絵津鼓先生「SUPER NATURAL」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
美容専門学生の暢(のぶる)と大地は、寮もクラスもグループも一緒の仲良し同士。
しかし、とあることをきっかけに暢は大地のことを友達以上に意識し始めてしまう…素直になれず大地にいじわるばかりしてしまう暢と、そんな暢の本心が分からず不安になる大地。
ギクシャクした関係から二人の気持ちは少しずつすれ違っていき…。
こんな人におすすめ
- 淡々とした日常の中でふと生まれる恋を感じたい🫶
- おしゃれな絵柄の漫画が好き🎨
- 繊細な心理描写のある作品が好き💓
ネタバレ感想
SUPER NATURAL
不真面目な暢(攻め)は頑張り屋の大地(受け)を意識するあまり、不機嫌だったり過保護だったりと極端な態度をとるようになります。
そんなある日、大地が過労で発熱。暢は大地の弱った姿を見て、「2年次に1年次よりも成績が下がった時に泣いた大地を見て、頑張って報われなかったらこいつはボロボロになってしまうって怖くて、頑張るなって情緒不安定になって怒ってしまった」と自分の態度を謝ります。
そして2人は時々勘違いしたりすれ違ったりして「やっぱり別れた方が」なんて言い出したりしつつも、話し合って仲直りして、そして2人で東京にて就職&同棲生活を始めるのでした。
そして次巻の「SUPER NATURAL/JAM」では、東京で同棲し始めた2人の日々が描かれます!楽しみ!!
SUPER NATURAL/JAM
暢と大地は付き合って四年目。
大地は「ゲイっぽい」とお客さんに言われることに傷ついたり、暢がただの心配でマフラーをかけてくれたりすることが全て「自分が女役で女々しいから」なのではないかと悩みます。
暢はバイセクシャルなので、同僚の可愛い女の子に迫られていそうなのも不安に拍車をかけ、それならもう別れた方が良いのではないかと2人は考え始めます。
そこで暢は大地を散歩に連れ出し、大地が自分の中でどれほど大切な存在なのかを伝え、大地らしく生きてほしいと自分の願いを伝えます。そこで吹っ切れた大地は、どうかもう一度自分と付き合い直してほしいと頼み、誰にどう見られるかではなくどう生きたいかを考えようと職場などへのカミングアウトを決意するのでした。
「SUPER NATURAL/JAM」は、生真面目な大地が自分たちの関係を社会の中でどう表現していくかを悩むお話でした。暢も大地もバイセクシャルだからこそ悩み、過敏になり、傷つきました。
けれど苦しんだ先で、大地は「生きたい自分」を見つけることができ、暢も「大地と一緒にいたい理想の自分」を見つけることができました。苦しみは決して無駄ではなく、2人が愛を深めるために必要な試練だったのです😢
まとめ
絵津鼓先生作品の醍醐味は、なんといっても「おしゃれな空気感」「ずばりと心に切り込むキャラクターたちのセリフ」「丹念な下調べに裏打ちされたリアリティあふれる世界観」です。
「SUPER NATURAL」シリーズはもともと美容学生同士のお話なので、学生が普段どんな生活スタイルなのか、どんなことに悩んでいるのかも赤裸々に描かれます。それがものすごくリアル!
さらに、人間関係の些細なこじれから大きなひび割れに発展してしまうところや個々のキャラクターが立っているところもこれまたリアル。
そんなリアルな世界の中で、物語はとてもおしゃれでどこか哲学的に進んでいきます。好きって何?バイ?ノンケ?の言葉をどこまで信じたらいい?人を頼るって、信じるってどうしたらいい?と、多くの人が恋や人生で悩むことに主人公たちは直面して、苦しみます。
その姿がまた切実で生々しくて、涙を誘われるのです。
暢と大地が恋に仕事に人生に一生懸命に生きる姿に、私たちはハラハラドキドキの後、ホッとさせられ、とてつもなく嬉しくなります❤️
人生で大切なものは何だろう?と立ち止まって考えたい時、身近な人に不満を感じた時、ふと読み返していろいろ考えたくなる、優しい人生指南BLコミックです。