樋口美沙緒「王を統べる運命の子2」のネタバレ感想|魔女に呪われた王国の、戦いの物語

小説

樋口美沙緒先生「王を統べる運命の子2」の感想です。

樋口美沙緒先生ならではの、繊細な心理描写と奥深いファンタジーの世界観が絶妙にマッチした名作でした!!

早く3巻が読みたい…🥺✨

登場人物とあらすじ

謎多き騎士×王を癒す記憶喪失の平民 のお話。

<あらすじ>
「王の鞘」として七使徒に選定され煌びやかな王宮に足を踏み入れたリオは、いつか魔術師ユリウスに会えるのでは、と期待と不安に揺れる。

けれど、登城初日に出会ったのは、身分の低いリオを蔑み、使徒など不要と公言する貴族たち。

七使徒排斥の空気が漂う中、ついに国王との謁見の日が訪れて!?

 

こんな人におすすめ

1.樋口先生ならではの「愛と人生」論を堪能したい!
2.細部まで作り込まれたファンタジーの世界観にうっとりしたい✨
3.麻々原絵里依先生の色っぽい男たちに魅せられたい❤️

 

ネタバレ感想実況

表紙がめちゃくちゃかっこい〜❤️攻めの胸筋やばい!背筋の盛り上がり最高です。

カバー下の絵、誰!?

p8-9 エミルがリオの従者に

エミルは本当に信じられる存在なのか…裏切られないか不安。

p14-15 リオの中に生きるセス

セスのくだりは泣きそうになる。セスの命の意味を証明するために生きるリオ。グッと胸が熱くなる。

p30 ヘッセンと王の鞘について

まじか!!王の鞘は王以外と寝てもいいのか。とはいえ王の許可がないとだめなんだよね。ヘッセンもしやスケベおじさん…。

p35 造園職人の男

なんで嫌がられるんだ?謎。あの嫌な官僚たちの手下なのか。王宮内では使徒必要派、不要派半々くらいなのかな。

p45 ゲオルク

かっこいー!!ゲオルクの優しさが沁みる。ゲオルクとルースは癒し。

p56 ルース

ほんとにルースはいい人だな!でも疑心暗鬼になる。ヘッセンやルース、いい人ほど裏切りそうで怖い。アランの愛想は安いにワロタ。

p60 国王登場

きたーーーーーまじかーーーーー!!!!!ユリヤがいない時点でよもや?と思ったけど、いやそれなら他のことに理由がつかないかもと否定してたらー!!!うおお、どうなるの!?どういうことなの!!??

p77-79 王の瞳、王の耳

すごい仕組みだな…王の瞳や王の耳のおかげでこの国の平穏は保たれてるのかな。いつからこの仕組みはあるんだろう?誰のどれだけの魔力を使ってこの仕組みは維持されてるんだろう?

思ったけど、ラダエはなぜ車椅子なのだろう。なぜあのゲオルクをのさばらせているんだろう?全てに意味があるのか?

p86 ユリヤとユリウスは別人問題

まじかあ…蛇🐍の影は魔女の呪いの証か。2人でユリヤの呪いを分け合ってるんだね。

ユリウスはリオを殺さなければとか言ってなかった?あれは何なのだろう。

p95 「叩くなら叩け」

熱い涙が溢れた。なぜだろう…。セスのことをどう思っていたのってきっとリオは王に聞きたかったよね。辛い思いして必死で生きてきて、王がいるなら少しでもセスの命に対して申し訳なかったと思って欲しいという気持ちが溢れたよね。

いざ拳を振り上げても叩けない気持ちもわかる。叩いても何にもならない。セスは生き返らない。悔しいよね。

p96 「他にもいるから死んでもいい子どもがいるとは思わない」

泣きました…樋口先生作品のこういうところが大好きです。かわいそうな人はたくさんいるから仕方ないと切り捨てるのではなく、そういう子を完全になくせなくてもなくそうと努力することはできる…その弱者への健気な眼差しに胸を掴まれます。

p98 「ちゃんとお前は国の役に立つ」

よかった。リオの生きがいは今や国の役に立てるかどうかにかかっているから、希望が見出せてよかった…とりあえずホッとしたけど、でもいつになったら魔女の呪いを解ける力を持てるようになるんだろう?よくわからない。リオは魔力量はきっと膨大だろうに。

p105 リオの決意

リオは強いなあ。かっこいい。自分の頭で考えるかあ…。

p116 ユリヤの授業

ユリヤ面倒見がいいなあ。ユリヤはリオに何を期待してるんだろう?

p112 特別な情を抱くことは決してない

なぜ決してと断定するんだ?

p148 忠誠はあと

なぜ??忠誠あってこそでは?なぜあとなんだ?

p154 ずいぶんきちんと笑う

うーん、アランはわけわからん奴だけど、きちんと笑うってなんだ?

p159 アランの告白

うわーーーーーまじか。3年前の戦争にそんなあれこれが。うーん、新王の中に魔女が宿っていて、それがリオのせいとアランは思ってる…ユリヤもリオも悪いと思ってる…。

p172 フェルナンに告白

ここまでフェルナンに話しちゃって大丈夫か???「かわいそうな子どもだ」が不安すぎる。魔女の手先だったらどうしよう。

p182 セスの言葉

セスの言葉、区切り方まではっきり覚えているリオ。リオの中にセスがどれだけ息づいているのかを知って泣ける。

p187 正しいことをする勇気をください、神様

泣いた。セスの言葉だね。正しく生きる勇気、正しいことをする勇気をください…。

p199 夢の内容

なんだ!?ユリヤと呼ばれていた少年がリオで、ユリヤ(外見はリオ)の兄がユリヤ…?ユリヤがユリヤと名乗っているのは、愛する弟のため?ユリヤがリオに惹かれたのは、弟そっくりの外見だから?

p211「もしお前が王なら、最初にこうするだろう」

号泣した。葡萄畑でひもじく働くリオたちの姿が浮かんで胸が苦しくなっていた矢先のこの優しさ…お前が王ならという言葉にユリヤの思いやりが詰まっていて泣いた。なぜユリヤはリオに王のような教育をするんだろう?

p214「生まれ変われるなら、兄さまを、助けられる子どもに生まれたい」

リオはもともとユリヤの弟だった?だとしてもなぜ王としての教育を授けるのか…リオを生まれ変わりだと知っていて、親族として自分を支えて欲しいから?

p221 神様に会う

美しい…神々しい。言葉が出ない。

p228 みんなが動物の姿に

えー!かわいい!魂の形を魔法で出すとこうなるのか、すごい。リオは変身できないのかな?

p249 もう俺の愛情は全部あげてしまった

どういうこと…???義理の弟を本気で愛してた?それとも、パブリックスクールのスタン兄弟みたいに共犯者的な意味の愛?全部あげたというほどの愛って一体?

p255 第二王子の真実

ユリヤは2人いて、魔女の元にいるのは偽物。眠っているのが本物。本物はユリヤがしまってしまった。

ユリヤはユリヤ(国を裏切った第二王子、義理の弟)に全部あげてしまった。第二王子は髪の色や瞳の色がリオと同じ、魔女も同じ。

ユリヤがリオに帝王学を教えるのはなぜだ?ユリヤはなぜ眠ったままなんだ?

もしかして、リオとユリヤ(義理の弟)は2人で一つとか?リオはユリヤの呪いを受けるために作られた土人形で、ユリヤは自分ではなく弟に王になってほしいからリオに帝王学を授けてるのかな。うーんわからん。

p271 一度だけ間違えて取り返しがつかなくなった

何を間違えたんだ?しかも取り返しのつかないこと…?前をむかずに下を向いたことで犯した過ちって何だ?

p274 リオを救世主に

リオを救世主にして誰に何の得があるんだ?よかったなって、アランは何かユリヤにとってリオが救世主になれば得があるとわかってて言ってるんだよね?どういうこと?

p277 レンドルフ

だいぶイメージが違うな!?話をしないからすごくクールな子かと思ってた。人懐っこい、子供みたい。

p280 レンドルフの言う「当番」など

おかしい。どう考えても話してる内容が幼すぎる。それに寝てばかりっておかしくない?そんな使徒いる?

レンドルフはユリヤか?

p287 もう目覚めないよ

なぜアランが目覚めないと断定できるのか?ユリヤに「あいつ余計なことを」みたいな反応するのも不思議。なぜ言っちゃダメなの?

p298 この子のためなら俺は殺すぞお前を

ユリヤはリオに一体どんな思い入れがあるんだ?リオの記憶はこれまでみてきたものと同じだ。断片的でよくわからん。

p301 死んでくれればもう考えずに済む

うーーーーん全然わからん。何をずっとアランはそんなに思い詰めて考えてるんだ?

p307 俺は仕事をさせてほしいだけだ!

ユリヤへの恋慕と仕事への使命感は無関係なんだってことかな。力強くて気圧された。

p308 お前がいたせいで弟は死んだ

嘘でしょ

嘘でしょ…………

あまりに重い、抱くことへの代償が重すぎる。

p311 生きてきたら、だめな人間だった?

こんなことを言わせるユリヤに腹が立つ…怒りでもしなければこの悲しみが癒えない…つらい…なんて言葉だ…

p313 リオ…今夜はここにいろ

ユリヤに腹が立つ。あんな法律も全部全部嘘だったんだ。リオへの愛情でもなんでもない。じゃあなぜ生まれて欲しくない命を大事にしたりしたんだ。

p320 ヘッセンのはしゃぎよう

ヘッセンが怖い。本当に信じられる臣下なのか?異教徒の手先では?

p325 ヘッセンの裏切り

まじか〜我が主って魔女?

p326 肉体の時を止めた

どういうこと…3月と3日、また3だ。10月10日のうちって何??

p327 あなたの心臓さえ手に入れれば、我が主の勝利

なんで??

p330 アラン、苦しませてごめんね

泣いた。最後の最後までどうしてこんな…リオはお人好しなのか。つらい。こんなに健気で一生懸命ないい子を嫌いになんてなれない。

p331 アランの治癒

えっちだな…性感帯、しこり…

p334 ルースとリオ

本当にリオはルースに運ばれているのか?ルースは異教徒なのでは?

p336 リオの過去の記憶

リオの中にはユリヤの心臓と魂があって、ユリヤの外側はウルカの国にあった。

p298 三番目の子、お前の生まれてきた意味は…と関係がありそう。二番目の子はユリヤ。三番目の子がリオ?

p338 敵に捕まったリオ

まじか…最悪の展開。でもだいぶ過去を思い出してる。リオは3人目の子?2人目のための器でしかない?

p341 裏切り者の顔

まじかよ。よく知る文官とか…。

p342 母が望んでいるのは人形の中にある「記憶」

母の復活には人形の心臓が必要。正しく言えば記憶が必要(心臓に記憶が残っている)

心臓に記憶が残っていても、あれを聞き出せなければ4つ目の人形が必要。レンドルフは何番目かの人形なのか?

p347 ユリヤに弟の体のことを告げようとするリオ

死ぬ間際までヘッセンに弟が何かされそうになっていたごめんと謝るリオに胸が痛くなる。リオはみんなに死を望まれている…。

p352 おれがしんだら…あのひと、おきる…?

泣いた。世界の誰からも生きていてほしいと思われていない。死んだ方が世界のためになると思われている子ども。誰も味方がいなくて、一生懸命に国のため、愛する人に褒めて欲しくて努力する子ども。なんてかわいそうな子。

p355 三番目の子

リオはやはり三番目の子なのか。ユリヤはそれを知ってる…。罪も苦しみも背負わせたくないから愛したくない…。

p353〜 ユリヤとリオの濡れ場

ユリヤはスタンにもエドにも似てる。リオが可愛くて仕方ないけれど、愛せない。

p362 リオの決意

全ての謎が明かされた…リオも第二王子も土人形だったんだ。リオの決意がつらい。号泣した。セスのような苦しみを味わって欲しくないと、自分を殺してほしいと願うこと…どれだけ恐ろしいだろう。

p365 生かすためにここへ呼んだ

どういうこと?以前ユリヤは国を捨ててリオを選んだ?二度と死なせないって昔死なせたのか?

〜p378 俺が死んだら他のものを愛せ

うーん、リオが死ねば一件落着ではないのか。リオが死んでも魔女との抗争は続くし、リオが生きてても…いやそもそもなんでそんな魔女は第二王子に固執するんだ?すごく強いとか?

まあでもお前を抱く、意地を張らないと言ってくれたり、アランにやきもち焼いてくれるのはかわいい。

p379 寵姫の部屋

ファンシーな部屋だなと思ったらそういうこと❤️

p384 いつも最後にはアランは助けてくれるから信じてる

すごいなあ。リオの根っからの心の清らかさを感じる。信じるって難しいよ。

「苦しませてごめんね」はほんと何回聞いても泣く

p390 ユリヤが変わった

ユリヤはなぜ記憶を取り戻さなくていい、知識をつけさせたいと思ってるんだろう。にしても、リオがユリヤに触れられて嬉しそうなのが可愛くて切ない。ユリヤはリオにまだたくさんのことを隠しているし、この一時的な優しさに心揺らしていたらまたリオが酷く傷つくことになりそうで…。

p394 リオの潮吹き

潮吹きさせるのが好きなユリヤw えっちだなあ。

p400 フェルナン

フェルナンは信じられるのか?不安。

p405-406 フェルナンの殺意

北の塔の要請はいつあったのか?使徒の選定前から?ユリヤがリオを大切にするのは、神との契約に違反しているということ?リオは国に害をなす存在なのか。

リオは三つ目の土人形、人形なら10/10に死ぬはずだが3年間生きているのは王の真名=魂(ルスト)をもらったから。次は命の全てを明け渡し、玉座を譲るつもりでいる。

p412 ユリヤはなぜ真名を教えたのか?

第二王子と似ていたから?「これ以上、お前が俺の目の前で死ぬのは耐えられない」というのは、弟への罪悪感が何か?

p413 王の呪い

王の真名を聞いた瞬間に、王とリオの宿命が入れ替わるようになっていた。つまり王は10/10で死ぬからリオを後釜に据えたくて勉強を教えてるのか。愛し合えば互いに辛いから触れなかったのかな。

p416 白い竜のお告げ

半分ずつ分け合い、改めて2人で考えろと…。

p417 ユリウス登場

え???ユリウスはやはりユリヤ??

p420 愛が、見捨てることを許さないから。

たしかに自分もそうするかも。

p421 真名を返す

壮絶なラスト…。

残る謎

①リオの知らないところで「お前のせいで弟は死んだ」?

②ユリヤに愛情の全てをあげてしまった→義弟を本気で愛していて、リオを通して義弟を見ている?

③レンドルフの謎

④フェルナンの生死

⑤ユリウスとユリヤは同一人物か?

⑥「唯一した取り返しのつかないこと」

リオはルストの魂を半分ずつ分け合っていたわけだから、リオが死んでルストは完全体になり呪いから解かれるかもしれない。けど、ユリヤは死んだままなのでは?ユリヤの魂はどこに?

というか魔女側もリオを殺して真名を聞き出そうとしてたけど、魔女の復活のためには王の真名が必要なのはなんで?王の真名をゲットすればリオの心臓ではなく王の心臓をゲットできてより国に報復できるからかな。

p354「俺が知ってるどの子とも違う」とルストは言ったけど、ルストは前王の妻(魔女)の子供が全員土人形だと知っていて、比べてるのかな?てかユリヤは土人形だから死んでるのでは?土人形は10/10には死ぬ運命にあるから。それ以上に生きるには王の真名をもらって命を奪わなければいけなかったけど、二番目の人形は失敗し、三番目のリオだけが成功したとか?いやでも長いことユリヤは生きてたのか?

p359 許してくれ、俺は弱いー

これ好きだな。スタンみたい。それ以外はエドっぽいけど。

リオの力が強いのは、王の力を半分持ってるから?魂を半分こしてるから?

 

「リオの命の中にセスの命があるなら、セスができなかったことを成し遂げよう。」

「さよならセス」というリオの言葉には、ちょっとびっくりした。初めて読んだ時、リオがセスを突き放しているように感じたから。

もこれは違うよね。リオは、泣いて、泣いて、心のなかでセスへの思いをきちんと整理できたから、「さよなら」とお見送りできたんだよね。

この瞬間、リオは昔のリオに決別したんだな。セスの命を背負って、リオは一回り強く、大きくなったんだな。

 

ネタバレ感想

残る謎は

①「お前のせいで弟は死んだ」
②ユリヤに愛情の全てをあげた→義弟を本気で愛していて、リオを通して義弟を見ている?
③異様に幼いレンドルフの言動
④フェルナンの生死
⑤ユリウスとユリヤは同一人物?→ラストにそれっぽい描写があったが謎のまま
⑥ルストの「ただ一度した、取り返しのつかないこと」

の6点。リオはルストの魂は貰ったけど、ユリヤとは外見が似てるだけだよね?殺したとは…?🤔

リオが原因で、リオの知らないところでユリヤは殺されたけど、それはルストの「ただ一度の過ち」のせいなのかな🤔💭

 

あと、あとがきで担当編集さんが「思った以上に古典的なファンタジーだった」と仰っていたそうで、確かに!!!!と思いました。

伏線がたくさんあるんだろうけれど、うまく結び付けられないよ〜!!何度も何度も読み返したいです。

 

特典情報

各書店の特典情報です。

ホーリンラブブックスさんは結構長く特典が残ってますが、コミコミさんは割とすぐなくなっちゃうので要注意!

 

プレゼントキャンペーン

Twitterでは2/27(木)〜3/12(木)まで、以下のハッシュタグ企画が行われていました。

最近、色校プレゼント企画増えましたよね。嬉しいなあ。

しかもこのキャンペーンでもらえる色校は樋口先生の直筆サイン入り!!

当たりますように〜!!当たったら神棚に飾って家宝にしたいです!!💎

 

まとめ

予想を裏切る展開の連続、鮮烈で荘厳な世界観に読後呆然とします。

読みすすめるほど、お前が生きる意味とは何だ?と突きつけられます。

愛のために死を選ぶルストとリオの強い覚悟に号泣。衝撃のラストに震えます。

次巻が更に楽しみな名作!🏆✨

王を統べる運命の子(2)
作者:樋口美沙緒
『王の鞘』として七使徒に選定され煌びやかな王宮に足を踏み入れたリオは、いつか魔術師ユリウスに会えるかも、と期待と不安に揺れる。けれど、登城初日に出会ったのは、身分の低いリオを蔑み、使徒など不要と公言する貴族たち。七使徒排斥の空気が漂う中、ついに国王との謁見の日が訪れて!?
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