「アマプラ同時上映会」第156弾!
当サイトの運営者3人が、Amazonプライムビデオでアニメやドラマ・映画を同時視聴する企画です🎬✨
傑作ゲイ短編映画を長編化!「老ナルキソス(短編)」。
全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
引用:Amazon.co.jp: 老ナルキソスを観る | Prime Video
自らの老いを受け止めきれずに苦悩する、ゲイでナルシストの絵本作家×若いウリセンボーイ のお話。
<あらすじ>
ゲイでナルシストの老絵本作家山崎は、自らの衰えゆく容姿に耐えられず、作家としてもスランプに陥っている。
ある日、ウリセンボーイのレオと出会い、その若さと美しさに打ちのめされる。
しかし、山崎の代表作を心の糧にして育ったというレオ −自分以外の存在に、生涯で初めて恋心を抱く。
\ 国内最安の動画見放題サービス /
予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- SMプレイが好き😈💕
- ゲイの世界の陰と陽を見つめたい👀✨
- 「家族」「孤独」「性欲」についてじっくり考えたい💭
本作をもっとよく知るための小ネタ
①短編ながら全国で劇場公開された『片袖の魚』(2021)の東海林毅監督が、レインボー・リール東京グランプリをはじめ国内外の映画祭で10冠を獲得した自身の傑作短編『老ナルキソス』(2017)を、満を持して長編化!自身バイセクシュアル当事者でもあり、主に自主作品の中でLGBTQ+と社会との関わりを探ってきた。
②主演は、名バイプレーヤー田村泰二郎と、主演作が続き勢いにのる水石亜飛夢のW主演。
田村は長編初主演で、出演作に『太陽』(2005/アレクサンドル・ソクーロフ監督)や『沈黙 -サイレンス』(2017/マーティン・スコセッシ監督)がある。水石亜飛夢は、2021 年『国民の選択』(宮本正樹監督)と『黄龍の村』(阪元裕吾監督)の 2 作品で初主演を果たした。
③音楽は『舟を編む』(2013/石井裕也監督)で日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞の渡邊崇、撮影はこれまでも東海林監督と多くの作品でタッグを組んできた大河ドラマ『鎌倉殿の 13 人』(2022)の神田創。
ネタバレ感想
ゲイでナルシストの老絵本作家山崎は、街の片隅で眠る浮浪者を見て顔を顰めます。待ち合わせをしていた美しいウリセンボーイのレオと合流すると、ホテルでSMプレイをしてもらい、恍惚とします。尻に青あざを作り、叩かれる痛みに喘ぎながらも、続けてくれと頼む山崎。
プレイを終えてベッドで眠っていた山崎は目を覚ますと、「またか」とつぶやきます。体調を気遣うレオを「美しいね」と褒め称える山崎。ゲイバーで酒を飲むレオの横顔を山崎は一心不乱にスケッチします。「もう大丈夫なんですか?プレイ中に死亡なんてやめてくださいね」とレオに言われ、「持病なんだ」と恥ずかしそうに言う山崎。
レオは今年で25歳。山崎はもうすぐ70歳。山崎は財布から自分の写っている新聞の切り抜きを出すと、「僕は若い頃からこうなんだ。自分の痛めつけられる姿に酔ってた。いろんな下品な男たちに犯され、痛みは快楽に変わった。でもいつからかそうはならなくなった。美しいものに痛めつけられても痛みは痛みのままでしかない。ナルキッソスは水に映った自分の姿に見惚れて溺れ死んだが、それはそれで幸せだったのかもしれないね」と言うなり、酒を飲み干します。「また掲示板で見つけたら相手してよ」とレオに札束を差し出す山崎ですが、レオは「これはいいからLINE交換しましょうよ」と不思議な提案をします。
戸惑いながらもLINEを交換すると、アイコンの画像を見てレオは「ミノムシもんた?もしかしてヤマさんって絵本作家の山崎薫?」と恐る恐る尋ねてきます。小さい頃よく読んでいたと本を誦じるレオ。レオの家では父が亡くなり母が働いていたので、1人でじっと耐えて冬を越すもんたにレオは共感していたのでした。山崎は緊縛されて5時間も放置されて死にかけた時に思いついたのだと言い、レオは苦笑します。
夜中、山崎は空き缶の回収をしている浮浪者に札束を差し出します。レオはゲイバーで1人酒を飲んでいました。
浮浪者に拘束してもらい、殴る蹴るの暴力を振るってもらう山崎。しかし「変態が!」と吐き捨てられ、建物の屋上に半裸のまま放置されてしまいます。
山崎は携帯をどうにか取り出すと、舌で「たすけて」とレオにLINEを打ちます。泣きじゃくるうちに、いつしか眠ってしまっていた山崎。そこにレオが走って駆けつけてくれます。すぐに手錠を外してもらい、山崎は気まずげに俯きながらその場を後にしようとします。山崎を追いかけるレオ。
山崎は屋上から飛び降りようとしており、レオは「死にたくないから俺を呼んだんでしょう!」と彼を引き留めます。何度も山崎の尻を叩いてやり、山崎は「溺れることもできないなんて…」と言いながら、快感に唇を噛み締めます。
水面をじっと見つめる全裸の山崎。水に顔を近づけると、溺れてしまいます。もがく彼の手を取った力強い手は、レオのものでした。
半裸のまま、レオに体を預けると、そのままずるずると地べたに座り込む山崎。レオは、自分の父は自殺したのだと打ち明けます。山崎はミノムシもんたの話には続きがあると言いますが、レオは聞きたくないと苦笑します。いつの間にか夜は開けていました。
山崎はレオに別れを告げますが、レオは「また連絡してもいいですか?」と微笑みます。「ああ」と頷く山崎。美しい肢体をさらしながら去っていくレオの後ろ姿を見つめながら、彼の体に鞭を打ってみるのを想像してにやけてしまう山崎でした。
まとめ
「ゲイ」という呼び名もまだ一般的ではない時代から日陰者として社会の方隅で生きてきたナルシストの老絵本作家。差別や偏見との闘いの時代を経てすでに性的マイノリティが可視化されたLGBT世代のウリセンボーイ。本作は、世代も考え方も違う二人の個人的な関係の中から立ち現れる、同性愛者たちの過去と未来の「家族」にまつわる葛藤の物語だそうで…。
たしかにレオの両親の話は出てきましたが、山崎に関しては一切語られなかったので、山崎とレオのSMプレイ仲間という疑似恋愛のお話かと思っていました💦
短編を見たからそう思ったのかな?長編も見てみたいです!
レオ役の水石亜飛夢さん、みずみずしい美しさだったなあ。山崎役の田村泰二郎さんも体を張った演技が見事でした!
俳優さん方の演技も良かったですが、演出や音楽も絶妙でした。20分間があっという間だったなあ。もっと2人のことを知りたいです。
ミノムシもんたと山崎の境遇がとても似通っていて、プレイ中にできたお話とは思えないほど、いや、だからこそ?、物悲しく、胸を打つなあと感じました。
リアリティのあるなまなましい映像と、絵本めいたやさしい言葉で語られるミノムシもんたの孤独がアンバランスで、そこがなおいっそう寂しさを掻き立てて、良かったですね。
今回3人が見た「老ナルキソス(短編)」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。
ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨