映画「チョコレートドーナツ」のネタバレ感想|世界一不幸で、世界一幸福な家族の物語

映画

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今回観るのは、「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作された「チョコレートドーナツ」

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ


ショウダンサーと検事のカップルと、ネグレクトされているダウン症の少年 のお話。

<あらすじ>
カリフォルニアで歌手になることを夢見ながら、ショウダンサーとして日銭を稼いでいるルディと、正義を信じ、世の中を変えようと弁護士になったポール、そして母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコは、家族のように寄り添って暮らしていた。
しかし、ルディとポールはゲイであるということで好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう。

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こんな人におすすめ

  • 同性愛者差別について再考したい
  • 感動で温かい涙を流したい
  • 子を愛する無償の親心を感じたい

 

 ネタバレ感想

1979年のカリフォルニア。歌手を夢見ながら、ショーパブで女装パフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディは、客として訪れた検事局のポールと初めて出会った日に一目惚れし合い、 ルディはその日のうちに車内でポールにフェラをします。
お互いいつ「目覚めた」のか尋ね、ポールは離婚をきっかけに、ルディは高校時代に父からアメフト部に入らされたのをきっかけにと答えます。
ポールはルディを家に送り届けると、電話してほしいと名刺を差し出します。

ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコの母親が、大麻を所持し逮捕されたことを知ります。
ルディはポールの職場にアポ無しで突撃し、マルコをどうすべきか尋ねます。ポールは困惑し、「家庭局に電話しろ!金で困ってるのか?」と尋ねます。ルディは侮辱されたと感じ、ポールに「恥を知って」と言い残し背を向けます。
アパートの大家は乱暴な家庭局に通報し、マルコは乱暴な職員に連れられ養護施設へと隔離されます。

ポールはルディの職場へ謝りに来ます。
ポールは酒を飲みながら、自分はもともと親の保険代理店の営業をして結婚もしたけれど違和感を感じて仕事を辞め、離婚もし、この町に越してきたのだと自分の半生を語ります。今の仕事についた時にはもっと正義の道を進みたいと思ったのに…と後悔するような口調になるポール。
ルディのことを知りたいという彼に、ルディは即興で歌を作って肉声で歌い、ポールを魅了します。

ルディはポールと飲んだ帰り道、養護施設から脱走したマルコを見つけて保護します。
その夜、ポールとルディは寝ます。ポールはルディの勇敢さを讃えます。
寝過ごしたポールを見送り、ルディはマルコに朝食を食べさせます。

その時突然大家が家賃の徴収に来たため、ルディがマルコといることを家庭局に通報されてしまいます。
困ったルディはマルコを職場に連れて行き、ポールと夕食を共にしながらマルコをこれからどうするか相談します。
ルディはマルコを引き取りたいと言い、ポールは合法的にマルコとルディが暮らせるように、自分たちが同性愛の恋人同士であることを伏せ、マルコの母の同意のもとマルコの緊急監護者となります。

マルコの監護者としてルディの住環境はふさわしくないため、ポールは自分とルディが同居していると法廷で証言したいと申し出ます。そして監護者として認められた2人は家族として住み始めます。
自分の部屋を与えられたマルコは嬉しいと泣き始めます。

後日、医者にかかったマルコは視力が著しく低いことや体がとても病弱なこと、ダウン症の人間は一人暮らしがままならず一生親と共に生活していかねばならず問題が多いことを告げられます。その覚悟をして養育すると決めたと答えるルディ。
2人はマルコをダウン症の子供専門の保育施設に通わせ、家で勉強を見てやり、寝る前には枕元で物語を話してあげます。

ある日、ポールはルディに音楽機器をプレゼントし、彼の歌のデモテープを作ろうと提案します。
ルディとポール、マルコはまるで本当の家族のようにイベントを楽しみ、日々を過ごします。

ダウン症専用の保育施設の授業参観に来たルディとポールは楽しそうに歌うマルコの姿に喜びます。その帰り、教師からマルコが描いたという家族の絵を見て感動する2人でしたが、教師は2人の関係がどうであれ自分は関係ないけれど、口さがない人がもし何か噂をしたら…と不安がります。

職場の上司からホームパーティーに呼ばれたポールですが、ルディとポールの上司はソリが合いません。
パーティーの翌日、ポールの上司は2人の関係を家庭局に通報。ポールは職場をクビになり、マルコが連れ去られることに発狂したルディは公務執行妨害で拘留されます。

ポールは短気を起こしたルディに、10年を費やして勉強して今の地位を得たのにと激昂。しかしルディは「今からなら本当の自分になれるでしょ」と逆ギレします。

法廷では、ポールが再度マルコの養育権を主張しますが、裁判長は関係を偽って報告していたことを偽証罪に問わないだけマシだと思えと突き放されます。しかしポールが必死に縋ったおかげで審理をもう一度だけ開いてくれることになりました。

しかしそのためには、ルディは現在の仕事を辞めねばなりません。2人とマルコは家庭局の職員から取り調べを受けます。マルコは2人とまた暮らしたいと静かに訴えます。

審理では教師や家庭局の職員がルディ・ポールがマルコと共にいるべきだと証言してくれますが、検事は「同性愛者が養育者だと子供に悪影響を及ぼす」と馬鹿にします。

ルディはマルコのために親として頑張ってきたことを証言します。しかし検事は執拗にルディの女装癖がマルコの性癖を歪めたと結論づけたがります。
ルディは激怒し、ポールは「この法廷の主題はマルコのはずだ。もしかしたら養護施設で一生過ごすかもしれないマルコのことだ!なぜなら誰も欲しがらないから!背が低くて太った知的障害児なんて要らない!私たちしか。僕たちはマルコを愛しているんです。あの子には贅沢ですか?」と主張。

ルディは児童養護施設にいるマルコに電話をかけ、もう少しでそこから出してあげるから荷物をまとめておいてと約束します。

ルディとポールは同性愛を理由に監護権を奪われてしまいます。
マルコとの思い出の動画を見て泣いていた時、ハリウッドでクラブを経営しているマイルズから「デモテープにグッと来たから週に2晩出演してほしい」と頼まれ、ルディは一も二もなく受け入れます。

ルディとポールは控訴を試みますが、白人の弁護士たちには次々断られ、最後に黒人の弁護士の元に行き着きます。ゲイが監護権を受けるにはかなり難しいと言われます。しかし諦めないポールは役に立ちそうな判例を集め、提出します。
ルディはマルコの様子を緊急監護者に尋ねますが「もうここにはいない」とすげなく言われ、同様。面会を求め、弁護士の奮闘のおかげで30分だけという条件付きで受け入れられます。

元気のないマルコは、ルディに「ハッピーエンドのお話をして」と頼みます。ルディはかつて幸せな日々にしていたように、魔法使いのマルコ少年の話をします。帰り道、思わず2人は抱きしめあって泣いてしまいます。

弁護士はカリフォルニア州の州憲法では、薬物依存者の緊急監護者として養子縁組を行うことを認めていると言い、これで勝てると2人は喜びます。しかし法廷にはなぜかポールの元上司がおり、ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべていました。
裁判所にはなぜか突然マルコの母親が出て来、監護権の復帰を求める、ルディ・ポール両氏に接近禁止命令を出してほしいと願ったと裁判長は一方的に言い、法廷を去ります。
ポールの元上司は楽しげにポールに銃を向け「バーン」と撃ったふりをして帰って行きます。

検事局が仮釈放を餌に監護権回復の請願書を書かせたのだと弁護士から説明され、絶望するルディとポール。弁護士はもうどうしようもないと言い、「正義なんてないってことか」とつぶやくポールに「普通はロースクールに入った時にそう教えられるもんだ。でも正義を信じて戦い続ける」とつぶやきます。

マルコは「ここはお家じゃない」と呟き続けますが、麻薬中毒の母親の家に返されます。男とセックスしている間、廊下に出ていろと言われ立ち尽くすマルコ。
マルコはルディとポールに会うために町を放浪します。

ポールは裁判官と元上司に、マルコが3日間放浪した末に橋の下で死んだという新聞記事を手紙とともに送ります。日々のマルコのささやかな癖や習慣を綴った文章は、「マルコはハッピーエンドが大好きでした」で締められていました。

歌手として認められたルディは、愛する者たちとのつながりを引き裂かれた怒りと悲しみとをマイクに叩きつけていきます。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

大号泣でした。

特にポールのマルコに対する言葉が本当にいつも冷静で的確でありながら愛に溢れていて、裁判所での主張や裁判官たちに送った手紙は本当に素晴らしかった。

同性愛者というだけで憲法の権利さえ主張できない。こんな世の中であっていいのかと悔しくて悔しくてたまりませんでした。

小錦あや
小錦あや

世の無情さ、異性愛者たちの傲慢無恥さに吐き気がしました。

特にポールの元上司は明らかに粘着質で、ポールを絶望に叩き落としたいがために本件に関わっていたとしか思えませんでした。気持ち悪い男。

自分の力があればお前たちなんて簡単に絶望させられるんだぞと力を誇示したかったのでしょうか?同性愛者を貶めることがそんなに楽しいことなのでしょうか?明らかに無意味な行動です。

同性愛者の監護下では性癖が歪むと麻薬依存者の母親の元に返す判決を下した裁判官たち、検事たちを一生恨みます。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

ルディの歌声の力強さがより一層マルコを失った悲しみを強くて感じさせて、涙が止まらなかったです。

「私たちは解き放たれる」と歌いながら涙を浮かべるルディと、彼を一心に見つめるポール。いつか2人の心は悲しみと喪失感から解放されるのかもしれません。でも、一生マルコのことを忘れないでしょう。

愛情深い2人とマルコとの生活はとても短かったけれど、3人が出会えて良かったと心から感じました。本当に素晴らしい映画だった。

今回3人が見た「チョコレートドーナツ」は、Amazonプライムビデオ、dTV、U-NEXTで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

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