川崎かなれ先生「箱入りウサギ♡妊活中~もふもふオメガバース~」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します☺️✨
登場人物とあらすじ
文武両道のツンデレDKα×世継ぎを産みたい兎獣人王族Ω のお話。
<あらすじ>
兎族の王子ユズは希少な白耳の王族オメガで、アルファやオメガの子を生涯で30羽産むことが義務づけられているのに、まだ発情すらできない。
誕生日までに必ず子種をもらってこいと日本にあるアルファ専用男子校に送り込まれてしまうのだが、そこで出会った生徒会長の高宮は、精悍な顔だちのとんでもない美形!
世話係兼、寮でのルームメイトとなった高宮に、ユズは早速交尾をねだるが、冷たく断られてしまい…。
こんな人におすすめ
- 川崎かなれ(遠坂カナレ)先生の文章が好き!
- 健気で一生懸命な受けに惹かれる🐰❤️
- ツンデレなスパダリDK攻めにときめく❤️
ネタバレ感想
かなれ先生の文章、超読みやすい
文章のテンポが良くて、歯切れがいい。すごく読みやすいです!!
物語の展開が軽やかで、ダレることなく常にワクワクしながら読めます。そして心理描写がとても繊細。
物語は受けのユズ視点で描かれるんですが、ユズの不安、戸惑い、恐れ、快感…揺れ動く感情をひとつひとつ丁寧に拾って描いてくださっているので、読者がユズに共感しやすいんです。
つまり、作品の世界観にどっぷりハマれる文章スタイル!!
小説は読むのがめんどくさい、長い文章を読んでると途中で飽きちゃう…という小説が苦手な人にこそ、かなれ先生の作品を読んでみてほしいです。
知らず知らずのうちにページを次々めくっていて、驚いちゃうはず!
ハチクロ好きは絶対読むべし
本作を読んでいる時、私はたびたび羽海野チカ先生「ハチミツとクローバー」で、山田さんが真山におんぶされて「好き」って何度も言いながら泣きじゃくるシーンを何度も思い出しました。
攻めの高宮と受けのユズは、それぞれが家族から使命を課せられつつも、自分の求める愛の形と、その使命が違っていることに苦しんでいます。
高宮は親に決められた婚約者と家督を継がなくてはならないけれど、本当は心底愛した人とつつましく暮らしていければそれでいいと思っている。(ユズのことが誰より好きなのにユズはえっちだけでいいと言うから、それくらいの思いならお互いに諦めるべきだと思っている)
ユズはどんなαとでもいいから30羽の子供を産まなくてはいけない使命だけれど、本当は高宮と以外は子供なんてほしくないと思っている。(でも、高宮を自分のせいで縛りたくないから、体だけの関係でいいと訴えている)
おたがいに理想の愛の形があって、でも現実は全然うまくいかなくて苦しむ姿がまるで真山と山田さんたちみたいだって思ったんです…🤦♀️
ハチクロの真山たちの関係と同じく、甘酸っぱくて、苦しくて、でも大好きが溢れてたまらない…そんな気持ちにさせられる物語です。
濡れ場のラブラブっぷりに萌え転がる
濡れ場の描写、好きなところがいっぱいありました!!!!
まず、αには亀頭球があるって設定。
犬や狼の半獣攻めの作品だと時々見ますが、人型のα攻めに亀頭球がある設定は初めて見ました!!レア〜❤️
亀頭球があると受けの中で連続射精できるので、濡れ場のエッチさがぐっと高まりますよね…❤️❤️❤️
それに、攻めの高宮は普段、無愛想でクールなのに、えっちの時だけ受けのユズに「愛してる」「かわいい」ってデレデレなのが可愛すぎました…!!最高ッ…!!!ギャップ萌えです!!!😇⚰✨
高宮もユズも高校生なんですが、高宮がユズのエッチな姿に興奮しすぎてすぐイっちゃうのがいかにも「はじめてのエッチ」感があってニヤニヤしました/// 高宮、かっこいいのにかわいいなんてずるい〜!!!(ローリング悶え)
高宮に触られるだけで感じすぎちゃって、子兎みたいに「きゅー」しか言えなくなっちゃうユズも愛おしすぎてもう…もう…ウゥッ…感涙です😭❤️かわいいいいい😭❤️❤️❤️
鮮明かつ繊細な表現にうっとり
またかなれ先生の文章の話に戻るんですが、地の文で一番好きだったところがあるんです。
高宮がユズを祖父母の家に連れて行って、楽しく時間を過ごした帰り道に「お互いに深く想い合う祖父母のような家庭が理想だ」ってユズに話すんですが、そこでユズが(自分は子種をもらったらまた自分の世界(異世界)に帰らなきゃいけないから、高宮くんの理想のパートナーには一生なれないんだ)と、切なくなった様子の一文、「胸がぎゅうぎゅうして、クッキーの粉が喉にいがいがした」。
これがもう…ものすごく、分かる!!!!!!!恋をしたことがある人はなんとなく分かるんじゃないでしょうか…。
クッキーの粉なんてすっごく小さな粒ですよね。でもそれを異物に感じてしまうくらい、体全部が孤独感や悲しみでいっぱいいっぱいになってたんだな…と…この一文を読んで、ユズの悲しみの深さがすごく伝わってきたんです。
ユズが食べたクッキーは高宮の祖母が焼いてくれたものだったんですが、祖母手作りというのも余計に失恋に追い討ちをかけますよね。
だって、高宮の祖母は、高宮の理想どおり、パートナーと幸せいっぱいの生活を送っているわけで…耳から情報として自分は失恋したって自覚させられるだけじゃなく、味覚でもその悲しみの味を感じさせられるって、つらいよな…と、読みながら胸が苦しくなりました。
そして、ユズの失恋を五感をフルに使って本人にも読者にも伝える描き方をしているのが、(文章の表現技術として)うまいなあ…と思ったのでした。
まとめ
「誰でもいいから優秀なαとセックスして子供を産む」という、自国の使命を背負い異世界へ来た受け・ユズが、一生懸命に攻め・高宮を誘惑するのがかわいくてかわいくて、そして胸が苦しかったです。
高宮のユズに対する誠実さ、一途さに、読み進めるほど「何でそんなにかっこいいんだよぉ!!!」と泣けてきます😭✨
最後は圧倒的な大団円!!
2人の強くてかたい、愛の誓いに心震える良作です😭❤️✨