葵居ゆゆ先生「神使いの蝶は誓いの聖騎士に祝福を捧ぐ」を読みました！
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します！☺️✨
登場人物とあらすじ
国一番の剣士・聖騎士で受の幼馴染×幼少期に異世界に飛ばされた希少な蝶の一族 のお話。
＜あらすじ＞
幼少期の記憶がない施設育ちの実羽は、ある日リスタリニア王国という異世界に飛ばれてしまう。
そこは「神の使い」と呼ばれる神秘の蝶人・フェアリル族と人間が共存する世界で、実羽はその国で生まれたフェアリルらしい。
さらに、最初に発見し助けてくれた銀髪の騎士・アルギュロスに、「お前とは幼馴染みで、ずっと好きだった」と一途な想いを告げられるも、子供の頃の記憶がない実羽はどうしても彼の言葉が信じられなくて…？
こんな人におすすめ
- 異世界ファンタジーBLが好き
- 幼馴染ものが好き
- 溺愛攻め×ツンデレ受けが好き
ネタバレ感想
①蝶人モノは斬新！
うさぎ、犬…らへんの半獣モノはよく見かけますが、蝶人（蝶と人半々の生き物）モノはBL小説では相当レアだと思います。過去1,000作品以上、30年ほど前〜現在に至るまでのBL小説を読んできましたが、蝶人モノで思い出せるのは樋口美沙緒先生の「ムシシリーズ」（虫を擬人化したシリーズ）くらいです。
あとがきでは葵居先生は蛾もお好きらしく、蝶だけでなく蛾も書けたら書いてみたいと仰っていて、斬新〜！と楽しくなってしまいました。（本作に蛾は登場しません）
蝶がお好きな方、虫の半獣？モノがお好きな方はぜに手に取ってみてほしいです。
②異世界の社会制度が面白い
本作は異世界ファンタジーなのですが、異世界でどんな種族がどんな制度で生かされているかというのがかなり詳しく取り決められていて、それがすごく面白かったです。
「神は細部に宿る」と言いますが、やはりファンタジーものはそういった社会制度などの一見あまり重要でなさそうなところまで詳しく決められていてこそ本筋のお話が活きてくると思います。
主人公のミウ（受け）は、背中に羽根が生えている蝶人、フェアリルという一族です。しかし幼い頃に現代日本にうっかり飛ばされてしまったため、もともと住んでいた異世界での記憶がありません。
アルギュロス（攻め）は、ミウの幼馴染で、国を守る軍人・聖騎士の中でも最強と謳われています。
フェアリルは四日に一度体液をもらわないと生きていけないのですが、体液といっても、唾液、汗、精液、血…とそれぞれの効能が違います。また、フェアリルと聖騎士の間にはいろんな政治的・歴史的な確執や偏見があり、二者は必ずしも良好な関係とはいえないまま共存しています。
過去のいろんなしこりを抱えながら接するフェアリルと聖騎士はとてもリアルで、面白いなあ…と思わず惹きつけられてしまいます。
③幼馴染だからこその幸せエピソードの多さが微笑ましい
アルギュロスとミウは7歳の年齢差があります（アルギュロスの方が歳上）が、幼馴染です。
アルギュロスはほんっっっとうにミウのことが大好きなので（笑）、幼い頃からミウはかっこよかった、かわいかった、勇敢だったと、作中でいろいろエピソードを話してくれます。
捕虜として幽閉されているアルギュロスをミウが連れ出したとか、アルギュロスの亡き母親からの形見のネックレスが滝壺に落ちたのを追ってミウが飛び込んだとか。
幼い二人が転げ回るようにして遊んでいる光景を思い浮かべると、胸がいっぱいになります。
幼馴染だからこその昔の可愛いエピソードがてんこ盛りなので、幼馴染萌えな方にぜひおすすめしたいです。
④予想外の展開と魅力的な脇役に惹きこまれる
本作のタイトルを読んだ時、ちょっと「ラノベっぽいな」と思いませんでしたか？私は思いました（笑）
葵居先生には珍しく、サラッと読めるような、ラノベっぽいライトなラブコメものなのかな？と思ったら大間違い！
世界観はがっちり作り込まれているし、脇役キャラは個性豊かでスピンオフが作れそうなくらいだし、キャラの内面描写が深いのでいろいろ考えさせられるし、ストーリーは中盤以降大胆に展開して不穏さが増して…作中の世界観に没入させられ、ドキドキハラハラの連続でした。
葵居先生の文章は読みやすいのでたしかにサラサラ読めてしまうんですが、全然薄い読み物ではなかったです。胸にガツンと響く、重厚でロマンチックなファンタジーBLでした。
ファンタジーの世界に身を置いてじっくりその世界観を楽しみたいな〜という方に、ぜひ読んでいただきたいです！
まとめ
細部まで丁寧に練られた、異世界ファンタジーBLです。
葵居ゆゆ先生らしい濃厚なエロ甘えっち描写は勿論、幼馴染設定ゆえのハッピーなショタ要素、予想外の裏切りなど衝撃的要素も盛り盛りで、嵐のような展開に心を揺さぶられまくります！
異世界モノ、幼馴染モノ、半獣モノ、溺愛モノ、健気攻め・健気受け好きにはたまらない作品です。
ぜひ読んでみてください〜！！🦋✨
作者：葵居ゆゆ
幼少期の記憶がない施設育ちの実羽は、ある日リスタリニア王国という異世界に飛ばれてしまう。そこは「神の使い」と呼ばれる神秘の蝶人・フェアリル族と人間が共存する世界で、実羽はその国で生まれたフェアリルらしい。さらに、最初に発見し助けてくれた銀髪の騎士・アルギュロスに、「お前とは幼馴染みで、ずっと好きだった」と一途な想いを告げられるも、子供の頃の記憶がない実羽はどうしても彼の言葉が信じられなくて…？
