映画「チョコレートドーナツ」のあらすじ・ネタバレ感想|世界一不幸で、世界一幸福な家族の物語

映画

「アマプラ同時上映会」第135弾!

当サイトの運営者3人が、Amazonプライムビデオでアニメやドラマ・映画を同時視聴する企画です🎬✨

今回観るのは、「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作された「チョコレートドーナツ」

この作品はこんな人におすすめ
    • 同性愛者差別について再考したい💭
    • 感動で温かい涙を流したい😢
    • 子を愛する無償の親心を感じたい🤝

以下、作品情報や全話のネタバレ感想、もっと作品を楽しむための前提知識などを紹介します。

早速見てみましょう!

映画「チョコレートドーナツ」の基本情報

タイトル チョコレートドーナツ 原題または英題:Any Day Now
製作年 2012/12/14
製作国 アメリカ
脚本 トラヴィス・ファイン,ジョージ・アーサー・ブルーム
監督 トラヴィス・ファイン
キャスト アラン・カミング, ギャレット・ディラハント,アイザック・レイヴァ
配給 ビターズ・エンド
上映時間 97分

 

映画「チョコレートドーナツ」のあらすじ

引用:Amazon.co.jp: チョコレートドーナツ(字幕版)を観る | Prime Video

ショウダンサーと検事のカップルと、ネグレクトされているダウン症の少年 のお話。

<あらすじ>
カリフォルニアで歌手になることを夢見ながら、ショウダンサーとして日銭を稼いでいるルディと、正義を信じ、世の中を変えようと弁護士になったポール、そして母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコは、家族のように寄り添って暮らしていた。
しかし、ルディとポールはゲイであるということで好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう。

 

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トラヴィス・ファイン監督について

7歳で俳優としてデビューした後、映画監督に転身。「チョコレートドーナツ」でトライベッカ映画祭、アウトフェスト、ウッドストック映画祭を含む6つの異なる映画祭で多くの映画賞を受賞しました。(引用:Wikipedia-Travis Fine

「チョコレートドーナツ」は、脚本家・プロデューサーのジョージ・アーサー・ブルームが、ご近所さんであるルディと同じアパートに住んでいた、薬物依存症の母親と精神的・肉体的に重度の障害を持った子どもにインスパイアされて書いたシナリオが原案です。映画化の話が頓挫して20年間放置されていたところ、ジョージの息子がそれを見つけて、トラヴィスに紹介したのでした。トラヴィスはジョージの許可の上、ポールの登場回数を増やし、法廷のシーンを引き延ばすなどのリライトを加えたようです。(引用:トラヴィス・ファイン インタビュー|映画『チョコレートドーナツ』

 

アラン・カミング(ルディ役)について

 
 
 
 
 
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舞台俳優・映画俳優・映画監督・脚本家・執筆家など、活動分野は多岐にわたります。
特に有名なのが98年にリバイバル上演された、舞台「キャバレー」のMC役で、トニー賞(アメリカのブロードウェイで上演される演劇やミュージカル作品、およびそれらに携わる俳優やスタッフを表彰する賞のこと。映画のアカデミー賞、音楽のグラミー賞、テレビのエミー賞と並び、アメリカのエンターテイメント界で最も権威のある賞の一つです)、ドラマ・デスク・アワードを受けました。
映画ではゲイ・変人・オタク等の役が多く、「チョコレートドーナツ」での成功はその一因かもしれません。(引用:Wikipedia-アラン・カミング
市民権運動や性教育に関する活動を情熱的に行い、多くの人道的な賞、GLAAD(中傷と闘うゲイ&レスビアン同盟)のヴィト・ルッソ賞を受賞しています。「セカンド・カミング」というオリジナルの香水を発売し、売り上げのすべてを国際ゲイ&レスビアン人権委員会、LGBTストップ・フリー・プロジェクトに寄付しています。

また、アランは、映画「チョコレートドーナツ」でルディを演じようと思った理由の大きな点として、彼の持つ「孤独」を挙げています。
ルディは生きていくために虚勢を張り、自己卑下やユーモアという鎧をまとって単身、社会と闘っていましたが、作中で初めて「ひとり」ではなくなります。それはルディが人生で初めて体験することでした。(その「ひとり」ではなくなる体験を、アランは表現したかったのだと思います)
そして、「映画『チョコレートドーナツ』で一番重要なのは、“家族”について、他人をいたわり、愛するという誰もが持つ基本的な欲求を描いている点だ」とも語っています。ゲイ、養子、障害者というアウトサイダーたちが、ただ、愛し合うこと。それは誰にも邪魔されるべきことではありません。(引用:映画「チョコレートドーナツ」公式サイト

 

ギャレット・ディラハント(ポール役)について

 
 
 
 
 
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舞台俳優としてキャリアをスタートし、1990年代前半からTVドラマにも出演するようになりました。近年の出演作は、TVシリーズ「シングルパパの育児奮闘記」(2010~)など。
他の映画の撮影が終わったばかりだったので、映画「チョコレートドーナツ」のポール役の打診が来た時は「こんなにきつい役柄を今演じるべきか」と葛藤があったそうですが、ギャレットが直前の役とは違う役をやりたがっていることを知っている妻が「是非やるべきよ」と背中を押したのだとか。(引用:映画「チョコレートドーナツ」公式サイト

 

アイザック・レイヴァ(マルコ役)について

中学生時代から俳優への志を持ったアイザック・レイヴァは、学校で数多くの舞台に出演しました。2010年、アイザックの母は彼が俳優になる道を探り、カリフォルニア州イングルウッドに、障がいを持った大人のための演劇学校、パフォーミング・アーツ・スタジオ・ウェストを見つけ、アイザックはその学校に通い、数週間後に、映画「チョコレートドーナツ」のために生まれて初めてオーディションビデオを撮りました。(引用:映画「チョコレートドーナツ」公式サイト

トラヴィス監督は、ひどい言葉を話さなくてはならない場面を演じてもらった時にアイザックが震えだしてしまったため「これはダメだ」と思ったのだそう。しかし、彼の妻から「演じてくれる子どもから役柄を作っていくんだって言ってたじゃない。あの子の沈黙をお芝居に取り込めば」とアドバイスを受けたことで、翌朝4時までかかって台本を書き直し、それをアイザックに改めて読んでもらいました。アイザックは完璧に演技をこなしたそうです。(引用:映画「チョコレートドーナツ」公式サイト

 

映画「チョコレートドーナツ」の予告編・予告動画

 

 

映画「チョコレートドーナツ」の見どころ

3人のアウトサイダーたちが寄り添い、愛し合う姿に涙

マリアンナのように実の子に対してさえ育児放棄したり暴力を振るったりする親がいる中で、ルディとポールには何の邪心もなく、ただ、マルコを愛したいから愛する、マルコが愛おしいと感じるから愛するのだというまっすぐすぎるほどの誠実さ・真摯さだけがありました。
例えば、ダウン症児童専門の学校に行かせ、勉強を見てやり、夜寝る前はお話を読んであげたり、食生活に気をつけてあげたり、大好きだよ愛してるよと伝えたり。
マルコがダウン症だとか、太っているとか、障がい者だとか、そんなことはルディとポールにはどうでもいいことでした。ただ、マルコを愛していたから。

マルコもまた、ルディとポールと自分を「家族の絵」として描いてみせたり、「お家」に帰りたいとルディとポールの家を探して必死で歩き回ったりと、彼ができる全てで、ルディとポールを愛していました。
マルコはいつも体いっぱい、顔いっぱいに2人への愛を示していて、いつだって、天使のようでした。

たくさんの困難を突きつけられ、苦しみもがきながらも、3人が「一緒にいたい。だって僕たちは家族だから。愛し合っているから」と必死で立ち向かう姿には、涙が止まりません。
家族とは、一緒にいる時間の長さでも、繋がった血の濃さでも測れない…ただ、お互いにどれほど慈しみ愛し合っているかどうかこそが大事なのだと痛感させられます。

 

ゲイは親になる資格がない?社会の不条理に憤りを覚える

ゲイ、同性愛、ハグ

ゲイであるというだけで、ルディとポールは職を追われ、さらにはマルコの監護権も奪われてしまいます。 どんな弁護士も相手にしてくれず、何度控訴しても敗訴するばかり。
結局、仮釈放という餌に目が眩んだマリアンナによって2人には接近禁止命令が出されてしまい…ルディ、ポール、マルコは最悪の結末を辿ってしまいます。

性的指向はあくまでプライベートな話であって、仕事とは何の関係もありません。 さらに言えば、同性を好きになるのは、生まれながらの性質であり、変えることができないものです。異性愛者が生まれながらに異性に惹かれるように、同性愛者は同性に惹かれる。ただそれだけのことです。

それに、仕事仲間や相手がゲイだったり、親がゲイだったりすることの、一体何が問題だというのでしょう? 「ゲイは教育に悪い」「ゲイは周囲に悪影響だ」というけれど、誰にどんな悪影響を及ぼすというのでしょうか。「あなた」がただ同性愛者を嫌いだから、最もらしい言い訳をしてるだけでしょう!この差別主義者!と吐き捨てたくなります。

映画「チョコレートドーナツ」は1970年代カリフォルニアのお話ですが、悲しいかな、日本ではまだ同性愛を含む性的マイノリティーへの差別が当時と同じくらい色濃く残っています。 性的指向によって仕事や家庭で差別されない。それが当然な世の中になってほしいです。

 

映画「チョコレートドーナツ」のネタバレ感想

1979年のカリフォルニア。歌手を夢見ながら、ショーパブで女装パフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディは、客として訪れた検事局のポールと初めて出会った日に一目惚れし合い、その日のうちに体の関係を持ちます。

ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコの母親が、大麻を所持し逮捕されたことを知ります。アパートの大家は家庭局に通報し、マルコは乱暴な職員に連れられ、養護施設へと隔離されます。
ルディはポールと飲んだ帰り道、養護施設から脱走したマルコを見つけて保護。しかし大家に見つかり、家庭局に通報されてしまいます。
ルディは「マルコを引き取りたい」とポールに相談します。ポールは合法的にマルコとルディが暮らせるように、自分たちが同性愛の恋人同士であることを伏せ、マルコの母の同意のもとマルコの緊急監護者となります。

後日、医者にかかったマルコは視力が著しく低いことや体がとても病弱なこと、ダウン症の人間は一人暮らしがままならず一生親と共に生活していかねばならず問題が多いことを告げられます。「その覚悟をして養育すると決めた」と答えるルディ。
2人はマルコをダウン症の子供専門の保育施設に通わせ、家で勉強を見てやり、寝る前には枕元で物語を話してあげます。ルディとポール、マルコはまるで本当の家族のようにイベントを楽しみ、日々を過ごします。

ある日、ポールはルディに音楽機器をプレゼントし、彼の歌のデモテープを作ろうと提案します。

そんな中、職場の上司からホームパーティーに呼ばれたポールとルディ。パーティーの翌日、ポールの上司は2人の関係を家庭局に通報します。ポールは職場をクビになり、マルコが連れ去られることに発狂したルディは公務執行妨害で拘留されます。

法廷では、ポールがマルコの養育権を主張しますが、裁判長からは「関係を偽って報告していたことを偽証罪に問わないだけマシだと思え」と突き放されます。しかしポールが粘ったおかげで審理をもう一度だけ開いてくれることになりました。
審理では教師や家庭局の職員がルディ・ポールがマルコと共にいるべきだと証言してくれますが、検事は「同性愛者が養育者だと子供に悪影響を及ぼす」「ルディの女装癖がマルコの性癖を歪めた」と馬鹿にします。ルディとポールは同性愛を理由に監護権を奪われてしまいました。

ルディがマルコとの思い出の動画を見て泣いていると、ハリウッドでクラブを経営しているマイルズから「デモテープの歌声に心動かされた。週に2晩出演してほしい」と頼まれ、ルディは一も二もなく受け入れます。

ルディはマルコとの面会を求め、弁護士の奮闘のおかげで30分だけという条件付きで受け入れられます。
元気のないマルコは、ルディに「ハッピーエンドのお話をして」と頼みます。ルディはかつて幸せな日々にしていたように、魔法使いのマルコ少年の話をします。帰り道、ルディとポールは抱きしめあって泣いてしまいます。

ルディとポールは控訴を試みますが、白人の弁護士たちには次々断られ、最後に黒人の弁護士の元に行き着きます。弁護士はカリフォルニア州の州憲法では、薬物依存者の緊急監護者として養子縁組を行うことを認めていることを挙げ、これで勝てると喜びます。
しかし、裁判所に突然マルコの母親が出て来て、「監護権の復帰を求める」「ルディ・ポール両氏に接近禁止命令を出してほしいと願った」と裁判長は一方的に言って去ってしまいます。検事局が仮釈放を餌に監護権回復の請願書を書かせたのだと弁護士から説明され、絶望するルディとポール。

マルコは「ここはお家じゃない」と呟き続けますが、麻薬中毒の母親の家に返されます。男とセックスしている間、廊下に出ていろと言われ立ち尽くすマルコ。マルコはルディとポールに会うために町を放浪します。
ポールは裁判官と元上司に、マルコが3日間放浪した末に橋の下で死んだという新聞記事を手紙とともに送ります。日々のマルコのささやかな癖や習慣を綴った文章は、「マルコはハッピーエンドが大好きでした」で締められていました。

歌手として認められたルディは、愛する者たちとのつながりを引き裂かれた怒りと悲しみとをマイクに叩きつけます。  

 

映画「チョコレートドーナツ」のおすすめ度評価・まとめ

この作品のおすすめ度は… 5.0

たこわさ
たこわさ
大号泣でした。
特にポールのマルコに対する言葉が本当にいつも冷静で的確でありながら愛に溢れていて、裁判所での主張や裁判官たちに送った手紙は本当に素晴らしかった。
同性愛者というだけで、人間全てが生まれながらに当然に保証されている憲法の権利さえ主張できない。こんな世の中であっていいのかと悔しくて悔しくてたまりませんでした。
小錦あや
小錦あや
世の無情さ、異性愛者たちの傲慢無恥さに吐き気がしました。
特にポールの元上司は明らかに粘着質で、ポールを絶望に叩き落としたいがために本件に関わっていたとしか思えませんでした。
自分の力があればお前たちなんて簡単に絶望させられるんだぞと力を誇示したかったのでしょうか?同性愛者を貶めることがそんなに楽しいことなのでしょうか?
同性愛者の監護下では性癖が歪むと麻薬依存者の母親の元に返す判決を下した裁判官たち、検事たちを一生恨みます。
逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ
ルディの歌声の力強さがより一層マルコを失った悲しみを強くて感じさせて、涙が止まらなかったです。
「私たちは解き放たれる」と歌いながら涙を浮かべるルディと、彼を一心に見つめるポール。いつか2人の心は悲しみと喪失感から解放されるのかもしれません。でも、一生マルコのことを忘れないでしょう。
愛情深い2人とマルコとの生活はとても短かったけれど、3人が出会えて良かったと心から感じました。本当に素晴らしい映画だった。

今回3人が見た「チョコレートドーナツ」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。 ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:Amazon.co.jp: チョコレートドーナツ(字幕版)を観る | Prime Video

 

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