「メルヘン課長とノンケ後輩くん」の著者…待望の最新新感覚BLコミックス!ミナモトカズキ先生「壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
大人気男性アイドルグループのメンバー×専門学校2年生・大人気ゲイエロ同人漫画サークルの作家 のお話。
<あらすじ>
ボーイズグループ「SHINY SMILE」のアイドルと、オリジナルBL漫画の同人作家。
遠い世界に生きる2人の人生はけっして交わることはないはずだった…!
真反対の境遇、真反対の性格、でも…ふたりは幼なじみ。
こんな人におすすめ
- 幼馴染BLが好き🤝
- 自分は承認欲求が強い方だと思う💭
- コミケなど同人誌文化が好き📚
本作をもっとよく知るための小ネタ
①略称「壁こじ(かべこじ)」。ウェブコミック配信サイト『COMICリュウWEB』(徳間書店)にて2020年2月10日より連載を開始し、2021年11月からは「コミックシーモア」での先行配信となり連載中。
引用:壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている – Wikipedia
②2022年10月から11月まで、ABCテレビ(朝日放送テレビ)にてテレビドラマが放送された。主演は松岡広大と中尾暢樹。
引用:壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている – Wikipedia
ネタバレ感想
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(1)
根暗ぼっちの専門学校二年生の猫屋敷 守は、骨肉というペンネームでゲイエロ漫画同人誌を描いています。コミケでは壁サークルの常連ですが、「もっと多くの人に認められたい」と苦しみながら漫画を描く日々。ある時、守は自分の新刊を買いに来た男が、現在は男性アイドルグループ「SHYNY SMILE」のメンバーISSAYとして活躍する、幼馴染の風間一星だと気づいて…!?
守が漫画を描く理由が、「自信を与えてくれる 存在価値を与えてくれるのは漫画だけだから生きるために描かないと」「絵を描くのが好きなわけじゃない」というのがなんとも切ないです。
本当は愛されたい、でも、自分はゲイだから、ゲイエロ漫画を描いているから、誰にも打ち明けられない。ゲイの自分がみんなに堂々と愛されるはずがない。守はそう思っています。
コミケで近くのサークル主から仲良くしようと声をかけられても、「サークル同士で馴れ合うのは興味ない」「友達なんていらない」と睨みつけていた守。守が自分の殻を破って、寂しさを曝け出せる日は来るのでしょうか。
一方、一星はアイドルであり続ける理由を「まもっち(守のこと)ただ一人に認めてもらいたいから」と語っています。一番人気のメンバーTSUBASAに「お飾りのメンバーのくせに」と罵られても、トップアイドルになるためのアドバイスだとポジティブに受け止めて、自己研鑽しています。
一星は昔から守にまとわりついていたようですが、なぜそこまで守に執着するのか…理由が気になります。
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(2)
ポジティブモンスターアイドル・一星については、彼の家族との暗い過去が明らかに。愛のない家庭で育ったからこそ、守の存在に励まされ、逆に笑顔を絶やさないようにしようと心がけていたようです(対して、猫屋敷は明るく暖かい家庭に育ったもののなぜかあんなこじれた性格に…)。そして、グループメンバーのスキャンダル発覚という非常事態も。
一方、猫屋敷は作中2回目の同人誌即売会に参加。純粋に自分の作品だけを求めてくれる人を愛し、引き続き、周囲と馴れ合おうとしません。夏よりも販売数が減り、今後の作風について焦り、これから迷走する予感です。
帰省中に二人が再会するエピソードもあり。お向かい同士で部屋の窓から声をかけあうのはロマンがありますね。一匹狼な猫屋敷ですが、支え合える存在の大切さを噛み締めます。この時に一星の家庭環境やアイドルになるに至った理由(守の何気ない言葉がきっかけ)などを知り、猫屋敷の中で一星への気持ちが変化していきます。
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(3)
「SHINY SMILE」の一番人気メンバー・ツバサが暴力事件を起こした…というスキャンダル記事が出て、大騒ぎ。真相を知るためにメンバー総出でツバサの母校へ突撃。当時の担任の前で、ツバサ本人から話を聞くことに。ツバサと彼の弟の過去が明らかになり、メンバーの絆は深まります。一連の騒動は炎上したものの、事件の被害者と思われるアカウントが当時の状況を説明してくれたりとサポートもあり、グループは無事活動再開へ。
しかし、ツバサの記事をすっぱ抜いた週刊誌の記者は、次の標的を一星にします。
一方、猫屋敷は流行りの作品を研究して画風を一新。「一般ウケ」を目指し、筋肉を封印。次回は夏コミですが、壁落ちしてしまい、猫屋敷のメンタルがだいぶ不安なことに…。
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(4)
一星は生放送で赤裸々にコメントしてしまい、あまりの失言にマネージャーは顔面蒼白。引き続き、記者には狙われています。
猫屋敷は壁サーから転落し、新しい作風で心機一転奮起したいところ。しかし、隣のスペースはなんと前回来てくれたファンのたっくん。たっくんはツイッターで人気の作家らしく、長蛇の列。筋肉に魅力を感じてくれていたファンが離れてしまい、自分との差に愕然とする猫屋敷。ただ、たっくんや一星は新しい作風でも喜んでくれているのが救い。髭フランボワーズ先生に誘われたアフターで、何か掴めるといいんですが…。
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(5)
「シャニスマ」はツバサの炎上を乗り越え、さらに一致団結。
一方、猫屋敷は、彼の創作の原点が明らかに。
意を決してイベントのアフターに参加し、壁サー主たちに「どうすれば壁サーに返り咲けるか」の教えを乞う(相変わらず愛想もなく口調も悪いままですが)猫屋敷。「好きなものを描いていたらいつの間にかファンがついて…」と話す主たち。
そこで、猫屋敷はパンドラの箱に封じていた創作の原点を思い出します。それは、ノートに描き殴った一星との恋愛漫画。うっかり一星本人に見られてしまい、一星には喜んでもらえたものの、追い詰められた猫屋敷は「もうお前とは二度と会わない」と一星を拒絶してしまったのでした。当時の、漫画を描いている時の楽しかったピュアな感情を思い出し、本当に自分が描きたいものは何かを改めて考え始める猫屋敷。
たっくんの4コマもよかったです!もっと読みたいな。
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(6)
一星が自分に張りつく芸能記者・二階堂にいつも通り優しく接していると、徐々に二階堂は一星にマジ恋してしまい…。二階堂がいざ一星に告白しようとしたタイミングで、不運なことに猫屋敷が一星を訪ねてしまいます。猫屋敷を見る一星の恋する瞳にショックを受けた二階堂は、手を繋いで家に入る二人の写真を撮り、スキャンダル記事を書き上げ、炎上させます。一星が緊急ライブをして、猫屋敷とはただの友達だと言い切れば騒動は収まりそうでしたが、火消しのために二度と会わないことに…。
猫屋敷は自分のせいで一星のキャリアを台無しにしたと後悔し、コミキンの新刊でラブレターを描くことを決意します。
巻末には、ミナモトカズキ先生の自伝的エッセイ漫画「漫画を描く人は全員敵だと思っていました。」も収録されています!(このタイトル、めっちゃ猫屋敷っぽい🐈️)
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(7)
山田の粋なはからいで、冬コミキンの新刊が一星の手にわたることに。新刊というラブレターに猫屋敷が一星への恋心のすべてを込めて、昇華させようとしているのが伝わってきます。猫屋敷の自分への想いの強さと深さに感動するも、彼を繋ぎ止めたい一星。
いざ、一星のライブ当日。再び山田のナイスアシストがあり、二人は…。一星の告白には賛否両論巻き起こりそうではあるものの、自分にもファンにも素直な一星らしいと微笑ましいです。
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(8)
ようやく両想いになった一星と猫屋敷。
オープンな一星は「毎日会いたい!」と家に押しかけてきますが、アイドル活動も本気でやりたいからと、「アイドルを辞めるときにお付き合いしたい」と約束します。ここで、事務所がシャニスマのライバルとして悪役アイドルグループを結成し、波乱の予感。
一方、猫屋敷には商業誌からオファーが。山田は猫屋敷の一番のファンですが、同じ商業誌が舞台となるとどうしても嫉妬してしまい距離ができてしまいました。さらに担当編集者と打ち合わせをするも、「雄っぱいちゅーちゅー」に駄目だしされ、猫屋敷は激怒。ここで猫屋敷の闘志に火が点き、次のコミキンで必ず「雄っぱいちゅーちゅー」の新作を出すことを決意します。結果的に山田とは心から打ち解け、同志としての絆が深まります。
壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている(9)
一星の方は、ツバサを挑発した悪役アイドル・アイルは社長の息子だと判明。ライバルグループの登場で、シャニスマ周辺は急に慌ただしくなります。
猫屋敷は、世界一の雄っぱいを描くべく大苦戦していましたが、無事、脱稿&出陣!!
そんな中、二人の初のお泊り会開催!まだお付き合いもしていないので内容的には超健全でしたが、おたがいを見つけたエピソードや猫屋敷がキャパ超えするくだりには胸キュン。一星を見るだけで毛を逆立てていた猫屋敷を思い出し、その変化にしみじみ嬉しくなります。
俺の雄っぱいがでっかくなっちまうくらいちゅーちゅー吸ってくれ
「壁こじ」猫屋敷(骨肉先生)の同人誌がリアルな商業コミックスに!!作中作品ですが、本編未読でも問題なく読めます。
女の子のおっぱいが大好きな翔吾。そんな彼に片想いしている岳。翔吾のおっぱい星人っぷりについ、自分の雄っぱいを大きくして揉めば?と言ってしまいます。素直な翔吾は岳を巻き込み、雄っぱい巨乳化計画遂行に一直線!!
ばいんばいんのでっかい雄っぱいがいっぱい。雄っぱいを大きくするためという名目で、ひたすらエッチなプレイが満載。特に乳首責めのレパートリーはすさまじいです。初エッチから青姦となかなか上級者プレイ。恋人になった後もエロ度はマシマシに。
猫屋敷の性癖がたっぷり詰まった、夢と雄っぱい満載のえちえち作品です。
まとめ
専門学校二年生の猫屋敷 守は、ゲイエロ漫画家・骨肉として、コミケでは壁サークルの常連です。「たくさんの人に認められたい」ともがき苦しみながら新刊を出し続ける守。あるコミケで、守は人気アイドルになった幼馴染・風間一星と5年ぶりに再会しますが…。
「好き」だから絵を描きはじめたはずなのに、いつの間にか「認められたくて」絵を描いていた守。そしていつしか、「絵を描くことは好きじゃない」と思うようになっていました。ただ、認められたいから描くだけ。
一方、一星は守におふざけで勧められたアイドルの道で才能を開花させ、大人気アイドルグループ「SHYNY SMILE」で輝いていました。でも、一星がアイドルを頑張る理由は、「守ただ一人に認めてほしい」から。
たくさんの人に認めてほしい守と、守ただ一人に認めてほしい一星。全く正反対のモチベーション、全く別のフィールドで人生を捧げるほど努力する二人の思いは、一体どこで交差するのでしょう?
ドラマ化もされた人気BL漫画シリーズ「壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている」。
同人誌文化を愛するあなたも、アイドルを推したことがあるあなたも、自分の承認欲求の強さを持て余しているあなたも、大好きな誰かのために何かを頑張った経験があるあなたも、この作品の何かがあなたの琴線に触れるはず。ぜひ手にとってみてほしい一冊です。