町田粥「マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~」シリーズのネタバレ感想|「衰退ジャンルオタクあるある」を悲喜交々に描く名シリーズ

コミック

町田粥先生「マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~」シリーズを読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


同じ衰退ジャンルでもがく、隠れオタクの上司と部下 のお話。

<あらすじ>
尊敬する上司の主任(女性)に呼び出されたOLマミ。
まさかそんな主任が、同じジャンルのオタクだったなんて―!!
擬態しながら、おっかけしながら、たとえ供給がなくても(涙)強く生きている社会人オタ女子たちの、ひそやかに熱い日常をお届けします♪

 

こんな人におすすめ

  • オタクあるあるに共感したい
  • 「衰退ジャンル」ヲタだ
  • 二次創作が好きだ!!!

 

ネタバレ感想

マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~

淡々としつつも天然で孤高のマキさんと割とテンション高めでフットワーク軽く時に常識人マミちゃん。ナイスコンビです👍❤️

推しの中の人と声が似てる課長さんと話した後のマキさんの「気が散って頭に入ってこない」に笑いましたw 真面目な顔してww

非公式公式もめちゃくちゃ分かります…ジャンルの神が素敵な二次創作を呟くとタイムラインがざわつくんですよねww

マキさんの弟・学さんがまた幼児向け番組のオタクというニッチなところを走ってて、濃いな…と思いましたw
しかし、「ごりいつ」「どき☆ジェネ」というジャンル名まで面白い。

「レジェンド推し」「オタしぐさ」とか、マキマミ発祥のオタク用語は多いですよね。マキマミ出版以前と以後でオタクの自分達の言動について使う用語はだいぶ変わったと思います🤓✨

あとがきの「マミちゃんは私の思う救いです」「好きなものを好きって言っていいんですよ!」に涙。ギャグ漫画(?)で泣かされるとは…!😭

マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~
作者:町田粥
尊敬する上司の主任(女性)に呼び出されたOLマミ。まさかそんな主任が、同じジャンルのオタクだったなんて―!!擬態しながら、おっかけしながら、たとえ供給がなくても(涙)強く生きている社会人オタ女子たちの、ひそやかに熱い日常をお届けします♪

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マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~⑵

表紙、マキマミお2人に揃えて2人の推しキャラも服が変わってて可愛いです❤️

気高い百合マスター真下さんの「いわゆる嗜好の芽生えです(キリッ)」が好きですww

どき☆ジェネOVAが放送された時に熱烈なファンのブログ記事が「私に書かせろ」だったっていうの、めちゃくちゃ笑いましたw フォントにまで怨念が籠っているww

ジャンル翁ってまだ私は遭遇したことないんですが、衰退ジャンルほどジャンル翁が多いイメージです。どんな感じで誘ってくれるんだろう?割と大手ジャンルばかり見てきたので、初心者への手厚いチュートリアルが羨ましいです。

あと2.5次元を見た後に現実とのピントが合わなくなるのめちゃくちゃ分かります。以前刀剣乱舞の舞台見に行った後、現実にピントが戻るまでだいぶかかりましたw

「枝豆は非オタですかね」に始まる、大豆にオタクを例えた話めちゃくちゃ好きですw 言葉遊びがうますぎるマキマミ…!

ふたつ名「終焉を招く者」「先立たれる女」が秀逸でしたw あまりにもネーミングが的確すぎるww

緑子さんの「今の世の中には”自分のよく知らないものをコケにしていい”と思っている人が多すぎて!!」「せめて好きな人や仲間が好きなものならどうしてそんなに好きなのか知ろうとすればいいじゃない!!好きになるにはそれだけの理由があるのに!!」は本当にそう…!!と赤べこ状態になりました。
でもこう思える人って悲しいけど少数なんですよね。他人の「好き」を尊重できる人が増えてほしいです。

マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~⑵
作者:町田粥
マキマミ2巻も「大人オタクあるある」満載!!大人なオタクなら誰しもが体験している、ジャンルへの愛、悲哀、少ない供給からの自家発電、それでも好きなこの想い―。社会人オタ女子のそんな繊細な心にそっとリーチする、オタクあるあるコミック現代版。

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マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~⑶

表紙、アラビアーンな感じですね🧞‍♂️ かわいい❤️

マキマミが「1サークルでも「どき☆ジェネ」サークルを増やして「ここはいい村なんだよ」と伝えたい…」って思う時の背景に毎回カールおじさんがいるのに笑いますw シュールw

マキさんが「ジャンルの人も減ってしまってから本を出すなんて遅すぎたわね」と自嘲した時に、マミちゃんが前のめりに「この本は今でしか書けなかったと思います!イベント参加に遅すぎるなんてことはないと思います!」って言ってくれたのが感動的でした。自分もいつか一次でも二次でもいいからいつかイベントに出てみたいと思っていたので、とても勇気をもらいました。

マキさんがイベント開始時の拍手で泣くシーン、初めて本が売れたときに買ってくれた人が「MAKIさんのおかげでイベントに来られました!今日は参加してくださってありがとうございます!」って言ってくれて感動してるシーン、緑子さんに自分の本を持ってオタクだと打ち明けるシーン、どれもに号泣でした。マキさん…!「好き」を出せたね…!よかったね…!!😭😭😭

マイナーキャラを好きになってしまう緑子さんが、プチオンリーの開催とか壁を張ることとかを目標に創作を頑張るってお話しされてたのは、心からすごい…と尊敬してしまいました。私もマイナーキャラを好きになることはたびたびあるんですがいつも心折れてしまうので…緑子さんみたいにフロンティアスピリットを持ちたいです!!💪🔥

結婚とかに焦りはないか?という話題の時の、マキさんの「今年は満たされすぎて、今は一切の未来に対する危機感や焦燥感は感じないわね」が好きですw マミちゃん共にいっぱいヲタ活エンジョイしましたもんね。楽しそうなマキさんが大好きだから、ありのまま疾走してほしいです!あと非実在の子供を愛でてる学くんは怖かったです!w

文太くんと鶴織くんを「スケバン×お嬢様」の百合にして「240gypt(good yuri point)」って言ってた真下さんには爆笑しましたw たしかにエピソードを聞くと百合…!

「その感情の名前は百合」で「文太くんの中に黒髪ロングが見えるじゃないか!!」と主張したり、初回プレイでいきなり失恋エンドを選んで文太くんと鶴織くんを絡ませようとする真下さんが本当に愛おしいですw
そしてそんな真下さんのツイートを見逃さないマキさんの毎日の巡回ルーチンも愛おしいww

マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~⑶
作者:町田粥
コラボグッズ、コラボカフェ―(妄想含む)。魂と引き換えてでも自ジャンルの活性化を望むマミたちの日常は、今日もときめきとざわめきで大騒ぎ。3巻ではマキさんが、はじめて同人誌制作&イベントに初サークル参加!?

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マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~⑷

マキさんの「好きなものに嘘をつきつづけるのはとてもとても難しくて…緑子さんやマミちゃんみたいに好きなものを貫いてくれる人っていうのは、それだけで大きな安心と救いになるもの」に泣きました…。分かりすぎる…。オタクというだけで嘲笑されたり色眼鏡で見られるのも辛いけど、好きなものを好きと言えないのも心底辛いですよね。そんな劣等感や閉塞感をぶち壊してくれる光が緑子さんやマミちゃんなんだ…😭

近くのオタクワードに耳をすませてしまってそこから話が展開するのはめちゃくちゃ「あるある」なんですが、一般人はあまりしないのかな…!?とアハ体験でした。

マキさんとマミちゃんのやりとりをメモしてる真下さん好きです…ネタをストックしているな…w

自分のジャンル仲間が公式で仕事をすることになったと言ったらどうするか?に対するマミちゃんの答えが「わかってるだろうな?」なのがめちゃくちゃ好きですwww 端的で怖いwww

どき☆ジェネ公式が匂わせ投稿を1つしただけで憶測が憶測を呼び大変なことになってるのが面白すぎましたw あと主語がでかいのもオタクの特徴ですよねw
緑子さんの「五行に同人誌一万冊のポテンシャルが秘められてる」は名言だと思います(キリッ)

マキさんがマミちゃんに声をかけるまでのマキさん視点の物語…会社で熱視線を投げかけるしかできないマキさんかかわいいのと切ないのとで情緒がぐちゃぐちゃになります😭あとマニアックなキャラクターマスコットの説明を一歳省略できないところにマキさんの情熱を垣間見ましたw

アンジェリーク18年ぶりの新作ってすごいですよね。これこそまさに「どき☆ジェネ」と同じく時が止まっていたジャンルが動き出したという感じ…!ファンはたまらなく嬉しいだろうなあ。アンジェリークの中の人もとても熱くて、途中泣きそうになってるところなんかもらい泣きしそうになりました🤦‍♀️

マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~⑷
作者:町田粥
死んだと思っていた衰退ジャンルの鼓動が聞こえてきて…?成人済みのオタクのわかりみが深いあるある満載☆大人気シリーズ「マキとマミ」、完結!!

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まとめ

オタクはどんな分野の人でも、誰しもが一度は後ろ指を指された経験があると思います。それをきっかけに、自分もオタクを害する側に回ってしまう人、好きなものを好きだと言えないオタクになってしまう人…いろんな人が生まれます。

マキさんは周囲にオタクであることを理由に傷つけられるのが怖くて言えなかったり、長い間好きなことを好きと言えなかったからオタク同士の間でも輪の中に入っていけず寂しかったり、心に小さな傷をいくつも負っていました。
マキさんはオタクとしてうまく殻を破れず、コミュニケーションも取れず、本人もそれに悩んでいましたが、マミちゃんはそんな彼女をどんと受け止めます。

好きなものを好きと言えず苦しんできたマキさんを、マミちゃんは「好きなものを、好きって言っていいんですよ」と言葉で、そして好きだと言い続ける自分の姿を見せることで背中を押します。

マキさんがマミちゃんに手を取られてオタクとしてたくさんの「初めて」を経験して涙したシーン、ドキドキしていたシーンはいくつもありましたが、そのたびに私は自分のことのように心を動かされました。
マキさんの姿は私自身そのものでした。

だからこそ、マキさんが果敢に初体験をする姿に勇気をもらいました。

いつからだって遅くない。好きなものを好きと言っていいんだ。好きを貫いていいんだ。そう思わされました。

自分の「好き」の気持ち、ひいては自分自身を肯定してあげたいと思える、優しさと愛と笑いに溢れた名シリーズです。

何度もお腹を抱えて笑い、感動に咽び泣きました。私の中の孤独なオタクを成仏させてくれてありがとう!!続編・番外編・アニメ化…いつまでも待ってます!!