イーライ・イーストン「すてきな命の救いかた」のあらすじ・ネタバレ感想|痛みを抱えた犬たちを救いたい

小説

イーライ・イーストン先生「すてきな命の救いかた」を読みました!

本作はシリーズもので、第4弾です。第1弾「月への吠えかた教えます」、第2弾「ヒトの世界の歩きかた」、第3弾「星に願いをかけるには」が発売されており、第5弾「狼と駆ける大地」も近日中に発売予定です🐺✨

今回は第4弾「すてきな命の救いかた」の登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


犬の保護シェルター運営者×虐待され保護施設で死を待っていた犬 のお話。

<あらすじ>
犬の保護シェルターを運営しているラヴは保護した後に失踪したラブラドールのサミーを追いかけて犬と人の両方の姿になれるクイック達の住む町、マッドクリークへたどり着く。
クイック達のシリーズ第4弾。

 

こんな人におすすめ

  • びしょびしょに泣き濡れたい😭
  • 犬が大好き!!🐶
  • 大切な誰かと別れた経験がある🤝

 

ネタバレ感想

①誰かのために動きたいと願う犬たちの純粋さに涙

ラヴ(攻め)が犬の保護施設をマッドクリークに作り、従業員を募った時、マッドクリークじゅうから大勢のクイック(犬に変身できる人間)たちが詰めかけました。
そしてみんなそろって言うのです。「応募させてくれてありがとう!ありがとう!」と満面の笑顔で。

人間のようにメールの返信をしたり、寄付のお願いの電話をしたり、譲渡会で犬を売り込んだり、そんなことは難しくてなかなかできないけれど、みんな人一倍「誰かのために働きたい」という気持ちで溢れています。
その、「誰かのために何かしてあげたい」「誰かに喜んでほしいから精一杯頑張りたい」という純粋すぎる熱意に、私は何度読んでも目の奥が熱くなります😭

犬たちの根底に溢れるその溢れる献身の心、その尊さを、一体なんと形容したらいいのか分かりません。こちらこそありがとう!誰かのために尽くそうとするその心にありがとう!と叫びたくなります😭

 

②犬の底なしの愛情に涙

主人公のサミー(受け)は愛する主人に先立たれ、次の飼い主には蹴られたり、寒い冬に外に短い鎖で繋がれたりと度重なる虐待を受けていました。
肉体的にも痛く、精神的にも恐ろしく、生きているのが辛かったはずです。
なのに、サミーが一番心を痛めていたのは、もう一人虐待を受けていた人間の家族を守れない自分の弱さに対してでした。
人間を愛したい、助けたいと思うのに、怖くて動けない。自分に勇敢さがないことにサミーは何より苦しんでいました。

そしてサミーは保健所に送られてしまいます。家族に何もしてあげられないまま、死を待つしかない自分。その事実にサミーはまた打ちひしがれます。自分は愛する人を守ることもできないまま死んでしまうのか…と。
愛する人を守る勇敢さがほしい、もう二度と逃げたくない、と、自分より圧倒的に強い相手に対して思い願うサミーの愛の強さに心が震えます。

そんなに頑張らなくていいんだよ、愚かな人間になんて立ち向かわなくていい、逃げていいんだよと思うけれど、サミーは違うのです。一人でも傷ついている人がいれば、身を投げ出してでも助けたいと思う。それがサミーに、ひいては犬たちに本来備わっている、人間への深い愛という神様から私たち人類へのギフトなのだと思います。
サミーの勇敢さ、本当にかっこいいです😭

 

③残酷な環境にいた犬たちを救う受けの姿にまた涙

サミーはラヴとともにいくつもの保健所を回り、人気のなさそうな犬たちを引き取ります。保健所には、違法ですが闘犬(犬同士に殺し合いをさせて、勝敗を賭けて楽しむ遊び)として戦わされていた犬もいました。名前は「シットヘッド(意味:くそったれ)」。
顔のあちこちが裂け、度重なる命懸けの試合のせいで顔はぼこぼこになっています。

サミーはラヴにわがままを言い、その子をどうしても引き取りたいと頼みます。
闘犬はそれまで犬と強制的に戦わせられてきた経験から、引き取り手がなく扱いが難しいとされています。
けれどサミーは言うのです。「犬は後悔してしまうようなこともするけれど、だから逆にもっといい子になろうって頑張るんだよ」。
サミーは彼に「ベストボーイ(意味:いい男の子)」と名づけ直します。

ベストボーイが過去の辛い経験を乗り越えてサミーたちのもとで穏やかに生きていくさまに、涙が止まりません。人間のせいでくそったれな環境にぶち込まれて、無理やり闘わされて、そして行き場を失って、殺されるのを待つだけだったベストボーイ。
彼の第二の健やかな人生を手助けしてくれたサミーには、感謝の思いでいっぱいになります😭💕

 

まとめ

犬好きにはたまらない、「月吠え」シリーズの第4弾。これまでの作品の中で最も!!泣ける作品だと思います😭✨

人間の身勝手さゆえに生み落とされ、消耗され、殺されていく犬たち。そんな犬たちの命を救うラヴ(攻め)とサミー(受け)。
人間たちにどんなに酷い目に遭わされてもなお優しくて健気な犬たちに涙し、マッドクリークが迎えた大変革に驚き、圧倒的なハッピーエンドに笑顔と涙が止まりません。

犬を愛するすべての人、そして「月吠えシリーズ」が大好きな人、誰かを一途に守りたい愛したいと願う思いを浴びたい人、大号泣したい人に、超おすすめの一冊です📖✨

すてきな命の救いかた
作者:イーライ・イーストン
犬の保護シェルターを運営しているラヴは保護した後に失踪したラブラドールのサミーを追いかけて犬と人の両方の姿になれるクイック達の住む町、マッドクリークへたどり着く。クイック達のシリーズ第4弾。

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