樋口美沙緒「パブリックスクール ―ロンドンの蜜月―」のネタバレ感想|恋人との甘い同棲生活と異国での過酷な求職体験…礼はこの苦難をどう乗り越えるのか?

小説

樋口美沙緒先生「パブリックスクール ―ロンドンの蜜月―」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ

世界企業社長×求職中の恋人 のお話。

<あらすじ>
名門貴族の御曹司で巨大海運会社CEOのエドと暮らし始めた礼(れい)は、自分の仕事を探そうと美術系の面接を受けるものの、結果は全て不採用。

日本での経験が全く役に立たない厳しい現実に向き合うことになる。

エドの名前には頼りたくない、けれど恋人の家名と影響力は大きすぎるー甘い蜜月と挫折が交錯する同居編!!

 

こんな人におすすめ

  • 樋口美沙緒先生の文章が好き!
  • パブリックスクールシリーズが好き!!
  • 「大企業CEOの美形スパダリイギリス人攻め×儚げ美人な健気美術コーディネーター受け」と聞いて萌えツボに刺さった💘

 

ネタバレ感想

序盤のロマンティック過ぎるほど甘い情事のおかげで、中盤以降の「パワーvsアート」の過酷さが際立ってて素晴らしかったです。

礼の、アートが本物であろうと偽物であろうと誰かの命の杖、本物だけが残るという考え方に胸を突かれたし、篤郎に「罪を裁くのは法と己のみ」と諭した真耶様を思い出しました🐝💭

エドのスピーチ、「パワーは時に不当に人を傷つける。でも私のパワーよりもアートのパワーは強く、大きい」に涙。全ての表現者に読んでほしい、激励の言葉だと感じました😭👏

エドと対等になるのでなく、それを違いだと受け入れた礼の朝の風景…エドと共生する未来を冷静に見つめる姿に、より深い愛を感じて胸熱です…🥺✨

あらゆるシーンが胸に刺さって…全部を「好き!!!!」と差し出してみんなに読んでほしい気持ちでいっぱい。

神様がたくさんキスをしたからタコになった指、デミアンの涙、礼の人生の杖…美しい思いと言葉、非情な現実の嵐の中で、礼と共に自分の哲学を見つめ直そうと思わされた一冊でした。

 

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エドが礼を愛するのに苦悩する姿を見るたび、愛は苦しみだと痛感します。

「持てる者」が、愛する者のために力の使い方をいかに腐心しているか…。

礼は自分でなくてもいいのだと、怯えながら必死で愛するエドに泣きました。

 

まとめ

エドと対等であるため、芸術に力は不要と頑なな礼にギルが諭した「愛する人を守れない惨めさ」にハッとしました。

アートは誰かの生きる杖…表現の価値と在り方を問う、柔靭な名作です🎨

パブリックスクール―ロンドンの蜜月―
作者:樋口美沙緒
名門貴族の御曹司で巨大海運会社CEOのエドと暮らし始めた礼(れい)は、自分の仕事を探そうと美術系の面接を受けるものの、結果は全て不採用。日本での経験が全く役に立たない厳しい現実に向き合うことになる。エドの名前には頼りたくない、けれど恋人の家名と影響力は大きすぎるー甘い蜜月と挫折が交錯する同居編!!
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