熊猫「バニラ・ショコラ・シガレット」シリーズのネタバレ感想|内向的な会社員が、さまざまな愛の形に触れて変わっていく物語

コミック

熊猫先生「バニラ・ショコラ・シガレット」シリーズを読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


心強い先輩×内向的な営業マン のお話。

<あらすじ>
転勤で新しい街へとやって来た椿は、アパートの隣人が豊橋と高槻というゲイカップルだと知る。
困惑を告げた職場の先輩・我妻には偏見をやんわり諭され、椿は考え込んでしまう。
仲睦まじい隣人カップルにふれ、掴みどろこのない我妻に翻弄される賑やかであたりまえの毎日に、かたまったこころが少しずつほどけて恋を知る。

 

こんな人におすすめ

  • 熊猫先生の、ほっこりあったかい絵に癒されたい🎨♥️
  • 無邪気なゲイフォビアが、偏見を変えていくさまを見たい👀✨️
  • 飯テロされたい🍚🥢

 

ネタバレ感想

バニラ・ショコラ・シガレット

人事異動で引っ越したばかりの営業マン・椿遼爾(26)は、お隣さんがゲイカップルであることを知り、これからの生活に不安を感じます。椿は同性愛者に偏見があり、どう付き合ったらいいのか分からないのです。

そんな中で引継ぎ担当の先輩・我妻から「俺の周りにもゲイはいるけど普通だよ」と言われ、偏見を持つのはいけないとお隣さんである豊橋・高槻カップルと交流しはじめます。
仲睦まじい二人を見ているうちに、「同性愛っていいなあ」と羨ましく思うようになる椿。
寂しいと言う椿に、我妻は自分が実はゲイであることを打ち明け、冗談と言いつつもキスを仕掛けたりして…。

高槻をよく知ろうと椿は彼の著書を読むのですが、その中で「付き合って人の真似をしてタバコを吸っていたら、別れる頃にはすっかり自分がタバコ中毒になっていた」という一節があり、それを引用して「僕も煙草を吸おうかな」と喫煙者の我妻(彼も元彼がタバコを吸っていたので吸い始めた)に椿が告白するシーンはエモかったですね。

我妻はゲイという設定ですが、オープンリーゲイに対して「その方が恋人を大切にしている」と偏見を持っていたりするので、必ずしも我妻の言動が全て正しいというわけではないのですが、椿にとっては我妻は偏見で閉じていた目を開かせてくれた恩人のようです。
たまたまお隣さんのゲイカップルが仲良しなだけで、これまでゲイに偏見を持っていた人がゲイに恋をするかな…幸せ=ゲイカップルと椿が考えるのは短絡的では?という意見もありますが、椿は椿なりに幸せな恋愛をしたいとずっと願ってきたので、ようやく我妻と幸せな恋ができるなら良いのかなと思います。

バニラ・ショコラ・シガレット
作者:熊猫
転勤で新しい街へとやって来た椿は、アパートの隣人が豊橋と高槻というゲイカップルだと知る。困惑を告げた職場の先輩・我妻には偏見をやんわり諭され、椿は考え込んでしまう。仲睦まじい隣人カップルにふれ、掴みどろこのない我妻に翻弄される賑やかであたりまえの毎日に、かたまったこころが少しずつほどけて恋を知る。

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ビター・シガー

「性別に関係なく、好きなものは好きだと言いたい」と中性的な服装やインテリアを愛する高槻。そんな高槻に好意を抱く豊橋。

もともとは空腹で行き倒れていた高槻を、豊橋が手料理を振る舞って助けてあげたことがきっかけで知り合った二人(もともとお隣さんではあった)。

週末ごはん会と称して週に一度、一緒に豊橋の手料理を食べるようになる(高槻は家事全般が不得意)のですが、ある日夜勤から帰った豊橋が寝起き姿のままゴミ出しに現れた高槻に挨拶すると、高槻はなぜか無言で部屋に逆戻り。さらにそれから数週間も豊橋を避け続け…ようやく豊橋は高槻を捕まえて理由を聞くのですが、これがもう猛烈にかわいい。

「バニラ・ショコラ・シガレット」でも豊橋が椿に惚れたきっかけとして挙げていましたが、高槻は寝起きのヒゲ面を見られたのが恥ずかしかったからだと白状し、そんなことかとほっとする豊橋の前で「豊橋の前では一番かわいい自分でいたいやんか」と泣くのです。これは豊橋じゃなくても恋に落ちちゃうよ…。

その後も、豊橋は高槻がどんな外見になろうと、「高槻はちゃんとかわいいよ」と伝えます。高槻は豊橋の優しい言葉を通して、かわいいものが好きで、かわいいものに囲まれていたい自分をより肯定していけるようになるのでした。

どんな人間も、少なくともなにか一つは「好き」と思うものがあると思います。それをみんなにはっきり伝えたい。好きだと言うことで眉を顰められたり、陰口を言われたり、怒られたりしたくない。誰かを傷つけることではない限り、好きなことを好きだとお互いに言い合える世の中であってほしい。そんな「好き」への熱い思いが溢れる一冊。
ぜひなにかを「好き」だと思う全ての人に読んでほしい作品です。

ビター・シガー
作者:熊猫
仕事と家の往復だけが日常だった豊橋弥(とよはしわたる)26歳は、ある夜隣室の住人の高槻(たかつき)が半泣きでうずくまっているのを発見する…しかしなんと原因は空腹。在宅仕事で集中すると食事も忘れてしまうのだという高槻を見かねた豊橋はちょうど作りかけだった夕食をふるまうことに。簡単な手料理に大喜びの高槻に「毎日でも食べたい!」と言われ、週末ごとのごはん会を約束し、2匹の猫とふたりで囲むちいさな食卓は、豊橋の毎日を少しずつかえてゆく―。

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まとめ

「バニラ・ショコラ・シガレット」の主役カプは我妻×椿なのですが、続編「ビター・シガー」の主役カプである豊橋×高槻がかなり出張っています。逆に「ビター・シガー」には我妻と椿はほとんど出てきません。

「バニラ・ショコラ・シガレット」で豊橋と高槻の喧嘩しつつものイチャイチャライフが描かれていたので、「ビター・シガー」で描くことはあるのだろうか…と勝手に心配していたのですが、「ビター・シガー」では、二人の出会いからお付き合いに至るまでを丁寧に描いていました。逆に「ビター・シガー」を読んでから「バニラ・ショコラ・シガレット」を読んだ方が、豊橋と高槻のその後を順を追って知られるので良いかもしれません。

「ビター・シガー」の最後で、椿が勇気を振り絞って高槻に「会わせたい人がいる」と我妻を紹介しようとしていたので、近い未来に4人でダブルデートすることもあるかもしれませんね。

何の変哲もない平凡な下町で繰り広げられる、男と男の小さなラブストーリー。仕事をして、食べて、悩んで。それぞれが一度きりの人生を懸命に生きている姿に、胸を熱くさせられます。
大人の男たちの恋愛譚を読みたい方におすすめのシリーズです。