中庭みかな先生「リトル・ホーリー・プレイス 」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人におすすめなのかなど、ネタバレ感想とともにご紹介します☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
「人が暮らす家」を作りたくて建築を志したのに、施設育ちの自分は家庭を知らない…壁にぶつかっていた大学生の綾斗が出会ったのは、夜も更け、大急ぎで息子を保育園へ迎えに来たスーツ姿のお父さんだった。
仲のいい父子に導かれるようにして、綾斗はその保育園で就業体験をさせてもらうことに。
「あや先生」としてあのときのお父さん・都倉と再会、激務の傍らひとり懸命に息子の凜を育てる彼を、誰よりいとしく思うようになり…?
こんな人におすすめ
- ほっこり優しい家族ものが好き❤️
- 頑張り屋さんのキャラクターが好き!
- 色彩豊か、透明感ある繊細な文章が好き🎨✨
感想
大好きなシーンは、たくさんあるけど主に以下の4つ。
②凛がスイカにシートベルトをお願いする
③絵本の読み聞かせは「ストーブに油を入れるつもりで付き合う」「大人の思いも浴びている」
④修一郎から凛への手紙 「家は小さな聖域」も好き
中庭先生の文章は、まるで色とりどりのガラスのかけらみたいです。
温かくキラキラ光っていて、奥底に孤独な冷たさを隠している。でも、大切に集めて撫でて、いつまでも何度でも見つめたい輝きがある。
噛みしめるほど、命のきらめきと心優しさが痛いほど胸にしみます。
本当に唯一無二の作家さんだ…。
中庭みかな先生の作品は、読むたび、先生独自の繊細な考え方や言葉に心震わされます。
「心臓は、お父さんとお母さん、ふたりからもらったものだから。だから寂しくなったら、この音を聞いてごらん。」
「家は、守りたい人がいる自分を守ってくれる、小さな聖域なのかもしれない。」
誰にも真似できない言葉を生み出すのは、相当な労力が必要なはずです。
心と体をすり減らし、痛みをこらえて魂から言葉を取り出して、こんな綺麗なものが世界にはあるよと中庭先生は教えてくれます。
親子、家、愛…身の回りにある平凡なもの、その中にある尊い思いに気づかされた作品でした。
慈愛の回路
都倉さん視点。 「脳が喜んでいるのが分かる」等、独特の言い回しが面白いです。凛の阿波踊り、かわいかったなあ。
綾斗の、普通の家族がわからないという怯えを「優しい賢さ」と表現するのが中庭先生らしいです。人の弱さを優しく包む描き方が大好き。
「好き、大好き」と繰り返す綾斗に涙しました…。
電子限定盤おまけ
綾斗の「歯が全部抜ける夢」、調べたら家族の不幸の暗示なのだそう。家族を大切にする綾斗らしくて切ないです。 凛くんの夢はかわいいなあ。ふわふわ。
綾斗の書いた絵に向かって、綾斗への愛を宣誓するシーン、すごく素敵でした…感動。紙派の方にもぜひ読んでほしい番外編です。
コミコミスタジオオリジナル特典・書き下ろし小冊子「しあわせはここに」
背徳の「お父さん」プレイか!?と思いきや単なる言い間違いで照れる修一郎さんがかわいい😚❤️
照れる彼を愛おしく見つめる綾斗は愛情に溢れてて、なんて素敵な夫夫だろう…と胸がいっぱいになります。
中庭先生らしい、えっちなだけでなく心温まる後日談でした☺️❤️
まとめ
繊細なガラス細工のようにきらめく子育てBL。
家族を知らない受が、真面目すぎる父子と共に親子愛を知っていく様にほろほろ泣きました。
一人息子凛くんの可愛さ、天使級です!!心温まる名作。