カトウチカ「将国のアルタイル嵬伝 嶌国のスバル」シリーズのネタバレ感想|仮想古代日本vs仮想古代中国の国取り合戦

コミック

「将国のアルタイル」シリーズのスピンオフ作品、カトウチカ先生「将国のアルタイル嵬伝 嶌国のスバル」シリーズを読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


日薙嶌国復活に立ち上がる皇子 のお話。

<あらすじ>
皇暦1492年/大秦暦301年、ルメリアナ大陸東端の巨大国家・大秦国によって日薙嶌国は征服され、日薙皇家は断絶した。
それから10年後の大秦暦311年、大秦の属領となった日薙の国土は破壊され、日薙人は奴隷として使役されていた。
かつて日薙皇家の親衛隊長を務めた速布叉は10年に及ぶ奴隷としての日々に疲れ果て希望を失いかけていたが、そこに、皇太子・楠昴皇子が姿を現し、日薙再興の兵を挙げるー!

 

こんな人におすすめ

  • アジアを中心にした歴史モノを読みたい🇨🇳🇯🇵
  • 心がイケメンな老若男女(特にイケメンおじさん)が大活躍する作品が読みたい🥺✨
  • 各国間での戦略戦が大好き❤️

 

ネタバレ感想

1巻

めっっっっちゃくちゃサイコーすぎて体に痺れが走ります。
皇族を皆殺しにされ10年間大泰国に占領され続けてきた日薙国国民が、かりそめの皇子の引導で第四州(旧・越州)および耶備古山・磐牟呂全域をたった二日間で掌握…!
それもこれも、東弓(鉄砲)の製造法を皆が一丸となって隠していたおかげですね。でも本当の皇子はなぜ死んだのか?なぜこの女に自分の身代わりを任せたのか?そしてこの女はなぜこんなにも戦術を巧みに操れるのか?
そして、このトルキエ人イルハンは一体どうやって日薙国に勝利を与えるつもりなのか…?謎がてんこ盛りです。

将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル(1)
作者:小林裕和,カトウコトノ,カトウチカ
大陸の強国に蹂躙された、極東の島国・日薙<くさなぎ>。奴隷として虐げられる日薙人のもとに、滅びた皇家の遺子、皇子<みこ>が帰還。彼らは遂に反撃の火蓋を切る――!
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2巻

東弓の発想は男根のない男神の神話から着想したものだったんですね〜。意外すぎる😆💥
そして東弓を持ち帰ろうとするイルハンに笑顔で銃口を向ける筒鍛 幡頭弋かっこよすぎる!!シビれます。
眞弓代、外見がだいぶ特徴的(舌が蛇のように異常に長い上、瞳孔が開きっぱなし)なので敵かと思いました…。気配の殺し方も常人離れしているし、本当に味方でよかった😂💦
すごい…まさか10年間で降となった総勢1万人の山人の集落に戦に必要なものを全て揃えていたなんて…😳✨
それに人工的に硝石を生み出す技術もすごいです。どうやって、一体誰が思いついたんだ?山人か?🤔✨
10年前に戦に負けた理由が硝石が自国でとれないことだったなら、今回負ける理由がないですよね💪🔥
ふむふむ、相手が大国の場合、山を知りつくした山人と散り散りになって戦うのが唯一の勝機…!
どうやらこの物語はバヤジットがバラバンを殺したあの四将国の戦いより随分あとの話のようです。イルハンは日薙の全てを持ち帰ると息巻いていますが…嫌だなあ。こんな二枚舌の商人に日薙の文化を勝手に売買されたくないです。
日薙と大泰本国では兵制が違うんですね。日薙を統べる大将軍は西方(トルキエ将国)狂いで有名な、廃太子 陶。

待って、大将軍は大泰皇帝の第一子だと…!?
仟人長よりも百人長のほうが人格者という、いびつな第六州(旧・奥州)。風早郷と美しい名前に改名されました。嬉しいなあ。
でも、大将軍側がトルキエの戦い方を取り入れているなんて厄介ですね。イルハンはトルキエの戦法、タダじゃ教えてくれなさそうですよね〜。
大将軍は相当な切れ物ですね。無意味なプライドがない超実力主義者な上、好奇心旺盛ゆえに国を治める上で必要なあらゆる知識が広く深い。敵でさえなければなあ…。あと外見がバラバンに似てません???眉毛の形とか。めっちゃ好きです…(単純)
大将軍はトルキエ将国が本当に好きなんですねえ…日薙将国に改名するか、なんて軽口を叩くくらい。

将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル(2)
作者:小林裕和,カトウコトノ,カトウチカ
強国・大秦に滅ぼされた日薙嶌国。奴隷として生きる日薙人のもとに皇家の遺子・楠昴皇子が帰還する。かつて皇子に近仕した速布叉は、その正体が少女だと見破るが、それは本物の皇子の遺命――戸惑う速布叉だったが、計り知れない知略を目の当たりにし、仕える覚悟を決める。
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3巻

戦の花形である東弓の放ち手に選ばれず不貞腐れる擂亥に、幡頭弋が「さまざまなものが組み合わさって東弓ができておるように、各々が為すべきを為してこそ大きな力が生まれるのよ」と諫める様に泣きました。カッコいい。
速布叉の「浄天眼」もすごいですよね。視力がいいだけじゃなく、本当に東弓の神様が目に宿っているみたい。
なんと……皇子の御魂と古今東西のあらゆる知識を注ぐために作られた器が「皇子」…!?一体どんな経緯があったというのか…。
皇子の「楠昴皇子は死なぬ 己が務めを果たすまで 死してもまた 蘇る」にはぞくりとしました。言葉と存在の圧力がすごい…。
兆将軍、よもや底抜(大雨)を予期して東弓を退けるとは…でもさらにそれを上回って東弓職人たちの知恵はさらに上を行ってましたね。水で濡れても使える東弓とは!
兆将軍とは冬までに再戦はない!と思いたいです!!😭

将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル(3)
作者:小林裕和,カトウコトノ,カトウチカ
楠昴皇子に率いられた日薙嶌国軍は、秘伝の武器・東弓を手にし、大秦に逆襲を始める。山人集落と合流して火薬などの物資を入手し、その勢いで新たな拠点・風早郷を勝ち取ることに成功した。しかし、大奏領日薙の支配者・炎陶は、その叛乱に全く動じてはいなかった。
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4巻

くそう…兆将軍を逃された上、尹将軍という助けが…🤦‍♀️
大将軍の密偵「耳目」って、まんまザガノスの「耳と目」だ!!
おお〜たった一月半で第四州陥落!さらに大量の民を抱えていたにも関わらず餓死することなく、密偵まで発見。雪解けと同時に第五州(旧・武州)の1/3の砦を陥落!
砦が落とされたのに、大将軍楽しそうですw
みんなで作ってた器や反物はトルキエ風の柄で、それを商人たちが本国で売れるかもと高く買い、食料と交換することで冬を越せた…すごい策です。初めてイルハンがいてくれてよかったと思いましたw
冬になる前からすでに皇子は第五州の食料を買い込むことで兵糧攻めをしていたのか〜!!くぁ〜!!すげぇ〜!!
皇子の理想は「皇家によらぬ国」つまり民主主義国家ってことですかね。すごい近代的だ。
大将軍、勝手に日薙嶌国と日薙将国の連名で大泰に書を送り返すとは…!!😡💢💢💢
でも第六州(旧・奥州)を取り返し、大将軍と対等な同盟関係を結んだのはいい変化…なのかな?
人の国を奪っておいて、大泰を潰すためのおもちゃにするな…😡💢 大将軍の才能はわかりますが、母国をチェスや将棋の盤のように見られてることに腹立たしさが募ります。
大将軍 炎陶、炎って苗字からしてやっぱりバラバンを思い出します。ウッ…(泣)
ゲェーッ!!まさかの弟、炎馬が日薙将国討伐の長!?!?
最悪だ…炎馬は家族思いの優しい子だから戦から遠ざけてほしいです…😭

将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル(4)
作者:小林裕和,カトウコトノ,カトウチカ
第四州軍をおびき出した、日薙嶌国。率いる将・兆は、飄々とした風貌に反し、一流の器を持ち、一筋縄にいく相手ではなかった。だが、皇子はそれを凌駕する知略を発揮。非戦闘員をも動員し、撃退に成功する。
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5巻

ウオオオオオオ!!!イルハンはイスマイルの兄弟!!!弟の座る玉座を東弓で奪うつもりなの…😨
大将軍に秘策を見せてよかったのか…今なお不安が募ります。
巨梓磨が最初にあって東弓ができたこと、日薙の鉄は使い物にならないため巨梓磨の構造が分かっても模倣は不可能なこと…幡頭弋が将国にも大泰にも巨梓磨と東弓の手は届かぬと言いきるのがカッコよすぎます。
やはり大泰は巨梓磨の被害に遭おうと数で押してきますね。
海人衆、やりますね…!!!巨梓磨に弾を込めるまでの間、各隻たった1人ずつで足止めするなんて…!!!

ヴェネディックの民たちと同様、海の揺れの上で陸の者はまともに戦えない!!かっこいいです。
しかしまさか…兆将軍が寝返るとは。

しかも大薙国が破竹の勢いで勝利へ向かう絶好の時にやらかすんですもんね…。巨梓磨もろとも爆死した擂亥、あまりに壮絶な最期で号泣しました…。兆将軍絶対許さねえ…。大泰を迎え入れやがって…!!!
戌比古が皇子の持ち帰った擂亥のはちまきを自分の腕にくくりつけて皆に檄を飛ばすシーン、カッコよすぎます。擂亥の思いをついでくれた戌比古の優しさ…泣いてしまうやろ…😭
いよいよ首都「金都合戦」が開戦だー!!!

将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル(5)
作者:小林裕和,カトウコトノ,カトウチカ
大将軍・陶の奇策により、日薙嶌国と日薙将国の連盟、「大日薙」が結成された。かつての敵と轡を並べる速布叉たちに、迫りくるは大秦の大船団。大海原を埋め尽くす大軍を、皇子たちは撃退できるのか!?
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6巻

大泰軍は七万、大日薙軍は四万四千。大日薙軍には東弓があるとはいえ、大泰本国に援軍を要請されたら終わりです。
長距離に耐えうるよう改良された弓、「弩」…三千丁もあるなら東弓の打ち手が全員殺されてしまう…!😨
クソッ…運河の逆流を用いて巨梓磨で兵を殲滅する策が見破られていた…!!と思ったら、山人ーー!!!!!😭😭😭
速布叉が皇子に大目玉くらうのも覚悟であらかじめ巨梓磨を分けるようこっそり策を練っておいてくれたんですね。英断…!!😭🙏✨
兆将軍、あっけない最期でしたね…。
しかし炎馬をどちらが捕虜にするかで将国と嶌国間で新たな戦いが…!
皇子、ここで死ぬつもりなんでしょうか…😨

将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル(6)
作者:小林裕和,カトウコトノ,カトウチカ
兆の裏切りにより、痛恨の敗北を喫した大日薙連合。大秦との戦いは、ついに最後の局面を迎える。皇子は、速布叉は、この圧倒的不利を覆すことができるのか!?
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7巻

皇子の器は、側女の小琴って少女だったんですね。
御簾麻流珠の光の後ろに、たくさんの皇子そして皇子のために死んでいった人々の亡霊が見えるシーン、感動で震えました。
最後の皇家…!!!!!😭😭😭
ウオオオオオオオ!!!!尹とのタイマン、速布叉が勝ったんですね!!!!まさか弾がないからと咄嗟に砂利を込めるとは…。
自分が死んでも速布叉がいれば嶌国は死なぬと自決しようとした皇子…
ちょ、ま、兆将軍、生きている…!?
皇子がまさか兆将軍に弓で殺されるなんて…。
こんな…将国を内側から壊すような策、うまくいくの…?
「心が見えぬ自分は王の器ではない」と自分で気づいたところがバラバンと陶の違いですね。
えええええ!?!?最期何!?!?!兆将軍に殺されたのは皇子の魂だけで、小琴は生きてるの…?
紅那岐は小琴の魂を探して旅をしてるエンド…???
謎多きラストでした…。

将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル(7)【電子限定!ミニ画集付き】
作者:小林裕和,カトウコトノ,カトウチカ
皇家の遺子・楠昴皇子率いる日薙嶌国軍は、伝説の武器・東弓を手に破竹の連勝を続けていた。この状況に対して、大将軍・陶は大秦本国より独立し「日薙将国」を名乗る。そして嶌国と休戦し、対大秦同盟を組むという奇策を打った。
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まとめ

「将国のアルタイル」本編を彷彿とさせる山と海を縦横無尽に駆け回る戦い、読み進めるほど血肉が湧き踊りました。かっこいい!かっこよすぎる!!

東弓や巨梓磨という最先端のテクノロジーにもゾクゾクしますし、なんといっても一人一人のキャラが濃い!

「浄天眼」という凄まじい動体視力と遠くを見られる目を持つ速布叉。凡庸な爺と見せかけて、超好戦的な技術屋さんの幡頭弋。山人をまとめ、自分の庭とばかりに複雑な山野を自由に駆け回る眞弓代。強大な敵艦隊を少人数で足止めしてしまう海の民、海人衆。

みんなカッコ良すぎて、もれなく全員に惚れちゃいます。

敵側もみんな人情に厚く魅力的で、憎みきれないところが憎らしい。

並行世界にある日本と中国のような国を舞台にした二国間の政治および軍事における戦争物語。

イカれたキャラたちに脳天ブチ抜かれたい!知略戦にワクワクしたい!そんなあなたにオススメのシリーズです😚❤️