葵居ゆゆ「花のオメガと溺愛王子〜いとし子と運命のつがい〜」のネタバレ感想|砂漠の国の王子様と運命の番!?

小説

葵居ゆゆ先生「花のオメガと溺愛王子〜いとし子と運命のつがい〜」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


砂漠の国ジャシャールの第2王子α×養父に忠誠を尽くす幸薄Ω のお話。

<あらすじ>
オメガの夏芽は、イギリス留学中に参加した卒業パーティで異国の王子でアルファのハリードと出会う。
恋を避けて生きてきた夏芽だったが、抗えない衝動と突然の発情期によって求められるまま初めての身体を甘く抱かれてしまう。
想いを真っ直ぐ伝えてくれるハリードに強く惹かれるも、夏芽には彼を受け入れられない事情があった。

 

こんな人におすすめ

  • スパダリ年下攻めが好き
  • 自己肯定感の低い受けが好き
  • ちびっ子が出てくるBLが好き

 

ネタバレ感想

①幸徳が聖人すぎる

主人公の夏芽(受け)は貧困家庭に育ち、ある時富豪に買われます。表向きは社会的弱者のオメガを救済するという理由でしたが、実は「怯える子供を抱くのが好き」という男・正徳の性欲を満たすためでした。

性的虐待を受け心が死んでいく夏芽を助けたのは、正徳の実の息子・幸徳です。彼は父親を当主から引きずり下ろして警察に突き出し、夏芽を本当の家族として慈しみ育てました。そのため、夏芽は幸徳のために人生を捧げようと心に決めて生きていきます。

幸徳はアセクシャルなので人に対して恋愛感情は持たないのですが、夏芽がイギリス留学中に運命の番であるハリードと一夜の過ちでみごもってしまったため、養育者として夏芽と結婚し、家庭を作ってくれます。

しかし夏芽には本当は心惹かれる人がいる(みごもった子の父親がそうだろう)のだと分かっているため、いつでも別れられるようにずっとあることを準備してくれていたり、とある事件を起こして夏芽を素直にさせたりと必死で奔走してくれるんです。

読後はもちろんメインカプの幸せに満ちたな描写で胸がいっぱいになるのですが、幸徳はこんなにいい人なのにどこかで報われないの…?とつい泣きたくなってしまいました。

幸徳にとって一番幸せなことは何なのでしょう。夏芽が幸せに生きること?夏芽が幸せになったように、幸徳にももっともっと幸せになってほしいです😭

 

②夏芽の前向きなロマンチストさが好き

夏芽は不遇の人生を歩んできました。オメガだから、新しい恋人との間に子供がいると鬱陶しいからという理由で母に捨てられたのです。

けれど、夏芽は懸命に生きてきました。幸徳に救われ、彼のために一生を尽くそうと勉学に励み、留学し…。

そして、夏芽はハリード(攻め)との子をみごもった時、子供に「詩利(うたり)」と名づけるのです。これは、水星(ウターリド)を見つけるのが得意だと言ったハリードの言葉から取ったものだと思われます。

貧困や不遇さに打ちのめされて世の中や誰かを恨むだけで終わるのではなく、自分に何ができるのかを考えて行動する勇気。愛している人にそう伝えられなくても言葉にそっと秘めて伝えるロマンチストさ。

夏芽が、苦しみながらも懸命に自分なりの人生をもがいて掴み取ろうとしている姿が、美しくて大好きなんです。

 

③ハリードの甘々スパダリっぷりが泣ける

ハリードはもう…完璧すぎるくらいのスパダリです。年下らしくちょっと寂しんぼうの甘えん坊なところがあるのも魅力です。

頑固でツンデレな夏芽の素直じゃない言葉をそのまま受け取らず、「夏芽はきっと周りの人のことを考えてこう言ったんだろう」と想像してくれる、とても思慮深く優しい人です。

夏芽は作中でハリードを結構冷たくあしらうのですが、全然めげない!!愛を囁き続けます!!

夏芽への愛の深さにじーんと感動するし、愛するエネルギーの無尽蔵さに感服させられます。

攻めがとにかく受けに愛を囁いて囁いて囁きまくってるBL小説が読みたいあなた!!本作がおすすめですよ!!

 

このセリフが良かった!

葵居ゆゆ先生は毎作品、必ず濡れ場にその作品独特の言い回しや比喩、擬態語、擬音語を仕込んでくれます。

本作では214ページの「わかるか、夏芽。きみの中、いっぱい濡れて俺をもてなしてくれている」が「今まで読んだことない表現だ!!」ってときめきました。

「いっぱい濡れてもてなしてくれている」って…めちゃくちゃエッチじゃないですか?最高…。夏芽の中がハリードの鉾をおもてなし…❤️

ちなみに私の中での葵居ゆゆ先生の濡れ場セリフ・ザ・ベストは、「愛傷コレクション」の「ともくんのお利口な精液をいっぱい出してごらん」です。気になった方はぜひ読んでみられてください。(私のレジェンド推し作品です)

 

同時収録作品「幸せの庭」

アラブで愛されるクッキー・グライベを作るハリード一家のお話です。

また、いちゃつくハリードと夏芽に詩利がツッコミを入れるのですが、詩利は夏芽が大好きな騎士(ナイト)で紳士、という感じで、とてもかっこいい&かわいいのです。

バラや中東独特の花々が広がる庭園で楽しくお茶する一家を想像して、ほっこり、にっこりしちゃいます。

 

まとめ

誰にも愛されなかった自分を愛せない主人公・夏芽(受け)と、彼の運命の番でありシャジャール国の第2王子・ハリード(攻め)。

夏芽を根深い自己否定の沼から引き上げてくれた養父・幸徳が素敵でした。また、根気強く夏芽の心の変化を待ち続けるハリードの深い愛には感動させられます。

砂漠の国の王子様に熱烈に愛される受けを見たいあなた!!かわいいショタが見たいあなた!!自己評価の超絶低い受けが自分を取り戻していく姿を見たいあなた!!ぜひおすすめの作品です。

花のオメガと溺愛王子〜いとし子と運命のつがい〜
作者:葵居ゆゆ
オメガの夏芽は、イギリス留学中に参加した卒業パーティで異国の王子でアルファのハリードと出会う。恋を避けて生きてきた夏芽だったが、抗えない衝動と突然の発情期によって求められるまま初めての身体を甘く抱かれてしまう。想いを真っ直ぐ伝えてくれるハリードに強く惹かれるも、夏芽には彼を受け入れられない事情があった。

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