クラスの人気者×ほだされ美人同級生!初コミックス、ヴヤマ先生「またね、神様」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
ひょうきんな高校2年生×妖しげな美貌を持つ高校2年生 同級生同士 のお話。
<あらすじ>
両は、美しい同級生・幸太郎に恋をしていた。
次第に仲を深めていく2人だったが、ある日、両はクラスメイトから幸太郎の家庭にまつわる「ある噂」を聞いてしまう。
両が幸太郎の家を訪れ目にしたのは、「儀式」と称して身体を売る幸太郎の姿でー。
こんな人におすすめ
- ダークBLが好き🔪
- 絵柄には個性があればあるほどいい🎨
- 情緒をめちゃくちゃにかき乱されたい🌀
本作をもっとよく知るための小ネタ
①キャラクタープロフィール
🌷キャラクタープロフィール紹介🌷
2人の誕生日など決めていたものも、
発表してなかったので……!
#またね神様
※テンプレートお借りしてます pic.twitter.com/k0JYNy3SQ7— ヴヤマ🌷単行本発売4/4 (@vuyamachan) October 8, 2024
②バレンタイン情報
🍫 バレンタイン事情💞
#またね神様 pic.twitter.com/Y2S7uwn2Fb— ヴヤマ🌷単行本発売4/4 (@vuyamachan) February 14, 2024
③裏設定
裏設定みたいなの pic.twitter.com/5kWBkkXI8G
— ヴヤマ🌷単行本発売4/4 (@vuyamachan) December 22, 2022
ネタバレ感想
またね、神様(1)
高校2年生の青島両は、美しい同級生・矢巾幸太郎に片想いしています。しかし彼は妙な宗教にはまっている母親から「魂の浄化のため」という名目で売春させられていました。
一度はその儀式を見て嘔吐した幸太郎でしたが、幸太郎を救い出すために彼の母を通報。幸太郎を病院に通わせ、「施設の育ちで嫌われ者の自分には母以外居場所になってくれる人がいない」と信じ込む彼と同居し、自分自身が幸太郎の居場所となり幸せを与えるのだと使命感を抱くようになります。
幸太郎ははじめはただのクラスメートとして両に好意を抱いていたようでしたが、今は「居場所を失いたくない」「両が何をするか分からない」という恐怖から一緒にいるように見えます。もしまた彼の母がシャバに出てくれば、幸太郎はまた母を迎えに行き、「こここそ俺の居場所」とまた売春を繰り返しそうな予感がしています。
幸太郎の危うさも不安ですが、幸太郎のために実家を出てまで彼の居場所を作ったり、幸太郎に本気の愛を知らしめるために本気で死のうとしたりする両の精神状態も不安です。
またね、神様(2)
幸太郎と両の幸せな同棲生活は、両のついた嘘によってたちまち崩壊してしまいます。それから4年後、母校で体育の教育実習生となった両は突然かかってきた幸太郎からの電話に動揺します。幸太郎はぽつぽつと近況を打ち明けてくれて…。
もう骨折は治っているのに折れたままのフリをしていた両を、幸太郎は責めませんでした。むしろ、「明るくて優しくて純粋で人一倍責任感が強くて真っ白だったから自分が染めてしまった」「俺が弱いかぎり俺のためにすり減ってしまう」「俺自身も場所を変えただけで自分の人生を人に預けたまま 何も変わってない。もう両のことを泣かせたくない」と自分を責める幸太郎。
家庭にも学校にも逃げ場がなかったのだからもっと他人を責めていいのに、「俺自身も場所を変えただけで自分の人生を人に預けたまま 何も変わってない」と言う幸太郎は、自分に良い意味でも悪い意味でも厳しい人だなと感じました。もっと両にも大人たちにも甘えていいんだよ。別に変わらなくたっていいし、幸太郎が幸せならそれでいいんだよと抱きしめたくなります。
でも、幸太郎は両から巣立つ決意をして、4年後、自分なりの夢を携えて両のもとに戻ってきます。さらに、母との関係も修復していました。
明かされた幸太郎の母の孤独に、私は思わず涙が溢れてしまって…。幸太郎の母は、「子供が産めないから」と夫に捨てられたのだそうです。社長令嬢ゆえにお金はあったため幸太郎を育てられたようですが、きっと彼女はずっと寂しかったのだと思います。子供を産めなければいらないと愛する人に捨てられて、自分は何のために生きているのか分からなかったはず。そんな中で宗教に出会って、セックスをすれば「救われた」と言ってもらえることが自分の存在意義になっていったのでしょう。自分が宗教のおかげで満たされたからこそ、愛する幸太郎にも満たされてほしかった…だから売春を彼にも求めてしまった…。
彼女が幸太郎にさせたことは犯罪だけれど、自分がもし幸太郎の母と同じ状況ならばどうしただろうと考えずにはいられません。
最後に、両に「たくさん迷惑をかけてごめんね。あの子を大切にしてくれてありがとう」と言える彼女の無垢さと優しさに、私は胸が苦しくてたまらなかったです。
まとめ
「美しい同級生が、変な宗教にハマった母親から売春をさせられている」。
そんな衝撃的なエピソードから始まった「またね、神様」シリーズ。
宗教に洗脳されきった母親のもとから、幸太郎を救い出せるのか?救い出したところで、幸太郎は幸せなのか?その後、二人はどうやって生きていくつもりなのか?
高校生の二人にはあまりにも難題だらけで、次々と襲いかかってくる非情な現実に、読みながら何度も心が折れそうになりました。二人で心中するしかないのでは、と思ったほどです。
けれど、読み終えた今思うのは、人生にはたくさんの困難があっても、諦めずに戦い続けていれば、きっと乗り越えられるということ。そして、愛という絆は私たちが思うよりずっと強いということ。
それは、主人公の両と幸太郎の話だけにとどまりません。幸太郎の母も、両の教え子たちも、みんな。
それぞれに大なり小なり生きる苦しさがあって、誰にも理解されない方法ででもその辛さを克服しようと頑張ったり、諦めたり。そうやって自分の足で人生を踏み締めて、私たちは自分という存在を確かにしていきます。必ず良い未来が待っているはずだと信じて、歩き続けます。
時には間違えても、大丈夫。間違えても、正せばいい。より良くなろうと努力して生きている限り、必ず素晴らしい未来は訪れるから。
今がどんなに辛く苦しくても、負けたくないと歯を食いしばり、拳を握りたくなるような、そんな希望に満ち溢れた作品でした。