映画「インスペクション ここで生きる」(2022)のネタバレ感想・あらすじ・評価・動画配信|監督自身の体験を描き、世界で絶賛された心揺さぶる実話

映画

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僕が僕のままで在るために、自分の意志でここに居る――、「インスペクション ここで生きる」

全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:インスペクション ここで生きる|フジテレビの人気ドラマ・アニメ・TV番組の動画が見放題<FOD>

ゲイであることを理由に母に捨てられ、海兵隊員を目指す青年 のお話。

<あらすじ>
ゲイであることで母に捨てられ、16歳から10年間ホームレス生活を送っていた青年・フレンチ。
どこにも居場所を許されず、自らの存在意義を追い求める彼は、生きるためのたったひとつの選択肢と信じて海兵隊への入隊を志願する。
だが、訓練初日から教官の過酷なしごきに遭い、さらにゲイであることが周囲に知れ渡るや否や激しい差別にさらされてしまう……。

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • アメリカの性的マイノリティの生き方を見たい🌈
  • 米軍の中でのゲイのリアルが知りたい🔫
  • セクシャリティと家族の関係について考えたい🧑‍🧑‍🧒

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

『ムーンライト』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ほか、革新的な作品を次々と送り出してきた映画会社A24が制作した。

②海兵隊在職中に映像記録担当としてキャリアを始めたエレガンス・ブラットン監督の長編デビューとなった。

主演を務めたジェレミー・ポープがゴールデングローブ賞で主演男優賞(映画・ドラマ部門)にノミネートされたほか、世界各国で高く評価された。

 

ネタバレ感想

2005年ニュージャージー州トレントン
電車に乗ったフレンチは花束を片手に母の住むマンションに向かいます。
「出生証明書が要る。海兵隊に入るんだ」というフレンチを部屋に招き入れた母は、新聞紙を敷いてその上に彼を座らせます。「この5年間辛かった。手を貸してほしい」と頼むフレンチに、母は「私はあんたを失ったの。この小さな紙切れが唯一の絆よ」と言って出生証明書を渡します。
ブッシュ大統領がイラクに勝利宣言をした2年後もなお続くアルカイダによる戦闘。米軍は治安を維持・統制すべく、兵を送り込み、50人以上が死にました。ホームレス仲間の老人・エリスは「戦地に行くな」と引き止めますが、フレンチはそれを振り切ります。

海兵隊に向かうバスでは、「街で殺せば刑務所行きだが、戦場で殺せば金が貰えるから」と刃物を振り回す男も同席しています。勝手に他人の食事を奪う男もおり、フレンチは食事を奪われた男に寄り添い、自分の食事を分けてやります。

目的地に着くと、ロサレスとブルックスという教官が大声で新官たちを怒鳴りつけます。「重罪歴は?共産主義者か?同性愛者か?」と問われ、「いいえ」と大声で答えるフレンチ。次に親か恋人に一言だけ最後の別れの電話をかけることが許されます。フレンチは「彼女にかける」と一緒に・・・並んでいるカストロという男に嘘をつき、母に電話しますが繋がりません。彼女に電話しているように見せかけるフレンチ。次は所持品を預けさせられますが、人によってはこっそりと刃物を持ち込んでいます。そして髪を強制的に坊主にさせられ、私語をする者は腕立て伏せをさせられます。早速隊に分かれさせられ、厳しい訓練に投入されます。
訓練の合間には、祈りを捧げるムスリムの新官・イスマイルもいます。

次は体力テストです。マラソンでは好成績を叩き出したフレンチですが、そのせいで祖父も海兵隊員であるハーヴィに喧嘩を売られてしまいます。懸垂でハーヴィと勝負することになり、引き分けになります。しかし、隊の班長になったのはハーヴィでした。
テスト後のシャワーを浴びている最中、フレンチはハッテン場にいった時のことを思い出し、勃起してしまいます。しかしそれを周囲に気づかれ、袋叩きにされてしまいます。「お前がいると居心地が悪いから」と、一人だけ荷物を移動させられます。その後もフレンチは隊列からわざと押し出されたりして一人だけ罰を受けさせられたりします。ハーヴィは満足げです。教官たちにも無視されるフレンチですが、ロサレスだけは銃の点検を手伝ってくれます。フレンチは彼にフェラをしたりと親密な関係になります。

「溺れる者を助ける」という最後の水泳訓練で、フレンチはロウズ教官に首を絞められ、死にかけます。上に報告すると激怒するフレンチに、「あと数週間頑張れば自分をここにいていいと証明できる」と説得するロサレス。「なぜここまで努力した?」と問う彼に、「軍服姿で死ねば英雄になれるから海兵隊員になりたい」と涙ながらに返すフレンチ。隊員全員に家族から手紙が来る中、フレンチにだけは誰からも何も届きません。

ロウズは実地経験のある英雄ですが、ロサレスは新官たちをいじめ抜く彼が気に入りません。しかしロウズはフレンチのようなオカマを無敵の兵士にするには自分のようにいじめ抜く必要があるのだと満足気に言います。

射撃練習中、イスマイルが銃の扱いに手間取り、ロウズの命令で銃を向けさせられてしまいます。「撃て」と命令され、拒否する仲間たち。その後の神父による説法の最中に、イスマイルはロウズのしごきがきついとトイレにこもって泣きじゃくってしまいます。彼を抱きしめにいくフレンチ。教官に「自分たちは信仰する宗教が違うから」と兵舎に戻らせてもらいます。
ロサレスはなかなか会えないことで妻と喧嘩をし、その電話をフレンチに聞かれてしまいます。ロサレスを慰めようとするフレンチですが、人の足音が聞こえたので二人は別々の方向に歩き出します。

クリスマス当日、フレンチたちは教官から「砂漠の嵐」作戦での上官の姿を見せてやると言われ、アダルトビデオを見せられます。大喜びする新官たち。

小銃適性試験で、半数は射撃を、半数は的を操作することになり、合格できないものは脱落させられます。ハーヴィは教官から「期待に応えろ」と発破をかけられます。ハーヴィはフレンチを脱落させるため、すべての弾が外れたと嘘の発表をします。イスマイルはそれを見咎め、告発。ハーヴィの仲間であるカストロは「ハーヴィは疲れて間違えたようだ」とハーヴィを庇い、一触即発の雰囲気に。フレンチはロサレスの命令で彼のレーンで再度試験をやり直すことになります。

何度母に手紙を書いても返事が来ないので、「母が無事か職場に電話させてほしい」とロサレスに頼むフレンチ。ロサレスは「俺が罰される」と言いながらも携帯電話を貸してくれます。「修了式に来てほしい。愛してるよ」と懇願しますが、母は「職場に電話してこないで」と冷たく言い放ち、電話を切ってしまいます。涙するフレンチ。

海兵隊員になる最後の試験が訪れます。最後まで「顔に色を塗るのが下手だ」とロウズに怒られるフレンチ。訓練後にハーヴィとボクシングをすることになり、一度は倒されるフレンチですが、防具を外すとハーヴィに殴りかかります。ハーヴィに馬乗りになって殴り殺そうとするフレンチを、上からロウズが見つめていました。それに気づくフレンチ。
その後、配属が決まり、フレンチは海兵隊のために動画や写真を撮る班に所属することになりました。
その夜、フレンチはロサレスがシャワー室にいくのをこっそりとつけ、シャワーを浴びている彼に近づきます。ロサレスは「出ていけ」と激怒すると、「これまでの努力を無駄にする気か?お前を海兵隊員にするのが俺の仕事だ」と説得します。頭を抱えるロサレス。

翌日、フレンチは海兵隊員として制服を着せられます。ハーヴィーと互いに視線を交わし合うフレンチ。いざ修了式が始まります。フレンチの母も修了式に来ていました。母は「まるで別人ね」と大喜びします。フレンチの母は「これからどうするの?うちに来ればいい。かわいい女の子たちが家の前に列を作るわね」と喜びます。「海兵隊員になってもストレートになるわけじゃない」とフレンチが返すと、母は激怒して立上がり、ロウズに「この子はゲイよ。誰にも隠せない」と吐き捨てます。しかし、それを聞いたカルロスは「俺等は海兵隊員だ!」と叫び、仲間たちも「海兵隊、海兵隊…」と参道してくれます。母は呆れたように帰っていきます。フレンチは母を追いかけ、「なぜなんだ?」と問いかけます。「私は16歳だった。あんたを捨てても良かったけど、できない。私には何がある?」と言い、フレンチは「俺は母さんのもの、母さんは俺のものだよ。気が向いたら手紙を書いてよ」と言います。「あんたを愛してる。でも受け入れられない」と言って去っていく母。
海兵隊の兵舎に戻ったフレンチは、ガラスに映った自分を見つめます。教官に「忠誠に感謝する」と言われ、頷きます。

エレガンス・ブラットン 2005-2010在籍 母に捧ぐ イネル・C・ジョーンズ

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

エレガンス・ブラットン監督自身の半生を映画化したのが本作だそうですが、ひりひりとしたリアル感が切なく痛い、でも、仲間を得て、自信を身につけた主人公のまっすぐで輝く瞳に感動させられる、美しい作品だと感じました。親に愛されず、もがきながら社会での立ち位置を探す主人公の姿が、映画「ムーンライト」を思い出させます。フレンチの母は「あんたを育てた」と言っていましたが、息子をホームレスにしておいてよくそんなことが言えるな…と腹が立ってしまいました。それでも息子を「愛している」というのが何とも言えない歯がゆさがあって…。フレンチが最後の最後まで母に愛されたいと懸命に関わり方を模索していたのが辛かったです。血を分けた家族とはいえ、結局は他人だと捨てきれたらどんなに楽か…。

小錦あや
小錦あや

最後の海兵隊コール!泣いてしまいました。実家にさえ居場所がなかったフレンチがやっと見つけた、「自分が存在していていい場所」。それが海兵隊。海兵隊になるまではロウズに殺されかけたり、ゲイという理由だけで仲間たちからつまはじきにされたりと辛い時間が長かったけれど、終わってみれば、足をひっぱりあっていた仲間が、教官が「お前は海兵隊員だ」「忠誠に感謝する」と背中を叩いてくれる、心強い戦友に変わっていましたね。フレンチの人生に幸多かれと願わずにはいられません。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

米軍には1万5000人近くのトランスジェンダーが従軍しており、世界で最も多くトランスジェンダーを雇用している組織とも言われているとか。性的マイノリティは貧困に陥りやすく、生きていくための選択肢が少ないため、軍に入隊するという流れがあるようですね。軍隊内部でも激しい差別があり、決して生きやすいとは言えない環境ですが、それでも、フレンチが言うように「軍人になったという誇り」を持てるし、仲間たちが「お前は仲間だ。必要な存在だ」と肯定してくれます。
ブラットン監督は、「この映画を見る人々に、自分には世の中を変える力があると伝えたかった」とインタビューで話していました。社会に自分の居場所がなかったとしても、努力で作れるのだと、そう教えられた気がしました。

今回3人が見た「インスペクション ここで生きる」は、Amazonプライムビデオ、Huluで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:インスペクション ここで生きる|フジテレビの人気ドラマ・アニメ・TV番組の動画が見放題<FOD>

 

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