「アマプラ同時上映会」第13弾!
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フランス、パリのある高校。 愛と友情の屈曲の中で成長する10代がある。苦手に美しく、初めてだからふっとした青春たち。今日はまたどんな一日が繰り広げられるか。「スカム・フランス」シリーズ。
全話のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
謎多き転校生×女好きを公言する高校生 のお話。
<あらすじ>
厳格なキリスト教の家庭に生まれ、自分は女好きだと公言しているリュカだったが、実は自分が同性に惹かれていることを隠していた。
そこに転校生のエリオットが現れ、彼は恋をする。
恋に落ちた時の喜びと葛藤、親や友達へのカミングアウトを乗り越え、リュカは本当の愛を見つけていく…。
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予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- 高校生たちが、人生に、恋に、葛藤する様子を見つめたい👀
- 精神病患者との恋愛について知りたい💭
- 宗教(信仰)と生き方について考えたい✝️
本作をもっとよく知るための小ネタ
①「SKAM」はノルウェーの放送局NRKで放映されたティーンドラマ。ノルウェー国民の半分が見たノルウェー史上最高視聴率を記録したドラマであり、ノルウェーとデンマーク学校でスカムが教育資料として使われています。
「SKAM FRANCE」はそのフランスリメイク版。2019年現在、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、オランダ、スペイン、ベルギーでリメイク版が放映中です。
ちなみに、「SKAM FRANCE」シーズン1は原作のSKAMとストーリーが同じすぎるという批判が多かったため、次のシーズンからは原作とは違う場面が追加されるようになりました。
②「SKAM FRANCE」は2018年から始まり、現在(2022年5月)シーズン10が放映されているようです。なお、現在日本で配信されているのは2019年に放映されたシ-ズン3にあたる「リュカ」編とシーズン4にあたる「イマネ」編。
シーズン1~4までが同じ高校内の若者たちの物語であり、シーズンごとにメインとなるキャラクターが変わっていきます。「リュカ」編を観ていると時折、登場するマノンとかシャルルとかについての描写でよくわからない部分があるのですが、きっとそれは前シーズンで語られていたことだったようです。
ドラマと同時に各キャラクターはIGアカウントを持っていて、ドラマの進行に沿ったテキストが配信されたりなど、まるで彼らのドキュメンタリーを観ているような感覚のドラマとして非常に人気を得たシリーズのようです。
毎回、メインキャラによってテーマも変わるそうです。「イマネ」編では宗教や人種差別についてがテーマになっているらしいです。そして「リュカ」編では性自認とアウティングやカミングアウト。そして精神疾患について描いています。
引用:「SKAM FRANCE:リュカ」~君と付き合うにはどうしたらいいんだろう | おでかけの日は晴れ
ネタバレ感想
シーズン1
第1話
<あらすじ>
リュカは友人のアーサー、ヤン、バジルと共にエマのパーティーに参加していた。
パーティーが盛り上がり始めた時、彼は下級生のクロエと出会う。
ふたりはすぐに打ち解けキスをするが、その甘い時間は警察の到着によって中断される。
土曜日16:48、リュカのグループチャットで、「エマの家に何時?20時前は無理。何持って行く?」とコメントするヤンに、バジルが「一緒に行こう」、アーサーが「ビールとハッパ」と反応します。
土曜日22:15、リュカ、バジル、ヤン、アーサーの4人はエマのホームパーティーに出席し、今夜落としたい女子生徒を探します。
そこに飲み過ぎで吐くマリアを介抱するクロエが現れ、リュカはバジルにマリアを任せてクロエを口説くことに。ハッパの吸い方を教えるうちにキスする二人。積極的なクロエをよそに、リュカは気もそぞろ。警察が「近所から騒音被害が出ています」と登場したのを機に、リュカはクロエのもとから逃げ出します。うっかりハッパを落としていくリュカ。
日曜日11:27、起床したリュカは「今朝のミサでお祈りしたわ。お父さんは罰せられる」という母からのメッセージを確認。ヤンからの「ハッパ持ってるよな?警察がハッパを見つけてエマが怒ってる」とのメッセージを見て、慌ててハッパを探すリュカ。しかしちょうどリサとミカがロンドンにいるマノンとテレビ電話をしながら部屋に入ってきます。
ルームツアーをしてやるリュカ。家賃を心配するマノンに、父親が払ってくれているし母も元気だと返すリュカ。マノンはリュカにいい人はいないのかとせっつきますが、彼は苦笑するにとどめます。
月曜日13:21、メスは自分の匂いをオスにつけるんだとリュカたちに熱弁を振るうバジル。そこにダフネが現れ、「金曜日は空いてる?スペシャルイベントの招待だよ!開放的な空間と会話や交流の関係を研究してるの。共有スペースで交流しよう」と誘います。しかしヤンとアーサーは乗り気ではなく、バジルだけがダフネに惹かれているようです。「3年生は魅力があるし1年生はこれからだけど2年生は最低。だからこのままじゃクールになれないよ。金曜日にね!」と去っていくダフネ。
水曜日10:34、イマネに「ハッパをなくしたわね。私が拾わなければ警察に見つかってたわよ」と話しかけられたリュカは「返して」と頼みますが断られます。「金曜日に友達を連れてきてくれるなら」と交換条件を出すイマネに、「これがバレたら殺される!」と焦るリュカ。渋々イマネの言う通りにすると約束し、イマネは「早めに来て準備を手伝ってね。集会が終わったらハッパを返すわ」と言います。
金曜日16:38、「みんなが帰りたくなくなるようなことをしたい!超やばいことしようよ!マノンに写真を送ろう!」と大はしゃぎするダフネ。うんざりした顔で席につくリュカ。クロエがリュカにウインクしてきますが、リュカの心は動きません。しかし美しい転校生・エリオットが入ってきて視線が合った瞬間、リュカは動揺します。ダフネはエマ、イマネ、アレクシアを紹介し、「この共有スペースは長い間、何にも使われていなかったの。私はここを話せて楽しめる場所に変えたい!ここで見つけたいことややりたいことのアンケートに答えてね」とアンケート用紙を配ります。すっかりダフネの虜になったバジルをからかうアーサー。リュカは先程からずっとエリオットばかり盗み見ています。
金曜日18:53、バス停近くの自販機でエリオットを見かけたリュカは「24番がおいしいよ」と声をかけます。24番は売り切れになり、リュカがエリオットの手元をじっと見ていると、彼は「君のも買った」とバス停のイスに腰掛けるようにいざないます。「おかしな集会だったけど、集まることは大事だよ。出会いがある」とタバコをふかしながら微笑むエリオット。「3週間前に転校してきたんだ。3年L組」と言う彼に、「卒業間近なのに変だ」と返すリュカ。「俺も変?」と笑うエリオット。そこにクロエが現れ、リュカに「集会はどうだった?」と問います。エリオットの吸っていたタバコをもらうクロエ。エリオットが「変だ。でもそれがいい」と笑い、「俺はエリオット」と自己紹介します。彼の名前を噛みしめるリュカ。
第2話
<あらすじ>
リュカはエリオットのことを考えずにはいられなかった。
ショートムービーを作るのが好きなことなど、エリオットについてインターネットを駆使して調べあげたリュカはもっと彼のことをよく知りたいと考える。
ダフネの会議に戻ると、彼はイマネにプロジェクトへに献身的に参加することを告げ、すぐにマリファナの隠し場所を教えてもらう。
土曜日14:34、フェイスブックでエリオットを探すリュカ。クロエから友達申請が来ていたので承認します。ミカに家賃を催促され、「仕送り待ちだ」と返すと「また?」と嫌な顔をされます。出会い系アプリのプロフィール写真を裸に変えたら通知がすごいのだと自慢するミカに、「週末に男の裸なんて過ごしたくない」と逃げ出すリュカ。
月曜日8:53、3年L組の出席簿をこっそり見るリュカ。そこには「エリオット・デモリー」の名前が。「うちのクラスの出席簿だ」と話しかけられたリュカは、「エマといい雰囲気だったらしいな」とつくろうように言って逃げ出します。
エリオットは映画ジャンルでクラウドファンディングをしており、3200ユーロを集めようとしているようです。そのページにはエリオットのインタビュー動画が載っていたので、試しに見てみます。エリオットは動画の中で作りたい映画について話していました。「タイトルは”ポラリス”。トンネルでの交流の物語だよ。登場人物は男ともう一人。光が怖くてトンネルから出られない。そして暗闇が怖い主人公。お互いの世界が怖くて見ないまま境界線で話す。顔も知らないまま毎日話しているうちに恋に落ちるんだ。片方が恐怖を克服し相手の世界へ出るまでね」。動画に熱中していたリュカにイマネが「共有スペース、次は来週の水曜だよ。はい、プレゼント」とハッパを渡します。先生に「今何を渡したの。出しなさい」と言われ、「彼がくれたタンポンです」とわざと彼女に見せつけるイマネ。リュカは笑いだします。
水曜日12:36、「共有スペースの好きな点 なし、嫌いな点 全部。希望する設備 ビールサーバーとWi-Fi」とアンケートを読み上げるダフネ。どのアンケートにもパーティーをやりたいだとか性的な話ばかりだとダフネは呆れ返ります。ダフネの電話番号が知りたいと熱烈なラブコールが書かれたアンケートを「バジルの字だ」と応援するリュカ。その時、窓の外をエリオットが歩いていくのが見えたので、リュカは慌てて席を立ちますが、彼は見えなくなってしまいます。
そこにクロエが「金曜の夜にマリアの家でパーティーをするんだけど来ない?」と誘ってきます。リュカは断りますが、アーサーが食い気味に「行く」と返事をします。リュカは「彼女はしつこい」と嫌がりますが、ヤンは「一生男といるつもりかよ」と呆れます。
水曜日21:34、「”ポラリス”のいち場面の絵コンテだ。興味を持ってもらえるといいな。ぜひプロジェクトをサポートシてもらえますように」とエリオットがはにかむ動画を見終えると、「ゲイ チャット」とアプリを検索しインストールするリュカ。しかしどのプロフィールも男の下半身の写真ばかりで、不快感を覚えます。
金曜日16:07、「今夜はマリアを攻めるぜ」と戦略を語るバジル。「ハッパは持ってるよな。酒はリュカ担当か?忘れるなよ」と言うヤン。渋々リュカは了承すると、バス停のイスに座りながら、父に「パパ、振込をしてほしい。家賃を払えず食べ物もない」と、ミカにも「今夜20ユーロ貸して。家賃は振り込む」とメッセージを送ります。隣にエリオットが座り、「どうしたの?」と尋ねてきます。金と酒に困っているとリュカが打ち明けると、エリオットは「ビールならあるよ」と自宅に誘います。
金曜日17:12、エリオットの部屋に行くと、壁には彼が描いたアライグマのイラストがたくさん貼ってあります。エリオットが「酒はなぜかたくさんあるから」と一本リュカに飲ませてくれます。「俺の守護動物なんだ」と言うエリオットに、「俺を描くなら何?」と問うリュカ。エリオットは考えておくと言い、彼が「何か吸いたい」と言い出したので、リュカはハッパをプレゼントします。
金曜日18:53、エリオットと話し込んでいたリュカは、クロエから「集合は19時、住所は5番通りのフランソワ・プレミア。待ってるよ。お酒はなくても大丈夫」とメッセージが来ていることに気づきます。リュカは「みんな行く気ないよ」とクロエに返事をし、パーティー会場はどこだと騒ぐヤンたちに「連絡ないから中止かも」と返事をします。エリオットが流してくれるレコードの音楽に身を任せる二人。
金曜日19:34、レコードが終わったので変えないとと言いながらもリュカの隣から動く気のないエリオット。リュカはレコードを止めると、近くにあったピアノを弾き始めます。思いがけず美しい演奏を始めたリュカに目を見張り、聞き入るエリオット。エリオットは「きれいだ。驚いたよ。驚かせてくれる人は好きだ」とうっとりと言います。しかし、彼は「おっと、用事が入っちゃった。追い返すみたいでごめんね。また楽しもう」とリュカに酒を持たせて、リュカを見送ります。クロエからは何度も返信が来ており、「男ってサイテー」とインスタグラムが更新されていました。ヤンからは「なんで嘘ついたんだよ」と怒りのメッセージが。リュカが顔を上げると、エリオットがルシルとキスをしてどこかへ歩いていく後ろ姿が目に入ります。呆然と立ち尽くすリュカ。
第3話
<あらすじ>
学校に戻ると、リュカはバジルから金曜の夜の電話に出なかった理由を問いただされた。
リュカのせいで彼の友達全員がパーティーに参加できなかった。
事の真相を隠すため、彼は母親と家族のトラブルがあったと嘘をつかなければならなかった。
月曜日8:41、バジルは1年生と付き合うチャンスだったのにとリュカを責めますが、リュカが「母さんとちょっとね…」と言葉を濁すと、ヤンとアーサーは急にリュカに同情的になります。「少し減った分は仕送りで払うよ」とアーサーにハッパを返すリュカ。「お母さんは外に出られるのか?お母さんのそばにいるのが一番だ。週末のことは忘れろ」と慰めてくれるヤン。母には、「課題が忙しくて返信できなくてごめん。いつも母さんのことを思ってる」とメッセージを送ります。
水曜日12:10、共有スペースに行くと、ダフネたちがこっそりパーティーの準備をしていたので手伝うリュカ。アレクシアは、自分がバイであることを彼氏のロマンには「性的指向は流動的だから」と言っていないと赤裸々に世間話をします。「キンゼイ指標の記事は読んだ?性的指向領域のこと。ストレートとゲイの間で動くの。若年層は同性同士でやることが多い。例えばエマとダフネもね」と言うアレクシア。「バイは得だよね。女子とキスしても彼氏がいればストレートに見える」と茶化すリュカに、アレクシアは「どうして相手が男である必要が?女子で何か悪い?好きになる人を選べる?」と問い返します。言い負かされるリュカ。
水曜日21:05、「ゲイ診断」と検索し、ストレートだと結果が出ても納得できないリュカ。「ゲイであることを知られないようにする方法」と検索すると、「カミングアウトした奴を侮蔑しろ」「できるだけいい女と付き合え。ガードが堅い子の方が問題は少ない、セックスを求められたら別れればいい」などと書いてあります。
木曜日12:40、女子生徒たちのヨガクラスを覗き見て興奮するヤンたち。あの子は抱ける、抱けないと勝手に判断するリュカたち。バジルは夢の中に全身レザーのダフネが出てきて自分をムチで打つんだと興奮した様子で話しますが、後ろから来たダフネは「それは絶対に現実にならない」と白い目を向けます。ここで何をしているのかと問われ、「エロい子の物色」と答えるリュカ。リュカの珍しい言葉遣いに驚くヤン。「やっちまった」と顔面蒼白のバジル。
木曜日16:50、リュカはクロエに「助けてほしい。知り合った1年生の女の子とデートでキスもしたけど遊びかと思ってさ。でも彼女に夢中になった。初めてのことだから分からないんだ。馬鹿なことをしたよ。ヘマしそうで怖かったんだ。彼女は許してくれるかな?何でもするから」と言います。最初は無視しようとしていたクロエですが、笑顔でキスをすると「行くね」と立ち去ります。それを見ていたヤンたちは驚き、バジルは「どうやったんだ?」と大興奮。「欲望と決断力は基本だ。教えるよ」とにやけるリュカに、エリオットが「この間忘れただろ」とリュカがヤンから借りていたマフラーを差し出します。リュカは「共有スペースに忘れてた?」と焦って嘘をつき、エリオットは何か言いたげにしますがそのまま微笑んで立ち去ります。「あいつ誰?」といぶかしげなバジルたちに、「新入りだよ」と取り繕うリュカ。
その時、リュカたちに「限定パーティーへの招待」というリンクが送られてきます。テーマは「潜入」、暗号は「興奮」だそう。ぴったりの衣装を持ってると大喜びのバジルたちをよそに、リュカは立ち去ったエリオットの影を探してしまいます。
金曜日21:00、ダフネ主催で放課後に共有スペースで仮装パーティーが開かれることに。閉じられた正門にアレクシアがこっそり内部潜入し、鍵を解錠。一同は大興奮です。
金曜日21:36、共有スペースで踊りまくる50人もの生徒たち。「あれ、あなたの友達?ゲイの人は面白いよね。楽しみ方を知ってる」と笑ってリュカに言うクロエ。「ステレオタイプね」と怒りをあらわにするアレクシアに、「褒めてるのよ」とクロエは悪びれません。
クロエと踊っていたリュカですが、ルシルと現れたエリオットに動揺が隠せません。目はずっと彼らばかり追ってしまい、クロエにキスされている間も、ルシルとエリオットがキスするさまをじっと見つめてしまいます。しかし同じようにエリオットから見つめ返され、リュカは凍りついてしまいます。
その時突然警報が鳴り、ダフネの指示で全員が一斉に外へ駆け出します。戸惑うリュカの手を引いたのは、なんとエリオット。「帰る?」と問われ、「一緒に行く」と答えるリュカ。「ルシルとは長いの?」と問うリュカに、エリオットは「そうだね。でももう限界かな。先が見えない。多分別れる。でも次は相手は女子じゃなくてもいい」と返します。
二人が別れ際に見つめ合っていると、「こんばんは」とルシルから話しかけられます。
第4話
<あらすじ>
シャルルがパリに戻ってくるまで、マノンは共同アパートで過ごすことになる。
ミカとリサはリュカが家賃を支払っていないので、彼の部屋をマノンに返すべきだと告げた。
リュカは仕方なく同意したが、マノンから浴びせられるエリオットについての質問への対処に苦労する。
土曜日11:02、「ロンドンは大都市でやることがいっぱいあったわ。高級住宅街に住んでたからすごく素敵だった。でもここが恋しかったわ。シャルルがお父さんと戻るまで1〜2週間、長くて1ヶ月くらいはこっちにいるわ」と言うマノン。ミカに「リュカの部屋はもともとマノンの部屋だったんだから、ベッドを譲ってあげて」と言われて不機嫌になるリュカ。
「昨日は楽しかった。今日の午後は空いてる?」とエリオットに決死の覚悟でメッセージを送るリュカですが、「今日は無理だから月曜日に」と振られてしまいます。「昨日の人、誰?親しそうだったね」とマノンに探りを入れられ、「友達だよ」と何気なく答えるリュカ。部屋を掃除するからとマノンを追い出します。
月曜日8:55、エマから「マノンが帰国したの?私、何も知らされてないんだけど。嫌われてる?」と言われて困惑するリュカ。そこにダフネが現れ、「パーティーの後片付けのために早く登校したら校長から”家具の位置が違う”って怪しまれた。壁画を描き直すために動かしたと嘘をついたけど、警備員が見てたから…」とうろたえます。「警備員がいたの?だから私が戻った時誰もいなかったんだ?セフレのアレックスと教室でヤってたのよ」とあけっぴろげに言うエマ。行き交う生徒から「パーティー楽しかったね」と話しかけられ、ダフネは「みんなを黙らせないと。エリオットに壁画を頼んだから嘘はついてないわ」と言います。「人手が必要なら俺もやるよ」と名乗りを上げるリュカ。「リュカ、共有スペースのリーダーを狙ってるのかも」とエマに相談するダフネ。
リュカがバジルたちと合流すると、バジルはダフネに手を振り。中指を立てられたにも関わらず大喜びしていました。「土曜はダフネの家に集合しよう」「脈ありのいとこも来るぞ」と興奮するヤンたち。リュカも参加することに。
月曜日10:50、「パーティーでロマンは私の元カノを見て驚いてた。3Pを期待してたみたい」と言うアレクシア。エリオットから「壁画を手伝ってくれるのか?水曜日の13時はどう?」とメッセージが届き、リュカは思わずにやけます。しかし母から「昨日、神からのお告げで悪魔があなたに近づいたって…気を付けて」とメッセージが届き、表情を曇らせます。
「バイとか3Pとかよく聞けるね?君の宗教ではタブーだろ」とイマネに話しかけるリュカ。「禁止だけど、性的指向の違う友達がいてもいい。宗教を理由に誰も裁かない。アッラーだけが裁ける」と言うイマネ。「イスラム教の方が人に対して不寛容だ。ホモとか」と言うリュカに、「じゃああんたは何を信じるの?」と問うイマネ。「科学で証明されたこと」とリュカが答えると、イマネは「進化論ではゲイは不要ってことになる。生殖できないから。存在理由がないわけ。50年代には科学者が作った機械でゲイにゲイポルノを見せながら電気ショックを与えて治療してたんだよ。それでも科学の方がイスラム教より寛大?」と問います。何も言えないリュカ。
月曜日12:03、クロエから「水曜の放課後は空いてる?映画を見たり二人きりで散歩とか、初デートしようよ」と誘われますが、「先約を優先しなきゃ」と断るリュカ。「私達、付き合ってるの?もういい、その気になったら電話して」と失望したようにクロエは言うと、去っていきます。
水曜日13:43、エリオットに何度も連絡をしながら共有スペースで待っていたリュカ。しかし彼は一向に現れません。マノンがダフネたちに連れられて共有スペースに来ましたが、先に帰ったリュカを追いかけるように「学食パスの更新に行かなきゃ」と部屋を飛び出し、「エリオットってこの間の人のこと?」と問い詰めます。それ以上聞かれたくなかったリュカは、クロエに「クロエは俺の彼女だよ。金曜日は大丈夫になった」とマノンに見せつけるようにキスします。
木曜日16:34、授業終わりのリュカをいつものように待っているクロエ。リュカが「待たなくていい」と言うと、「今日はバレンタインだから」と言われます。しかし独り身のマリアは二人に嫉妬し、クロエに「宿題を一緒にしよう」と強引に誘います。
そこにエリオットが現れ、「昨日は悪かった。問題が起こって。お詫びに今日は家で飲まない?」と誘います。リュカは見せつけるようにクロエの肩を抱きます。するとクロエが「私達、明日はデートなの。よかったらダブルデートはどう?あなたの家で」と提案。一人で盛り上がるクロエ。
金曜日19:45、ルシルは世間話のついでのようにエリオットが去年留年したことを明かし、「彼、試験に行かなかったのよ」と言います。「その話はしたくない」と不機嫌なエリオット。嫌気のさしたルシルが席を立つと、クロエが彼女を追いかけます。エリオットは「最初の予定通り、二人で出かけない?」とリュカを誘います。
金曜日20:27、「ここの廃線を知ってる?この街で一番好きな場所だ。一人になりたい時の隠れ家だよ。君は特別だ。普段は誰も連れてこないんだけど。君が最初」と言うエリオット。
エリオットは暗闇の中で何度も懐中電灯をつけたり消したりを繰り返し、リュカが怖がるさまをおもしろそうに観察しています。二人の唇が近づきます。
雨に振られる中、リュカはエリオットの両手を握り、激しくキスを繰り返します。
第5話
<あらすじ>
エリオットとリュカが目を覚ますと、彼らはお互いに夢中になっていた。
しかし次にリュカが起きた時、エリオットはいなくなっていた。
ミカとマノンは、リュカがエリオットとベッドで寝ていたことに気づいていたが、リュカは「エリオットはただの友達であり、それ以外の何者でもない」と弁明する。
土曜日9:17、ベッドの上で裸になり何度もエリオットとキスをするリュカ。「俺が初めての男?」と尋ねるエリオットは、リュカが初めてではなさそうです。「集会の日に初めて会ったんじゃない。初登校の日、廊下で君とすれ違ったんだ。君は見てなかったけど、僕は見てた」とリュカに微笑むエリオット。「何かを決める時、2つの道がある。一方を選ばなかったことで何を失うかは分からない。それが苦しい」と言うエリオットに、「正しい選択とは考えない?俺はどちらかを選ぶか決める時、それぞれの世界にいる自分を想像する。それぞれの俺が違った道を進むんだ。別の世界にはたくさんの俺と君が一緒にいるんだ」と返すリュカ。その時、ルシルからエリオットに連絡が入ります。「エリオット452号が彼女と話をしに行くよ。俺はここにいる」と言うエリオットに、「リュカ1号はすごく喜んでるよ」とふざけるリュカ。
土曜日14:34、目を覚ましたリュカはハリネズミとアライグマが一緒のベッドに寝ている絵が描かれたメモをベッドの上に見つけます。「エリオット3546号は幸せ者。君は寝顔がきれいだ」と言葉が添えられていました。
キッチンに行くと、マノンが料理を作っていました。彼女はリュカがベッドを占領していたためソファーで眠り、朝早くからキッチンに立っていたようです。ベッドを譲らなかったことを謝るリュカに、「エリオットは超素敵だし、あなたはベッドが必要そうだったから」と返すマノン。リュカは「いい友達だ。昨日彼が酔ってて部屋に泊めたんだよ」と言い訳します。過剰にマノンたちの反応を気にするリュカは、場に微妙な沈黙が流れると「友達を連れてくるなって言うのか?」と不機嫌に。
月曜日8:50、マノンと登校するリュカ。シャルルからの電話を切って「後でかけ直す」と言うマノン。
共有スペースで、マノン手作りのケーキに舌鼓を打つダフネたち。なぜかマットレスが敷いてある一角に気づいたマノン。ダフネは「休憩場所の必要性を校長にかけあったの」と胸を張ります。「壁画以外はイケてる」とうんざりした様子のエマ。「壁画はエリオット次第だ。セックスと仮眠のほかはここで何を?」と問うリュカに、「撮影。Wi-Fiも設置して内装も変えようよ」と提案するイマネ。「職員室の壁にくっつければWi-Fiはつながるし、ルーターで中継できる。パスワードも知ってるよ」と言ってくれた男子生徒に、マノンは手作りケーキをプレゼント。そして「さよならビッチたち!」とアレクシアの口癖を真似して去っていきます。違和感に目配せしあう一同。
火曜日12:02、「エリオットはこのクラス?」と3年L組の授業終わりを待って、出てきた生徒に尋ねるリュカ。しかし、「最近見ないな。授業中にキレて以来、あんまり来てない。旅行じゃないか?」と言われてしまいます。そこにヤンたちが現れたので、リュカは「ごめん、すっかり忘れてた。週末は家のゴタゴタで大変で」と言い訳します。バジルはダフネと45分間も一緒のバスルームにいたのに何もしなかったらしいとからかわれています。彼らを見送るリュカ。
水曜日10:40、テスト中、こっそりと隣席のイマネが「潜伏期を忘れてるわよ」と間違いを指摘してくれます。リュカが訂正しようとすると、エリオットから「外を見て。出てこれる?」とメッセージが入ります。衝動的にテストを放棄してエリオットに駆け寄るリュカ。エリオットはリュカにキスすると、「ルシルに俺達のことを言ったよ。嬉しくない?」と笑顔で問いかけます。リュカは「俺のせいで君を悲しませたくない」と答えます。「俺達のこと、両親に話せる?」と問われ、「親父は面倒なことを全部残して逃げたから何も言わせない。母さんはおかしいから無視でいい。終末を信じてるんだ。救済のためにこの世に来たって…。母さんには話さないよ。おかしい人には関わりたくない」と答えるリュカ。リュカはキスを求めますが、エリオットは「授業に遅れるよ」と去っていきます。
木曜日17:49、ミカに「話したいことはある?」と問われ、「エリオットとはまだしてないけど、付き合ってるのを知られたくない。外で手を繋いだりとか」と言うリュカ。「サラの時もそうだったね」と言うミカに、「彼女とはフェイクだった」と返すリュカ。「俺はゲイじゃない。ゲイを誇りに思うのはかっこいいけど、俺はそうじゃない。俺は大げさなゲイじゃない。終末いろんな男とやったとかみんなに言いふらしたり、ビヨンセの曲で踊ったとか」と言うリュカに、「私みたいな奴ってことね。私は”大げさ”じゃなくて私自身でいるだけよ」と返すミカ。「一度男を好きになっただけ。分かる?」と返すリュカに、「君が蔑むゲイは手を繋いでパレードに参加する男たち?私達はあんたが思うよりずっと強い。侮辱され、蔑まれ、暴力で命を落とすこともある。世界中でね。なぜそんな生き方を続けると?他に方法がないからよ。あんたみたいな奴のせいで恥より死を選ぶの」と激怒して立ち去るミカ。
リュカは「同居人に打ち明けた」とエリオットに連絡しますが、「そうなんだ。でもしばらく会うのをやめよう。少し時間を置きたい。君のせいじゃないよ。俺には早すぎたのかな。ごめん」とエリオットから返ってきます。ソファーに拳を打ち付けて激怒するリュカ。
すぐさま、ヤンたちに「明日の夜、何してる?」とメッセージを送ります。
金曜日19:21、ゲームを楽しむバジルとアーサーを尻目に、リュカが無言を貫いています。ヤンから「何があった?ずっと避けてただろ?」と問われ、「君らと関係ないことだ」と攻撃的に返すリュカ。「俺は頼りないか?友達のふりか?」と穏やかに問うヤン。「なにもない。親友と楽しく過ごしたいだけだ」と怒りをあらわにするリュカ。「今夜、クロエの家でパーティーをするらしい。ダフネもいるしうまくいきそうだぜ」と興奮するアーサーとバジル。「クロエは怒ってる」と返すリュカに、「俺の誕生日も忘れたよな」と言い返すバジル。リュカは根負けしてクロエの家に向かうことに。
バジルがクロエの家のドアを叩くと、男から締め出されてしまいます。ダフネを見つけて入れてもらえないかと頼みますが、「エマのパーティーで髪を持ってくれた人ね」と女子生徒が声を上げたのを聞いて「誰の髪でも触るのね。最低よ」と激怒されてしまいます。
その時、パーティーにエリオットがいるのを見つけてしまい、リュカは乱暴に室内に入ります。
クロエに「なんでここにいるの?」と問われ、「あんなふうに出ていってごめん」と謝るリュカ。「ゲイを隠すために私を利用したから怒ってる!ゲイなんでしょ!」と激怒するクロエに、「何の話?」とあっけにとられるリュカ。クロエは怒って立ち去ってしまいます。
リュカは怒りのあまり家を後にし、アーサーは「あいつ、また家のゴタゴタかよ?殴らせろ!苛つかせやがって!」と激怒。
一人で帰りながら壁を殴りつけ、涙するリュカ。
第6話
<あらすじ>
リュカは被害妄想に陥り、生徒全員が彼をからかい、友人たちは彼を嫌っていると思っていた。
やけくそになりながら、彼はクロエに自分がゲイであることを誰にも言わないように説得するが、そんな彼の言動によって彼女は更に苛立ち、リュカが自己中心的であると非難する。
エリオットはリュカともう一度話し合おうとするが、リュカはパーティーでのエリオットの行動をまだ許す気になれなかった。
月曜日8:52、リュカはパーカーを深く被って登校しますが、ヤンたちもクロエたちもエリオットも自分を嘲笑っているように感じられます。
ダフネから「共有スペースに使えそうなソファを見つけたから引き取りに行くのを手伝ってほしいの。水曜日の13時に授業の後で」と頼まれます。ほとんど話を聞かずに了承するリュカ。
月曜日14:03、体育の授業後のクロエを捕まえ、「大声でなぜあんなことを?俺はホモじゃない。言いふらすな!」と問い詰めるリュカ。「それだけ?謝りもせず、バラされないか確認しにきたの?」と憤るクロエに、「そもそもが勘違いなんだよ!みんなに噂されるのが嫌なだけだ」と言い訳するリュカ。「私は言いたいことを言う!あんたに命令される覚えはない!」と激怒してクロエは去ってしまいます。
体育館を出ると、そこにはヤンが。「金曜の夜はごめん。怒ってるよね」と謝るリュカに、「誰も怒ってない。心配なんだ」と返すヤン。「家がまたやばくてストレスなんだよ」と言うリュカに、「それはもうやめてくれ。親のことだけじゃないだろ」と呆れるヤン。「君には分からない」とリュカが突き放すと、「お前からの話をも待ってる。強制はしない。話すか、自分で解決するかだ。謝罪はいらない。元気になってくれよ」とヤンは言うと去っていきます。
火曜日13:08、食堂で何を取るかリュカが悩んでいると、エリオットが「俺ならどちらも取る」と話しかけてきます。「時にはどちらか選ばなきゃ。君と話したくない」と返すと、食堂に入ろうとするリュカ。
メガネを踏まれたと怒るアーサーにも、目があったクロエにも話しかけられず、リュカは食事を返却口に突っ込むと立ち去ります。
水曜日13:37、骨董店に来たダフネとリュカたち。古い店なのでおどろおどろしい雰囲気です。物を溜め込んでしまう脅迫生涯持ちの兄の店だった(兄は2か月前にがんで死んで、店主が引き継いだ)と店主は話してくれます。兄は物に愛着を持っていたから捨てたくないのだと言う店主は、ソファー以外も音響機材などがあるから持っていってくれないかと言います。「最高だったね!また来よう」と大はしゃぎの女性陣。
ソファーを高校に持ち帰りながら、「あのあと、バジルから何か聞いた?」とダフネに問われるリュカ。「ダフネはバジルが好きだし、エマは退屈なアレックスと寝てるし、変態ロマンとアレクシアも付き合ってるし…」とぼやくイマネ。「女子が必ずしも簡単なわけじゃない」と言うマノンに、「理想の彼氏がいる人が言わないでよ」と突っ込むダフネですが、マノンは黙りこくっています。
木曜日1:48、テレビドラマを見ていたリュカに近づくマノン。マノンは黙って泣き始め、リュカは「話さなくていい」と彼女を抱き寄せます。
金曜日9:14、「不眠です。昨日は2時間しか眠れなくて。どうすれば?」と保険医に尋ねるリュカですが、「私も自分のことを話すのは苦手だけど恋人のジェロームにだけは何でも話せる。自分を理解してくれる人にいろいろ話せたらどれだけ楽になるか。あなたの”ジェローム”を見つけて」と他人任せな回答しかもらえません。
ぼんやりしていたリュカは、パーカーのポケットに「エリオット25473号、チャンスを取り逃がす」とアライグマから去っていくハリネズミの絵が描かれたメモが入っていることに気づきます。その次のコマでは、「エリオット36512号、運命に突き進む」とアライグマがハリネズミに声をかけています。眼の前を横切っていくエリオットを見つめるリュカ。
リュカはヤンに「後で話せる?」と声をかけます。「いつでもいいよ」と言うヤン。
金曜日17:05、「最近の俺、おかしいよな。親とうまくいってない。学校もあるし、家賃も払えてない。あと、去年好きな人ができた。女の子じゃない。エリオットだ」と言うリュカ。「でもあいつはルシルって彼女がいるだろ」とヤンが言うと、「それが問題なんだ。彼女を振ったと思ったら次の日には元に戻ってる。だからどうしたらいいか分からなくて。信じてくれ。話そうとは思ってたけど、話せなかった。信頼できる人に話せって保健室で言われて、ミカに打ち明けたけど駄目だった」と言うリュカに、「他には?」と問うヤン。「クロエは最悪だった。マノンは感づいてる。エマとアレクシアも変な目で見てくる。イマネはゲイを語ると喧嘩になる。どう思う?何か言ってよ。親友だろ?」と動揺するリュカに、ヤンは「分からない。時間をくれ」と言って去っていきます。
目に涙をたたえて呆然とするリュカ。
第7話
<あらすじ>
リュカの落ち込みを見て、ミカとマノンは彼と話し合うことにした。
そこでリュカは初めて自分の性的指向と向き合い、自分が同性愛者であるという現実を受け止めた。
ミカとマノンは、そんなリュカの気持ちを受け止めて、リュカに同性愛者であることは何も問題ではないと伝えた。
土曜日14:32、「このハリネズミは君?ゴミ箱の中にあったよ。なぜ捨てたの?」とメモを見せて問うミカ。「エリオットの絵だ。もういいだろ」と激怒するリュカ。「このままじゃ駄目。何があったの?」と優しく問うミカに、「ヤンにゲイだと告白したら拒絶された。学校ではみんな俺を笑ってる気がする。廊下を歩けばひそひそ噂話をされてる。エリオットのせいだ。俺にカミングアウトさせて自分はもとに戻ってる」と泣くリュカ。「エリオットのことは置いておいて、ヤンはホモ嫌いじゃない。彼と問題がおきたことはないもの。他の理由よ。分かるわ、その反応は腹が立つわよね。でも今後は自分を出していかなくちゃ。受け入れるしかない。ヤンは時間が必要なだけよ」とミカが慰めても、リュカは首を横に振るだけ。「言うことが大事なの。言わずに苦しんでても周りには伝わらない」と言うミカ。「あなたがゲイなのはエリオットのせいじゃない。早まったのは彼のせいかもしれないけど、いずれこうなるって分かってたよね?」と言うマノン。「もう暗くて狭いところに自分を閉じ込めないで。自分の人生を生きるしかないの。批判する奴は相手にしないで」とミカはリュカを抱きしめ、マノンもそれに加わります。
月曜日8:45、リュカがアーサーたちに緊張した面持ちで話しかけると、アーサーは「先週末、初めてゲイバーに行ったんだよ。盛り上がったよな?」と言い、「ゲイ。パレードにも行きたい」と同調するバジル。
そこにダフネが現れ、「ゲイって本当?集会で忙しくて気づかなかった!」と言い、リュカにハグとキスをして去っていきます。アーサーとバジルとはいつものように馬鹿話ができたので、ホッとするリュカ。
月曜日16:03、共有スペースに置かれたサッカーゲームで遊ぶリュカとアーサー、バジル。そこにヤンがやってきて、アーサーは気を利かせてバジルを連れて出ていきます。「金曜日は俺も悪かった」と謝るヤンに、「ゲイが気持ち悪いなら…」と言いかけるリュカ。しかしヤンは「ゲイは問題ないし、お前ならなおさらだ。今のままの関係でいたい。親友だろ?だから嫌だった。俺は家のことも彼女のこともすべて話してたから。だからお前にも話してほしかった。お前の様子が変になった時、何度も話を聞こうとしただろ?でもお前は他の奴に話した。俺の友達の半分以上が知ってた」と言います。リュカが謝ると、「俺の反応が心配で言えなかったんだろ?お前をゲイだとからかった記憶がある。俺が考えなしだったんだ。ごめん」とヤンも謝ります。話せばよかったと謝るリュカに、「ハグでもするか?俺達の揺るぎない友情の証に」と笑うヤン。「つらいことがあれば話せよ。いつでもお前のそばにいる」とハグしてくれるヤンの言葉を噛みしめるリュカ。
「エリオットは?」と問われ、「何も。二人で壁を塗り直すはずだったんだ」とリュカは答えます。「友情の証の俺ら4人で塗り直すか」と笑うヤン。
火曜日13:53、リュカが化学室の席につくと、バッグにメモが入っているのを見つけます。そこにはアライグマがスマホで「リュカ:メッセージをありがとう!いつくれたの? エリオット:学食で隣にいた時、これは体育の授業の時 P.S.会いたいよ」というメッセージを笑顔で読んでいる絵が描かれています。イマネは心配そうにリュカを窺い、リュカは黙ってメモを折りたたみます。
「進化論と同性愛のこと、私が間違ってた。進化の中で同性愛にも役割がある」と謝るイマネに、「すべてが間違いじゃないさ。科学による同性愛の扱い方とか一理ある。科学も宗教も進歩してる」と返すリュカ。「同性愛を容認する宗教はないし、ゲイが攻撃されても何も言わない。でも人樹、性的指向、宗教で人を侮蔑することは許さない。宗教で憎しみを正当化する人を信じないで。憎しみは宗教からじゃなくて、恐怖と無知から生まれる」と言うイマネ。
水曜日10:17、一人でいたクロエに、「今までのこと全部を謝りたい。君を利用した。あの夜、きれいな君を見て好きになれるかもと思った。だから君の問題じゃない。俺が女の子を好きになれないんだ。どうかしてた。君を傷つけた。俺の本心だよ。ごめん」と謝るリュカ。「信じてた。でも私はあなたじゃない。もし私ならどうやって向き合ってたか分からない。理解はできると思う。いつか許せる日も。私もごめんね。仕返しのために言い過ぎた」とクロエも謝ります。「君に言われて自分と向き合えた。エリオットとは付き合ってないんだ。俺の気持ちが強すぎて」と言うリュカに、「私と同じだね」と同情するクロエ。そのまま涙をこらえて去っていきます。
ヤンから「クロエにアプローチしてもいいか?」と問われ、「傷つけないようにな」と返すリュカ。エマはアレックスが女子生徒と言い争っているのを見て顔をしかめます。
金曜日18:14、共有スペースの壁を塗り直す4人。「彼氏は?」とアーサーに問われ、「彼氏じゃない。バッグにメモは入ってたけど」と返すリュカ。「元カノとも会ってたりどっちなんだよって思ったから、誘ってない」と憤るリュカに、「俺も似た経験がある。エリオットに決めさせろ。連絡してはっきりさせるんだ」とアドバイスするアーサー。「付き合う気がないならイラストはやめろ、って言えば?」と言うヤン。
その通りにメッセージを送るリュカ。電話が来たものの、ヤンたちに「恋愛の基本は気のないふりだ!」と無視するように言われたため「壁を塗ってて忙しいから無理」と返すリュカ。しかしその後返信がなくなり、リュカは呆然。「エリオットのことは気にするな」とヤンたちは慰めます。しかし突然エリオットが「今から行く」と言い出したため、ヤンたちは慌てて退散することに。
リュカは壁を眺めているふりをしながら、動揺を落ち着けます。「手伝おうか?」と声を掛けてくるエリオット。
金曜日18:35、「ジャクソン・ポロック風はどう?壁にいろんな色をぶちまけるんだ」と嬉しそうに提案するエリオット。「君の笑顔がずっと見たかったよ」と言われ、「ルシルとよりを戻したんだ?よかったね」と毒々しく返すリュカ。「それは言わないで。なにもないから。君が一番大事だ」と見つめてくるエリオットの視線の熱さに負けたリュカは、エリオットの体にペンキを塗りたくってみたりと、ふざけはじめます。ペンキまみれになりながらキスをする二人。生まれたままの姿になり、二人は絡み合います。
第8話
<あらすじ>
エリオットはリュカの友人たちに、自分が彼の恋人だと告げリュカを安心させようとした。
リュカはそれを嬉しいと思いながらも、エリオットのサボり癖と、ルシルとまだ電話を続けていることに不満を抱いていた。
同時期に、エマはマノンが秘密を打ち明けてくれないことに悲しんでいた。
土曜日11:07、ところどころにペンキをつけたまま裸でベッドに眠っていたリュカは、携帯に「母さんが来週のミサに呼んでる。予定は?」と父からメッセージが届いていることに気づきます。
リュカがキッチンに行くと、めちゃくちゃなオムレツを作るエリオットをマノンとミカがからかっているところでした。エリオットにキスされるリュカを見つめる二人。
「一晩中うるさくてうんざり。マノンはリュカに部屋を譲ったら?あなた、相手いないでしょ」とピリピリしているリサ。
「この間みたいに出ていったと思った。君はルシルと別れたって言ってたけどキスしてただろ」と言うリュカに、「彼女は俺のことを何でも知ってる。彼女のもとに戻ることが正しいと信じ込まされてた。君が本気の関係を望んでないかもって怖かった。もう俺はどこにも行かない」と答えるエリオット。「信じてるよ」とリュカはエリオットに求められるがままキスします。
月曜日8:43、共有スペースの壁画を見つめるダフネとマノンたち。「当初の目的とは違うけど、いいんじゃない?」と言うマノン。いちゃつくリュカとエリオットを見て「ゲイカップルが愛を育みながら描いた絵…それって最高じゃない!?」と二人に抱きつくダフネ。「ミサに行けるか?母さんを想ってあげろ」と父から再度メッセージが届き、「分かった。彼氏と一緒に行く」とリュカは返信します。
火曜日16:35、構内でエリオットと遭遇したヤンとリュカたち。リュカは改めてエリオットを彼氏だと紹介し、バジルは大はしゃぎ。水曜日に一緒に公園に行かないかと誘うヤンに、エリオットは学校を半日休んで参加すると嬉しそうに返します。その時、リュカにルシルから電話が。エリオットが代わりに出ると、「彼に迷惑をかけるな」と勝手に切ってしまいます。エリオットは「ルシルは俺をコントロールできないから君を利用してるんだ」とリュカと離れがたそうに何度もキスして去っていきます。
水曜日13:38、エリオットにバックハグされながら「終末は何をする?」と相談するリュカ。エリオットの家は使えないらしく、どこかゆっくりできるところを探そうとエリオットは言います。
バジルはダフネに「送った曲、聴いてくれた?」と期待を込めて尋ねますが、「復習で忙しいから」と無視されます。バジルは「彼女が俺を愛してくれたなら」という曲を送ったようで、アーサーとヤンは「あいつにチャンスをやってくれ」と頼みます。
エマはアレックスが来てくれず、他の女子とデートしていることに困惑しています。「アレックスのやることに口出しはできない。そういう約束だし。私達体の相性はすごくいいの。でも口を開いた瞬間にマジで残念って思う」とエマはマノンにおどけます。「最近つらそうなのに親友の私に相談しないよね。彼が戻るって本当?」と尋ねるエマに、マノンは涙をこらえるように肩をすくめます。
金曜日19:25、エリオットはライトアップされた船にリュカを招待。リュカは「これが終末の予定?こんなの初めてだよ」と感動します。船の中でシャンパンを開けて生ハムを食べると、じっくりとセックスします。「この船で一生過ごせそうだ。結婚式で同じのを借りよう」とはしゃぐエリオットは、やけに饒舌です。リュカはそれに違和感を感じます。「他の世界では何人のエリオットとリュカが結婚するかな?」と問われたので、「たくさん」と答えるリュカ。エリオットはなぜか「なら、今日死なないとな。幸せの絶頂で」と言い出します。エリオットはすぐに冗談だと言いますが、リュカの不安は膨らみます。
金曜日23:37、眠っていたリュカはベッドサイドでずっと起きているエリオットを不思議に思います。エリオットは深夜に「泳いでくる」と全裸のまま外に出ていきます。焦ったリュカはエリオットを探しますが、彼は電話に出ません。「ルシル、今すぐ来てくれ」と電話をして、震えながら船で待つリュカ。ルシルはリュカを落ち着けると、「とりあえず警察にまかせて。あいつは双極性障害なの!この船だって不法侵入だよ。ハッパは吸った?あいつは吸うと駄目なの。病気なの。理解できる?」と怒鳴ります。
エリオットが見つかったとルシルの携帯に連絡が入り、リュカは同行しようとします。しかしルシルはそれを拒絶し、「あいつの親に連絡する。今は放っておいて。彼が愛していると言ってもそれは本当じゃない。あんたのことを愛せないし、彼にとってはなんでもない。ただの気まぐれ」と言って去っていきます。打ちのめされ、泣きじゃくるリュカ。
第9話
<あらすじ>
心に傷を負ったリュカはうつ病に陥ってしまう。
エリオットはリュカと連絡を取ろうとするが、リュカはとても自分の手に負える状況ではないと感じている。
同時期に、彼は父親に連絡をして、教会で母親と会う約束をする。
土曜日14:32、ソファーでぼんやりと横になっているリュカ。ミカは「私に話してみない?」と話しかけますが、「いい」と断られてしまいます。それでも、「失恋って辛いわよね。特に初恋は。苦しいけど乗り越えられるわ。悲しい時は馬鹿なことも考える。感傷に浸りすぎないで。大丈夫よ」と慰めてくれるミカに、リュカは涙。
日曜日16:34、リュカはコインランドリーで洗濯物を回している間に、双極性障害についてネット記事を読みます。躁とうつを繰り返す精神疾患だそうです。エリオットから、人混みの中でハリネズミの後ろ姿を見つけたと想ったら別人だった…というイラストが送られてきます。次々にエリオットから画像が送られてくるので、リュカは「これ以上送らないで」とメッセージを送ります。父からは「彼氏の話は冗談だろ?本当なら教会に連れて行くな。母さんのことを知ってるだろ。理解してもらえない」とメッセージが届きます。冗談だと返そうとして、リュカは涙をこらえて携帯をしまいます。
日曜日19:25、エマにシャルルの話をするマノン。ちょうど帰宅したリュカは別室に移動しようとしますが、マノンは聞いてほしいと引き止めます。
「最初はロンドンでいろんなことをして楽しかった。でも、ニコとの事件の証言で裁判所から連絡が来た。正直ショックが大きくてね、立ち直れてなかった。でもシャルルには事件のことを話せなかった。そして彼は母親に会いに行った後、様子がおかしくなった。母親がニコを呼んでたらしくて、会ってたの。シャルルは知らないはずの裁判のことをよく知ってた。シャルルが言うには、弟はずっと泣いてて死ぬほど後悔していて、精神病で治療が必要な状態だって。バカなことはしたけど刑務所に入ったら人生台無しだしレイプもしてないって。私の気持ちを彼は分かってなかった。彼は”どんな決断も尊重する、あくまでも君の選択だ”って言った。強制しない代わりに支えてもくれなかったの。公判日に裁判所へ行ってもつらすぎて出廷できなかった。彼には”証言もしなかったけど彼のもとにも戻らない”と連絡したわ。私のことを本当に愛していたなら支えてくれたはずだもの。以来、彼とは話してない」とマノンは涙します。
「どうして私に話してくれなかったの」と言うエマに、「運命の人とすぐ別れて帰国なんて恥ずかしい、バカみたいでしょ。怖くて言えなかった」とマノンは泣きます。とことん飲んで忘れようとエマは提案します。
日曜日20:41、「アレックスとはヤってばっか」と愚痴を言うエマ。お互いに誰の元恋人・セフレが一番ひどいかを言い合う三人。そこにミカとリサが帰宅し、即興のウォッカ・パーティーが始まります。パーティーの最中に立ち眩みに襲われるリュカ。
月曜日12:40、食堂にいたリュカにヤンたちが合流。リュカが「エリオットが躁うつ病らしくて深酒をした」とこぼすと、「うちの母さんもだよ。普段は面白い人だし、大変だとは思わない。なんでエリオットと話さないの?」と無邪気に尋ねるバジル。「溶態が悪ければ無理だけど…母さんもうつの時は話せないけど、落ち着くといろいろ話せるんだ。エリオットから連絡は?早く会いに行ってやれよ!」とバジルはリュカを急き立てます。「問題を悪化させたくない。ルシルは会うなと言うし」とリュカが言うと、「その女の話を信じるのか?わけがわからないよ。彼自身のことなんだから、会いに行ってやれよ。君に会いたがってるよ。君のために女とも別れたんだから。躁うつ病なだけで心がないわけじゃない。問題ないとは言わない。すごくつらい時もあるさ。でも好きなら乗り越えられるよ。ありのままを認めるんだ」と言うバジル。その言葉にリュカは勇気づけられます。
水曜日14:22、共有スペースでヤンとドラマを見ていたリュカは、母から「今、懺悔室を出たわ。”主は慈悲深く満ちあら外れても悔い改める者を赦す”。金曜日のミサに来るわね?会えるのが楽しみ」とメッセージを受け取ります。「悲しませたらごめん、俺はゲイだ。金曜日にね。愛してる」と返信するリュカ。母は「ママも愛してるわ。金曜日にね」と返事をよこします。知らず知らずのうちに、リュカは泣いていました。
そこに校長が入ってきて、「職員室のWi-Fiを使うとは信じられん!ルコントさん(ダフネ)、校長室へ」と激怒します。しかもマットレスでは生徒たちがセックスをしかけており、校長は「休憩スペースじゃないのか!」と怒りに油を注ぐ自体に。「荷物を持って出ていけ。ここは閉鎖だ。土曜日までにこの壁も白く塗り直せ」と言う校長に、「これは壁画です。ポロックへのオマージュだ!」と反論するリュカ。「これはただの壁画じゃなく、私達の思いが込められています。混ざりあった色は私達の個性を象徴しています。違う者同士が共存できることを表しています。それでも消せと?」とリュカを庇うイマネ。校長は「ならば壁画は残してもいいが5分でここを明け渡しなさい。さもないと全員居残りだ」と言い渡します。「解決策を考えよう」と涙するダフネを慰める一同。
金曜日19:43、教会に来たリュカは母に「久しぶり!会いたかったわ」と熱烈に抱きしめられます。父は来ないようです。「パパは別れてからは会いたくないみたい。人にはそれぞれの生き方があるのよ。価値観を共有することはできないわ。父さんには私達を理解するのに時間が必要なの」と母は言います。
金曜日20:27、母と教会のミサに参加するリュカ。ルシルから「エリオットがいない。電話にも出ない。一緒なの?」とメッセージが届きます。「主は我々に必要な力をお与えになります。たとえどんな悲しみであると、どんな罰であろうと、主はあなたを理解しお赦しになる。主があなたとともにあるかぎり、あなたは一人ではありません。いかなる時も進む先はあります。教会はあなたを庇護するための場所です」という神父の説教を聞きながら、エリオットのことを思い出すリュカ。「ごめん、行かなきゃ」と言うリュカに、「行きなさい」と背中を押す母。教会から走り出ると、街を疾走するリュカ。リュカはエリオットが教えてくれた秘密の場所に行き、彼が一人でうずくまって泣いているのを見つけます。「一人じゃない。俺がいる。もう一人にしない」とエリオットを抱きしめるリュカ。
第10話
<あらすじ>
エリオットがリュカ達の家で休んでいる中、リュカはルシルと話に行った。ルシルは嘘をついていたことを告白し、嫉妬のあまり「エリオットはリュカのことを愛していない」と言ったが、実はこんなにもエリオットが人を愛しているのを初めて見たと言った。
ルシルは更にリュカに対して躁うつ症の恋人との生活は大変だということを告げる。
土曜日9:53、ルシルとカフェで待ち合わせるリュカ。「彼の様子は?」と問われ、「大丈夫。ずっと寝てる」と返します。「彼の親には…」とリュカが言いかけると、ルシルは「もう言った。あんたが男だってことはどうでもいい。今回が初めてじゃない」と吐き捨てます。謝るリュカに、「初めてじゃないけど他の人とは違う。見てきたから分かる。私こそごめん。彼も人を愛せると気付いたの」と言うルシル。ルシルは涙を流し、「あんな彼を見たことがないから羨ましい。でも、今後はあんたがすべて責任を負わなきゃいけない。できることはない。焦らないことかな、すぐにはうまくいかない。でもそれで十分だと思うこと」とアドバイスします。
「病気のことをよく調べて、理解してあげて。放っておくしかない時は無力感を感じるかも。でも仕方がない。サインを見逃さないで。大したことはできなくても心の準備ができる。そばにいるだけでいいの。一番大切なのは、楽しい時間を全力で満喫すること。そういう時間はたくさん訪れる。他の時間はそのための準備だって分かる日がくる」と言うルシル。リュカはパンと花束を買って帰宅します。眠るエリオットを穏やかな表情で見つめるリュカ。マノンと談笑していると、エリオットが亡霊のように部屋の徘徊します。彼のために作った食事にラップをかけるリュカ。エリオットのそばで本を読んでいると、彼が甘えてきます。リュカは微笑みながらそれに応えるのでした。
月曜日8:10、「寝かせておいたら?遅刻するよ」と言うマノンを見送り、リュカはアーサーに「担任に病欠と伝えて」とメッセージを送ります。
「俺は子どもじゃない。授業に行くってメモを見た」と言うエリオットに、「君が起きた時に一人じゃないようにそばにいたい」と言うリュカ。「俺に構うな」とエリオットはブランケットを被ってしまいます。
月曜日13:12、リュカはミカにエリオットが無事か電話します。ミカはリュカが過保護だとからかい、エリオットは食事をして寝ていると教えてくれます。
「エリオットが心配で食事が入らない」と苛立つリュカに、バジルは「ずっと心配するのは良くない。お前の運命の人だろ?肩の力を抜けよ。身が持たないぞ。彼だって子どもじゃないんだ。助けが必要ならそう言うさ。いつもの生活を送れ。俺は母親の心配をずっとはしてない。躁うつ病ってのはいい時と悪い時がある。状態がいい時にいっぱい楽しむんだよ。エリオットも同じだ。彼に時間をやれ」とアドバイスします。
そこにダフネが現れ、「水曜日に抗議の座り込みをやるわ。共有スペースのことで」と言うので、バジルは率先して「参加する」と意思表明します。
月曜日17:21、帰宅したリュカ。ミカとリサがエリオットとボードゲームで遊んでいます。気を利かせて席を外してくれるミカとリサ。リュカはエリオットにキスしようとしますが、エリオットはそれを避けます。「これからもこんなことがある。嫌になるよ。自分じゃどうにもできない。君の手に負えないよ。君に迷惑をかけたくない。今朝みたいに気難しくなったり、一週間眠り続けることもある。何もしたくなかったり、些細なことに興奮したり、毎日が地獄になる。つまらにことで君を責めるかも。俺のせいできっと台無しになる。そんなのは嫌だ。君を怖がらせたり傷つけたくない」と言うエリオット。リュカは「そんなの分からない。俺だって馬鹿を言うかも。怒ったり逃げたりするかも。でも君がいないよりはいい。やってみよう、一緒に。一日一日を生きよう。いや、一分一分だ。今からだよ」とエリオットにキスします。エリオットはやっと笑顔を見せます。「笑った方がかっこいい」と言うリュカ。
水曜日8:07、「共有スペースを救え」と抗議デモが始まります。解散して教室に戻れと言う校長に、ダフネは「ここにいるみんなは、数ヶ月前は話したこともありませんでした。羽目を外したことは謝ります。でもここがなくなったら他人に戻ってしまう。ここは人と出会い、共存を学ぶ場所です。学校や社会でなければどこで共存を学べます?」と問いかけます。校長は納得し、「共有スペースを復活させる。でも少しでも風紀が乱れたら閉鎖だ。今度は弁解の余地はない」と言い渡します。大興奮で抱き合う一同。
ダフネは自分に加勢してくれたバジルに、感謝します。バジルは「俺、いつか君にふさわしい男になるから」と拙い告白をして去ります。
木曜日17:32、バス停でハグしているリュカとエリオット。「行くなよ」と泣くリュカに、「1週間家に帰ってないんだ。親が心配する」と笑うエリオット。「明日、森でパーティーをする。来られる?」とリュカが問うと、エリオットは「回復したけど、まだ大勢と会うのは…」と顔を引き攣らせます。「永遠の別れじゃない。一分一分が重要だろ?」と言うと、エリオットはリュカに何度もキスします。バスに乗り込む直前、エリオットは「リュカ、愛してる」と微笑みます。「俺も」と言い、バスを見送るリュカ。
金曜日18:43、森でのパーティーに参加するアレクシアはロマンに3Pの相手を選ぶように誘われ、ヒゲを生やした男性を選び「冗談だろ」と言われます。
エマはアレックスに「お試しで付き合ってみない?」と持ちかけ、了承されます。
ヤンとマノンは誰が好みかの話をしていましたが、マノンがシャルルからの電話で席を外したので、ヤンはクロエに視線だけで挨拶をします。
「俺は誰からもモテない」とアーサーに愚痴っていたバジルは、クララという女子生徒からセックスに誘われますが、ダフネが凝視しているのに気づくと「好きな子に”ふさわしくなる”って約束したからやっぱり駄目!」と断ります。今年唯一のビッグチャンスだったのにと惜しむも、ダフネにキスされて仰天するバジル。アーサーは嬉しそうです。
一人で湖畔に佇んでいたリュカに、エリオットが近づきます。来たのかと驚くリュカに、「一分一分が大切だろ?君には1573分の借りがある」とふざけるエリオット。「大きな借りだな。返せるのか?」と笑うリュカに「いつかね」と笑うエリオット。二人は熱烈なキスを交わします。
ロマンと言い争うアレクシア。アレックスといい雰囲気のエマ。泣きじゃくるマノンを見つけると、駆け寄り、彼女を抱きしめます。クロエと談笑するヤン。エリオットに肩を抱かれるリュカを、アーサーとバジルとダフネがにこやかに見つめます。一人、彼らをじっと見つめるイマネ。
シーズン2
第1話
<あらすじ>
気が強く、自立した女性のイマネは誰の批判も気に留めない。
彼女は家族の宗教や信仰に関わらず、自分に合った化粧をして好きな服を着る。
イマネはリュカたちが住む共同アパートに向かう。
土曜日12:32、イマネのインスタグラムに「厚化粧ブス」とコメントが書かれたと通知が入ります。バスの中でヒジャブを直していると、隣席の女性に腕が当たってしまい謝ります。バスを降りて街を歩いていると、男性からナンパされますが、無視していると「クソビッチ、国に帰れ!」と罵倒されます。
日曜日11:04、マノンの家に来たイマネは、リビングでリュカとエリオットがいちゃついているのを発見。「二人には部屋が必要だね」とからかうと、リュカとエリオットは幸せそうに見つめ合います。それを呆れた様子で見つめるミカとリサ。マノンが「私が向かいの部屋に移動するから」と提案すると、「あんたが移ってマノンが残ればいいのに」とミカが文句を言い、リュカたちと喧嘩するふりでじゃれ合います。
棚を運び出す手伝いを試みるバジルですが、不器用なため戦力にはならず。ダフネは励ますように彼にキスをして、見ていたイマネやアレクシアは笑います。
「最近のアレックスはベッドで退屈なんだよね」とぼやくエマに、「こっちはロマンが遅漏」とアレクシアが同調します。二人はアナルセックスの話までしはじめ、耐えかねたイマネがそれ以上話すなとストップをかけます。
ダフネがマノンにシャルルから連絡があったかと問うと、マノンは「まだ」と気まずそうに言って部屋を出ていってしまいます。エマがインスタグラムを見せて「シャルルにはもう彼女がいるよ」と言うので、イマネたちはマノンに秘密にすることにします。
日曜日15:40、帰宅していたイマネに声を掛ける黒人の少女たち。「白人たちとうまくやってる?」と言われて、適当に返します。
庭に行くと兄の友人であるソフィアンが兄と球遊びをしており、イマネを見つけると「オーストラリアのくせで」でハグしてきます。「随分変わったね」と眩しそうに言う彼を、「あなたは変わってない」とイマネがからかいます。そこに兄のイドリスが来て「地味だな。かわいい格好しろよ」と嫌味を言い、彼の友人たちもにやついた顔で賛同しますが、「ニートと違って機能性重視なの」と言い返すイマネ。
化粧をしたイマネに、ソフィアンは「きれいだ。今は高校二年生だっけ?進路は?」と尋ねてきます。理系だと答えるイマネに「昔ゾウのぬいぐるみが病気なんだって手術してあげてたもんね」と懐かしそうに言うソフィアン。「オーストラリアに戻るの?」と問うイマネに、ソフィアンは「ビザが切れたし帰国してもいいかなって。また会えて嬉しいよ」と返します。ときめくイマネ。
月曜日20:47、家族での晩餐中、イマネの父はイドリスに「就職活動はどうだ?」と尋ねます。イドリスはソフィアンを真似て、旅行するために貯金したいようです。しかし、イマネの母は「ソフィアンにはオーストラリアで目的があったけど、あなたは違うでしょ。あなたは何も話してくれないから信用しようがない。イマネはモスクに来ないし」と愚痴を吐き出します。母が怒ったように席を立ってしまったので、父は「一緒に行ったらママも喜ぶよ」とイマネに耳打ち。イマネは「ママ、金曜は一緒にモスクに行く」と言います。
水曜日13:06、共有スペースにいたダフネは生徒たちが壁画の前で記念写真を撮っていくのを見て「私たち、人気者じゃない!?」と大興奮。しかし、マノンは「人気はすぐ終わる」と鋭く指摘。ダフネは「人気を保つためにどうしたらいい?3年生になるんだからクールなことをしないと。バカンスに行くのはどう?」と提案します。「おばあちゃんの家に2週間、ロマンと行く」と言うアレクシア。ロマンとは喧嘩を繰り返していますが別れないようです。マノンは「シャルルとの予定があった」と言うものの、今の予定は未定のようです。「5人でバルセロナに行くのはどう?」とダフネは乗り気ですが、マノンは元気がなく、「アパートを片付けに戻るね」と先に帰ってしまいます。
「シャルルのこと、言った方がいいんじゃない?」と心配そうなイマネ。「失恋には新しい男が必要よ。アーサーはどう?」と言うアレクシア。しかしマノンは草食系より肉食系男子の方が好きなので無理そうです。
その時、イドリスからイマネに「鍵を忘れた。家にいる?」とメッセージが届きます。学校で渡そうとするイマネですが、イドリスが18時まで時間がないと言うので、渡しに行くことに。
水曜日14:12、地区の無料ジムで体を鍛えるイドリスに鍵を届けるイマネ。ここではソフィアンが働いているようです。一緒についてきたダフネたちは肉食系男子の巣窟に大喜び。
黙々と鏡の前でダンスをするソフィアンを熱く見つめるイマネ。アレクシアが「金曜日のパーティーに来る?マノンのためにダフネたちが誘ってたんだけど」とソフィアンに尋ねます。ソフィアンはイマネが行くならと了承。
金曜日21:02、パーティーを楽しげに見つめるイマネの隣に、ソフィアンが座ります。「黒は私のハッピーカラー」と書かれたスマホケースに気づくソフィアン。ソフィアンのスマホケースは、彼の妹がくれたというユニコーンです。ソフィアンはイマネをダンスに誘いますが、イマネが断ったので一人でフロアへ。
マノンは男性に声をかけられますが、あまりタイプではない様子。ダフネは「マノンにソフィアンなんてぴったりじゃない?」と言い出し、イマネの表情が曇ります。
「今夜はサラの誕生日じゃ?」と問うエマに、「最近うまくいってない」と返すイングリッド。
「飲酒を見られて”ムスリムじゃない”って言われた」という女性に、「誰かを判断する時点で良いムスリムじゃない」と返すイマネ。その時、母から「モスクに行くと言ったならちゃんと来て」とメッセージが来たので、「マノンを元気づけるために出かけてる。忘れてた。ごめん」と返信します。
イドリスが「大丈夫か?」と声をかけてきたので、モスクに行くことを忘れていたのだと事情を話すイマネ。「ママのがっかりした顔にはすぐ慣れるさ。一緒に料理でもして仲直りだ。パーティーを楽しめ」と言われますが、視線の先ではマノンとソフィアンが楽しげに話しています。先にパーティー会場を後にするイマネ。
金曜日22:44、帰宅したイマネに「マノンは元気になった?」と話しかけてくる母。イマネは頷きますが、「タバコ臭い。あなたの友達はいろんな子がいるから…」と母は言い出します。「だから私が変わると想ってる?」とイマネは言い返します。「心配してるだけ。大切なことを見失ってほしくない。彼女たちとは分かち合えないとは思ってほしくないの」と言う母に、理解を示すイマネ。「お祈りの時間」のアラームを止めた後、ソフィアンから電話が。イマネは電話に出ようか悩みます。
第2話
<あらすじ>
ダフネたちは休暇中、旅行の計画を立てることになった。
しかし旅行の目的地について意見は割れ、特にダフネとイマネは大げんかになってしまう。
エリオットとリュカは、イマネにソフィアンのことについて尋ねる。
土曜日11:04、ソフィアンからの「また会いたい」という留守電を何度も再生してにやけてしまうイマネ。「メッセージありがとう。すごく嬉しかった」と返信しようとした手を止め、ソフィアンのインスタグラムをフォローします。
するとダフネが「マノン」というグループに自分を追加したという通知が届きます。「マノンから何か聞いた?ソフィアンとうまくいったか知りたくて」とダフネからグループにメッセージが届き、アレクシアとエマも「お似合いだった」と賛同します。「ソフィアンがマノンをどう思ってるかお兄さんに聞いてくれない?」と頼んでくるダフネ。「二人を何て呼ぼう?マフィアン?」と乗り気なアレクシア。イマネは考え込みます。お祈りの時間のアラームが鳴ります。
月曜日10:56、ソフィアンから「フォローしてくれたのを今知ったよ。終末は忙しくて」と連絡が来たので、思わず微笑むイマネ。彼の投稿に「いいね」を押しますが、すぐに取り消します。そこへエリオットがやってきて、「ソフィアン、帰ってきたんだね。僕に連絡がなかったのは、あのことを知った後じゃしょうがない。きっと誰かが話したんだな」と言います。リュカが「何を話してるの?」と話しかけてきたので、イマネはとっさに話題をすり替えます。エリオットが教室を出ていくと、リュカはイマネに「彼が打ち解けてよかった」と安堵した様子で言います。リュカはイマネの開いていた、ソフィアンとイドリスのツーショット写真を見て誰なのかと問いますが、イマネは「兄」とだけ答えます。
火曜日10:14、目隠しをして指さしたところへ旅行しようということになったダフネ一行。しかしイマネがアフリカを指すと、ダフネは「旅の目的に合わない」と却下してしまいます。「モロッコは?ソフィアンの両親もいる」と言うマノン。周りは「もう両親に会うの?付き合ってるの?」とはしゃぎますが、マノンは「別れたばかりなんだよ」と困惑。結局、アレクシアが指さしたミコノス島に行くことに。
水曜日18:13、ソフィアンの投稿を見てにやけていたイマネは、母から「リビングの洗濯物を畳んでおいて」と言われ、音楽を流しながら畳むことに。音楽に熱中して踊っていると、飲み物を取りに来たソフィアンが「いい動きだね」と話しかけてきます。
イマネの畳み方はよくないと指摘するソフィアン。「掃除、洗濯、アイロンがけ、裁縫もできるよ」とアピールするソフィアンに、「理想の男」とからかうイマネ。なぜ投稿へのいいねを取り消したのかとソフィアンに問われ、「あなたへの”いいね”と取られると思って」とイマネは答えます。「俺を好きなのかと思った」とソフィアンがからかうように言うので、「絶対ありえない」と強い言葉で拒絶してしまいます。シーツを一緒に畳みながら、距離が近づく二人。
しかしそこにイドリスがやってきて「女の仕事を手伝うのか」とソフィアンをバカにします。怒るイマネに、イドリスは「あんなに怒る必要あるか?」と逆ギレ気味です。
木曜日12:48、ソフィアンから「5秒でTシャツを畳む方法」の動画が送られてきて思わず笑ってしまうイマネ。一緒に食事をしていたマノンは「彼が好き?」と問います。「男のことを考える暇なんかない。それに、恋はそのうちでいい。ソフィアンは小さい頃から知ってるから」とイマネは否定し、さらに「彼はやめといた方がいい。ムスリムだから。異教徒の女と遊ぶけど、最後はイスラムの女を選ぶ」と言います。「いつから差別主義者に?それに私も遊ぶつもりならいいじゃない」とマノンは言います。イマネは「遊び相手なら選ぶ時間も相手もたくさんあるんだから」と付け足します。
エマは「アレックスとデートに行ったんだけど、高い店だったからパンとサラダしか出なかった。老夫婦のデートだわ」と文句を言い、ダフネは「バジルは料理もうまいし芸術家肌なの」とのろけます。
席を探すイングリッドを、「ここで食べなよ」と誘うエマ。
イマネは動画を見たかというソフィアンのメッセージに「今度やってみる」と返します。すると「また会えるってこと?」と来たので、思わずにやけます。
金曜日21:18、イマネの家で両親の友人を招いた小さな晩餐会が開かれます。お茶の用意をしたり、食事の後片付けをさせられるイマネ。ソフィアンも呼ばれ、今はどんな仕事をしているのかと両親たちに根掘り葉掘り聞かれています。ソフィアンは地区センターで子どもの誕生会を開催したりといろんな活動をしていて、スポーツ以外に文化活動もしているのだとイマネの父にアピール。「イドリスも誘ってくれ。ご両親は君を誇りに思っているだろう」と嬉しそうな父。
「長年夢見てきた帰国ができて喜んでます。夏には両親に会いにモロッコへ」と言うソフィアン。「移動遊園地は?」とイドリスに問われ、「来週終わるよ」とソフィアンは答えます。どうやら、経済的に厳しい家の子どもの誕生日会を地区センターで開催することになったそうで、子どもを移動遊園地に連れていく予定のようです。去年の移動遊園地はまた来ていたから行こうと乗り気なイドリスに「誰の金で?」と釘を刺す父。「お金がないならセンターの移動遊園地に行かないとね」とイマネが助け舟を出したにも関わらず、イドリスは「お前は遊園地で迷子になって大泣きしてたよな」と無神経なことを言います。イマネはカチンと来て、皿洗いの手を止めて自室に引きこもってしまいます。
ソフィアンが部屋まで追いかけてきてくれますが、「入らないで」とイマネは拒絶。ソフィアンは幼い頃に両親に連れられて遊園地に行った時、父に「男ならジェットコースターに乗れ」と言われて乗ったものの怖すぎて漏らしてしまったという失敗談をドア越しに話します。「そういうわけで、実は一緒に遊園地に行きたい。ジェットコースターは駄目だけど…迷子にさせないから。約束する。イドリス抜きで、俺と二人きりで、どうかな?」と誘うソフィアン。
第3話
<あらすじ>
イマネはソフィアンの誘いに返事を出来ずにいた。
そうしているうちに旅行の計画は着々と進んでいく。
メンバーには新しくイングリッドが加わり、女子たちはみんなワクワクしている。
月曜日10:18、「みんな大変!ミコノス島は予算的に無理。ブルクの16平米なら予算内」と騒ぐダフネに、「ベルクはやめておいた方がいいよ」と声をかけるイングリッド。マノンは「映画館に行かない?」と提案します。そこにソフィアンから「いつ行く?早く決めよう」とメッセージが届くも、イマネは「卒業試験が大変で」と返します。サラと行けなくなったので、イングリッドは多めにお金を出すから旅に同行してほしいと一同に頼みます。イマネは渋りますが、ダフネは乗り気。イマネがあまりにもイングリッドに刺々しい発言を繰り返すので、一同はハラハラしています。旅行先はイマネの家で決めることになりましたが、イマネは「あの子と揉めたのに仲間にするの?」とダフネたちを非難。「それを言ったらあんたも同じ」とアレクシアは指摘します。ダフネはバカンスを楽しみにしています。
火曜日19:03、「予約を急いだ方がいい。今の予算ならもうろくなのが残ってないから」と「バカンス」グループに投稿するイングリッド。「イマネ、集まるのが無理そうならウチでもいいよ」とイングリッドに言われ、イマネは決心して父にバカンスの話を切り出します。「いつもの学校の仲間とバカンスに行ってもいい?女子会よ」と言うイマネに、「安心できないな。メンバーを見せて」と言う父。ダフネたちとの写真を見せてイマネが穏やかに解説していると、父は「母さんの意見次第だな」と言い出します。そこに帰宅した母。「大人が同行しないなら駄目」と言う母に、「前はいいって言ったのに!」と反論するイマネ。「あれは週末だけでしょ。あなたはもう許可を出したの?あなたはいつもそう。嫌な役はいつも私!」と母は父を攻撃します。母は「大人のいない旅行は絶対駄目だし、遠くもだめ。年頃の娘を持つ親ならみんなそう言う」とイマネの提案を却下します。
「私を全然信用してない」と愚痴を言うイマネに、父は「お前の幸せが一番だよ。でも母親は娘の安全を優先するものだ」と言います。イマネは「明日、ウチに来て」とだけグループにメッセージを送ります。
水曜日21:24、「タクシーが道に迷っちゃって。送れてごめんね。歩くのが怖かったの。変な子たちもいるし」と言うイングリッド。「近所の人たちだよ」とイマネが言い返すと、イングリッドは「路上生活者が?」と言い返します。イングリッドは、手土産にワインを持ってきてくれましたが、ムスリムのイマネは飲めません。
いろいろな民泊サイトを見ましたが、未成年だけはNGが多く、なかなか決まりません。イングリッドが「サントロペの近くの叔母の家がある。プール付きのオーシャンビューだよ。毎年行くの。以前ほど賑わってないけど宿泊費がタダだし」と提案します。乗り気のダフネ。イマネが許可を出すと、全員が大はしゃぎし始めます。
水曜日21:45、アレクシアは突然「ロマンと別れた」と告白。「あいつ嫉妬深くて、自由になりたかった」と言うアレクシアは平気そうです。エマも「私もアレックスと別れたい」と言うと、「ヤンの時とは違うんでしょ。マノンはソフィアンとはどうなのよ」とダフネが水を向けると、マノンは「イマネがやめとけって」と言います。ダフネたちがぎょっとした顔で見るので、「2人を知ってるから合わないと思っただけ」と言うイマネ。
そこにソフィアンとイドリスが帰宅し、「ワインを飲んだのか?」と動揺します。「両親にバレたらバカンスに行けなくなる!」と慌てるイマネ。しかし無情にも両親が帰宅してしまい、ソフィアンが「僕が飲みました」と罪をかぶってくれます。イマネの両親は「この家で飲まないでくれ」と硬い表情でソフィアンを追い出し、両親がダフネたちとなごやかに交流しているのを見ながら、イマネは気まずくなります。
木曜日17:18、「みんな学校や仕事があるから」と庭で時間を潰しているイドリスに近づくイマネ。「母さんは二度とソフィアンに会ってくれないかも。俺の仲間が嫌いなのさ」と言うイドリスに、「助かったけど、悪いことしちゃった。私の友達のこともママはよく思ってない。若いムスリムの大変さを知らないんだよ。しかも黒人で、しかも女」と愚痴るイマネ。「お前は父さんのお気に入りだからいいよな。父さんは俺のことを負け組だと思ってる」とぼやくイドリスには元気がなく、イマネは「そんなことないよ。私の一番好きな兄さんだよ」と励まします。
イマネはソフィアンに「昨日はありがとう。遊園地の件はまだ有効?」とメッセージを送ります。ソフィアンからはすぐ返事が来て、「次回はブルゴーニュワインを頼む!明日友達と行く予定だったけど、イマネとの予定を優先させるよ」とのこと。イマネが「友達も一緒でいいよ」と言うと、ソフィアンは「俺は二人きりがいいけど(笑) 明日地区センターに21時でどう?」と返してきます。了承するイマネの顔には笑みが浮かんでいました。
金曜日21:16、地区センターに行くと、ソフィアンが一人で誕生日会の準備をしていました。友達は先に遊園地に行ったらしく、予定の時間には出られそうもないと謝られます。イマネは手伝いを買って出ます。
イマネが積み重ねた缶をボールで崩すゲームにチャレンジすると、ソフィアンは「勝者にはこの素敵なぬいぐるみを。店主とのデートとも交換可能」とふざけます。イマネはぬいぐるみを選んで意地悪をします。
ソフィアンが手作りのおやつを出してくれ、「アイロン、掃除に料理までできるの?」と笑うイマネ。「子どもに出すおやつだよ」と笑うソフィアンの前でおかしをつまみ、「完璧」と称えます。
「素敵な誕生日会になるね」とイマネが言うと、「子どもが好きなんだ。6人はほしい」と答えるソフィアン。イマネが「私は2人で十分」と言うと、「じゃあ4人はどう?」とソフィアンは間を取ってきます。
寝袋をイマネが見つけると、ソフィアンが「子どもたちが星を見る時に使うんだ。星を見せてあげるよ。目をつぶって」と言います。目を開けると、部屋の天井にはすみずみまで貼られた星たちが。
「子どもっぽいけど」と恥ずかしそうなソフィアンに「完璧」と返すイマネ。いい雰囲気になりますが、イマネの携帯が「お祈りの時間」のアラームを告げます。
授業の復習があるから帰ると言うイマネに、「俺も仕上げの途中だから…。手伝いをありがとう。遊園地に行けなくてごめん」と返すソフィアン。「全然これだって…」と言うイマネに、「完璧?」と笑うソフィアン。イマネは「それ以上」と返します。
ソフィアンにキスされそうになりますが、イマネはさっさと帰り支度をしてしまいます。
金曜日22:53、家で踊っていたイマネは母がいることに驚きます。母に「好きな人ができた。ムスリムで、もう学校が卒業してる。出身はモロッコで…」と言うと、母は「アラブ人は時々…。気を付けて、肌の色に関係なく男の子は…。自分と信仰を見失わないで」と忠告します。イマネは「さっきは楽しかった。あなたのこと、ママに話した。アラブ人って言ったら引きつってた。あなたがムスリムで良かった」とソフィアンにメッセージを送ります。ソフィアンは「俺の親も君が黒人だって知ったら驚くだろうな」とふざけた後、「俺はムスリムじゃない。神を信じてない」と返してきます。顔が引きつるイマネ。
第4話
<あらすじ>
女子たちの間では男子に関する話題でいっぱいだった。
イマネはますます居心地が悪くなっていく。
さらに旅行グループの中でイングリッドが上手くやっているのを見てさらにイラついた。
土曜日13:47、イングリッドのいとこがパーティーの企画会社で研修している縁でイケメンといちゃつき放題だったと自慢するダフネたちにうんざりした様子のイマネ。「セックスと男以外の話はないの?」とイマネが言うと、「あんたの欲求不満は私達のせいじゃない」とダフネが言い返します。「ベクデル・テストは?女性同士が2分間以上男の話をしないでいられるか」と言うマノン。
「バカンスの移動手段だけど、飛行機と電車とタクシーは高い。サン・ラファエルからのバスかな」と言うイングリッドに、ダフネは「高速バスなんて絶対イヤ」と拒否。アレクシアは「ヒッチハイクをしてイケメンの車に乗せてもらおうよ」と言い出し、マノンは「1分19秒しかもたなかった」と笑います。
月曜日18:49、「大丈夫?週末のこと…」というソフィアンからのメッセージに「課題で無理。ごめん」と返すイマネ。「理系なのに文学の課題が出て困ってる」と愚痴るイマネに、父は「イドリスも学生時代に同じ課題をしてた。あいつは勉強嫌いだ。これからも何をするか…」と困ったように言います。「少し時間が必要なだけだよ」とイドリスを庇うイマネ。
父は「好きな人がいるって聞いた。話ならいつでも効くよ。相手はかっこいいか?尊重してくれるか?」と問い、イマネは最初の質問が外見なのかと笑います。
火曜日17:23、「移動手段で解決策がある。兄さんたちがバスツアーをするみたい。同乗できるか交渉する」と言うイングリッドに、ダフネは感謝します。イングリッドの家族全員は芸能関係らしく、ダフネたちは大興奮。
「よお、白人かぶれ!」と近所の少女に声をかけられるイマネ。少女たちは「イドリスはソフィアンと帰ってきた」と教え、「ナディンがモールで待ってる」と楽しげに去っていきます。
家を見上げたイマネはマノンをカフェに行かないかと誘いますが部屋着に着替えたからと断られます。「明日の15時でどう?男とセックスの話はしない約束で」とふざけるマノンに了解するイマネ。イマネは家に入らず道を引き返します。
水曜日15:41、素敵なカフェに来た二人。マノンは「今度みんなでここに来ようよ」と言いますが、「ここには男のケツもモヒートもないのに?」とイマネは痛烈な皮肉を言います。「最近みんなと距離を感じる。みんなに合わせることが私にとっては”変”なの」と言うイマネ。店に近所の少女たちが入ってきますが、イマネを見た途端に「最悪、店を変えよう」と出ていきます。彼女たちはイマネの中学時代の同級生ですが、イマネが進学する高校を変えたので疎遠になりました。高校を変えたのは、中学があまりにも荒れていたことと、イマネがもっと勉強したいと望んだからです。先に入ったイドリスの状況を見て父が進学先を変えてくれたのでした。自分が彼女たちを裏切ったから、「バウンディ(外は黒くて中は白いお菓子)」と侮蔑され、「自分の世界を捨てた女」と無視されているのだとイマネは打ち明けます。「だからどっちにも居場所がない。馬鹿らしいけど、みんなといても孤独を感じる」と言うイマネ。「そんなに深刻だったなんて」と言うマノン。
金曜日にエマがパーティーを開くとメッセージが届き、イマネとマノンは行かないことに。マノンはシャルルと別れてからあまり恋に積極的になれません。イマネは「アレクシアが”シャルルには新しい彼女がいる”って。本当にそうなら後で驚いてほしくないから」と言います。「振ったのは私だし次に進まなきゃ」と言うマノン。
金曜日21:23、マノンの家でミカ、リサとツイスターゲームをするイマネ。イマネにエマと偽ってソフィアンから電話が入ります。自分からの着信だと電話に出てくれないからと言われ、どうしたのかとイマネが問うと、「エマの家にいるんだけど、イドリスが飲みすぎてろくに歩けないんだ」と助けを求められます。
金曜日22:47、イドリスをソフィアンの家に移動させるソフィアンとイマネ。二人はバスに乗り、向かい合わせに座ります。ソフィアンは「イングリッドとずっと一緒にいた。俺は君が来るのをずっと待ってたんだ」と言いますが、イマネは「最近冷たくてごめん」と謝ります。「無宗教者には返信なしか。そのせいでここまで拒絶されるとは。無宗教の何が駄目なんだ?人を分断するから宗教は嫌いだ」と言うソフィアンに、「分断させるのは宗教じゃなく人間よ」と返すイマネ。「じゃあ返信しないのは宗教と無関係?」とソフィアンに言われると、イマネは何も言うことができません。
モロッコの写真を見せるソフィアン。「両親はあまり理解はないかな。無神論者とは言ってないけど。イスラムの教えには感謝してる。その価値観は尊重するけど、女性やゲイに対する考え方には共感できない」と言うソフィアンに、「私もそうだけどアッラーへの信仰は別」と言うイマネ。「死や戦争、子どもの病気を神は見ていながら何もしないなんて意味が分からない。教義とか儀式とかも好きじゃない」とソフィアンは嫌そうな顔をします。「祈りや断食は個人的な問題を超えて本当に大切なことを教えてくれるわ。祈っていると良い人間になった気がする。あなたは祈らないけど良い人間よ。イスラムの教えを体現してる」と言うイマネ。「覚えておいて。俺はイケメンで面白くてダンスもうまい。家事もできる。酒を飲まないのはつぶれたくないから」とふざけるソフィアン。二人は見つめ合います。
金曜日23:58、ソフィアンに「それで、俺達のこと、どうする?」とメッセージを送られ、家で考え込むイマネ。両親は赤ちゃんに会ってきたらしく、「素晴らしい子だった」と興奮しています。イマネはスマホからソフィアンからのメッセージも写真も連絡先もすべて消し、彼のフォローを外します。涙するイマネ。
第5話
<あらすじ>
イドリスが酔い潰れて帰ってからというものの、イマネは兄に対して怒りを抱いていた。
既に両親に旅行に行くことを反対されているのに、その上アルコールなんて飲んだのだから、彼らを説得することがさらに困難になったのだ。
そんな中、ダフネの誕生日が迫っていた。
土曜日9:23、お祈りをしていたイマネは階下でイドリスが無断外泊したことを母に咎められて言い争っている声が聞こえ、慌てて階段を駆け下ります。
「エマのパーティーに行ってソフィアンの家に泊まったんだ」と言うイドリスに、イマネは「間違いないよ」と頷きます。「お酒を飲んだの?」と問い詰める母に、「鍵をなくしたんだ。足も痛いし」と言い訳するイドリス。「お決まりの言い訳を許すの?」と怒る母に、「許してないが問題もなさそうだ」と言う父。不機嫌な母をイマネはなだめすかします。
月曜日10:23、イングリッドのカクテルで泥酔しちゃったとはしゃぐダフネたち。「あんたたちは飲んでもいいけど、兄さんは駄目だよ。しかも1年間も休職中で親も干渉してくる。遊びじゃ済まされない」と激怒するイマネ。そこにバジルとアーサーが来て、共有スペースの件で校長が怒ってるから来てとダフネを呼び出します。「内緒なんだけど、ダフネの誕生日が金曜日なんだ。パーティーを企画したら喜ぶかな?」と言うバジル。「旅行で使えるものを贈ろうか?」と相談する女性陣の話に、「旅行?サントロペ?」と困惑するバジル。どうやら旅行の話は秘密だったようです。「パーティーの場所は?」と問われ、「彼女の家を考えてるけど行ったことがない」と言い淀むバジル。「母親との関係が複雑みたいだからやめといた方がいいよ」とアドバイスするアレクシア。女性陣の家はどこもだめなようです。「外泊の件があってからウチも無理」とイングリッドに当てつけのように言うイマネ。イングリッドは呆れてため息をつきます。アレクシアは「ソフィアンに聞けば?」と言い、バジルはいい考えだと絶賛します。
火曜日18:45、「イスラムの偉大な女性について講演会があって、友達がSNSにそのページを作成してほしいと言ってるの。どうやって作ったらいいのか分からなくて」とイマネに相談する母。イマネに教えてもらい喜ぶ母は、一緒に講演会に行かないかと誘います。イマネはダフネの誕生日だからと断り、母は「平日は勉強、週末は友達、いつ一緒に過ごせるの。変わったわね。モスクにも来ないし」と不機嫌に。「またその話?お祈りして、戒律だって守ってる。大変だけど頑張ってる。友達も駄目?何をしても不満なんだね」と嫌味を言うイマネ。
「同じルールを尊重してる方が理解し合える」と主張する母に、「友達が問題なんじゃない。戒律が厳しすぎて難しいの!」と怒るイマネ。「信仰に疑問が?」と探る母に、「信仰じゃなくて無意味な戒律のことよ。ゲイの友達は蔑視されたと思ってる。それだけじゃない。ムスリムの男性としか結婚できないでしょ」と言うイマネ。「誰かと生涯を過ごすためには理解し共感できることが大切。宗教も含めてね。そうでないと一緒にいても寂しくなる」と母は言いますが、「でも男は違うの?イスラム教徒じゃない人と結婚できるでしょ?」とイマネは問います。「そんな簡単じゃない」と言い淀む母に、「答えられないの?」と呆れて席を立つイマネ。
木曜日10:23、ダフネへのプレゼントを共有スペースで考えるイマネたち。アレックスがエマを映画に誘いますが、エマは「ダフネへのプレゼントを考えないといけないから先に行ってて」とアレックスを邪魔者扱いします。アレックスは「お前が告白してきたんだろ!俺も努力するけどお前のその態度じゃ無理だ」と怒って立ち去ってしまいます。「嫌いなのになぜ付き合ってるの?」と尋ねるイマネに、答えられないエマ。プレゼントはウォッカのメガボトルでいいかとイマネにお伺いをたてる一同。イマネはなぜ自分を腫れ物扱いするのかと怒りますが、「イングリッドの件からあんたは変わった」とアレクシアに言われて黙り込みます。プレゼントは、ウォッカのメガボトルに決まります。
木曜日17:47、カフェでイドリスを見つけたイマネ。「地区センターでパーティーを?」と問われ、「ダフネの誕生日でセンターを使えるか聞いたの。行きたい?」と返します。「もちろん」と笑うイドリス。「ソフィアンを売り込むつもり?勘弁してよ。卒業試験も控えてるし、ママはモスクのことにうるさいし」とため息をつくイマネに、「お前が誇りだよ。バカはやらないし価値観もしっかりしてる。自分らしく生きるんだ。アッラーや母さんのためじゃなく、自分のために」と励ますイドリス。「考えてみるよ。約束する」とイマネは硬い表情で返します。イドリスに元気づけられ、イマネは少し元気が出ました。
金曜日20:12、バジル主催でダフネの誕生日パーティーが盛大に開かれました。イングリッドはみんなとは別にジュエリーのプレゼントを用意していたようです。最後はバジルが撮ったダフネへの愛のビデオレターで締めくくられ、ダフネは感激して彼にキスします。
「考えたけど、やっぱり付き合えない。友達ではいられる。嫌なら会わない。ダフネのためにありがとう」とソフィアンに決別するイマネ。「友達ってそういうものさ」と笑って去っていくソフィアン。
金曜日22:46、沈んだ様子のイマネを見かねて、イドリスがダンスに誘います。久々に思い切り踊るイマネをソフィアンは遠くから寂しげに見つめます。
いつものメンバーでダフネを囲んで集合写真を撮っていると、イングリッドがわざと乱入してきます。彼女も含めて集合写真を撮りなおすことに。それに不快感を感じるイマネ。ダフネは早速イングリッドからもらったネックレスを自慢し、旅行にバジルも連れていきたいと言い出します。「問題は男子全員が来たいって言ってて、ヤン、リュカ、エリオット、バジル、アーサー…」と言い、イマネは12人なんて無理だと言いますが、イングリッドは「大きい家だから大丈夫。グループ割がきかないか聞いてみる」と快諾。ダフネは「最高の誕生日プレゼントだよ!」と大はしゃぎ。
イドリスと話していたリュカは、エリオットが現れたので「俺の彼氏だ。紹介するよ」と言いますが、少し目を話した隙にイドリスは消えていました。「会いたくないのさ」とエリオットになだめられるリュカ。
SNSに写真をあげようと騒ぐダフネですが、シャルルが彼女とのツーショット写真をSNSにあげているのを見て冷静に。マノンにシャルルの彼女の話をしようとしますが、「イマネに聞いてたから大丈夫」とマノンは気丈に答えます。
ソフィアンがマノンと親しげに話しているのが気になるイマネ。パーティーは終盤になり、アレクシアはなんとアーサーと踊りながら熱烈キス。「私達つまんない。自分でもどうしたいか分からない」と言うエマに、アレックスは「具体的に言ってくれよ。もういい」と怒って帰ってしまいます。
イマネがパーティーを抜け出して階上に向かうと、ソフィアンがマノンとキスしていました。静かに涙するイマネ。
第6話
<あらすじ>
いつまで経ってもイマネはソフィアンがマノンとキスしたことを忘れることが出来なかった。
そのイライラは彼女の友達にも伝わり、次第に友人関係まで悪化していく。
マノンは日に日にソフィアンと親しくなっていき、今にも交際を始めそうだった。
土曜日9:12、一心にお祈りをするイマネですが、ソフィアンとマノンのことばかりが思い浮かびます。「好きな人を忘れるには」「好きな人と友達に戻るには」と検索しようとして、「好きな人が友達の彼氏になったら」とエンターキーを押すイマネ。「そいつはその子を選んだんだ。他に目を向けた方が良い」「恋愛より友情が大切」「友情は恋愛で駄目になる」というコメントを見つめます。
月曜日15:15、ソフィアンとキスしたことをダフネたちに報告するマノン。マノンは「これからは分からないけど、今は楽しい」と嬉しそうです。「キスだけで彼氏なんて。展開が早すぎない?」と苦言を呈するイマネ。ダフネは「祝福しないの?」とイマネに問いますが、イマネは「する」と言いつつも不機嫌です。エマが「ヤンとクロエが最近べったりしすぎ。そういえばアレックスとは別れた。あいつもせいせいしてるはず」と愚痴を言います。ダフネがイングリッドからもらったネックレスをつけているのを見て、「個人的にもらったものでしょ」と嫌味を言うイマネに、「あんたも”個人的”にマノンに伝えたでしょ」と言い返すダフネ。「あの子は私達につきまとってる!あの子がしたことを忘れたの?」とイマネは言いますが、「でもバカンスは彼女のおかげだし。イスラム教は人を許さないの?」とダフネは挑戦的に言います。イングリッドが現れ、「お兄さんのこと、ごめんね。それにワインを持っていったことも」と謝ります。「人は変わる」とイマネに言うダフネ。
月曜日19:15、庭でサッカーをするイドリスたち。勉強中のイマネはイングリッドが「素敵な古着屋を見つけたから明日行こう」とエマとマノンを誘っているのをグループチャットで確認します。「あいつら他にやることないの?」とイドリスの友人たちに当たり散らすイマネに、父は「お客さんは大歓迎だよ。特にラマダン中は」と返します。イライラしているイマネに父は「話を聞くよ。好きな人のこと?」と寄り添います。イマネは「それはもう終わった。嬉しいでしょ?」とたまたま来た母に当たり散らします。「お前が苦しいのは分かるが、八つ当たりはよくない」と諭す父。イマネは母に謝り、母はイマネにキスします。
火曜日17:23、バカンスに着ていく服を古着屋で物色する一同。「電車の切符、予約したよ」と言うイングリッドに、「アレックスと別れたの。元彼に切符代を返せとは言いにくい」と言うエマ。
好きな服がなかったイマネ。アレクシアたちはアイスを食べに行こうと言いますが、ラマダン中だからとイマネは一人で帰ります。
イマネは2017年10月19日に「もう会うのはやめよう」とメッセージを受け取っていたジャミラに、「明日久々にウチに来ない?」とお誘いのメッセージを送ります。ジャミラは「喜んで」とすぐに返事をくれます。
水曜日15:31、看護学校に行ったジャミラの近況を聞くイマネ。ジャミラは今病院で研修中だそう。ジャミラは「あなたの友人関係なのに余計な口出しをしてごめん。孤立してほしくなかったの」と言います。「高校の時にある女子グループと一緒に遊んでたんだけど、私がイスラム教や家族の話をしても興味がゼロだった。宗教上のルールが理解できないみたいで。それで話すのをやめたらだんだん疎遠になったの」と経験談を話すジャミラに、「私は問題ない。友達とは毎日会ってるし、お酒を飲まなくても問題ない」と強がるイマネ。「そう。私は自分から避けてたのかもね」とジャミラは返し、「あなたといる方が居心地がいい。理解してもらえるから」と笑います。
その時、リュカからイマネに「明日一緒に宿題をやらない?」とお誘いのメッセージが。
「実は来年結婚するの。彼はイケメンだし信仰熱心だし!あなたも、ラミアやクラブの子たちも招待するわ」と嬉しそうに報告するジャミラを祝うイマネ。
木曜日17:23、マノンの家に来たイマネはリュカと宿題をしようとしますが、ドラマに熱中するミカとリサがうるさくて集中できません。しかもマノンはソフィアンとデートに行くからとパソコンを貸してくれるのですが、イマネは不愉快に。
「誕生日会でイドリスにエリオットを紹介しようとしたら、彼がいなくなってた。もしかしてゲイが嫌いなのかな」と尋ねるリュカに、イマネは「兄さんに限ってそれはない。なんでも同性愛に結びつけないで!」と激怒し、席を立ちます。窓の外を見ると、マノンがソフィアンとキスをして手を繋いで歩いていくのが見えます。
冷静に宿題をしようと席に戻ると、リュカがマノンのパソコンのユーザーを変更しようと四苦八苦していました。イマネは代わりに操作してあげますが、そのときにメールアプリに「シャルル」というフォルダがあることに気づきます。リュカにお茶をいれるように頼み、こっそりメールを盗み見るイマネ。シャルルは「俺が悪かった。戻ってきてくれ」と懇願していました。イマネは返信ボタンを押します。
金曜日16:36、週末はソフィアンと過ごすらしいマノン。エマは暇な人がいればピザを食べたりB級映画を観たりしようよと誘います。そこにソフィアンがマノンを迎えに来て、二人は仲良さそうに手を繋いで歩き始めます。しかしそこにシャルルがバイクで現れ、呆れた顔をします。シャルルの登場に衝撃を受けるダフネたち。イマネだけは冷めた表情をしています。
第7話
<あらすじ>
マノンはシャルルの突然の帰国に困惑したが、彼の方はマノンから戻ってくるよう連絡を受けたと言った。
イマネはこのまま2人がよりを戻せばいいと思ったが、彼女の思惑とは裏腹に、マノンの友達はシャルルより彼女を大切にしてくれるソフィアンと一緒にいるべきだと説得した。
その後、イマネが帰宅するとリビングのソファでいちゃついているイドリスとイングリッドを見つけた。
月曜日8:53、「週末は連絡がなかったけど何かあったの?」と尋ねるダフネに、「シャルルと言い合い。私から仲直りしたいってメールを受け取ったって言うの。ソフィアンにはニコとのこと以外は話したよ。シャルルが元彼なのは知ってる。シャルルは”悪かった”ってさ。ニコがセラピーをサボってて兄弟喧嘩になって、仕事を辞めて出国したから父親とも険悪になってるみたい」と言うマノン。「ソフィアンとどっちか選ぶとしたら?」問うイマネに、「ソフィアンでしょ!」と語気を強くするダフネ。「二択はおかしいよ。ソフィアンとはまだ出会ったばかりだし」と言うマノンに、「何も知らないよね」と言うイマネ。ダフネは「ちょっと」と咎めます。
火曜日17:12、「明日のオーディションに一緒に来て」とアレクシアからメッセージが来たので、もちろんと返すイマネ。「よう、白人かぶれ!」と言う少女たちに、「その呼び方やめてよ」と指摘するイマネ。しかし少女たちは「あんたの家は白人のたまり場じゃん」と悪びれません。帰宅したイマネはイドリスがリビングでイングリッドと愛し合っているのを見てしまい、嫌悪感に顔を歪めながら家を出ます。
火曜日21:56、家族での晩餐中、イングリッドから「新しい水着買っちゃった!」とグループチャットにメッセージが届き、怒りのあまり食器を叩きつけるイマネ。「兄さんは最近元気?誰もいない昼間に女の子を連れこんでさ」とイマネがイドリスに絡み、両親はイドリスに激怒。イドリスも「最高の家族団らんだな!お前の秘密も明かせるぞ!」と怒って席を立ってしまいます。父に「ちゃんと話すんだ。人を責めずに解決しなさい。兄は関係ないだろ!人のことに口を出すな!」と怒り、イマネも怒って席を立ってしまいます。
水曜日14:28、イングリッドのおすすめという腹式呼吸をしながら歩くアレクシアに、「あの女、嫌い。全部あの女の思う壺だよ!」と苛立っているイマネ。「地区センターが会場なの?」と狼狽するイマネは帰ろうとしますが、「イングリッドに頼めばよかった!」と言われ、引き返します。
今日はコランタンという歌手のMVのオーディションらしく、ダンスを披露しなくてはいけないようです。ソフィアンも会場を貸しているだけとはいえ手伝いをしています。コランタンのMVを見てみると、中年のおじさんが奇妙なダンスをしており、「これを見ながら踊るの?」とイマネとアレクシアは待ち時間の間に吹き出してしまいます。しかし、なかなかアレクシアの名前は呼ばれません。
水曜日16:53、アレクシアが自由に踊る様子を隙間から見ていたイマネは、「完璧!」と彼女を抱きしめます。アレクシアの番が終わると、なぜかイマネも名前を呼ばれます。せっかくだからと踊ることに。「周りに馴染めない女の子がダンスで自らを解き放つイメージで、即興で踊ってみて」とコランタンに指示されます。ぎこちないイマネを見かねて、コランタンが「君の好きな音楽で踊ってみて」と助け舟を出してくれます。イマネは携帯で好きな音楽を再生してもらい、大いに踊ります。そっとそれを見ていたソフィアンは思わず微笑みます。
ダンスを終えたイマネは、「彼に話があるから先に行って」とアレクシアを送り出します。「あなたが名簿に名前を書いたんでしょ。私に構わないでマノンの世話でも焼けば?私のことは放っておいて!」と怒るイマネに、「分かったよ」とソフィアンはうなだれて去っていきます。
コランタンとプロデューサーのディアーヌ、監督のデニスの3人が「あのデブは良かった。アレクシアだっけ。ムスリムのイマネも。でもブルカに対する人々の反応が気になるわね。でも二人一組なら、多様性という普遍的なテーマになるからいいかも。”マイノリティー”のダンサーも扱えるし」と話しているのを聞いてしまうイマネ。
金曜日10:17、マノンは「間違いなく私のメールなの。でも送信したメールは削除されてる」とダフネたちに相談します。「メール1通ですべてを捨ててあんたに会いに来るなんてロマンチックじゃない?」と言い出すダフネに賛同するイマネ。「私を元気づけるためシャルルを呼んだか、ミカの悪い冗談か…みんな呆れちゃって話も聞いてくれないのよ」とマノンは困り果てています。
ヤンとアレックスが親しげに話しているのを見て、「あんたの元彼会?」とふざけるアレクシア。マノンは「アレックスに元気か聞いてみたら?」と言いますが、エマは「ヤンを振らなきゃよかった」とぼやきます。
ヤンが突然ダフネたちに話しかけてきます。「クロエもバカンスに来ていい?」と尋ねるヤンに、「もう遅いよ」と言うエマ。しかし「アレックスのチケットを使えばいい。一緒のベッドに寝るよね?あとはエマにお金を渡すだけ」とイングリッドが許可してしまいます。ヤンが立ち去ると、「これでヤンに彼女ができたことを受け入れられるでしょ。カップルを壊そうとしちゃ駄目だよ。前科があるでしょ」とエマを説得しようとするイングリッド。
ダフネたちが席を立つと、アレクシアとイマネが取り残されます。「シャルルへのメール、あんた?ソフィアンに会った途端、イラついてた。最近マノンたちのアパートによく行ってたし。ソフィアンを好きだからシャルルを呼んだんじゃないの?」とアレクシアはイマネをついキュ。イマネは「違う、マノンを助けたかった」とつぶやきますが、「それでどうなった?マノンはやつれて同居人とも険悪になった。何やってんの?友達を裏切ったんだ。このままじゃ解決しないよ」とアレクシアは怒って席を立ちます。
金曜日21:43、アレクシアに「マノンに会って話す」とメッセージを送った直後、イマネは道端でシャルルがマノンとの間に入ったソフィアンに殴りかかろうとしているのを目撃してしまいます。
第8話
<あらすじ>
アレクシアはイマネに真実を告げるよう説得するが、マノンにもシャルルにも、メールを送った犯人を見つけると言ってしまった手前、本当の言うことを出来ずにいた。
さらにイマネは、兄とデートしたイングリッドを激しく責めた。
イマネに貶されたイングリッドはとても落ち込んでしまう。
土曜日11:27、「イマネはケンカの現場にいたんでしょ?」「マノンのため?」「ロマンチック!」と盛り上がるダフネたち。「真実を早く言わないと!」とアレクシアから急かされるも、イマネは現実逃避。ソフィアンに「大丈夫?話聞くから」と連絡し、「俺とは絶交なんじゃないの?」と言われてしまいます。
日曜日14:33、イマネがマノンのアパートを訪ねると、シャルルとマノンが大喧嘩していました。リュカもイドリスが原因でエリオットと喧嘩中です。「君が戻れと言った!」とマノンに怒鳴るシャルル。「あのメール…犯人がいたらただじゃおかない」と息巻くシャルルに、イマネは何も言えません。
月曜日8:54、アレックスに挨拶すると冷淡に返されて不思議に思うエマ。アレックスは本気だったのかもしれないとダフネたちは推測します。
マノンは休みらしく、「最初に殴りかけたのはソフィアンだったらしいよ。乱暴だね。近所のアラブ人も外面はいいけど奥さんにDVしてたらしいし」とイングリッドが言います。イマネは「誰も乱暴じゃない。誤解よ。それに白人の殺人は”精神異常”だけで、黒人やアラブ人は人種のことまで指摘されるなんておかしい。人種差別よ」と言いますが、イングリッドは「私は黒人としか付き合ってない!」と反論。「この女、うちの兄さんとヤってるんだよ」とダフネたちに告白するイマネ。「黒人とヤれば人種差別主義者じゃないって?黒人がエキゾチックなだけでしょ。それかあそこがでかいからいいわけ?」と挑発するイマネに、「じゃあ私のこともそう思ってるわけ?」と問うエマ。「違う」とイマネが言うと、イングリッドが「私のことが最初から嫌いなだけでしょ。こんな扱いもううんざり!」と激怒。イングリッドが立ち去ったので、イマネは気まずくなりその場を離れます。
月曜日18:15、「イングリッドから聞いた。説明しろ」とイドリスに迫られ、「あの子が挑発してきたんだよ!人種差別主義者だし。あいつの言いなりになるわけ?」と激昂するイマネ。「俺の交際に口を出すな。もうお前を助けないぞ。お前が酒を飲んだ時、ソフィアンがかばった。そうやって助け合ってきた。でもお前が突然変わった。俺がいつお前の恋愛に口を出した?お前が白人とつるむことで俺まで白い目を向けられた。これ以上我慢させるのか?」と怒るイドリス。「人の生き方は周りに影響を与えるんだ。お前が落ち着くまで俺に話しかけるな。またイングリッドを責めたら俺が許さない」とイドリスに最後通牒をつきつけられるイマネ。
そこに「オーディションに合格しました」と電話がきますが、イマネは「ムスリムとデブは忙しいの!どっちにも連絡は不要よ」と吐き捨てます。
水曜日11:54、卒業試験前の最後のテスト結果が明らかに。イマネもリュカもボロボロの結果です。リュカは「マノンもエリオットも不機嫌で最悪。エリオットとイドリスは知り合いだってな。昔エリオットがラリってイドリスにキスしようとしたって。その顔は知ってたんだな」と怒りますが、「私が口を挟むことじゃない。エリオットは隠したかったのかも」とイマネは正論パンチ。リュカは「君はいい奴だな」とエリオットと話すことにしたようです。
「怒ってる?」とアレクシアに近づくイマネ。「あんたとどう話せばいいのか分からない」と言うアレクシア。「マノンに言うから」とイマネは言いますが、アレクシアは「そればっかり。オーディションの結果が来なくて不安だよ。絶対に受かりたいのに」とぼやきます。
木曜日19:02、ひどい結果のテストを食卓に置いたままにしていたイマネは父から「最近のお前が心配だ。嘘をついたり、キレたり、話し方も。何があった?」と声をかけられます。「話したくない!」と激怒するイマネに、父は「ラマダンは神に回帰し内観をする時だ。内観で自分と向き合いなさい。以前のお前に戻るために」とアドバイスします。イマネは静かに涙を流します。
金曜日16:43、ダフネたちがたむろっているのを見て近づくイマネ。マノンに「シャルルにメールを送ったのはあんただったのね」と言われ、アレクシアを責めようとするイマネ。しかしアレクシアから「オーディション、連絡不要だって言ったんだってね。選考委員の人から聞いた」と吐き捨てられます。「イングリッドにもひどいことを言うし」と言うエマ。
「あれだけ相談してたのにシャルルを呼ぶなんて」と怒るマノンに、「あんたのことを思って」と言い訳するイマネ。「人の幸せが憎い?私達にも不幸になれと?」と怒るダフネ。
イマネは「私が悪かった。許すのには時間がかかると思うけど…。でもバカンスはみんなで行くでしょ?」と言いますが、マノンは「許せるかどうか…」と険しい表情。イングリッドも「人種差別主義者の家に来るわけ?」と吐き捨てます。ダフネたちは解散し、その場で涙するイマネ。
第9話
<あらすじ>
イマネはメールの件について4人に謝罪した。
けれど、彼女たちからはなんの返事ももらえなかった。
リュカにそのことを相談すると、彼は諦めずに謝罪を続けるべきだと言った。
日曜日15:31、イマネはイングリッド以外に泣きながら謝罪し「みんなのもとに戻りたい」とメールを送ります。イドリスはそんなイマネを見て見ぬふりをします。
月曜日8:47、たむろっているダフネたちを見て立ち尽くすイマネ。謝罪メールへの返信はありません。リュカが「授業を本当に受けたい?」と尋ねてきたので、彼とともに授業をサボることに。「エリオットの様子はいいよ。嘘はやめてほしいけど、難しい」と言うリュカに、「メールの犯人は私」と打ち明けるイマネ。メールについては「ソフィアンを離すためにしてしまった」と後悔するものの、「差別主義者のイングリッドのせいでグループから離れることになった」とイマネはイングリッドへの恨みを吐き出します。
「性的な指向は外見からは分からない。スカーフをつけた黒人は目立つし、着用を矯正されてると憐れむ。兄さんといるときでさえ憐れまれていると感じる。私は自分の意思で信仰してるのに。彼らからするとイスラム教徒はテロリスト。愛と敬意の宗教なのに。憎しみと恐れだけが向けられる」と激怒するイマネに、「でも分かろうとしなきゃ。”憎しみは無知から生まれる”だろ?」と返すリュカ。「なぜこっちばかり努力しなきゃいけないの?」と憤るイマネですが、「なんで今の話をみんなにしないの?そしたら、また話せるようになるよ」とリュカは無邪気に答えます。
火曜日21:59、「私が間違ってた。兄さんの人間関係に口出しはしない。イングリッドとお幸せに」とイドリスに話しかけるイマネ。「エリオットと関係を絶ったことに後悔してない?」と問うイマネに、「俺らを避け始めたのは彼のほうだ。ゲイは関係ない。向こうは忘れたいはずさ」と言うイドリス。「エリオットは躁鬱病なの。話してみてよ」とイマネは頼んでみます。「お前はいつソフィアンと話すんだ?」と問われ、それはいいからとイマネは口を閉ざします。イドリスと仲直りできて、ホッとするイマネ。
そこにジャミラから「明日会わない?」とメッセージが来たので、「地区センターで」と約束します。
水曜日18:45、ラマダン中の仲間たちに「ムスリム以外との結婚は想像できる?愛した相手がムスリムじゃなかったら?どうして男はムスリム以外と結婚できるの?」と尋ねるイマネ。友人たちは「改宗させる」「ムスリム以外の相手を親に紹介できない。うちは多分駄目」と口々に言います。
そろそろ閉館だからとソフィアンがやってきたので、イマネは「マノンは大丈夫?」と尋ねます。「あの夜以来会ってない」と冷たい態度のソフィアン。イマネは謝ろうとしますが、ソフィアンは去ってしまいます。
木曜日22:08、「高校の友達とは最近会ってないようね」と話しかけてくる母に「もう一緒じゃない。テストの勉強で忙しいし」と返すイマネ。「あなたの友人をムスリムかどうかで判断してたわね。あなたが自分の価値観に忠実で時々はモスクに来てくれるなら私はそれでいいから」と母は涙ぐみます。「バカンスの計画は?」と問われたので「反対してたよね」とイマネが返すと、母は「考えを変えないのは馬鹿だけよ。勇気を出して。愛してるわ」とイマネにキスをします。
イマネの謝罪メールにはまだ返信がありませんでしたが、「みんなで話す?」とアレクシアが提案してくれ、話す場が与えられることに。
金曜日15:21、共有スペースに来たイマネに、イングリッドが「私には謝罪なし?」と問います。「兄さんとの件に干渉すべきじゃなかった。でもあんたが先に攻撃してきた。ありえない発言をした。だから謝らない」とイマネは主張。ありのままの性格をずっと「キレやすい性格」だと言われ辛かったけれど、ダフネたちは受け入れてくれて嬉しかったと告白するイマネ。ダフネたちはイマネを許して抱きしめます。イングリッドは共有スペースを出ていきます。
「シャルルとはよりを戻した。ソフィアンとは真剣じゃなかった。好きな人がいるって言われたの」と言うマノン。
金曜日21:23、地区センターを出たソフィアンにイマネは笑顔で会いに行きます。「シャルルの件にはうんざりだった。俺が好きなのは君だから。でも分からない。君がマノンを好きなら…」と言うソフィアンの言葉を、イマネは否定します。「最近踊らないね?」とソフィアンに問われ、「スカーフをつけるようになってから周りが変わったの。私は変わってない。踊る時はスカーフを取るように言われてから踊らなくなった。父はスカーフ否定派だから言ってない」と言うイマネ。ソフィアンはイマネの手を取ってどこかへ誘導します。
金曜日21:48、沈んでいく夕日を見つめる二人。ソフィアンが買い込んでいた食事を一緒に食べるイマネ。携帯から流れるBGMに合わせて、ソフィアンとイマネは踊り、見つめ合います。
「来月から2ヶ月間モロッコに行くよ。俺たちは友達?」と問うソフィアンに、「分からない」と答えるイマネ。「君が望むだけ待つけど、理由なしじゃ待てない」と不安げなソフィアンに、「出発前に返事を」と答えてイマネは帰っていきます。
第10話
<あらすじ>
イマネは家族と共に、イスラム教徒最大の祝祭“イード”を祝うため、友人を家に招待した。
中にはイングリッドも来ており、イマネは以前自分が彼を責めてしまったことを謝罪した。
イドリスは2人の和解をとても喜び、彼女へのお礼にとソフィアンを招待した。
7:59、断食明けのパーティーにダフネたちを招待するイマネ。「今日返事をくれるよね?」とソフィアンからメッセージが届きます。母に急かされ慌ててモスクに向かうイマネ。
10:18、イマネの恋路を応援するダフネたち。イングリッドは「何が悪かったのか分からないけど謝る」と話しかけてきます。イマネも「あんたに悪気がないのは分かる。ただイラついて。あんたにみんなを取られるんじゃないかと嫉妬したの」と謝ります。「前にサラと喧嘩した時、大変だった。食堂やクラスで孤立して一人で帰るのがつらくて。だから仲間に入りたかった。溶け込みたかったの」と言うイングリッドに、「今日家でパーティーするから来てよ。兄さんもいるし」と誘うイマネ。イングリッドはソフィアンの話が聞こえたようで、「体調悪くない?」と早退することを提案します。
13:47、保険医に病気と嘘をつこうとするイマネですが、嘘を見破られた挙げ句、恋人のために早退するならとコンドームを押し付けられそうに鳴ります。保険医は「ユセフの話はした?私の最愛の恋人だったんだけど、彼は結婚のためにトルコへ帰国した。でも私との交際がバレてカナダに逃げ、熊に襲われ、麻薬ディーラーとヒッチハイクする羽目に。愛し合ってるなら何事も乗り越えられるは、二人一緒なら。ただ、早退は駄目。私が言ったことは覚えておいて」と言います。
17:48、母の料理を手伝うイマネ。ソフィアンへの返事を悩んでいます。イドリスから「ソフィアンへの告白の返事は?」と催促され、「メールじゃ返事できないよ。直接会わないと」と言うイマネ。イドリスは「ソフィアンを呼んでもいい?今日出発なんだ」と両親に相談。母は渋りますが、父は「ラマダン明けだし大歓迎だよ」と言ってくれます。兄の協力二感謝するイマネ。
19:02、エマはイマネの母の忠告を無視して料理を混ぜまくります。アレクシアは踊りを披露し、イマネの友人たちに大好評。シャルルは「いつロンドンに戻るか親父に聞かれた」と暗い顔をしていますが、決意したようにマノンに「ロンドンには戻らない。ここにいる」と言い切ります。キスする二人。イドリスは「この間、彼氏を紹介してくれるって言っただろ」とリュカに話しかけ、エリオットと仲直りのハグをします。
ダフネはボイスメールを受け取ると、「母から感動的なメッセージを受け取ったから」と泣き出してしまいます。お母さんに会ってみたいと言うバジルに、ダフネは戸惑った様子でしたが、突然「好き」と言うとバジルを抱きしめます。
スピーチをするイマネ。「イードはみんなを招く日なの。友達や家族、近所の人と一緒に過ごす。私達の伝統をみんなに体験してもらう機会。私はずっと疎外感を抱いてた。ある種の人たちと私が違うのは確かだから。でも私のまま受け入れてくれる人々に出会えた。大切なのは”誰か”を見つけること。それは友達でも恋人でもアッラーでも…理解してそばにいてくれる誰かを。保険の先生に言われたの。一人じゃないなら何でもできると。イードおめでとう」と言い終わると、「アッラーのご加護を」と父が言います。アレクシアにキスするアーサー。イドリスはイングリッドに「親に紹介する」と話しかけています。ソフィアンから外で話をしようとジェスチャーをされるイマネ。イマネの後ろ姿を心配そうに見送る母に、「久々に踊ろう」と誘う父。
20:33、「聞くよ」と玄関で立ち止まるソフィアン。「イスラム教は私にとって大事なの。だからあなたが無信仰なのは私には不都合で、家族の問題がある。父はまだしも母は無理。全力で説得しないと。でもそうやってすべての壁を乗り越えても必ずしもうまくいくとは限らない。まだ若いし、私は誰とも付き合ったことがないから分からない。無理なことがあるのは確か。未知なことばかりよ」と言うイマネ。
「迎えがきた。返事をありがとう」と立ち去ろうとするソフィアンに、「まだ返事は言ってない。あなたと一緒ならその困難に立ち向かえる。唯一私を裁けるのは母でも友達でもなくアッラーだけ。アッラーは理解してくれる。多分ね」とソフィアンにキスするイマネ。「行きたくないな。待ってて」と言うと、ソフィアンは迎えの車に笑顔で乗り込みます。家に戻るイマネ。
「彼は行った?どうなった?」と興奮気味のダフネたちに、はにかむイマネ。ダフネたちはイマネを抱きしめます。「来年は高校最後の年でしょ?楽しまなきゃ」と言うダフネに、「インシャラー(神の思し召しを)」と答えるイマネ。
まとめ

エリオットが躁鬱病だったのは予想外の展開でした。学校を休みがちだったり、突然人が変わったように興奮しどおしだったり、ところどころ不安を感じるシーンはあったものの、「気まぐれな人なのかな」としか思っていなかったので驚きました。
自分の周りに躁うつ病の患者さんがいないので、躁の時や薬で症状が抑えられている時に薬を飲まなくなってしまうとか、躁とうつの間で周りの人を振り回してしまう自分を誰よりイヤだと思っているとか、躁うつ病当事者の気持ちも聞けたことがすごく貴重でいい経験になりました。

同性愛や無信仰者を否定するイスラム教に対して、イマネは「裁く権利があるのはアッラーだけ」と言って、「アッラーでもないムスリムたちが同性愛車や無信仰者を否定するのはおかしい」という立場でしたね。これは自分にとってはかなり画期的な意見でした。アッラーを信じるムスリムは当然同性愛者や無信仰者を否定するし、彼らは自分たちにはその権利があると信じているに違いないと思い込んでいたからです。
リュカがイマネに諭していたように、思い込みで相手を拒絶するのではなくて、きちんと言葉を尽くして相手と対峙する重要性を痛感しました。

ダフネたちが恋愛と男の話ばかりするのでイマネが怒るシーンがありましたが、恋バナが話題の主というところにリアルな高校生みを感じました。大人になると、仕事の愚痴とか、お金の問題とか、両親や兄弟との確執とか、いろんな不安が増えるから、恋愛だけにかまってられなくなりますよね。いや、あれだけ恋バナは多いのはフランスというお国柄もあるのか…?恋にひたむきに生きる彼女たちはまさに若さの象徴というか、恋に全力投球な姿がまぶしくて、ああ、青春だなあと思うなどしました。
今回3人が見た「スカム・フランス」シリーズは、Amazonプライムビデオ、Huluで無料視聴できます。
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