マンゴーベア先生「ハーフライン」シリーズを読みました!
韓国の電子書籍プラットフォームRIDIBOOKS「2019年BL小説大賞」最優秀賞受賞作がついに日本上陸!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
韓国サッカー界のエースでありトラブルメーカー×健気で一途な新人コーチ のお話。
<あらすじ>
韓国サッカー界のエースでありトラブルメーカーでもあるワールドスターサッカー選手——キム・ムギョン。
チームメイトに女癖の悪さを注意され、性欲を発散できずに悶々とした毎日を過ごしていたムギョンは、とある出来事をきっかけに新人コーチのイ・ハジュンとセックスパートナーになることに!?
実はハジュンにはある秘めた思いがあり……。
こんな人におすすめ
- えっちなシーンは長ければ長いほどいい🔞
- 韓国BLあるあるな、「後悔攻め」が好き🥹💕
- 一途で健気、だけど芯の強い受けが好き😊✨
本作をもっとよく知るための小ネタ
①「ハーフライン」を書いたきっかけは2018年ロシアワールドカップの時でした。韓国がドイツ戦であのドイツに勝つ異変が起きたのです。しかも延長戦で2ゴールを決めて勝利したという奇跡のような試合でした。韓国の16強進出は叶いませんでしたが、その出来事が嬉しくて嬉しくて、その日早速サッカーをテーマに小説を書きました。当時、既にサッカー以外のスポーツが舞台の作品を書き終わった所でしたので、続けて新たなスポーツをテーマにした作品を書くつもりはなかったのですが。
ドイツ戦で勝った日、興奮状態でプロットを少し書いた『ハーフライン』1話分をその後すぐ完成させ無料連載サイトにアップロードしたのが始まりでした。幸い、楽しく読んでくださった読者さんの反響のおかげで、詰まることなく3ヵ月間最後まで書くことができました。
元々ヨーロッパサッカーのファンです。でも正直「ハーフライン」の設定はかなり無理があります。世界的に活躍しているスーパースターが突然韓国に戻ってくるということはまず現実にあり得ません。
ですが、どうしても舞台を韓国にしたかったので、韓国に戻る設定にこだわりました。サッカーファンの読者からみると「これはあり得ない」というご感想が多かったと思います。
引用:マンゴーベア先生、加藤智子先生インタビュー 2024/07/22 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
②脚注を入れるタイミングには悩みました。作品の流れを重視してできるだけ注なしで解決できるようにしたいですが、脚注を入れた方が理解しやすいかなと思うところは悩みます。文化の差、環境の違いがあるところが特にそうです。
あと、半地下、屋塔房などの日本にはあまりないタイプの住居の違いとか。韓国の数え歳の概念も日本ではない概念ですので読者さんに説明を入れるようにしています。カルビチムなど韓国の料理名についても同じように悩みました。
嬉しかったことは、マンゴーベア先生にX(旧Twitter) でDMをいただいたことです。普段サブカルチャー作品翻訳者としては、翻訳者の名前が言えない契約が多いので作品のファンであることを打ち明けられるチャンスが少ないですが、今回は作家さんにフォローまでしていただけてとても光栄でした。
引用:マンゴーベア先生、加藤智子先生インタビュー 2024/07/22 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
③絡みのシーンがあるので、オノマトペ(擬音語、擬態語)や効果音にはこだわっています。単語選びもそうですけど、なまめかしい感じ、演出をちゃんとしたいというのはありますね。例えば「モクジョッ」は、直訳すると「喉ちんこ」ですが、せっかくの絡みのシーンで(響き的に)お笑い要素が入りそうだなと。同義語を調べて、「口蓋垂」(こうがいすい)はかたい感じがするので、編集部さんと相談して「喉彦」(のどひこ)でいこうと決めました。
引用:韓国ボーイズラブを翻訳する難しさ リアルさを追求した”行為中の音”「勢いを表現」 | ENCOUNT
ネタバレ感想
ハーフライン1
「セックスしてるうちに情でも湧いたのか?」なんて、ムギョンは言うだろうと思ってました。ハジュンはムギョンに本気だってことを見せてないんだから、そう言われる覚悟も本人はできていたと思います。
それでも、ムギョンは過去の様々なワンナイトの相手とは違ってハジュンを特別気に入っているように見えたのに。違うの?😭
ムギョンに期待しちゃダメだって分かっています。だって、これまでさんざん浮き名を流しては平気な顔してた男なんだから。ハジュンもその1人に過ぎないんだって、本人だって読者だって分かっています。たまたまムギョンの気が向いただけなんだって。
でも、それでも、こんなにムギョンをひたむきに愛してるハジュンが報われたっていいじゃないかと思わずにはいられません😭10年間もずっと片想いしてるのに…!
少しでもムギョンにハジュンを好きになって欲しいけれど、一体どうしたらムギョンが本気になってくれるのか分からない…。だから余計に辛いです😭
ハピエンなのかな?バドエンなのかな?怖いです😭
サッカーのルールやポジションは分からないまま読み始めたけれど、この作品のおかげでぐんと詳しくなれそう…!特に韓国サッカーに興味が湧いてきました。
ハーフライン2
ムギョンにとってハジュンはセフレの域を出ないんだ…と絶望した1巻の終わりから、超展開。
ムギョンの強烈な嫉妬から始まるさまざまな事件に驚かされました。特に嫉妬ゆえにムギョンが陥った状態があまりにも衝撃的で。あのワンナイト大好きな(性的な関係に関しては)クズ男のムギョンが!?と。
結局のところ、ムギョンって嫌なやつの面もあるけれど、本当に根っこが優しいいい男なんですよね。そこにハジュンも絆されちゃうし、読者もそうで。
ムギョンの、予想もしない繊細で情に厚い一面に何度も泣かされました😭
本当に名言続出なので、読まれる方にはハンカチを用意していただきたいです。1巻だけ読まれた方は「どういうこと??」と頭がはてなマークだらけになると思いますが、2巻は本当にびっくりするくらい泣けるんです😢
最後が圧倒的なハピエンで心からほっとすると同時に、やったー!!と、立ち上がって誰彼構わず抱きしめたい幸せいっぱいな気持ちになりました。これほど、BLのカプが成立するのに幸せだと感じたのは、久々です。
ちなみに私が2巻で一番好きな台詞は、ムギョンの「お前は俺を救い、俺は恩を受けた。そして、人は恩を返さなければならない。良かった。お前がもう俺を愛さない日が来たとしても、俺がお前を愛し、お前にしがみついてもいい理由ができたから」。
これだけだといまいち感動が伝わらないかもしれませんが、作中で読んだ瞬間、号泣不可避でした…😭
まとめ
伝説級の現役サッカー選手でありながら強烈な性豪でもある、ムギョン(攻め)。彼を一途に想い続ける新人コーチの、ハジュン(受け)。
ムギョンはハジュンを「身近で手頃なセフレ」として扱い始めますが…。
最初は、ムギョンのあまりのクズさとハジュンの想いの報われなさに打ちひしがれてしまいます。セックスの濃厚さとは裏腹に、心は乾いていくばかりというか、悲しみが増すばかりで、2人は一体どんな終着点に向かっているのだろうとハラハラしながら1巻を読み終えました。
サッカーの知識はほとんどない私ですが、読むほど少しずつサッカーに詳しくなっていくのも楽しかったです。
2巻ではムギョンが突然人が変わったようになってしまう事件があり、それを機に2人の関係も変わってしまいます。
ただ、すごいと思ったのが、全てのエピソードに作者の無理な意図を感じないんです。自然にムギョンとハジュンが動いている。2人が運命のカプであることを裏付けるように、あちらとこちらが繋がっていたのか!と予想もしないエピソードが繋がっていくのが、本当に面白いです。
攻めザマァ展開が好きな方、俺様攻め・傲慢攻めが好きな方、受け限定でお世話好きな攻めが好きな方、一途で健気で不憫な受けが好きな方、優しい一辺倒に見えて実は気の強い受けが好きな方…とにかくBLを愛する全ての人に読んで欲しい!!!!と熱望するほどの素晴らしい作品でした!!🥹⚽️✨