人懐っこい溺愛執着整体師×限界社畜のズタボロ広告マンーー巧みな話術と施術でカラダの奥まで解される、陥落トラップラブ!昼寝シアン先生「ヒーリングパラドックス」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
日々残業漬けで疲労困憊、限界社畜の広告マン・黒岩直斗は同僚に勧められ、スゴ腕と絶賛される岸辺整骨ラボへ行くことに。
同い年だというモデル顔負けのイケメン院長・岸辺一舞の人懐っこくて積極的すぎる性格に圧倒されるも、施術を受けるとまさに異議なし天国!!
「とろっとろに…気持ちよくして差し上げますんで」
こんな人におすすめ
- 濡れ場はエロければエロいほど最高🔞
- 犯罪者寸前の執着を見せる攻めにゾクゾクする💕
- 肉体美に酔いしれたい💪
本作をもっとよく知るための小ネタ
①――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
二人の目線や体、表情、セリフからじわじわ感や気持ち良さが出せたらいいなと思いながら描きました。どこか少しでも感じていただけたら嬉しいです。
引用:昼寝シアン先生インタビュー 2021/03/14 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
②――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
今まで漫画を描いた経験があまりなく、オリジナルの漫画はほぼ初めてに等しかったので、連載という形に慣れるまでかなり時間がかかった気がします。スケジュール管理は今も苦手で、いっぱいご迷惑をおかけしてます… 日々精進あるのみ…。
引用:昼寝シアン先生インタビュー 2021/03/14 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
③――今作にまつわる裏話はありますか?
岸辺先生は独立の資金稼ぎのために一時期ホストを兼業でやってました。元から黒岩くん以外の人間には興味がないので割と冷めてる性格ですが、接客や振る舞いもその時期学びました。これはどこかで触れたかったですね…
あと黒岩くんの彼女は高校~今に至るまで4人ほどいて、その中の一人とは短い期間ですが同棲もしてました。もちろんそれも岸辺先生はぜ~んぶ把握してます。黒岩くんのマンションの近くに車で何度か行ってるので… ボツにしたネタもめちゃめちゃあるのでいつの間にか長文になりましたすいません…。
引用:昼寝シアン先生インタビュー 2021/03/14 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
ネタバレ感想
ヒーリングパラドックス
限界広告マン・黒岩直斗は、甲子園常連校である竹星高校出身という過去の栄光を持ち出されることにうんざりしていました。そんな中、過労で倒れそうな直斗を案じて、同僚が有名な整骨院を紹介してくれます。整骨院の院長・岸辺一舞はなぜか初対面から黒岩を特別扱いしてくれ…?
快楽に弱すぎる直斗がとにかくエロすぎる!一舞にアナルを開発されても自己責任と考えてしまう、そのなんでも背負い込んでしまうところは、悪い奴につけ込まれそうで不安になりつつも、でもそのたびに一舞が癒してくれるならいいか…?と快楽に溶かされた脳でそんなことを考えたり😂
メディアでも引っ張りだこ、成功したイケメン整骨院院長として直斗の前に再度現れた一舞に「なんで今現れるんだよ俺は何にもなれてないのに。これじゃ俺、惨めすぎるだろうが」と素直に吐露する直斗に胸キュン。
たしかに、直斗にとっては、昔は一舞にとってのヒーローであることができたし、野球部のエースとして自信満々だったはず。でも今は一介の社畜でしかなくて。それは直斗にとっては、まるで王座から転げ落ちた王様みたいな、すごく恥ずかしい姿を見られているような感覚なのだと思います。
でも、その「恥ずかしい」という思いをちゃんと伝えられているところが偉いと思うのです。直斗は昔から一舞の前でだけは弱いところを見せられていたけれど、大人になってからもその関係性は同じままなんだなと嬉しくなります。
それに対して、一舞が「昔から直人がやってることならそれがなんでもすごく特別なものに思えて。だから俺は手伝いたいし、力になりたいんだ」「俺が直人を癒して、直人がまた頑張れるなら、俺はそれだけで生きていける」と言うのにもグッと来ました。
直斗の社会的地位とか収入とか外見とか、一舞にとってはそんなものはどうでもよくて、ただ、直斗が何かに一生懸命になっている、その手伝いができたらそれで一舞は幸せなんですよね。その思いは昔からずーっと変わってなくて。
一舞は昔に比べて何もかも変わったように見えるけれど、直斗への一途な想いと愛は全然変わっていないんだと嬉しくなりました。
20年のうちに二人の立ち位置は昔とは全く変わってしまったけれど、全然変わらないものもある。それがお互いを思い合う心や距離感なのが、素朴に「いいなあ」と思わされるのでした。
そしてなんといっても、本作の見どころは濡れ場の多さ!体感、全体の7割くらいエッチしているような。直斗のことは大事にしたいのに、いざセックスとなると割と乱暴な言葉責めをしてしまう一舞。直斗が好きすぎるあまり、彼を頭からバリバリ食べてしまいたい…と思っていそうな、そんな激しすぎる執着と猟奇性を感じます。ゾクゾクします!
また、濡れ場で特に見てほしいのが、二人の肉体美!本作がデビュー作とは思えないほどの、完成されたデッサン力に感嘆のため息が漏れます。ただただ、美しい。
BL漫画は絵の美しさで選ぶ!画力の高さで選ぶ!という方に、ぜひともお勧めしたいです。
テイスティングパラドックス
一舞に連れられ、高級和食店に外食することが多くなった直斗のお話です。
一舞の「薄味はコンディションに響かない 五感が邪魔されない」「五感が鈍くなるとあらゆるものがちゃんと味わえないから俺にはこれが一番重要」というコメントを聞いて、最初は整体師って人の体の繊細な不調を見抜かないといけないから仕事柄…ってことなのかな?と思っていたのですが、えっちな意味やったんかい!!(大歓喜)
一舞にめちゃくちゃに愛されながら、「味わうってそういうこと…」と夢現に思う直斗がえっちすぎて生唾を飲み込んでしまいました。
電子おまけ漫画
撮影現場の楽屋で、嫉妬に駆られて直斗を抱こうとする一舞のお話です。
一舞の「最近俺とセックス頑張ってるせいかお尻すげえぷっくりしてきたんだよね」発言は、まーーーじでえっちすぎますね。お尻がぷっくりしてきた…?セックスしすぎで…?快楽を受け止める際に痙攣するから、お尻の筋トレみたいになってるってこと…?とニヤけながらめちゃめちゃ妄想しました。
さらに、一舞の楽屋ということで同僚がいつ入ってくるか分からないスリリングな状況だからこそ、直斗が「頭空っぽになるぐらいめちゃくちゃにされたい」という葛藤と必死で戦いながら顔は快楽にとろけてるのがまた…くーっ!!今すぐ抱かれてくれ!!の気持ちと、家に帰るまで我慢して快楽爆発のセックスしてくれ!!の気持ちがせめぎ合って心がぐちゃぐちゃになりました😂
ヒーリングパラドックス deeper 上
一舞に尽くされる日々を送る直斗は、一舞の自分への愛の重さに引け目を感じ、二人の関係を「恋愛」と呼ぶことができずにいました。そんな中、映像監督の横田が直斗に好意を感じているのを察知した一舞は、嫉妬を剥き出しにして直斗を抱き…。
前巻からの大きな変化を挙げるとすれば、一舞の重い愛に対して自分の愛は平等ではないと引け目を感じていた直斗が、一舞の偏愛を自然と受け入れられるようになったことかな。
一舞の変化として印象に残った点で言えば、前巻では比較的「ありのままの直斗を愛する」「直斗をサポートすることが自分の幸せ」であると一舞は意識していたように感じていましたが、「deeper」になってからは顕著に、彼の体を自分好みに変えることに快感を感じたり、「ここまで早く落ちてきてよ」と舌なめずりをしていて、それは結局、一舞は自分が直斗に対するのと同じくらい、直斗にも自分を愛してほしいという思いの表れなのかなと感じました。普通の愛では満たされないのは、両親に穏やかな無償の愛で包み込まれたことがないからなのか…征服する・されるような愛でしか一舞は愛を感じられないのかなというどこか物寂しさも感じます。
一舞は本巻で「本当は直斗を誰にも会わせないように部屋に閉じ込めて管理したい」と打ち明けており、直斗はそれに対しても大して動じることなく適応を見せているので、破れ鍋に綴じ蓋カップルで問題ないのかな…。とはいえ、監禁したらしたで直斗が壊れるまで一舞は愛し抜きそうで怖いです。
直斗が直斗であることや彼の幸せのためには、ある程度社会と繋がっていることが必要だと私は思うけれど、一舞はどう考えているのでしょうね…。直斗を監禁しないでいるのには、何か別の理由があるのかな…。
らくがき漫画「もしも」再録
セックス中に「穴」を連呼する一舞に関するお話。
本編でも「この穴(アナル)を俺と一緒にいるために性器に変えてくれたでしょ?もう愛だよね…」とうっとりしていた一舞ですが、「穴がなかったら開ける」と本気で言っていたのが怖かったです。自分の快楽のためなら、直斗を無理やり肉体改造させるってこと…?
一舞は結局直斗の肉体をあまり尊重していないというか、ひいてはその肉体を持つ直斗のことも、人間として見ていないんじゃないかという気持ちになりました。都合のいいお人形感覚というか…。
それってつまり、直斗を「愛している」のではなく「愛玩している」だけなのでは?と思えてきました。一舞が直人を人間として愛しているのかどうかは、「deeper 下」で明らかになるのかもしれません。
電子おまけ漫画 ep.0
過去、友人に「長い間好きな人がいる」と話す一舞のお話です。
「いずれ一緒になったらそれからは色々奪うことになるだろうから今のうちにやることやっといてほしいかな」と言う一舞。
前巻では「直斗を支えたい」的なことを言ってたのに、それは「奪う」ことへの贖罪・対価として、「支える」ことを提供するってことだったんでしょうか。
本巻では結局直斗を監禁したいとも言っていたけれど、じゃあ一舞は「直斗へのケア」を差し出せば、自分が何をしてもいいと思ってるってことなのかな。
一舞の考えていることがいまいち掴めません。
ヒーリングパラドックス deeper 下
一舞との付き合いが長く深くなっていくほど、彼好みの心と体に調教されていく直斗。ある日、横田に一舞につけられたひどい噛み跡を見られて心配されますが…。
前巻で、一舞は最終的に直斗を愛玩したいだけなのではないか?直斗を人間として愛したいのではないのではないか?と不安を吐露しましたが、本巻でそうではないと分かってかなり安心しました。
一舞の「直斗に大事なものは俺にも大事」「直斗が頑張って積み上げてきたものを俺が壊すわけにはいかないでしょ」はまさに自分が危惧していた点をフォローしてくれるものでした。
また、本巻では特に直斗の変化が著しかったですね。
「これしかないと思ったもの(野球選手になる夢)でさえあっけなく終わるもんだから、気づいたら常に選択肢を残す大人になってた。そうすれば熱くならずに済む。だから、こんなのは知らない。こんなカッコつけなくて、隠さなくて、ましてや後戻りもできないような、素直にさせられる関係」と、一舞の重い愛に自分の想いが釣り合っていないから恋愛とは言えないと逃げていた自分を反省し、「こんな自分のために生きてきたような男を拒む術があるなら俺が知りたい」と一舞のことを全面的に受け入れることに決めたのだと決意をします。
さらに、「一度盛大に(夢を)諦めたから、挽回したい。この無力感を振り払えないでいる。だからあえて(過去を)覗かないようにしていた」と、一舞との過去を振り返らないようにしていた自分を見つめ直します。
「あの頃は大事なものを増やしていくことが楽しくて見えてなかった。一つ一つ削られて、失くして、大人になってやっとお前の気持ちがわかるよ」と一舞に心の中で呼びかけるのですが、これは、直斗が目標にひた走るのに伴走し続けてくれていた一舞に目を向けなかった過去の自分への後悔・目標しか見えていなかったことへの反省、そして、今もまた同じように伴走しようとしてくれている一舞に、今こそ目を向けて感謝しなければならない(そんな存在はとても貴重で大切である)のだと気付いたのだと思います。
また、直斗は肉体的にもかなり一舞に調教されきっていて、自分のハメ撮り動画を見ながらオナニーしたり、一舞が自分のシャツでオナニーしているのを見て嬉ションしたり、一舞の勃起ちんこを見て鼻血を噴いたり、「お前がくれるのはなんでもいいから噛め」と自らキスマークをねだったり…と、1巻からは考えられないほどの変化を見せています。えっちだね…。
実は、直斗が一舞と同じだけの熱量で愛し返すのは無理じゃないかとずっと感じていましたが、本巻で直斗が一気に一舞と同じ熱力まで上がって来たのは予想外でした。それも、こつこつと一舞が直斗に「気づき」の種を植えていたからだとは思いますが、それでも、直斗が一舞の(やや歪な)愛情を素直に受け取り、思い出すのが苦痛だった自分の過去にも目を向けながら一舞の直斗への想いの根底を感じようと努力している姿は、とても健気で、ひたむきで、愛に溢れているなあと嬉しい気持ちになりました。
描き下ろし「そして…」
横田と懇意にしている深澤監督に、自分と一舞の関係をカミングアウトした直斗。一舞からの一途な想いを再確認して照れる直斗でしたが…。
深澤監督に「片想いなんですかね。長く想いすぎて日課になってしまいました」と語る一舞はめちゃめちゃ一途でかわいくて、直斗だけじゃなく私たちまで胸キュンしてしまいます。
ただ、その一方で横田を何かの動画で脅し、直斗の力になってくれるように頼む一舞の瞳の暗さは底知れず怖いものがありました。
一舞は直斗を邪な目で見ていた横田になんらかの制裁を下したいという思いと、これからも直斗の力になってほしいという思いとの間でこのように横田を脅すという結論に至ったのだとは思いますが、結果的にこの一件で横田には一舞を恐れながらも恨む気持ちが芽生えてしまったことを考えると、将来なんらかの形で直斗に報復したりしてしまうんじゃなかろうかと不安になってしまいました。
最後の「一緒の骨壷に入ろう?」は究極のプロポーズすぎて、「いろいろすっ飛ばしすぎ!」と笑ってしまいました。
再録「異常が日常」
「直斗に似てるから」と一舞からぬいぐるみを買い与えられた直斗でしたが…。
ぬいぐるみを買う一舞を見た時は、「かわいい💕」なんて思っていた私でしたが、その後の展開で爆笑してしまいました😂
まさかぬいぐるみに見せつけながらエッチをさせ、それを家に持って帰らせ、ぬいぐるみを見るたびに自分とのエッチを思い出して呼びつけてくれるように計画していたなんて😂
しかもラストが「ぬいぐるみと一緒だね」と精液まみれのぬいぐるみと同じ格好を直斗にさせるという…うーん、なかなか倒錯的。しかもその光景を撮影してましたしね。
性に積極的な印象の一舞ですが、寝取り・寝取られはどうも地雷の様子。直斗を誰かとシェアするのは好みじゃないみたいですね。
電子おまけ漫画
会社で野球チームを作ることになり、家で試着をする直斗でしたが…。
「それは聖域だから」とユニフォームを脱いでからエッチしようと誘う一舞の律義さが面白かったです😂
一舞が聖域と感じる気持ちは分からなくはないのですが、あれだけ直斗の体に好き放題してたのに、ユニフォーム一枚でそんな!?とちょっと意外でした。
まとめ
限界社畜の黒岩直斗は、あまりの疲労困憊ぶりを心配した同僚にすすめられて、近所の有名な整骨院に行くことに。
敏腕イケメン院長・岸辺一舞の施術を受けることになった直斗ですが、一舞はやけに馴れ馴れしく接してきて…。
最初は、一目惚れした逆に卑猥なことをするど変態整体師攻めの話かと思っていたのですが、読んでいくうちに二人の関係はもっと昔に深く遡ることに気づきます。
そして、注目すべきは直斗に一直線な一舞の変態性だけでなく、むしろ平凡な会社員に見える直斗にこそ、パンドラの箱のような感情が眠っているのだと気付いていきます。
極上ドスケベな濡れ場の連続に度肝を抜かれるも、同じくらい丁寧に描かれる心理描写に感嘆のため息が漏れます。
ストーリーも絵も重視したい!でもベテラン作家さんではなく、新進気鋭の才能を発掘したい!というあなたにこそ、本シリーズをおすすめしたいです😉💕