元ハルヒラ先生「遊び猫のらりくらり」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
住所不定無職の多良木雪は、画材屋の主である倉岳信一郎のもとへ気まぐれに姿を見せてはフラリと去っていく自由人。
自分以外の男にも抱かれ、養われているらしい雪のことを信一郎は実はよく知らない。
別の男に誘われては出て行き、戻ってくると「抱いてくれ」とねだる雪をいつでも軽くあしらう信一郎だったが、その本当のココロは…?
こんな人におすすめ
- マイペースな自由人受けが好き❤️
- 「秘密」にドキドキする😳
- 苦労性でお人好しな攻めが好き😚
ネタバレ感想
①信一郎のために食堂を開きたいと夢を抱く雪が健気
住所不定無職でゆきずりの男と体を重ねてばかりの雪(受け)は、かつて体を重ねたことがある倉岳画材堂の店主・信一郎(攻め)に片想いしていました。
信一郎に怒られたり呆れられたりするばかりの雪ですが、唯一、手料理だけは褒めてもらえます。
なんの目的も持たずに生きてきた根無草の雪ですが、信一郎に褒められてからは「食堂を開く」ことが夢になります。
信一郎においしいものを食べさせてあげたい。その一心で無邪気に夢を追う雪は、まるで親に褒められたい雛のようで、いたいけでかわいらしいです。
②雪への恋心に苦しむ信一郎がかわいい
雪に片想いされていることを知らない慎一郎は、雪への劣情を感じつつも、彼がふらふらといろんな男から男へと渡り歩くのが気に入りません。
時折自分の元に帰ってくるものの、次はまたいついなくなるかわからない。挙げ句の果てには客である画家の男を誘いこんで寝ようとしていたり(これは信一郎の誤解で、画家の方から雪を襲っていたのですが)と、頭痛の種は尽きません。
雪のことなんか頭から締め出してしまいたい。そう思うのに、なぜか雪のことが心配で、頼られないとイライラしてしまいます。
それを恋心と自覚するまでは少し時間がかかるのですが、そんな不器用なところも信一郎らしいなあと愛おしくなります。
③愛を求める野ノ原先生が切ない
信一郎の画材屋の顧客と知り合いである、有名画家の野ノ原先生。男色で有名な彼は、大層なお金持ちです。画廊で見つけた雪に一目惚れし、食堂を開くお金をあげるからうちにおいでと雪を誘います。
しかし雪と床を共にすればするほど、野ノ原先生は雪に溺れていきます。雪のいない生活には耐えられないから、お金を渡したら雪が逃げるからと、雪の道場を誘って家に縛り付けます。
我慢できなくなった雪が「愛が欲しい」と言うと、拙く「愛してるよ」と縋る野ノ原先生。雪は苦笑しますが、私は笑うことができませんでした。
社会で名声を、大金を手に入れても、あの人は男色だからと色眼鏡で遠巻きに見られていた孤独な老人。やっと見つけた自分の天使(雪)には、金さえもらえればあとは用済みとばかりに冷たくあしらわれ、何に縋ったら良いのか分からない…。
野ノ原先生は、心の隅では本当に雪を愛していたのではないかなと思います。だからこそ、雪が少しの情も野ノ原先生に見せなかったことが哀しいですね。
まとめ
リアルな恋って「今恋した!」と気づく瞬間ってほとんどないように思います。そういう意味では、本作はとてもリアル。日常の中にじわじわとその人が入り込んできて、いつの間にか自分の心の中でどんどん大きな部分を占めてきて、「好き」になっていた…そして、いつしかその人のために何かをしたいと思うようになっていた…という感じです。
大きな事件が起こるわけではありませんが、ゆっくりと両片思いの二人が心を近づけていくさまが愛おしくて、時間がゆっくり流れていくのを感じます。
「恋する時間」を堪能したいあなたにおすすめの一冊です📚✨