「アマプラ同時上映会」第95弾!
当サイトの運営者3人が、Amazonプライムビデオでアニメやドラマ・映画を同時視聴する企画です🎬✨
現代アメリカの家族のダイナミズムを提示した名作、「フランクおじさん」。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
引用:Amazon.co.jp:フランクおじさんを観る | Prime Video
ゲイであることを理由に父に疎まれ続けた伯父 のお話。
<あらすじ>
1973年、アメリカ南部の田舎町で育った18歳のベスは、叔父フランクが教鞭をとるニューヨークの大学へ進学する。
他の親族とは違って思慮深く都会的なフランクを、ベスは心から尊敬していた。
ある日、ベスはフランクが故郷でずっと隠し続けてきた思わぬ真実を知る。
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予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- 同性愛差別に関する映画が見たい📽
- (海外の)田舎特有の閉鎖的な空気感にモヤッとしたい🌳
- ゲイフォビアとゲイの戦いを見つめたい⚔
ネタバレ感想
1969年夏のクリークビル、弟のブレットとメイレイ、そして主人公のベティが帰宅すると、姉のジャニスが「ゴッドファーザー」のベッドシーンを友達と読んでくすくす笑い合っていました。姉とその友達がベティを「あんたには早い」と馬鹿にしたのでベティはベッドシーンを朗読してみせますが、2人はなんて変わり者だと薄気味悪そうに見ます。
伯母は手の骨にヒビが入ったらしく、料理するのが大変だとキッチンで喚きます。父と祖父は癇癪が酷く、騒がしい息子たちを殴るぞと脅し外に出します。
そんな中、ベティは穏やかなフランク伯父さんが大好きでした。大学教授でニューヨークに赴任しており、清潔感があり、決してベティをいないもののように扱ったりしませんでした。
祖父はフランクに酷く冷たい態度をとり、皆の前で罵倒しますが誰もそれに触れません。ベティが男尊女卑思想の強い父への不満を漏らすと、共通試験で良い成績をとれば奨学金を取れるから自分の人生は自分で選び取りなさいとフランクは言い、従姉妹のバカなマーシャ(とその彼氏マーク)のように望まぬ妊娠はするなと言い含めます。
そして、名前さえも自分の自由に変えていいんだと言い、ベティは常々自分の名前は古臭くて嫌いだと思っていたので「ベス」と自称し始めます。
1973年、18歳になったベスはニューヨーク大学へ進学しました。フランクはベスの進学をルームメイトと共に祝ってくれましたが、そこで5年近く付き合っているシャーロットとの関係を隠していたと打ち明けます。
ブルースという田舎町ビスマーク出身の男子学生と学食で仲良くなるベス。准教授である伯父の授業を取るつもりだという彼は自分を紹介してくれと頼みます。
フランク宅でパーティーが開かれると聞いたブルースは、ベスに連れていってくれと懇願。アポなしで訪問すると、そこにはウォーリーという髭面の男が。ウォーリーは自分をただのルームメイトだと言います。乱交パーティーのような様に慄くベス。
非常階段でバーナードと大学の悪口を言いながらマリファナを吸っていたフランクに近づくブルース。ブルースは「ベスは僕をボーイフレンドだと思ってるけど、今後も彼女を抱くことはない。僕のフェラは詩のようだよ」とフランクを誘いますが、フランクは出て行けと素っ気ない態度です。
ブルースは伯父が大麻をやってブチ切れたと言い逃げ出します。酒を飲みすぎたベスは激しく嘔吐。フランクは自分とウォーリーがゲイで10年以上も同棲していたこと、彼の誘惑を断ったから自分はブチ切れたことを明らかにします。
予想外のタイミングでカミングアウトすることになりましたが、フランクとウォーリーは幸せそのものです。
翌朝、ベスはフランクとうまく話せません。フランクはベスに家族には黙っていてくれと頼みます。サウジアラビア人のウォーリーは宗教上ゲイであることを明かせません。家族にはシャーロットが妻だと言っているようです。しかしウォーリーはフランクにカミングアウトしてほしいようで、フランクはウォーリーが家族にカミングアウトするならしてもいいとうんざりした様子です。
その時、突然祖父が心臓発作で死去したという電話がフランクにかかってきます。ウォーリーは故郷に帰って母と向き合えと唆し、「自分も葬儀に参列したい」と言いますがウォーリーは決して首を縦に振らず、フランクはベスを連れて車で故郷へ向かいます。
車中ではベスがフランクにウォーリーとの出会いを尋ねます。航空整備士の彼と出会ったのは地下鉄で、ウォーリーがロレンスの「知恵の七柱」を読んでいたフランクにアラビア出身だと声をかけたのが始まりだそう。
ブルースはクソ男だと軽口を叩く2人。食事をとりながら、ベスはフランクにゲイの自覚はいつ芽生えたのか、初体験はとズバズバと尋ねます。16歳の時に学校の友人と経験した、思春期には自分が他人と違うと自覚していたと淡々と話すフランク。彼の脳裏に友人サムと林を駆けた記憶が蘇ります。
ところが、ウォーリーが「カミソリを忘れたろ」とふざけてこっそり後を付けてきたため、同行を認めざるを得なくなりました。ウォーリーは「父親が死んだのだから辛いはず、僕が必要だろう」と譲りません。
ウォーリーの車に乗せてもらい、故郷に向かうベス。彼は世界と自分の間に壁を築いていると言うウォーリー。1人の車中で、フランクの脳裏にサムとのキスの記憶が蘇ります。
途中でフランクの車が故障し、部品を取り寄せるために早くて月曜日にしか修理できないと言われます。ウォーリーの車で故郷へ向かう3人。フランクは故郷に近づくほどナーバスになります。
故郷クリークビルのモーテルに着くと、フランクを見るなり宿屋の親父が「都会に逃げた奴か」と罵倒してきます。フランクは「俺の故郷は保守的な価値観が根を下ろしている。同性愛者だと分かったらどんな目に遭わされるか分かったものではない。だから、君にはモーテルに留まっていてほしい。」とウォーリーに言い含め、葬儀に出る準備をします。
フランクは葬儀に向かう前に酒の力を借り、何とか記憶を封じ込めました。「ウォーリーには黙っていて」と怯える伯父を不安げに見つめるベス。
帰宅すると、フランクは「夫はあなたを愛してた」と泣きじゃくる母を抱きしめます。遺体となった父の前に立つフランクの横に、彼の弟マイクが立ち「父は最高の親友だった」と笑います。いつも父から兄の様子を聞かれたのに連絡しなくて悪かったと抱きつかれます。
ウォーリーは電話ボックスで最愛の母に「会いたい」と電話していました。「奥さんに会わせて」と言う彼女にどうにか誤魔化します。
2人がモーテルに戻ると、フランクはウォーリーに「同じことを繰り返すのはうんざりだ」と説教されます。
翌日、祖父の葬儀が執り行われます。親父の「彼は息子に善悪を教えました」という祈りの言葉に静かな怒りと悲しみを覚えます。
フランクは思い出していました。恋人のサムと性行為に及んでいたとき、運悪く父親に見つかってしまい「ラスターの息子とまた会ったら2人とも殺す」「変態だ。火の池に身を投げ込まれるぞ」「お前は神に背くという大罪を犯した」などと罵倒されたのです。
サムは2人が初めてキスをした湖に身を投げ、溺死していました。
震えるフランクの手をベスが握り、勇気づけます。
ウォーリーはモーテルのフランクの部屋を漁り、酒を全て捨てていました。
葬儀後、各人が料理を持ち寄りパーティーが催されました。
従姉妹のマーシャは「これ以上ないくらい幸せ」とベティに言いながら妊娠中にも関わらず喫煙し、「トラビスは最高」とセフレの自慢をします。息子がなぜか自分の靴を履きたがると笑うマーシャに、ベティは複雑な表情を浮かべます。
葬儀の後、父親の遺言状が読み上げられましたが、そこにはとんでもない内容が書かれていました。
妻に不動産以外の全資産を、息子のマイケルと娘のニーバには25,000ドルずつを、姉のフローレンスには500ドルを、フランクには「汚らわしい倒錯的行為を男と行なったことへの嫌悪感 そして私の名を継がせた恥辱」を残すと言われます。フランクは震えながらほうぼうの体で車に乗り、家を後にします。
フランクは泣きながら車に乗り、サムと駆け抜けた林の奥深くに向かい酒を一気飲みします。そして思い出の湖に向かいます。
フランクの脳裏には、サムに父からかけられた言葉と同じ言葉を吐く自分の記憶がよみがえっていました。2度と話しかけないでくれと言う彼に、サムは何も言いませんでした。
そして、「僕はまともになれない変態だ 許してくれ」と遺書を残して死んだのです。
ベスは慌ててモーテルに向かいウォーリーに会い、2人は「酒に酔った彼はヤバい」と急いで湖に向かいます。
桟橋には服とメダイが置かれており、2人は彼が死んだのかと思います。
しかしモーテルに戻ると彼は酩酊しながら酒を探していました。ウォーリーに酒を捨てられたことが分かると、フランクは発狂します。「君は家族に愛されてる!このホモ野郎!」と激怒し彼を殴るフランク。
フランクはその足で父の墓に向かうと「正面から言えない臆病者め」と毒づき、花束を拝借するとサムの墓に供え、泣きながら「僕はなんてことを」「許してくれ」も墓石に縋り付きます。
ウォーリーは「僕に家族はいない」と泣く彼を「僕が家族だ。死ぬまで家族だ。それは君も僕も神様も分かってる」と抱きしめ、キスをします。ウォーリーに謝るフランク。
そこにベスが現れ「おばあちゃんが伯父さんを連れてくるようにって…」と言います。「みんなに会いたくない」と憔悴しきったフランクに、ベスは「どんな人間になるか決めるのは自分で他人じゃないと言ったのは嘘?あの言葉が私の人生を変えたのに、伯父さんは他人が認めないとダメなの?」と言い、泣きながら去っていきます。
ウォーリーはメダイつきのネックレスをフランクに返し、フランクは「僕のクソみたいな家族に会って行くか?」と言います。
フランクは家族のいる家に戻ります。マイクは「何も問題ない。兄さんが何だろうと僕は気にしない」と引き攣った顔で出迎えます。家族の多くが彼を歓迎しますが、ブッチ伯母は「あなたは地獄に落ちる」とはっきり言います。ボーは受け入れられないようです。
しかしフランクの母は「あなたは私の宝物」と言い、フランクは涙しながら彼女の膝に縋り付きます。母はフランクがゲイだと知っていたようです。
ウォーリーはフランクの母に会います。「お母さんと呼んで」と言われ、ウォーリーと2人きりになる母。
その後、ウォーリーも含め家族水入らずで話します。ベスはやっと「ここが自分の居場所だ」と思えるようになりました。
まとめ
ゲイの家族を受け入れられない人もきちんと描いていたのが好印象でした。保守的な親族との距離感なんて、すごくリアルだなと…。
最初は右も左も分からないが賢明な姪を救った伯父が逆に姪に救われるというストーリーは秀逸でした。素敵です。
最初は、フランクの父の葬儀になぜあれほどウォーリーが執拗に着いてこようとするのか分かりませんでした。しかしウォーリーはきっと嫌な予感を感じていたんですね。家族と折り合いが悪いフランクに、死んだ父親は何かしでかすのではないかと…。ウォーリーがいてくれて本当によかった。サムの墓石の前で泣くフランクの姿がずっと目の奥に残っています。辛い。
「同性愛者は地獄に堕ちる」なんて、そういうことを言う人はもし自分が同性愛者だったらと考えたことがないのでしょうね。しかしこういった人が世界に多くいるのも事実。人が人を好きなだけ、他人に迷惑などかけていないのにどうして口を挟みたがるのか理解できません。ホモフォビアこそ地獄に堕ちろと思います。
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