旅に出たい!
異世界にテレポートしたい!!
大正ロマンを満喫したい!!!
ここではないどこかに行きたいあなたに、「#行った気になれるBL小説」10選をご紹介します。
#行った気になれるBL小説 とは?
葵居ゆゆ先生発案の「#行った気になれるBL小説」。
これは、外国でも異世界でも違う街でも、「行った気になれる」おすすめBL小説をオススメしよう!というハッシュタグ企画です。
「ここではないどこか」を堪能できる小説の良さ
なぜ「ここではないどこか」を堪能できる小説をおすすめするのか?
それは、想像という翼で私たちがどんなところへも自由に行き、「ここ」とは全く違う世界で羽を伸ばしたり、自分らしく考え行動したりして、あなたに元気になってほしいからです!
日々忙殺される現代人の「癒し」のすべの一つとして、この「想像力」「空想力」は大いに役立ってくれるはず。
ぜひこれからおすすめする本を読んで想像の翼を広げ、思い切り空想の世界で旅をしてください🕊✨
では早速、行った気になれるオススメBL小説10選をご紹介します!
葵居ゆゆ「したたる恋の足跡」
身体を売るか、子供のまま死ぬか。そんな場所に生まれた千空(受け)は、ある時、ライターとして各国を巡る澄見(攻め)に拾われます。
澄見に真綿に包むように愛されるうち、千空は澄見に家族愛以上の感情を求めるようになります。
ですが、彼は誰とでも寝るけれど恋人を作らない人でした。
まっすぐに澄見を想い続ける千空ですが、澄見の過去を知った時、ある決心をしますー。
千空を何よりも慈しみながらも「千空だけは愛してはいけない」と必死で己にブレーキをかけている澄見が、一途な千空の想いに動かされていく様子に心震えます。
千空はヨーロッパ諸国やオーストラリアを旅するのですが、登場する食事シーンや街の様子がとても生き生きと描かれていて、まるで自分も現地に行ったような気持ちになれます!
ロードムービーをお好きな方は、きっと本作もお気に召すはず。
一途な恋物語も、世界各地の色とりどりの情景も味わえる、贅沢な一冊です。
木原音瀬「COLD HEART」シリーズ
楠田(受け)は、兄とともに起ち上げたアクセサリーブランドのモデルに、かつては天才と言われたものの今は落ちぶれた俳優・秋沢海斗(攻め)を選びます。
しかし癖の強い彼は撮影日に大暴れ。カメラマンと殴り合いをしてしまいます。
それでも彼と辛抱強く付き合ううちに、秋沢から異常に懐かれ始める楠田。
秋沢が自分に好意を抱いているなら、このまま好きだと誤解させておいてなんとか彼を操ろうと考えます。
ですが、楠田を恋人だと思い込んだ秋沢は、恐ろしいほどの執着心と不可解な言動で楠田を縛ろうとしてー。
狂人と狂人に絆された凡人のお話です。ページをめくるほど、秋沢の突拍子の無さに背筋がぞくりとします。
物語は東京(1巻)とニューヨーク(2巻)を舞台にしており、どちらでの生活も非常にリアルに描写されています。東京の雑多な人混みや、ニューヨークの街中を吹き荒ぶ北風が、肌で感じられるようです。大都市の香りを色濃く感じられる作品です。
共依存愛を愛するあなたに、ぜひおすすめしたい一冊です。
丸木文華「霧の楽園」
時は大正。伯爵家の嫡子・裕太郎(攻め)と奉公人の学(受け)は唯一無二の幼なじみです。
太陽のように明るい裕太郎は、心優しく我慢強い学を大切に扱いますが、学は身分の違いから一線を引こうとします。
しかし裕太郎の強い想いに抗えず、行き過ぎた肉体の接触も許してしまう学。
2人の関係を快く思わない伯爵家や冷たい学の父親から目を背けるようにお互いの存在に溺れていく中、2人の仲を引き裂くような事件が起こり…。
霧の立ち込める館で繰り広げられる、おどろおどろしいラブストーリーです。
お話を読みながら、途中途中で「これは何だ…?」と違和感を感じる点がぽつぽつとあります。
そして、読み終えた時には、あれはこういう意味なのかも、じゃあこれは…とあれこれ勘ぐりたくなってしまう。
物語全体に蜘蛛の糸のように張り巡らされた妖しい謎の欠片たち。
ぜひその一つ一つに戦慄してほしいです。
和風サスペンスとBLの全力コラボ。丸木ワールド全開な、濃密エロスと血塗られた謎を堪能せよ!!
尾上与一「さよならトロイメライ」
貿易商を営む宗方家に執事見習いとして入った弓削晶(受け)は、嫡男・鉄真(攻め)の「船を港に導く灯台を建てたい」という夢を側で支え、一緒に叶えたいと願います。
二人が清らかな信頼を静かに育んでいたある日、弓削は宗方家当主である鉄真の父に犯されてしまいます。
多量のアヘンを吸わされ、醜聞を恐れる屋敷の者達から逃げることを禁じられ性暴力を振るわれ続ける日々。
しかし、アヘン中毒の当主の狂妄が、弓削だけに留まらず鉄真や弟の一誠にまで及んだとき、弓削は彼らを守るために当主を斬り殺してしまいます。
弓削を警察に突き出せと喚く使用人達を前に、鉄真は「これからは俺が当主だ。弓削は俺のそばで一生当主殺しの罪を償え」と命じるのでした。
鉄真と弓削、互いの想いは分かりきっているのに、それぞれの立場が愛し合うことを決して許さない…痛く、苦しく、読み進めるほど募る切なさに胸がねじ切られそうになります。
また、尾上先生は本作の同人誌をたくさん出されているのですが、本作では一見悪者のように見える家令、黒田が主人公の「黒猫のためのパッサカリヤ」がとてもとても素晴らしくて、なぜ体がこんな冷徹な人間になったのかを解き明かしてくれています。
試し読みページを貼っておきますね。
本作を読んで気になった方はぜひチェックしてください。
尋常じゃないくらい切ない恋だけでなく、色とりどりの花で埋め尽くされた宗方家の庭や弓削が鉄真からプレゼントされたきらめくオルゴールなど、極彩色が目の裏に浮かぶ繊細な情景描写も本作の魅力のひとつです。
大正ロマンを切なさと共に味わいたい!感動で号泣したい!死ネタでも大丈夫!という方はぜひ読んでほしいです。
数ある大正モノBLの中でマイベスト推し作品を選ぶとしたら、私は迷わず本作を選びます。
伊勢原ささら「それは、世界を救う恋!」
金髪パンクヘアーに鋭い眼光、ぱっと見ヤンキースタイルの勝利(攻め)は、ちょっと短気だけれど、溢れる正義感と優しさを持ったアニキ肌の青年です。
曲がったことが大嫌いな性格が災いし、バイト先で騒ぎを起こしクビになって落ち込んでいたある日、勝利は田舎の祖母の家を売却すると連絡を受け、自分の育った家に飛んで戻ります。
亡き両親の代わりに自分を育ててくれた祖父母。
沈んだ気持ちで自分の荷物を整理していると、祖母が買ってくれたゲーム機を見つけます。
懐かしくなり、ゲーム機のスイッチを入れると、ゲーム機が眩い光を放ち、目の前に猫耳しっぽつきの可愛い少年、みくる(受け)が突然現れて…!?
みくるがめちゃくちゃかわいい…!!!!
正直、かわいいみくるを見たくて何度も再読してしまいます。撫でくりまわしたくなる愛らしさ!!!
と言いつつ、本作はみくると勝利のゆるふわラブコメ…に見せかけて、深く考えさせられるシリアス展開も多々あります。
お人好しで泣き虫だったみくるは、勝利といくつもの試練に立ち向かう中で、愛する人のために行動することの苦しみや喜びを知ります。
泣いてばかりではダメだと己を鼓舞し、果敢に強大な敵へ立ち向かう勇気を身につけていくんです。
一方、勝利も、自分のしたいことがわからずモヤモヤとしながら生きていたけれど、みくると再会してからは、愛するみくると村の人たちを守りたいと、直情的な言動を反省し、強い使命感・責任感を持って行動するようになります。
2人がすれ違い、胸が痛いシーンもありますが、最後にはみくると勝利の幸せそうな姿に喜びの涙が溢れます。
かわいくて楽しいだけじゃない!!
ポップな異世界ファンタジーに、どっぷり浸かり癒されたいあなたに、ぜひおすすめしたいです。
あべちか「遠い国の小さな花嫁」
雪深い町に、遠い国からサガルという男の花嫁がきました。
たった一人で嫁いで来たサガルは、妻に先立たれ幼い息子を持つローランの妻になり、貿易商の仕事で一年で冬の間しか町にいない彼の代わりに息子の子育てを担います。
寡黙ながら優しいローランと穏やかで温かい夫婦の絆を紡いでいくサガル。
しかし彼には、夫には秘密にしている別の姿がありました。
平和な幸せを壊したくないサガルですが、その素性を追う者たちが次々と町に現れ―。
激ヤバ重厚ファンタジーです。
物語の序盤はあったかい家族モノなのですが、読み進めるほど雲行きが妖しくなってきます。
物語全体に散りばめられた謎、そして作者の深い人生哲学…「私はあなたにこれを伝えたいんだ」という強いメッセージが文章からガンガン伝わってきます。
ひとつの平凡な家庭から始まる、大国間の戦争をも引き起こしかねない壮大な陰謀。
面白すぎて、読後、物語の世界からしばらく帰ってこられなくなること間違いなし(実体験)。
2019年デビューの新人でまちがいなく実力No1の作品です。
小さな花嫁に隠された、想像もつかない過去に戦慄してください。
WEB発ファンタジーBLの最高傑作を、ぜひご堪能あれ!!!
樋口美沙緒「パブリックスクール」シリーズ
名門貴族の子弟が集う、全寮制パブリックスクール―その頂点に君臨する、全校憧れの監督生で寮代表のエドワード(攻め)。
母を亡くし、父方の実家に引き取られた礼(受け)が密かに恋する、自慢の義兄です。
気ままで尊大だけれど、幼い頃は可愛がってくれたエドは、礼の入学と同時になぜか冷たく豹変します。
「一切誰とも関わるな」と、礼に友人を作ることも許さず、孤立し、周囲に虐められる礼を冷たい目で監視するエド。
エドは一体何を考えているの…?僕の愛はエドに届かないの…?
こんなお話です。
パブリックスクールの素晴らしさは、圧巻の心理描写にあります。
なぜ人は人を愛さずにはいられないのか?なぜ愛する人に愛を受け取ってもらえないのか、受け取れないとしたらなぜなのか?
エドと礼の愛の試練を通して、私たちは自分の人生における愛について見つめ直していきます。
このシリーズを読み終わった時、あなたはきっと、イギリスの街並みやパブリックスクール内の生徒たちの喧騒をありありと想像できるだけでなく、エドと礼から出された「あなたにとって愛と人生とは?」という命題の答えを見つけて、すっかり違う自分に生まれ変わっていることでしょう。
ここではないどこかへ行けるだけでなく、読後、あなた自身の価値観をすっかり変えてしまう愛と感動の傑作です。
ぜひ読んでみてください。
ライラ・ペース「ロイヤル・シークレット」
ニュース配信社の記者、ベンジャミンは、英国の次期国王ジェイムス皇太子を取材するためケニアにやってきました。
滞在先のホテルの中庭で偶然出会ったのは、あろうことかジェイムスその人。
雨が上がるまでの時間つぶしに、ベンの部屋のテラスでチェスを始めた二人は、駒を取られるたびに一つ秘密を打ち明ける取り決めをします。
それは軽いゲームのはずでした。しかし、いつのまにか二人の間に不思議な感覚が通い始め―。
英国の皇太子がゲイだったら…皇室は、世界は一体どうなるでしょうか?
皇太子がパパラッチにうんざりする様や、自分の人生でありながら自分の好きなようには生きられない息苦しさや孤独がまざまざと描かれており、皇太子も1人の人間なのだと当たり前のことに改めて気づかされます。
好きな人を自由に愛せる国を作らねば、声を上げねばと決意させられる、切なくもロマンティックで、愛おしい物語です。
ケニアの焼けるような暑さ、スコールの湿気、イギリスのどんよりとした空模様…丁寧に描かれる情景もぜひ楽しんでほしいです!
J.L.ラングレー「狼を狩る法則」シリーズ
大人気人狼ファンタジー!社会問題に鋭く切り込む、衝撃のサスペンス!
人狼で獣医のチェイトンは「メイト(伴侶)」に会える日を子どもの頃から楽しみにしていました。
メイトは、会った瞬間にわかる…その言い伝えを彼は信じていたのです。
そんなある日、診療所に一匹の狼が運び込まれ、チェイの心と体が反応します。この感覚、間違いない、ドアの向こうに運命の相手が!
しかしそこにいたのは傷を負った美しい男で―。
「狼を狩る法則」シリーズは、全4巻です。(4巻は短話)
各巻、人種や性嗜好への偏見・児童虐待などの社会的問題に鋭く切り込んでおり、ページをめくるほど、読者は自身の価値観を揺さぶられます。
人狼モノは海外ではポピュラーなテーマだそうですが、日本では珍しいですよね。
設定はファンタジーですが、現実社会が生々しく描かれていて、とても感情移入しやすいです。
ただのファンタジーは嫌だ!心にガツンと殴り込んでくるような、骨太な現代物ファンタジーをくれ!!という方に、ぜひおすすめしたい名シリーズです。
1巻「狼を狩る法則」のみ、上下巻でコミカライズされています👇
イーライ・イーストン「月吠え」シリーズ
人生に挫折したティム(受け)は、ひとりマッドクリークという町にやってきました。
共同経営者に裏切られ、1人で何年もかけて作り上げた新種の野菜や花の権利を根こそぎ奪われ、一文無しで追い出されてしまったのです。
ところがその町には秘密がありました。
人間に変身できる力を持った犬たち(通称クイック)が暮らす犬の楽園だったのです!
そんな彼を町の保安官・ランス(攻め)は、警戒します。
ティムからはマリファナの香りがしたからです。
ティムはこの町でマリファナを栽培しようとしているのでは?と疑うランス。
そこで、ボーダーコリーの姿になり、ティムの家に潜入するのですが…。
これは人間に変身できる犬たちが主人公の物語ですが、人間に変身できる犬になるにはある条件が必要なんです。
それは、「人間に愛され、同じように犬も人間を愛していた」こと。
人間と深い絆を持った犬だけがクイックになれるんですね。
作品に登場する犬たちは、誰もが人間への愛に溢れています。
健気で、一途で…愛犬家は、涙なしでは読めない名シリーズです。
このシリーズ1作目は「月への吠えかた教えます」。
作品名を略して、シリーズ名は「月吠え」シリーズと呼ばれています。
1作ごとに違うカップルが主人公として描かれるのですが、1作目と2作目は登場人物がほとんど被っているので、ぜひ順番に読んでほしいです。
号泣と萌えが交互に襲ってくる、犬好き大歓喜な傑作です。
葵居ゆゆ先生おすすめ本
葵居ゆゆ先生がTwitterでおすすめされていた「#行った気になれるBL小説」も、あわせてご紹介します。
#行った気になれるBL小説#BL小説応援し隊
大好きなシリーズ。一緒に船に乗っている気がします!
コルセーア (上) (リンクスロマンス) 水壬楓子 https://t.co/GKmIgIfJS3 @amazonJPさんから— 葵居@8/19青の王と花ひらくオメガ9/24もふもふ雪神さまのお嫁入り (@yuyualthaea) March 8, 2020
外国でも異世界でもないのですが、高台にある喫茶『カナリー』の、街の景色も喫茶店の中も眼に浮かぶようです☕️
心を半分残したままでいる(1) (ディアプラス文庫) 砂原糖子 https://t.co/iXUo348KHz @amazonJPさんから— 葵居@8/19青の王と花ひらくオメガ9/24もふもふ雪神さまのお嫁入り (@yuyualthaea) March 8, 2020
皆さんもぜひ、「#行った気になれるBL小説」で、ここではないどこかへトリップしてみましょう!!!✈✨