダヴィド、二人の関係が深まっていく流れや別れに向かう流れがとても自然で、だからこそ切なかったですね…。また、アレックスは空想上のダヴィドに恋をしていたのだと指摘するケイトは鋭いと感じました。たしかにアレックスは恋に恋していたように感じます。だからこそダヴィドはそれに敏感に気づいて「飽きた」と言って離れたくなったのかも。哀しいけれどそれだけではない、充実感を感じる終わり方でした。

小錦あや
小錦あや

夏の終わりに見たくなる作品ですね。夏が終わる寂しさを感じさせる、ドラマティックでエモーショナルな作品です。80年代の雰囲気がレトロでかわいいし、フランスの海沿いの街の雰囲気が伝わってきて、プチタイムスリップしているような気分になります。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

良い意味で裏切られる展開でした。過去と現在を行き来するような描き方もいいですね。詩的なストーリーと心揺さぶる美しい映像がきれいにマッチしていて、とても美しい作品だと思いました。青い恋、恋に恋した夏、そんな刹那的で哀しい、でも思い出に残る1ページを垣間見させてもらったような感じです。

今回3人が見た「Summer of 85」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:Amazon.co.jp: Summer of 85(字幕版)を観る | Prime Video

 

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