ドラマ「レッド・クイーン」(2024)の全話ネタバレ感想・あらすじ・評価・動画配信|IQ242の天才と問題児ゲイ刑事の凸凹コンビが謎を解く!スペイン発人気YA小説をドラマ化!

ドラマ

「アマプラ同時上映会」第238弾!

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フアン・ゴメス=フラドによるスペイン文学界を席巻した作品がついにPrime Videoでドラマ化!「レッド・クイーン」

全話のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:レッド・クイーン シーズン1を観る | Prime Video

世界一賢い女性と、問題児のゲイ刑事 のお話。

<あらすじ>
アントニア・スコットは世界一賢い女性で、その聡明さから警察の秘密プロジェクトのレッド・クイーンとなった。
とある問題を起こした刑事のジョン・グティエレス(屈強なバスク人でゲイ)は、誘拐と殺人という、血が騒ぐ2つの事件で再び人生に花を咲かせることはできるのか。

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • 猟奇殺人のサスペンスものにワクワクする🔪
  • なにもかもが正反対の凸凹バディが好き🤝
  • 天才キャラが好き🤓

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①本作は、フアン・ゴメス=フラドによるベストセラー小説「レッド・クイーン(Reina Roja)」三部作を原作としてPrime VideoむけにDopammineとFocusが製作したスペインのインターネット配信のサスペンスドラマシリーズです。Twitter(現X)アカウントによれば、シリーズの企画は2019年から進められていたそう。

引用:レッド・クイーン (テレビドラマ) – Wikipedia

 

ネタバレ感想

第1話 1つのジャンプ

<あらすじ>
アントニア・スコットは世界で最も知的な女性であり、それは美徳であると同時に呪いでもある。
彼女は、その聡明さゆえに警察の極秘実験プロジェクト“レッド・クイーン”になるが個人的な悲劇により、現役を退いていた。
そんな彼女を隠遁生活から連れ戻すように頼まれた刑事ジョン・グティエレス。

ホステル・ウベダの窓辺にぼんやりと座っているアントニア・スコット。彼女を訪ねて、刑事のジョン・グティエレスがやってきます。アントニアは窓から飛び降りるぎりぎりのところで自制します。階段で5階まで歩いてのぼるジョン。アントニアは首吊りやけん銃などありとあらゆる方法で自殺を試みます。ジョンがドアを開けた途端、死ぬ瞬間を想像するアントニア。

部屋に入ってきたジョンに、「メンターに断って。あなたはバスク人で警官で問題を抱えたゲイ」と言い当てるアントニア。「推理ごっこに付き合ってやろう。君は家賃は工面できても食べ物に困ってるだろ?住民たちは好意で食べ物をくれるわけじゃない。一緒に来てくれ。そいつに直接言って断ってくれ」と言うジョン。
アントニアは突然「想像して。あなたは掘削リグの責任者よ。夜中に制御不能のタンカーがこちらに向かってくると警告を受ける。リグには25人の乗組員がいて、タンカーの乗組員は不明。どうする?」と尋ねます。「海に飛び込んでできるだけ助ける」と答えるジョンに、「バカね。それだと溺れ死ぬ。いい死に方なんてない」と言うアントニア。
部屋を出て階段を降りていたジョンに、エレベーターで先回りしたアントニアが「もう一つ質問がある。あなたの最近の失敗は?」と尋ねます。「生まれてきたこと」と返しながらジョンは回想します。

48時間前、「自分を傷つけるものが好きなのか?」と問うジョンに、「彼は悪い男じゃない」と顔に大きなあざを作った状態で答えるデシ。「もう二度と君を殴らせない」とジョンはデシに誓います。デシを家まで送ってやり、彼女に痛み止めを渡すと、「彼が捕まるまで家にいろ」と指示するジョン。

職場に来たジョンは母への誕生日プレゼントを持って職場に現れたジョンは、同僚に拘束されます。途中でデシとすれ違います。「今月は三回目の失態よ。デシがあなたを撮影して、ヒモ男と一緒に持ってきた」と動画を見せる同僚。「男の車にヘロインを仕込んだわね。正義のヒーローを演じた罰よ。相手の検察官によっては10年間の禁固刑になる」と言われ、ジョンは取調室に取り残されます。退屈なあまり昼寝をしてしまうジョン。
目を覚ますと「メンター」という男がジョンに捜査を手伝うように言います。「あなたを信用できない。失態の記録を消してくれ。銃も返してほしい」と要求するジョンに応えるメンター。「アントニア・スコットを私の下に帰るように説得してくれ。彼女はIGが242もある世界一の天才なんだ」と言うメンター。
「あなたはいい警官?」とアントニアに問われ、頷くジョン。「じゃあ行こう」とアントニアは靴も履かずにさっさとジョンの車に乗り込みます。

3ヶ月前から進めていた新しいブランドのコンセプト動画を見せるカルラに、父・ラモンは「これ以上話すことはない。お前は熱心だが自分の限界を知るべきだ。孫のマリオによろしく」と言うと会議室を出ていきます。
「なぜ俺が問題を抱えていると?」と問うジョンに、「メンターの専門分野だから。ラ・フィンカ地区に行って。ラウラ・トルエバに会いに行く。被害者は大物よ」と答えるアントニア。

馬のマギーをトラックに積み込むように部下のカルメロに指示するカルラ。

ラ・フィンカ地区に着くと、守衛に身元の確認をされます。豪邸の前に車を停めるジョンですが、アントニアは助手席でもじもじしてなかなか車から出てきません。「彼女は少し時間を要するんだ」と言うメンターに「俺の仕事はこれっきりにしてほしい」と帰る素振りを見せるジョン。メンターは「ここで何があったか知りたくないか?君は人助けが好きなんだろ?」と誘うように言います。アントニアは幻覚を見て、車の中で叫び、暴れ出します。メンターは彼女に薬を飲ませます。

「なにか分かったか知りたくて」と言うアントニアに、「痛みを消そうと君がゴーストを作った。なんであれ、奴は動きを見せてない。このままじゃ駄目だ。君には責任がある」と言うと、メンターは部屋を案内しながら「警部、ここでのことは他言無用だ」とジョンに約束させます。

メンターが案内した部屋には、頭を斜めに切り取られた死体がソファーに座っています。レッド・クイーン専属の鑑識であるラグアドがジョンに紹介されます。メンターはジョンに、死体は有名なフェンシング選手ラウラ・トルエバの息子、アルバロ・トルエバであると説明します。アントニアは死体を丹念に観察し、死因は失血死(頸動脈に管を入れてゆっくり血を抜いた)であり暴力の痕は見られないことを指摘。筋肉の収縮を抑制して徐々に麻痺させる、ツボクラリンという毒物が検出されたと報告するラグアド。徐々に血を抜かれて容器に血が入っていく様子を被害者に見せつけたのだとアントニアは解説します。
被害者の頬に聖油が伝っていることから、「あなたは食卓を整えてくださる。頭に香油を注ぎ、杯をあふれさせてくださる」と唱えるジョン。子どもの頃、侍者だったそうです。

「どうやって警察に隠すんだ?警察も検察当局も知らない。ラウラ・トルエバ以外は知らない。内密にするためにあなたが呼ばれた。金持ちの汚れ仕事を引き受けるんでしょう。凝った演出をしてるが、ただの掃除屋だ」と言うジョンに、メンターはただ「詳しく知りたければ働け」と言います。

「マギーはレース前だから休ませるのよ」とマリオにテレビ電話で説明するカルラ。マリオは納得し。「カルメロに車に乗せてと頼んでおいて」とカルラに頼みます。やけに外が暗いことを気にするカルラ。道路が工事で通行禁止になっており、迂回することに。

アントニアは検視報告書を読み、「ブロモクレゾールテストをもう一度」とラグアドに依頼。「まだ事件は続く。犯人はアルバロを拉致し、別の場所で殺した。防犯カメラをかいくぐいって遺体を運んだの。演出に時間をかけ、臨終の儀式のごとく聖油を注いだ。でも手足には塗らず唇の下に垂らしただけ。こんな緻密な犯行は初めてよ」と言うアントニアは、「モーンガータ」とだけ言ってどこかへ歩き出します。「彼女を送っていってくれ」とジョンに頼むメンター。

「ただいま、母さん」とソファで眠る母にキスするジョン。「仕事は順調?」と問われ、「飲んじゃだめだ。母親が薬物中毒なんて」とたしなめるジョン。ジョンから誕生日プレゼントをもらう母。「磁器人形があると華やかでいいわね。私が死んでも捨てないで。これを見て私を思い出して。夜食にコロッケでも食べる?」と言う母の誘いを断るジョン。「コロッケを食べないなんて、恋煩い?」とふざける母にジョンはキスします。

道に迷ったというカルメロにため息を付くカルラ。森林警備隊員らしき男にレース場の場所を尋ねるカルメロですが、男にあっさり刺殺されます。「開けろ。でないと馬を殺す」と脅されるカルラ。男はマギーも刺殺し、車の窓を破壊してカルラに手を伸ばします。とっさに男に反撃し、森へと走って逃げるカルラ。

赤いドレスに着替えたアントニアは、「水面の月光のことをデンマーク人はなんて言うんだっけ?」と少年を抱っこしながら問う男のことを思い出します。男は今、アントニアがいるがらんどうな部屋にいて、そこは家具とあたたかな光で埋め尽くされていました。なにもない部屋を見た後、病院へ向かうアントニア。病院には記憶の中の男がベッドに横たわっており、彼にキスします。かたわらのイスに座ると、身柄拘束者のデータ一覧をチェックするアントニア。

カルラは窓の破片を踏んで足から流血していましたが、急いでそれを抜くと駆け出します。しかし、男の鼻歌が徐々に近づいてきます。家が見えたので助けを求めるカルラですが、男になにかを首に注射され、意識を失います。

 

第2話 1つのタトゥー

<あらすじ>
エゼキエルはアルバロ・トルエバを殺し、カルラ・オルティスを拉致した。
2人とも、スペインでは大きな権力を持つ家族の長子だった。
ジョンはアントニアの従者となることに同意する。

鼻歌を歌いながら、意識のないカルラの髪を切る男。
カルラの父、ラモン・オルティスはプライベートジェットでの移動中、カルラに電話をかけます。すると男が出て「娘を預かった。痛めつけたし、もっと痛めつける。身代金はいらない。目的はお前を徹底的に苦しめることだ」と言います。最初は「こんなことをしてどうなるか分かってるのか?」と高圧的だったラモンですが、顔面蒼白になります。

起床したジョンは「ラモン・オルティスの娘が誘拐された。今から場所を送るから45分で来い」とメンターから電話を受けます。朝食にオムレツを作ってくれた母はとっておくからと言って、アントニアに文句を言うジョンをなだめます。

「どうして逃げたのか分からない。おばあちゃんが大好きよ」と、テレビ電話で祖母に英語で話すアントニア。「あなたがいなかったら何人死んだと思う?」と言われ、眠る男を見ます。

「あなたの組織の名前は?」と問うジョンに、メンターは「レッド・クイーン。一般人には想像もできない犯罪があり、それは報道されない。モンスターが存在するのに、警察では対応が遅れる。社会的な枠組から外れて自らの武器で戦う。数年前、欧州各国から精鋭を選び、レッド・キング、またはレッド・クイーンとした。アントニアは我々の切り札だったがやめてしまった。代わりはいない。彼女が必要だし、同様に君が必要だ」と言います。「レッド・クイーンの従者をしてほしい。君は度胸があるし彼女に好かれてる。車に仕事の条件を記した封筒があるから見てくれ。君に薬を預けておくから、必要に応じてアントニアに飲ませろ。モンサルベ病院の7階へ行け。アントニアの捜索が始まる」と、ジョンに薬を渡すメンター。ジョンが「俺の記録の件は?」と問いますが、メンターは無言で去ってしまいます。

「私は悪人ではありません、神父様」「神父様に会いたいのです」「不眠がよくないのだとみんなに言われますが、眠れないのはすべてを覚えているせいです」「記憶はウイルスと同じだと今ではわかります。親の罪は子の罪荷ではない。でも種として芽を出し、実を結ぶ」と手紙を書く男。「のどが渇いたわ。水をちょうだい」とカルラが叫ぶと、男は彼女を監禁している部屋のドアを鉄パイブで何度も殴ります。「私はもう弱くありません。今の私を見れば喜んでもらえるはず」と手紙を締める男。

モンサルベ病院の看護師にスイーツを差し入れたジョンは、アントニアが毎晩おめかしをして植物人間の夫・マルコスに会いに来ていることを知ります。看護師には、「撃たれたところが悪かったからもう目を覚ますことはないと思う」と言われます。
ランチを食べながら「誰が拉致されたの?明らかに特定の人物にメッセージを送ってるから次の事件が起こるのは時間の問題だと思ってた」と言うアントニア。「カルラ・オルティスだ。メディアでの印象は”なんでも持ってる人”。同一犯じゃないかもしれない」と言うジョンに、アントニアは「同一犯よ。最初の遺体が発見された日に彼女は拉致された」と言うも、「関わる気はないわ」とジョンを突き放します。「カルラを見捨てるのか?彼女には幼い息子がいるのに?」と責めるジョンに、アントニアは「私に触らないで。家に帰って着替える」と激しい拒絶反応を見せます。

メンターはアントニアとジョンに会うと「ラモンが娘の家にいる。誘拐対策班が動いてる。弁護士のトレスが彼の独断で呼んだんだ。君はインターポールとして行け。トルエバの件は話すなよ」と言います。「戻ってくれてよかった」と言うメンターを無視するアントニア。

ラモンの家に行くと、彼はカルラについてパラ警部から事情聴取を受けているところでした。容疑者のリストを挙げるパラ。元夫のグスマンはどうか、あいつは娘と別れる度胸さえなかった、金についてはカルラの遺産は全てマリオに移るし…と話すラモンとパラ。パラは、カルメロにはギャンブルで10万ユーロの借金があり…と話しますが、ラモンはカルメロは精神的に弱いカルラをよく支えてくれたと擁護します。
その間、部屋を見て回りながら、カルラの生活を脳内シュミレートするアントニア。アントニアは彼女のベッドルームで、パロキセチンの瓶を発見します。
カルラの退社時間は7時半。その30分後、運転手と彼女が給油所の防犯カメラに映っています。「娘は干渉されるのを嫌うし、私も忙しいから知らないことは多い」と言うラモン。「彼の名はエゼキエルだ」「偽名だろう」と話すパラとトレス。
「犯人の要求はなにもないんですか?本当に何もないんですか?」と執拗に問うアントニア。何度もしつこく聞かれたラモンは疲れもあいまって激怒し、ワイングラスを叩き割ります。エゼキエルの意味は、「神は我が力」だとアントニアはジョンに説明します。
パラはアントニアを呼び止め、「何者だ」と詰問。ジョンがインターポールだと説明しますが、「ビルバオで問題を起こしてマドリードに来た奴は黙れ」と怒られます。アントニアは「私は異常な犯罪者を研究するプロジェクトの一員で、ジョンは押し付けられた従者よ。あなた方の捜査方法を参考にして私たちの活動の手本にしたい」と説明。パラはやっと納得します。「勝手に動くな。やり手を気取るなよ」とジョンをたしなめるパラ。

手足につけられた枷を外そうともがきながら「なぜ寝かせてくれないの?」と泣きじゃくるカルラ。男は「寝たら忘れるだろ。自分の状況を一瞬たりとも忘れるな。俺が知りたいのはパスワードだ。お前の携帯のクラウドを開く」と言い、カルラは「私は数百人を管理してるのよ。怯えてる者は分かるわ。あなたは怯えてるはずよ。警察は私を探しているだろうし、あなたは足跡を残すとかミスをしたはずだもの」と言いますが、男は「お前は大金持ちだかそんなのは幻想だ。リアルなものがある。苦痛だよ。神経やかけるまでは皮膚が剥がれるのを感じる。脂肪が溶けてときには目玉が破裂することも。お前の選択だ」と彼女の牢に何かを注ぎ入れて火をつけようとします。カルラは錯乱し、パスワードを言ってしまいます。男は「俺はエゼキエル」と言うと、水の入ったボトルを彼女に放り投げて去ります。

「グスマンに会うべきだ」と主張するジョンに、「人の記憶は改ざんされるから信用できない。自分にも他人にも嘘をつく」と言うアントニア。そして、「カルラはグスマンに大切なことは話さない。彼女は自己陶酔型だけど不安を抱えやすい。楽しい子供時代の記憶を作り上げ、心の拠り所にしてる。息子を愛しているけれどそばにいてやれず罪悪感がある。エネルギーを爆発させては自己嫌悪に陥ってる。父親の影から逃れたいと思ってる。そして暗闇が怖い。これがカルラという人よ」と説明します。アントニアは「彼女の携帯電話の番号を追って」とジョンに指示しますが、「位置が出ない。エゼキエルにパスワードを変えられたんだわ」と困惑します。結局、ジョンの言う通り、グスマンに会いに行くことに。

カルラの携帯に保存されたマリオの写真の数々を見て、彼女の牢を鉄パイプで殴るエゼキエル。

高級レストランにいたグスマン・サリナスに声をかけるジョン。「カルラを愛してたが金目当てだと思われてた。彼女は息子と馬しか愛してなかった。今日もレアル・クラブのレースに出る予定だったんだ」と言うグスマン。アントニアは突然席を立ち、ネット上の地図で何かを探し始めます。「彼女の馬はここに来てない。血よ。彼女は車に乗っていて襲われたのよ」と汚れた藁を見て言うアントニア。じっと森を見つめ、「向こうで鳥が群れてる。虫がいるんだわ」と言うと、ジョンの車に乗り込みます。

「犯人は工事中の偽装をしたんだな」と車を走らせながら言うジョン。アントニアに運転免許がないことを馬鹿にするジョン。森の途中で「ここからは歩く」と言い出すアントニア。そこに突然カルメロとマギーの死体が現れ、暴走する赤い車に轢かれそうになります。アントニアの運転で高速道路に入った車を追いかけます。途中で幻覚を見ますが、ジョンが慌てて薬を飲ませたおかげでどうにか追いつきかけます。犯人の写真を携帯で撮るジョン。車と並走した瞬間、ジョンは銃を構えますが、トラックに邪魔されて車道からはじき出されてしまいます。

取り調べを受けるアントニアとジョン。「遺体の発見はみんなに知れわたってる」とメンターは渋い顔。足音荒く血がづいてきたパラは「犯人を取り逃しやがって!犯人は警戒する。こいつらを外してくれ」とメンターに訴え、メンターは「トルエバの事件に集中しろ」とアントニアとジョンに指示します。

エゼキエルは何度も牢のドアを叩いてカルラを怯えさせた後、彼女の体に消化器を噴射します。

ジョンたちの無謀な運転が大々的なニュースとして報道されているのを、ジョンの昔なじみの記者レハレタはにやにやと面白そうに見ています。

ジョンが撮影した写真をラグアドに分析してもらうアントニア。写真に写った犯人の腕には、タトゥーが描かれていました。「国内のタトゥー店に送って」と頼むアントニア。

怯えるカルラは、壁の向こうからすすり泣きを聞きます。「誰かいるの?」と問うと、「私、怖い。家に帰りたい」と返ってきます。「名前は?」とカルラが尋ねると、相手は「サンドラ」と答えます。

 

第3話 1つの錠剤

<あらすじ>
アントニアとジョンはまだ捜査を始めたばかりだが、すでに誘拐対策班、ラモン・オルティス、ラウラ・トルエバ、レッド・クイーンの影のリーダーであるメンターを敵に回している。
捜査の過程で、誰もが嘘をつく。
アントニアとジョンは、エゼキエルがオルティスとトルエバに要求したことが、個人的な罪を認めることだと気づく。

4月15日月曜日、アントニアは番号を呼ばれて密室に入ります。「あなたは海洋にある掘削リグの責任者だ。タンカーが向かってくるという異常事態を報告される。タンカーを沈める指示を出す?そこは海の真ん中で、あなたの下では25人が働き、一ヶ月共同生活をしてきた。タンカーの乗組員数は不明」と音声で問われ、「リグの座標を知りたい。自分の位置を知りたいから。日付も教えて」と繰り返すアントニア。「北緯83度44分、西経64度35分。2013年1月23日」とメンターが言うと、「何もせずに寝るわ。場所は北極圏よ。1月なら海は凍り、タンカーは減速する」と答えるアントニア。「もう終わった?」と言うアントニアに、「これからが始まりだよ」とつぶやくメンター。

「サンドラ、そこにいる?小声で話さなきゃ。カメラに映らないように」とサンドラに話しかけるカルラ。「眠らせてもらえない。おかしくなりそう」と弱音を吐くサンドラに、「少なくとも私達は仲間よ」と励ますカルラ。「いつ来たのかも分からないの。私はお金が必要で悪いことをした。タクシーの運転手だったんだけど、運び屋の仕事を受けたの」と打ち明けるサンドラに、カルラは「誰に頼まれたの?」と問います。

「ラウラには15分後に国際通貨基金との大事な会議があるので手短に。不適切な質問をすれば追い出します」と言うラウラの秘書・テレサ。アントニアは犯人のタトゥーに見覚えはないかとラウラに尋ねますが、彼女はあっさりと知らないと言って立ち去ろうとします。「犯人の要求に応えられたはずよ。なぜ断ったの?」とアントニアがさらに尋ねると、「答える義務はない。時間の無駄だわ」と言います。カルラが誘拐されたことを伝えても、ラウラは「いいお嬢さんだった。どうせもう死んでるわ」と冷たい反応です。「一度電話があった。でも私には叶えられない要求だった」と言うラウラ。アントニアはジョンのポケットから薬を入れた小箱を奪うと、「カルラは生きてる。見つけてみせるわ」と走り出します。「”子は親の罪を負わず”と言われたのよ」と打ち明けるラウラに、ジョンは「奴の罪は奴に負わせる」とアントニアを追います。
幻覚に苦しめられ、町をがむしゃらに走り出すアントニア。眼の前にはゴミの山の上に佇むアルバロがアントニアの遺体を抱いています。失神していたアントニアに薬を飲ませ、抱きしめるジョン。

「ブドウ糖が必要だったの」とけろりとドーナツとコーラをむさぼるアントニアに、「パラにラモンを信用するなと言っておいた。不可能な要求のことも」と報告するジョン。しかしパラからは「失せろ」と言われ、カルラの事件については何も教えてもらえません。「テレサは何かを隠してる。瞳孔が開いてた。ラウラがいない場所で接触すべきよ」と提案するアントニア。「薬が必要な理由を教えてくれないのか?」と問うジョンに、「やむを得ない代償よ」と答えるアントニア。

酸素量の低下した部屋で思考速度を測られるアントニア。「毎回壁に突き当たる。限界を超えないと。例の薬で彼女の知能が高まるんだろ?明晰さがほしい。集中力だ」と研究者に詰め寄るメンター。「あの薬は視床下部を刺激してヒスタミンを増やす。常に覚醒状態にするんだ。副作用がでても構わないのか?」と研究者が問うと、「代償は伴う」とメンターは答えます。

スペイン広場駅でテレサを待つジョンとアントニア。タクシーに乗ったテレサを車で追います。タクシーを乗り継ぐ彼女を怪しみ、尾行を続けていると、テレサはある家の中に入っていきます。

「何度も言ったが二度目の電話はない。私を信用せず、捜査も進んでいない。娘の車を発見したそうだが、何か分かったのか?」と憤った様子のラモンに、パラは「娘さんの車の窓は消化器で割られ、娘さんはレース場まで裸足で逃げたようだ」と報告します。ラモンは「金ならいくらでも出すから、それに見合う働きをしてくれ。娘を助けてくれ」と頼みます。

テレサが入っていった家を見張っていると、窓を開けて男がタバコを吸い始めます。その時、テレサがジョンに気づきます。SPらしき男たちが出てきて、ジョンとアントニアは慌てて車で逃亡します。

「私は弱い人間です、神父様。弱い、弱い、弱い…人間」とノートに書きなぐるエゼキエル。「肉体が弱いなら罰せられるべきだ。理性を失わず目的を持って」というなり、鉄パイプを引きずりながら牢に向かいます。「前はその牢に男が入ってた。彼は臆病でよく泣き叫んでたわ。ねえ、あなたはどんな人?髪の色は?お父さんはなんていうの?」と問うサンドラに、「どうしてそんなことを聞くの?」と言うカルラ。「私はみなしごだから」とサンドラが言うので、カルラは「子供の頃は父がいると安心した。”何が起きても平気だ。父が守ってくれる”と」と話します。しかしそこでエゼキエルがサンドラの牢に入って彼女を鉄パイプで殴打しはじめ、「やめて!」というサンドラの悲鳴にカルラは震えます。

帰宅したジョンに、「着替えないで、イニャキ神父を夕食に誘ったから」と言う母。「君のココチャスは罪な食べ物だな」と母を讃えるイニャキに、「罪を信じますか?罪を犯せないことが気になってね。”子は親の罪を負わず”という言葉をご存知で?」と問うジョン。「”親も子の罪は負わない”。エゼキエル書18章だ」と言うイニャキ。「その聖書の一節を聞いて思い当たることは?」とジョンが問うと、「罪は親から子に引き継がれるものではない。罪は神が許してくださる」とイニャキは持論を展開します。「私のような小さな人間が告白する罪はそれでもいいけど、”神はお許しになっても自分は許せない”って罪だってあるでしょ?」と言う母に、「愛してるよ」と彼女の手の甲にキスするジョン。

寝る前にGridrでマッチング相手を探すジョン。同じ頃、アントニアはマルコスのベッドの隣でぼんやりしていました。ジョンに病院の外に読み出されるアントニア。捜査の進展はありませんが、二人とも眠れないのです。「私達は見えるものが異なる。私にとって美しくて詩的なものはデータ。この世は”読み物”。でも犯人のメッセージの意味はまだ分からない」と言うアントニアに、「神父が親の罪の一節について話してたんだが…」と言いかけるジョン。
アントニアは突然、「親の罪を償うのはいつも子どもよ。常にね。エゼキエルは親を罰してるのよ。ラモンとラウラは嘘をついた。二人は明らかに我々を恐れていた。家族を犠牲にするほどの恐れ…誰にでも言えない秘密はある。エゼキエルの目的は罪を認めさせること。謝罪会見よ」とひらめきます。
「昨日は危なかった。タンカーの話をしたのを覚えてる?あなたみたいな答えは初めて聞いたわ」と言うアントニア。「おふくろいわく、俺は変人でね」とウインクするジョンに、黙って片手を差し出すアントニア。ジョンは彼女の手を両手で握ります。「おやすみ、アントニア」とジョンが言うと、アントニアは病院に戻っていきます。

ラグアドはジョンの写真からエゼキエルの身長は約175cm、皮膚の感じから50歳前後、タトゥーについては回答がないと、ジョンとアントニアに報告します。「ラウラから苦情が入った。彼女を惑わせるな。テレサは容疑者じゃない。君らを組ませたのは愚策だった」と怒るメンター。「ラウラの電話一つでここの予算が半分になる」と皮肉を言うアントニア。

「限界を超えるのも訓練だ」とアントニアに声をかけるメンター。「なぜ私なの?」と問うアントニアに、「タンカーの答えは素晴らしかった。君のような天才は孤独になりがちだ。生きるための目立たない術を身に着けてきただろうが、別の生き方を教える。あともう一歩だが、到達したいなら望め。君は一人じゃない。クイーンになるか?」と答えるメンター。「注射はイヤ」と怯えるアントニアに、メンターは「代償だ」と注射を打ちます。
するとすぐさまアントニアの思考力が格段に上がります。「奇跡が起こった」と喜ぶメンターですが、幻覚に発狂しはじめるアントニア。科学者たちになだめられる彼女を、黙って別室から見つめるメンター。

レハレタは、計算しているグスマンに「新しい相棒は警察の監査を受けてるそうだな」と話しかけます。「何も隠してない!元義父にバレたら小遣いなしだ!」と焦るグスマンに、レハレタは「ラモンについて全部教えろ」と凄みます。
アントニアと車で店に向かったジョンは、「オルティス氏に用がある」とボディガードに話しかけますが拒否されます。そこにレハレタがバイクで乗り付け、「ビンゴ」とにやりと笑います。ジョンが入口でボディガードたちを引き付けている間に、アントニアが階段を駆け上がります。
「娘さんが危ない。パラ警部は何も分かってないわ。何か隠してますよね?エゼキエルの要求を教えて。お願い」とラモンに訴えるアントニア。しかしラモンは彼女の言葉を無視します。
アントニアがボディガードに羽交い締めにされながら入口に現れ、ジョンはボディガードたちを振り切って彼女に近づこうとします。その様子を携帯で撮影しながら「もっとやれ、ジョン」と遠くからつぶやくレハレタ。
そこに駆けつけたパラ。「犯人の要求はお金じゃなく会見することなの」とアントニアは主張しますが、「どかないなら留置所行きだぞ」とパラは脅します。「仲間だろ」と言うジョンに、「ゲイのくせに。裏切り者と同じにするな」と言うパラ。思わずジョンが彼を殴ると、「何をしたか分かってるのか?お前は終わりだ」とパラは吐き捨てます。
レハレタは動画を撮っている様子を見せつけながら、ジョンに親指を立てます。

ジョンの特効薬であるクレープを、チョコラテリア サン・匕ネスで食べる二人。「殴ったのはまずい」と言うアントニア。「俺に何も聞かないのか?」と問うジョンに、「何も」と答えます。「ぐっすり眠りたければ隠し事はしないことだ。マドリードへの異動は自ら願い出たんだ。裏切り者だからな。あの薬は何か、もう一度聞いてもいいか?」と問うジョンに、「ストレスを受けると脳内物質のバランスが崩れ、脳が暴走するの。だから薬で抑える。バカになる薬よ」と答えるアントニア。「いいじゃないか」とジョンは笑います。

サンドラに「あなたのことを聞かれた。どうして黙ってたの?」と問われ、「私が誰かは関係ない。重要なのは私達が同じ…」と言いかけるカルラの言葉を遮るサンドラ。「あいつ、私を犯したの。でもあなたは無事よね。結局あなたと私は違うのよ。じきに身代金が払われ、あなたは自由。でも私は殺される」と泣きじゃくるサンドラ。「私はあなたが心配よ」と言うカルラに、サンドラは「ふざけるなクソ女」と吐き捨てます。

「前にここに来た時はヨガか瞑想をしてたよな」とアントニアの部屋を見回すジョン。ドレスアップしたアントニアは「似合わない?」と問いますが、「まさか。でももっと素敵になる」と、ジョンはアントニアの髪を整えてやります。「どう?」と鏡を見せるジョンに、「行こう」と先導するアントニア。「ドアは安全のために閉めた方がいいぞ」とジョンは注意します。
一人で病院へ行けると主張するアントニアはすぐにタクシーを拾います。「ビルバオでのことは知ってる。あなたは正しかった」と車に乗り込むアントニア。
アントニアはふと「道が違う」とタクシー運転手に話しかけます。口笛を吹く運転手に「エゼキエル、会いたかったわ。何が望み?殺すの?」と問うアンドレア。「何も分かってないな。”今は鏡におぼろに映ったものを見ているが、じきに顔と顔を合わせる”」とエゼキエルは言います。

 

第4話 1つのオムレツ

<あらすじ>
拉致されたアントニアが目を覚ますと、その部屋の壁は一面に絵が描かれていた。
エゼキエルは、なぜアントニアを殺さなかったのか。
殺人者はメッセージを伝えたかったのだ。

舞台の上で情熱的にフラメンコを踊るダンサーを見つめる、アントニアとマルコス。「ビリタ・ムパシュ。これは難しいだろ」と言うマルコスに、言葉の指す意味を考えるアントニア。「ルーツは分かる」と言うも、アントニアは降参します。「ついに勝ったぞ。今夜のためにそのドレスを贈る口実を一ヶ月考えたよ」と笑うマルコスは、「君にわかってほしい。考えずに感じること。そうすれば僕の気持ちが分かるはずだ」と微笑みかけます。その時、アントニアは妙な挙動をしてこちらを見つめる男に気づきます。わざとウェイターの持ってきたコーヒーをひっくり返し、それが片付けられている間に男に近づくアントニア。
「君と君がいる組織に警告しにきたんだ。彼は世界を飛び回って、”ミスター・ホワイト”と名乗ってる。彼は頭脳明晰で君の宿敵なんだよ。君がレッド・クイーンだから。バレンシアの事件では有名だから」とロンドンの監視カメラの写真を見せる男。「彼は今マドリードに来てる。僕を始末した後に君を殺す。彼は君の愛する者も殺すだろう。彼を止めてくれ」と言う男。「あなたは誰?」と問うアントニアに、「僕は処刑人だ」と言うと、男は消えます。
アントニアは疲れたと言って、マルコスとともに帰宅します。

目を覚ましたアントニアは、目を覚ますと電話に気づきます。「病院に行かなかったろ?どこにいる?」と焦った様子のジョンに位置情報を送るアントニア。「ナバルへヒゴ?なぜそこにいる?」と問われ、「エゼキエルに注射されて、拉致された」と言うと、電話を切ります。
部屋の中に置かれているものを見つめて考え込むアントニア。「ゾラ・モダ社大量解雇」の記事にはカルラが写っています。「不当な立ち退きう要求で銀行に罰金」の記事にはアルバロの豪邸が写っています。
すぐに駆けつけたジョンに、「タクシーのナンバーは覚えてる。ラ・フィンカに行って。彼のタクシーが来たかを確認する。エゼキエルはあの家に私を連れていき、壁画を見せることで何かを伝えようとしてる」と言うアントニア。

眩しいスポットライトを浴びながら、カルラの牢に入ってくるサンドラ。カルラは恐怖に絶叫します。「嘘つき」とカルラを罵倒するサンドラ。「あなたは幻覚?何者なの?」と問うカルラに、「教えてあげる。あのモンスターにレイプされた時、奴のポケットに鍵束があった。すべての部屋の鍵があるはず。ここから出してあげる。そのかわりに二人で彼を殺すのよ」と言うサンドラに、カルラは泣くばかりで答えません。

「いかなる情報提供もできません」と拒否する守衛のトマス。「口をつぐむのが得策と考えているんだろうが、本当は怖いだけなんだろ?それは君の偽りの姿だ。本当は体育教師になりたくて、ストレートを装っているゲイ。君の子どもを産みたいと考えるパートナーもいるが…。俺が思う君ならば自分を偽りたくないはずだ」と説得するジョン。トマスは逡巡すると、「あの夜はパーティーがあった。警察に他言無用だと言われたんです。EGJ0105の車は午前3時17分に」と告白します。上司は彼を制止します。
「パーティーの主催者は誰だ?サッカー選手や政治家じゃないのか?」と問うジョンに、ポーカーの動画を見ながらトマスを説得できたことを褒めるアントニア。ジョンは「以前彼とマッチしたんだ。それに”ゲイダー”が反応したんだよ」とGrindrのアプリを見せて言います。
アントニアは「グラン・カジノ」に送るようにジョンに指示し、「10分で戻るわ」とカジノに入っていきます。10分も経たずに戻ってきたアントニアは、カジノで稼いだ1万ユーロの札束を抱えています。
もう一度トマスのもとに戻った二人は、「パーティーの夜の監視動画を見せて」と彼と彼の上司に1万ユーロを見せながら頼みます。

監視カメラの動画を見ますが、3時17分だけが飛んでいます。「グリッチがある。監視カメラに細工したのよ」と言うアントニア。監視カメラを操作することを渋る上司を横に、トマスはカメラを解体するのを手伝ってくれます。「何の捜査です?」と彼に問われ、「殺人事件だよ。ある大物の息子が被害者だ。まだ若いのに惨殺された。犯人はタクシーで遺体を運んだと俺達は推測してるんだ」と答えるジョン。「カメラの点検は毎週ある?」と問うアントニアに、「パーティーの2,3日前にも来ましたよ。あれ、中継機だ」と異物を発見するトマス。

「敷地内には76台のカメラ。動体検知昨日だってついてるのに調べるのはこんなクソ映像?」と文句を言うラグアド。「車内の人物は分かる?」とアントニアが問うと、「車内に二人いることしか分からない。行き詰まったわね」とラグアドはお手上げの様子です。「俺は腹が減った!昼寝をしてくるからな!その間に君はヒントを見つけておいてくれ」とジョンは自宅に彼女を連れ帰って指示します。そこにジョンの母が現れ、「アントニアでしょ?息子と心配したのよ」と彼女を抱きしめます。
ジョンの母自慢のポテトのピンチョを食べるアントニア。一口食べたその瞬間、豊かな素材の風味が伝わってきて、アントニアは恍惚とします。「美味しい」とぽつりと言うと、ジョンの母は笑み崩れます。

「こんな時にクソ上司の呼び出しとはな!」と激怒するパラですが、家族と同僚ぐるみで彼の誕生日がサプライズで祝われます。ほっとした顔で喜ぶパラですが、部下のサンフアンが一本の電話を受けます。

ジョンの好きなテレビを見る母とアントニア。「仲の良い親子なのね」と言うアントニアに、「あなたがいてくれてよかった。ジョンはマドリードでは友達がいないから」とアントニアの膝をそっと撫でる母。「私は接触が嫌いなの」と言うアントニアですが、母は手を離しません。どうして離さないのかと問うアントニアに、母は「あなたに必要だからよ」と微笑みます。「あなたが言うと、なぜか理解は出来ないけど納得できる」と言うアントニア。
部屋をすばやく見回し、母が出産後すぐに父と別れたこと、そのため彼の写真が少ないこと、バスク人の女性には珍しくよく勉強して薬剤師になったこと、そのため部屋に薬が多いこと、2分30秒前からジョンが寝たふりをしていることを指摘するアントニア。母はあっけに取られます。ジョンは目を開くと、「すごいだろ?」と笑います。アントニアは「ラグアドからだわ」と携帯を取って立ち上がります。

現場に駆けつけたパラ。「通報時刻は3時55分で25分前、警察の到着は4時10分で10分前です」と報告するサンフアンに、「事件の重要な手がかりなのに10分遅れた。通報した女性の特徴は?」と問うパラ。「まだです。車に残された靴はカルラと同じサイズのものです。タクシーは盗難車で、現在指紋を採取しています。通報した女性が犯人を知ってるかも」と言うサンフアン。

「元気?顔にタトゥー?顔はやめときな」と友達とチャットするタトゥー屋の女性店員は、訪れたジョンたちに「ラグアドさんにも話したよ。詳しいことは知らない。パパのヘビだってことは分かる」と店のタトゥーの例の写真を出します。「この時は写真しか記録を残してないよ」と言う店員に、「お父さんと話せる?」と問うアントニア。「半年前に脳卒中を起こしてから話せないの。私が店を継いだけどパパほど才能がない。その大麻はパパの健康のためのだよ」と説明する女性店員。「ダニエル、このタトゥーを誰に入れた?」と問うアントニア。ダニエルは何度もまばたきを繰り返します。「NBO(核・生物・化学)?地下警察だわ!」と叫ぶアントニア。

「ここは監獄よ。血を洗い流せるようにタイル張り。鎖の先には私のような犠牲者を吊るすための部分がある。ここから逃げなきゃ」とラモンにプレゼンするカルラ。「どうする気だ?私にいつものように頼るだけか?」とラモンに言われ、「違う。計画があるの」と自信満々に答えるカルラ。
足の裏は傷だらけで血まみれです。サンドラに「やるって決心したわ。奴をタイルで滅多刺しにする」と決意表明するカルラ。

「クアトロ・ビエントスに?」と問うジョンに、「1997年地下警察の同期4人がタトゥーを入れた。その後、一人は爆死、一人は病死、生存者の一人は事件の夜にドイツのテレビ番組に出てた。残る一人がエゼキエルよ」と言うアントニア。ジョンが裏口から、アントニアが正面から男の家に侵入します。電気は点きません。ジョンが男を取り押さえますが、アントニアは「彼はエゼキエルじゃない」と叫びます。

「タクシーに指紋が。現住所が判明し、捜索令状も取れた」と報告するサンフアンに、「地下警察だと?やったぞ、犯人逮捕だ」と鼓舞するパラ。

「同期の4人以外にヘビのタトゥーを入れた人は?」と問うアントニアに、「いないだろう。問題になったタトゥーだから」と返す男。「なぜ問題に?あなた以外はアルバレス、キロガ、ファハルドだけね」とアントニアが問うと、「アルバレスはがんで死んだ。キロガはゲイだとバレてドイツへ。ファハルドは消えた。奴は心を病んで長い事入院してた。娘の事故死を引きずってたんだ。退院した時だってよくなってはいなかった。やつは危険な任務を進んで引き受けるようになり、トンネルの事故で死んだ。上は自殺で片付けたけど、遺体は出なかった。消えたんだ」と答える男。
アントニアがパラに、エゼキエルはファハルドだと電話すると、指紋で分かったと言われます。「ファハルドを今から逮捕するって。タクシーを放置したのは理由があるはず。彼がいた病院に行くわ」とジョンに言うアントニア。ファハルドの家へと車で走り出すパラ。

 

第5話 1つの決断

<あらすじ>
アントニアとジョンは、エゼキエルが単独で行動していないことを悟る。
彼の娘が手を貸していたのだ。だがいろいろとつじつまが合わない。
2人は多くのミスを犯していたようだ。

「ニコラス・ファハルド?死んだと聞いてる。死んでくれてよかった。俺はここで働き、やばい奴らばかり見てきた。だが彼の生活は生き地獄そのものだった」と言う男に、「彼の資料を見せて」と頼むアントニア。「守秘義務がある」と拒絶する男に、「俺はここでお前を逮捕できるんだぞ。ここの薬をパクって売ってるだろ?」と言うジョン。「彼ともマッチングしたの?」と問うアントニアに、「カマをかけただけだ」とウインクするジョン。男はファハルドの資料を見せてくれます。

「俺は悪人ではない。弱くない。俺は悪人ではない」と聖書になぐり書きされています。「性的虐待、暴力、自傷行為、薬物投与、PTSDの症状が見られる、父親による虐待を率直に話す、双極性障害…」と資料を読み上げるジョン。”今は鏡に映ったものを見ているが、じきに顔と顔を合わせる”というエゼキエルの言葉を思い出すアントニア。

牢の前をエゼキエルが何度も行ったり来たりしています。「奴がいらついてる。こういう時は私に当たるの。カルラ、怖い?私に従う?」と眩しい光の中から問うサンドラに、「いいえ、私は投げ出したりしない」と答えるカルラ。壁に向かってサンドラに呼びかけますが、何も聞こえてきません。

「タクシーは盗難車。ナンバーはファハルドの娘が自殺した車のよ」と言うラグアド。「ファハルドの幼少期は分かった。でも彼の娘はどう?エゼキエルは賢いわ。指紋なんて残さないはず」と考え込むアントニア。そこでジョンはトマスから電話を受けます。「進展があった」と、アントニアを連れてトマスのもとに向かうジョン。

「仕事はクビになっちまった。俺も手伝うよ、見てもらいたいものが」とトマスはガソリンスタンドの監視カメラの映像を見せます。助手のアイダが画面を操作すると、エゼキエルのタクシーから女性が降りてきます。「運転手は女だ」と言うジョン。アントニアはジョンにパラに電話するように指示し、「郊外に行って。場所が分かった」と運転するように言います。
同じ頃、パラはファハルドの屋敷に突入していましたが、アントニアは「罠よ」と言います。
実際、パラの部隊が家に突入する瞬間を、監視カメラごしにエゼキエルは別の場所から観察していました。

「女は軽油の給油口にいた。カメラがあるからよ。ガソリンを入れるふりをしていただけ」と言うアントニア。ジョンが説明を求めると、「ファハルドは死を装い、接触を断った。今は幻を見た預言者であるエゼキエルになりすましてる。アルバロの遺体は家に移され飾られた。タクシーの女が拉致の共犯者で、ファハルドの指紋をパラに見つけさせた。タクシーのナンバーは娘が自殺に使ったものだった。私たちは騙されてた。娘は自殺してない。父親と同じく死を偽装した。娘が共犯者よ」と言うアントニア。

「まだなの?悪い子にならなきゃ」とエゼキエルにささやくサンドラ。現場のテレビに「天国へ」と映り、「罠だ」と叫ぶ隊員。家の中で大爆発が起きます。「パパの番よ。さあ見せて」と言うサンドラに応えるように、エゼキエルはパソコンのキーを押します。その瞬間、さらなる爆発が起きます。爆撃に巻き込まれるパラとサンフアン。
瀕死のパラを止血して外に出すジョン。サンフアンに救命措置を行うアントニアですが、希望はありません。

「サンドラ、そこにいるの?」と何度も尋ねるカルラに、サンドラは「捜索隊が来た。でも失敗したわ。時間はまだある」と返します。「制限時間があるの?」と問うカルラ。牢の外に人影が映り、「出られたの!?ここを開けて!」と乞うカルラ。サンドラは何度もドアを開けたり閉めたりを繰り返します。「笑ってるの?あいつとグルなのね」と呆然とするカルラに、「エゼキエルは私よ。パパはファハルド、パパは時々意気地なしになるから決断力のある私が必要なの。パパには愛情を示せばいいだけ。仲良し親子なの」と笑います。サンドラは愛情の証にファハルドとセックスしているようです。「どうしてこんなことを?」と問うカルラに、「あなたも私達と同類だって教えたのよ」と言うサンドラ。

血まみれの体を洗うアントニア。アントニアは「爆弾には塩素が使われた。購入経路を辿れるかも」とシャワー室から叫びます。言われたとおりにパソコンを開くと、「ミスター・ホワイト」に関する膨大なファイルが並んでいます。「ミスターホワイトって?」と問うジョンに、「関係ない」と返すアントニア。「君は俺を信用してその身を俺に預けてる。俺も君を信用し道なき道を車で走りカーチェイスもやった。なのに”関係ない”?隠し事はなしだ。俺を信用しないなら、降りる」と言うジョン。「一緒に来て」とアントニアはジョンを先導します。「君の息子か?君に似て寂しげだ」と笑うジョン。サッカーに夢中な息子を見つめながら、「息子に私は不要ね」とつぶやくアントニア。

仲間の遺体を運び出す警官たちを見るファハルドに、「仕方なかったのよ。神か皇帝、パパの口癖でしょ。両方は選べない。彼らはもうパパの仲間じゃない。よく見て、誇りに思っていい」と言いながら、ファハルドの頭を強引に画面に向けさせて直視させるサンドラ。

「あんなに調べてて正体不明か?」と問うジョンに、「ミスター・ホワイトの顔も本名も国籍もね。同類なのは確かね。私より知能が高い。知能の使い方が私と違う。彼は”悪”以上ね。跡は辿れるけど、存在が証明できない。メンターは私の被害妄想だと。でも存在するの。殺されかけたから。それで父・ピーターにホルヘを取られたの」と涙ながらに訴えるアントニア。
二人のいたカフェでニュースが流れます。ジョンがラモンのボディガードを殴った動画が映し出され、「うさんくさい警官がパラ警部を殴りました。ジョン・グティエレスは証拠捏造の過去があります。だが指揮しているのはこの謎の女性。彼らは陰謀集団ですからね」と画面の中でレハニタは自信満々に話しています。
アントニアはジョンの制止を振り切って車のキーを奪うと、「メンターに話があるの」と秘密の研究室に突撃します。しかし「もう君の出番はない。君はもうレッド・クイーンではない。君は組織を危険にさらした上、期待に応えなかった」とメンターは言います。「あなたは飛び込まない。タンカーの話よ。ジョンは飛び込むと言った」と言うアントニアを無視し、「ジョンは記者につきまとわれてることを知ってた」と言うメンター。

「私の要求を知りたくない?」とカルラに微笑むサンドラ。「パパは身代金を払うわ。私をこのままにはしない。あなたは子への親の愛が分かるの?」と言うカルラに、「子どもって言うほどかわいくないわ。謝罪するように要求したわ。お金は要らない。あなたの工場について話してほしいだけ」と言うサンドラ。「ある工場のことを白状させたい。パキスタン人の組合長を覚えてる?」とエゼキエルが言うと、「この糞女」と吐き捨てるカルラ。「鏡に映ったあなたは私のはずよ」と笑うサンドラ。

部屋に座っているアントニアは「謝りに来たの?いつから知ってた?」と背中越しにジョンに尋ねます。「パラを殴った時から」と言うジョンに、「なぜ黙ってた?」と問うアントニア。「どう反応するか怖くて。それに恥ずかしかった」とうつむくジョン。「組織をクビになったからもう捜査はしない。顔も見たくない」と言うアントニア。薬を置いて黙って帰るジョン。

不気味な口笛を吹くファハルドにやめるよう言うサンドラ。「昨夜はどこに?」と問うファハルドに、「答える必要ある?」と笑うサンドラ。サンドラの携帯のプライベートナンバーに電話がかかってきて、ファハルドは出ないように命じますが、サンドラは無視して「教えて。問題ないわ」と電話の主に笑顔で答えます。

「メンターは無視してるってこと?警察はクビになる?」と問う母に、「なんらかの措置が取られて、キャリアがふいになる」と苦しげに言うジョン。「あなたは有能で多才だから仕事はすぐに見つかるわ」と励ます母。「一番つらいのは彼女の信頼を裏切ったことだ」と言うジョンに、「あなたの悪いところは計算高くないところよ。心に従ってる。唯一犯した間違いは贈り物のセンスだけ。やるべきことをやりなさい。拉致された人を助けるのよ。勤勉であれ!」と激励する母。

変装するサンドラに、「また外出か?俺が信用ならない?行き先を言うんだ」と言うファハルド。「口笛を吹くなと言ったよね?」と言うなり、彼の指をねじあげるサンドラ。ファハルドは痛みのあまり絶叫し、「許してくれ、俺は悪い人間ではない」と泣きじゃくります。「それが問題なの」と言うサンドラに、「一人にしないでくれ」とひざまずくファハルド。「私も一人にしたくないわ。私はいつも一緒よ」と言うサンドラ。

「あなたに葬られたい。あなたを看取りたい。起きてよ」とマルコスを抱きしめながら涙するアントニア。

パラは全身傷だらけ、管に繋がれた状態で病院で目を覚まします。「しくじったな」と見舞いの菓子パンを持って現れるジョン。「シルクのネクタイで止血してくれたらしいな。感謝してる。電話に出ればよかった。お前に狩りができたよ。爆発の前にマドリードの地下の地図を見た。詳しくは覚えてない。サンフアンはバラバラだった。奴を殺してくれ」とパラはジョンに頼みます。

サンドラは学校に侵入し、次々と目に入った人間を銃殺していきます。そしてある教室に入ると、一人の少年に目をつけます。

 

第6話 1つの変装

<あらすじ>
アントニアの父親は、彼女が自らの息子を誘拐したと非難する。
そして警察にアントニアを逮捕させようとするが、ジョンがアントニアを逃亡させる。
警察に追われるアントニアは、息子を救う計画を考えるために、いったんどこかに隠れようとする。

足裏の傷をどうにか布で止血しようとするカルラ。「こんなふうに終わるなんて」と幻覚のラモンに涙ながらに話しかけます。サンドラがいた側の壁ごしに少年の声が聞こえます。「僕、ホルヘ。怖い。なんで泣いてるの?」と問われ、泣き崩れるカルラ。

「聖バルバラ・ブリティッシュスクールで女が銃を発泡。被害者の数は分かっておらず…」とラジオニュースが流れ、慌ててネット検索するジョン。「犯人は髪はブルネットで白い服よ。3人殺したの。英国大使のお孫さんが1人連れ去られた」と話す女性。ジョンは慌てて車を走らせます。

アントニアが部屋に戻ると、部屋の中にはピーターが直立不動で待っていました。「あの子はどこだ?これ以上手を焼かせるな。下に警官がいる。殺人と誘拐で逮捕される」と言う彼に、アントニアは変装をして逃げ出そうとします。しかしあえなく捕まります。駆けつけたジョンは「主よ、どうかけが人が出ませんように」と祈るなり、護送車に車で追突します。ジョンはアントニアを呼ぶと、「ホルヘを捜すんだ。カルラは地下にいる」とだけ言って彼女に逃げるよう指示します。
店のフィッティングルームに逃げ込んだアントニアは、ホルヘを助けてほしいとどこかへ電話します。

アスカ地区の地下に逃げ込むアントニア。ファハルドからの電話に「息子は関係ないから開放してほしい」と頼むも、「大ありだ。親の罪は子が背負う」と彼は答えます。アントニアは「サンドラと話したい」と頼み、サンドラに代わることに。「ルールは単純。息子を助けたければ他の親のように選ぶの。息子の命か、カルラの命よ。どうする?選ばなければ30時間後にホルヘを殺す」と言うサンドラ。「どうせカルラも殺すんでしょ」とアントニアが言うと、サンドラは「お見通しなのね」と笑います。アントニアが「身動きが取れなくてゲームはできない」と訴えると、サンドラは「教えてあげる。私のように強くなりなさい。”私は水の上に建ち、炎の壁に囲まれる”」と電話を切ります。人混みに紛れて警察から隠れるアントニア。

「子どもを傷つけたくない」と苦しむファハルドに、サンドラは「カルラやアルバロと同じよ。これは使命なの。親を罰するには子どもを使うのが有効で、ホルヘはあの女の息子よ!」とビンタします。「あの子が私に思えて守りたいのね?でもあの女から私を守ってよ」と甘え声を出すサンドラ。

「突入した部隊は死亡したか重症を負ったようです。パラは片足を失ってICUに。我々は決断しないと」とラモンに報告するトレス。

病院のベッドで眠っていたジョンは、自分の手首に手錠がかけられていることに気づきます。「アントニアはどこだ?君はことの重大さが分かっていないようだ。なぜ彼女を守る?この事件にはアントニアが絡んでるはずだ。彼女は長年精神安定剤を服用していて不安定なんだ。私に協力しろ。協力するなら君の罪を不問にしてやる」と高圧的に命じるピーター。「アントニアは周囲に不幸をもたらす。母親は死に、夫は昏睡中、ホルヘは行方不明」とジョンを説得しようとするピーターですが、ジョンが相手にしないので「君は終わりだ」と吐き捨てて病室を出ていきます。

「ホルヘ、大丈夫?」と壁越しに問うカルラに、「手首が痛い。縛られてるんだ」と答えるホルヘ。「目の前に何がある?」とカルラが問うと、「鏡台、たくさんの服、ウイッグとか、メイク道具…女の人が何かをカバンに詰めて出ていった。その時に叩かれたんだ。叩かれたのは初めて…」とホルヘは涙声になります。

監視カメラでカルラの牢の中を見ながら、「彼女が絶望して死んでいくのが見たいの。孤独を味あわせて」とノートに何かを熱心に欠いているファハルドに命じるサンドラ。「私は善人じゃない?パパは私を分かってないのよ。パパにあんなことされて私は幸せになれる?普通の人間になれると思う?私は最低な使命を受け入れた。感謝してちょうだい」とサンドラはファハルドに挑戦するように言います。「また出かけるのか?どこへ?」と問うファハルドに笑顔で返し、どこへ去っていくサンドラ。

以前世話になったタトゥー屋に来たアントニアは、ジョンの車と衝突した際に出来た頭の大きな傷を縫合してほしいと手術動画を見せながら女性店員に頼みます。「麻酔もなしにできない」と言う彼女に、「私は強迫症だから幻覚が出るかも」と言いつつ渋々麻薬を吸うアントニア。女性店員はそれを見て安心して縫い始めます。

「二人は何をしてた?女の人はなんて言ってた?」と問うカルラに、「あなたを苦しめろって。女の人は”パパにひどいことをされたからいい人にはなれない”って。何度もパパって呼んでた。男の人は泣いてた」と言うホルヘ。カルラはいい作戦を思いついたとホルヘに言います。

「パパ!」と何度も叫ぶホルヘ。ファハルドは黙れと叫び、カルラは「怒鳴らないで!怖くて父親に助けを求めてるのよ!」とホルヘを庇います。カルラの牢に入るファハルド。「あなたはいずれ私を殺す。でもあの子はやめて。あなたは善人だけど今は彼女に従ってるのよね?」と問うカルラに、「黙れ!俺の娘の何が分かる」と怒鳴って牢を出ていくファハルド。カルラは泣きじゃくります。

「ハッパが効いたね。あんたはあっちで寝て。長居はお断りだよ」と言う女性店員に何があったのかと問われ、アントニアは息子が行方不明になった犯人だと思われていると打ち明けます。「ちゃんと休まなきゃ息子さんを探せないよ」となだめられ、ベッドで眠るアントニア。

夢の中で、アントニアはマルコスと最後に食事をした時のことを思い出します。ベビーシッターのクリスティナに幼いホルヘを預けて出たので、彼を受け取ります。そこに来客のベルが鳴ります。ドアを開けたマルコスは、猿の面をつけた白いフードの人物に頭を撃ち抜かれます。呆然とするホルヘを必死で守るアントニア。フードの人物を追いかけるアントニアですが、いつの間にか、底なし沼の砂漠に入り込んでしまいます。
泣きじゃくるアントニアは砂に吸い込まれていきますが、眼の前には母が。「周りをよく見るの。暗闇にいてはだめ。ついてきて。猿は襲ってこない。あなたに警告を。ついていくの」と言うと、彼女は消え去ります。アントニアの頭上には、光が。アントニアは「私は水の上に建ち、炎の壁に囲まれる」と書かれたドアの幻を見ます。

目を覚ましたアントニアは、女性店員がダニエルに「アントニアったら私の冗談を真に受けて本気で寝ちゃって…」と笑っているのを聞きます。朝食代わりにマフィンをもらって食べていると、女性店員は「警察に追われてるなら変装しなきゃ。いつもとぜんぜん違う格好をするといいよ」と自分の服を見繕ってくれます。その間、ダニエルがじっとアントニアを見つめて「娘はセンスがない」と訴えてきます。苦笑するアントニア。ダニエルはさらにアントニアを見つめ、「俺を殺してくれ」と訴えてきます。「それはできない」と目配せするアントニア。
「パパと話してたの?」と女性店員に問われ、「やってみて」と促すアントニア。ダニエルから何と言われたか分からない彼女に、「キスして」だってとアントニアは言います。「パパ、愛してる。ずっと一緒だよ」と彼を抱きしめる女性店員。アントニアは女性店員の服を借りて、顔にタトゥーを入れている風の化粧をしてバスに乗ります。怯えた様子で見てくる乗客たち。アントニアは店でバールを買うと、とある家に入っていきます。

マドリードの下水道街の地図を広げ、「その気になれば王宮にも入れる」と自慢げに言う地下警察の男。「俺たち地下警察は結局爆発物処理チーム(TEDAX)に統合され、馴染んだやつもいる。テロリストやヤクの売人やシリアルキラーは地下が好きなんだよ。マドリードは楽しい街だが、地下には幽霊や悪党もいる。そいつらを捕まえるためにやがて自分も同化してしまう。俺はここで酸で視力を失った」と地図の一点を指差す男。「地図を撮ってもいい?警察が来るかもしれないけど」と男に断ってから地図をスマホで撮影するアントニア。「客人は歓迎だ」と笑う男。「地図を片付けて。私が来たことは警察に言わないで。ありがとう」とアントニアは頼みます。「ファハルドは友達?彼はなぜ死の偽装を?」と問うアントニアに、男は「馬鹿な連中を騙して死んだことにしたかったのさ。爆発に巻き込まれても死体が見つからないなんてことはない。俺は女と逃げたと思ってた」と言います。「彼は娘と逃げたのよ」とアントニアが言うと、男は「そんな馬鹿な」と驚愕します。パトカーのサイレンが鳴り響き、家の前に警官が勢揃いします。慌てて逃げ出すアントニア。

4年前、精神病院でぼんやりと日々を送っていたファハルドに、サンドラが面会に来ます。「パパ、私死んでないの」と言うサンドラに、泣きじゃくるファハルド。

カルラは足裏のえぐられたような傷から血が溢れるのを苦しげに抑えます。「お腹が空いた。ハムとチーズのサンドイッチとベーコンが食べたい。おじいちゃんは怒るけど、チョコも…」と訴えるホルヘに、「ママが作ってあげる」と言うカルラ。ホルヘは突然頑なに「ママはここにいない。来ないよ。僕はおじいちゃんと暮らしてるんだ」と怒り出します。
ファハルドが帰ってきたサンドラに「何をしてた?」と問うと、「調べ物よ。そっちは何か分かった?」と彼女は返します。

ジョンの母が外出しようと準備をしていると、変装したアントニアが彼女を強引に家に押し戻します。怯える彼女は「あの子、逮捕されちゃったのよ」と訴えます。「だから来たの。力を貸してほしい。頼める?ジョンを助けたいの」と言うアントニアに、「もちろん」と微笑む母。

足の傷の痛みにうなされるカルラに、抗菌薬を差し入れるファハルド。「また歩きたいならそれを塗れ」と命じます。カルラが感謝しながら薬を塗ると、「お前を殺すのを早める」と彼は宣言します。

 

第7話 1つの鏡

<あらすじ>
ジョンとアントニアは再びコンビを組む。
時間が刻一刻と迫る中、クイーンとその従者は罠や爆弾が仕掛けられた地下に突入しなければならない。
2人を待ち構えるサンドラとエゼキエル。

ジョンに会いに来た彼の母は、金属探知機で調べられた後、10分の面会を許されます。母はわざと大声で違う話をし、アントニアからの手紙を差し出します。そこには「お母さんに従って」と書いてあります。母は「何が起きても心配しないで」と小声で言うと、ジョンに薬を飲ませます。
数時間前、「調剤が好きなの。昔を思い出す」と言い、ジョンの脈を早める薬をアントニアと母は作っていました。
「俺は死ぬのか」と焦るジョンに、「発作性上室性頻拍です。アデノシンと抗不安薬を投与し、様子を見ます」と医師は言います。「母さん、やりすぎだ」とぼやくジョン。

「真夜中が訪れると、あの二人に死が訪れる。死ぬことは特別なことではない。息をするのと同様にたやすい。俺は悪人ではない。ただの使者なのだ。メッセージを伝える。俺は焼かれることなく炎の中を進み、汚れることなく悪事を働く。世界一おぞましいことができる男だ。しかし…」とノートに書きなぐるファハルドに、サンドラは「部屋を一人で使いたい。早くガキを始末しないと」と催促します。

アントニアはダニエルに会いに行き、「暗くなる前に息子を捜しに行く。娘さんにはあなたが必要よ。思ってるよりずっとね。恩は忘れないわ」と彼にキスします。ダニエルが見ているキリストの映画を見て固まるアントニア。

仕事を終えたラウラは「すべて知ってる」とアントニアから電話を受けて目を見開きます。

「警察だ。捜索令状がある。数日前、ここにアントニア・スコットと刑事のグティエレスが来たはずだ」と写真をスマホで見せる刑事に「見たことないわ」としらを切る女性店員。強引に店に入り込んだ警官が「大麻があるぞ!」と騒ぎますが、そこにはダニエルしかいません。「拍子抜け?」と煽る女性店員。

地下鉄近くの柵に何かをしかけるファハルド。

「おじいちゃんが来てくれる。諦めない人なんだ。湾岸戦争の時は捕虜で、トンネルを掘って逃げたって。叙勲もされたんだよ」と言うホルヘに「私達にトンネルを掘る時間はないわ…ホルヘ、良いアイデアを思いついたわ」と壁を触りだすカルラ。
銃をいじっていたサンドラは、ふとファハルドが壁に貼り付けた写真たちを見つめます。

朦朧としていたジョンは医師の目を盗んで病院から脱走。そこに彼の母が車で現れ、「さっさと乗りなさい!お尻が丸見えよ!」と檄を飛ばします。

「準備完了?そんな顔しないで。私を喜ばせる日よ。カルラよりガキが(殺すのは)先よ。パパはつまらない人ね」と言いながらファハルドの顔を撫でるサンドラ。

「誰もが欲しがる秘密なのに」と言うラウラに、「望みはそれだけよ」と言うアントニア。「どうして分かったの?」とラウラに問われ、「遺体のあごはくぼんでた。あなたと旦那さんは違う。遺伝してないのはおかしい。テレサは知ってるの?」と尋ね返すアントニア。「何も知らないわ。知るべきじゃない。絶対に」と言うラウラ。「あなたを甘く見てた。彼はテレサの息子よ。年齢も身長も同じだったから間違えても仕方ない」と言うラウラに、「アルバロはテレサの家に?」と問うアントニア。「いるわ。エゼキエルが死ぬまでね。人違いがバレて狙われたら困る」と言うラウラ。「彼のミスだと思う?」とアントニアが問うと、そうでなければ何なのかとラウラは訝しげな顔をします。アントニアが「頼んでたものを」と手を出すと、ラウラはボディガードから銃を受け取って、手渡します。「あいつの頭に一発ぶち込んで。中には17発よ」と言うラウラ。

「発信者不明」から何かを受信するジョンの携帯。地図と動画が送られてきており、動画にはアントニアが。「あなたには二度救われたわ。二人で協力したい。タンカーの乗組員を一緒に救うの」と言うアントニアに、ジョンは涙します。

「私は水の上に建ち、炎の壁に囲まれる」と弾幕のかかった建物の前に現れるアントニアは、そこにあるマンホールの中に入ります。脳内に叩き込んだ地図を参照しながら、目的地へと向かいます。

幼いカルラにプレゼントしたぬいぐるみをもてあそぶラモン。「何年も前に娘にやった酒だ。まだ持ってたのか。どうやったら娘に好かれるかな?彼女の引き出しの中にはたくさんの錠剤があった。私は娘の何も分かってないようだ。どう守ってやればいい?最も高価なウイスキーを買ってやれても娘を救えない。要求に応えるべきだったかな?」と問うラモンに、「あなたは立派な決断をした」と応えるトレス。

アントニアから送られた地図をたどるジョン。アントニアから着信があり「カバアルタの地下にいるわ。そっちの位置情報を送って。スマホに地図を送った」と言われます。ジョンが地図を見ようとした瞬間、背後に人影が。「誰かにつけられてる」とジョンが言うと、アントニアは「殺されはしない」と呑気な回答。

そこで、アントニアは地図にないドアと、そのドアの前に張り巡らされた糸と、それに連動した高性能のプラスチック爆弾を見つけます。アントニアは爆弾の時限装置を切る決断をします。
「ファハルドはプロよ。起動時間を短くしているはず。正確に解除できる確率は68.5%。駄目だった場合はあなたがホルヘを救って」と言うアントニア。ジョンは断念させる説得しようとしますが、そのあいだにアントニアはさっさと爆弾を解除してしまいます。

「ここは爆弾だらけよ」と言いながら進むアントニア。近くの壁に「FYS」と大きくペイントされています。アントニアがかつて監禁された場所にも同じ文字がありました。
「星じゃない、あれは8回の爆発。ナバルケヒゴ、壁画…タクシーに気を取られてたけど、サンドラは爆弾を仕掛けた場所を伝えてたのよ。市内に8つの爆弾がしかけてある。これが彼女の目的よ。爆弾の場所を言うから気をつけてね。1m先に爆弾がある。そのまま進んで」と指示するアントニア。

カルラはずっと壁に穴を開けようと指で引っ掻いていましたが、「もう無理よ」と疲れ果ててしまいます。マリオが一緒に壁をひっかく幻覚が見えたカルラは、作業を再開します。

ジョンが行き着いたある通路には、おびただしい数のジョンとアントニアの写真が飾られ、ライトアップされていました。「私たちは遊ばれてるのよ。遊ばれてる間は私達は無事」と言うアントニア。ジョンは自分の母の写真を見つけ、「聞いてるんだろ!出てこい!」と激昂してしまいます。「ジョン、2m先に爆弾よ!」と悲鳴を上げるアントニア。爆弾には引っかかりましたが、運良く起動しませんでした。やっと落ち着いたジョン。

「やるよ」とホルヘを殺害しようとするサンドラに、「まだ夜中じゃない。彼に従え」と言うファハルド。ホルヘは二人が喧嘩していることをカルラに伝えます。カルラはどうにか壁の破片を手にし、涙します。

アントニアは幻覚に苦しめられ走り出しますが、ジョンに「ホルヘのことを考えろ!」と言われ、すんでのところで爆弾を回避できます。アントニアが「ホルヘ、ホルヘ…」と繰り返すほど、猿の幻影は消えていきます。「もう薬は飲まなくていい。息子を助けろ」と言うジョン。アントニアは涙を拭いて立ち上がります。「私はサンドラを、あなたにはファハルドを任せるわ」と言うと、アントニアは歩き出します。

「時が来たらちゃんとやる」と言うファハルドに、サンドラは「今死のうが1時間後だろうが同じよ」と言い放ちます。「神は見ている」と言うファハルドに、「神だなんて」と鼻で笑うサンドラ。サンドラの背後から、アントニアの「サンドラ!」と呼ぶ声が聞こえます。「人質を殺して」とファハルドに指示して音の方へ向かうサンドラ。
「互いに殺し合う時よ!」と音の方へ向かうサンドラは、置かれた携帯を見つけます。「反響音がミミに届くまで50ミリ秒かかる。わずかな時間だけど私は逃げられる」と録音された音声が流れます。携帯を撃って壊したサンドラは、逃げていくアントニアを見つけてにやりと笑います。

カルラは牢に入ってきたファハルドの目に破片を突き立てます。もんどり打つファハルド。カルラは彼から鍵を奪うと、隣の部屋の鍵を開け、ホルヘを逃がそうとします。しかしファハルドは破片を抜き、カルラの首を絞めて殺そうとします。そこにジョンがかけつけ、ファハルドに銃を突きつけます。抵抗するファハルドは、逃げていくカルラとホルヘに向かって撃ちます。

サンドラと向かい合うアントニア。「狙いは何?目的は私でしょ」と問うアントニアに、サンドラは「預言者は大いなる力によって語り、来たる者を告げる。息子はもういないよ。今頃ファハルドが切り刻んでる」と煽ります。アントニアが怒りに任せて彼女に飛びかかろうとしますが、すんでのところで足元に爆弾を見つけて立ち止まります。「最後のテストも合格ね。いつも自制してる」とにやつくサンドラ。

ファハルドはホルヘとカルラに銃口を向けていましたが、ホルヘの泣きじゃくる顔を見ているうちに「逃げろ!」と叫びます。走り出すホルヘ。残されたカルラは手を上げて泣きじゃくりますが、ジョンがファハルドに体当たりし、二人はもみ合いに。その隙にカルラは隠れ、ジョンの喉を切り裂こうとするファハルドを後ろから銃で撃ちます。

ホルヘはアントニアを見つけて走ってきてしまい。サンドラに捕まります。ホルヘを生かす代わりに銃を下ろせと言われますが、サンドラを信じられないアントニアは自分が撃った瞬間にホルヘには走って逃げるように指示します。銃の速度と命中確率を計算しながらサンドラと撃ち合うアントニア。逃げ出したホルヘは無事、ジョンたちと再会することができました。
アントニアの銃は残り2発。「この瞬間を楽しませて。あなたは一番じゃない」と言いながら「勝負はまだよ。あなたはゲーム好き。私をテストし、合格しても無駄だと思い知らせた。カルラ救出を失敗させ、息子を死なせ、私を生かす計画だった。でも、ホルヘはジョンが救出し、ファハルドは死んだ。つまりあなたは一人ぼっち。私を殺してもいいけど、あなたの負けよ」と言いながら後ずさるアントニア。「まだ終わってないわ」と言うサンドラは、自分がしかけた爆弾に引っかかってしまいます。大爆発が起き、アントニアは「ホルヘ!」と叫びながらトンネルを歩きます。ジョンがホルヘを連れて現れ、アントニアは彼を抱きしめて膝から崩れ落ちます。

元の生活に戻ったカルラはラモンと役員たちの前で堂々とプレゼンテーションをします。アルバロも家を出て日常を送るようになり、テレサはそれをじっと見つめています。ジョンも職場に復帰し、職員たちに拍手で迎え入れられます。アントニアはホルヘと公園で遊び、その様子をメンターは遠くから見つめていました。

部屋の壁をペンキで塗り直すアントニア。植物の鉢を持ってきてくれたアミーナは、「ジョンから」と言います。アントニアは自分が世話をすると枯れるから、植物の世話は夫の担当なのだと笑います。植物はイミテーションのようです。
ジョンを抱きしめるアントニア。「君と働けなくて退屈してるよ。ホルヘは?」と問うジョンに、「元気よ。距離を縮めてるところ」と答えるアントニア。「下の階は空き部屋なの。お母さんと越してきたら?」とアントニアは誘います。「母さんの特製オムレツが食べたいからだろ」と笑うジョン。

「今日来たのは話があるからでしょ?サンドラの遺体は未回収ね?自分で仕掛けた爆弾に引っかかるわけないもの」と言うアントニアに、ジョンは「実はファハルドの娘の墓からDNA鑑定をした。娘は死んでる」と言います。
アントニアはドアから猿が出てきて自分に忍び寄る幻想を見ます。猿につられて窓枠に登ったアントニアは、窓から飛び降ります。

「ミスじゃなかった。誰かが私を穴から出した。権力への復讐だと思わせたかった人物、快楽のための殺しではなかった。苦しんだ魂をさらに苦しめるためでもない。すべては遊びだった」とアントニアは回想します。
サンドラは「パパ、私は生きてる。死んでないの。戻ってきたわ」と鏡の前で何度も練習をします。サンドラは誰かにファハルドの写真を渡されています。
「元警官、能無し。でしょ、アントニア。預言者は大いなる力によって語り、来たる者を告げる」とアントニアに話しかけるサンドラ。「あなた一人じゃ無理。背後に誰かがいる。私達は彼の操り人形…」とつぶやくアントニア。「彼って?」と問うジョンに、「ミスター・ホワイトよ」とアントニアは返します。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

面白かったー!!たしかに、最後サンドラが自分で仕掛けた罠に引っかかるのはあまりにも単純な終わり方だなと思ったんです。まさかミスター・ホワイトの話につながる伏線だったとは。そもそも、ミスター・ホワイト=サンドラなのでは?という気も…。
結局ファハルドは、サンドラ、ひいてはミスター・ホワイトにゲームの駒として遊ばれ、殺されたってことですよね。テレサの息子も…。そう考えると、アントニアも言っていましたが、ミスター・ホワイトは「悪を超えている」…。彼にとってはこの世の何もかもがゲームでしかないんでしょうね…。卑劣な奴だ、と怒りが湧き上がります。

小錦あや
小錦あや

タイトルが「レッド・クイーン」にも関わらず、レッド・クイーンだからこその捜査上の特権だとかは特にないのが残念でしたね。普通に、賢い刑事と問題児刑事のコンビの話でよかったのでは?それに、レッド・クイーンになるために無理をさせられたせいでアントニアは幻覚を見るようになりますが、その設定も必要だったか…?と思ったり。息子と離れ離れになっているという状態を作るために必要だったのかな。凸凹コンビのサスペンス話は古今東西に数多くありますが、本作もそのうちの一つという印象でした。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

躍動感ある画作りも、俳優さんたちの演技も良くて、引き込まれました。ただ、ジョンがバスク人かつゲイというマイノリティである設定をもっと活かしきれていれば…と少し残念な印象です。YA小説が原作なので、あまりに複雑な人間関係や生々しい差別描写は控えられたのかな。ジョンがGridrで過去にマッチした男性を協力者にする展開は面白かったです。当然のように(特別な人ではなく)クィアな人物が描かれているという点においては、本作はとても良い作品だったと言えるのではないでしょうか。

今回3人が見た「レッド・クイーン」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:レッド・クイーン シーズン1を観る | Prime Video

 

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