野田彩子先生「ダブル」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
鴨島友仁(かもしまゆうじん)と宝田多家良(たからだたから)は同じ劇団に所属している俳優仲間で、安アパートに隣同士で住み、共同生活をしている。
お互い無名ではあるものの、友仁は「世界一の役者になりたい」という想いを抱えながら、多家良の類まれな演技力を見抜き、その才能を世に知らしめるために彼を支えている。
やがて周囲は少しずつ、多家良の才能を見出していくが―。
こんな人におすすめ
- 狂気めいた役者魂を感じたい🔥
- 濃厚なブロマンスを味わいたい👨❤️👨
- 新井煮干し子先生の作品が好きだ📕✨️
ネタバレ感想
ダブル 1
芝居の世界に魅入られた男2人の共依存系ブロマンス。
多家良の狂気的な生き様、友仁の献身と嫉妬と芝居への情熱と…2人の一挙一動に心が釘づけです。傍役一人一人も魅力的で、全員から目が離せない!!
めっっっっちゃくちゃ面白かった…。余韻がすごい…何度も読み返したいです。
ダブル 2
多家良と友仁が受けた黒津監督の映画オーディションに、多家良だけが合格します。1巻で友仁が「多家良の芝居は俺を裏切ることで完成する 絶望が 裏切りが 多家良を輝かせる」と言ったように、多家良は黒津監督から「誰の入れ知恵だ? きみはここに異物を持ち込んではいないか?」「愛する犬を捨てろ!」と指摘されます。
二人で進んできた道は別れ、多家良は自分だけの演技を求められます。ダブルからシングルへ、多家良は生まれ変われるのでしょうか?
ダブル 3
売れ始めた多家良ですが、その矢先に心因性失声症になってしまいます。友仁と離れ、愛姫と近づく多家良。「友仁さんがあのとき俺に目をくれた 声を 手足を 心を みんなくれた ここにいる俺はあなたのものだ」と、友仁が役者としての自分を見つけてくれたことを思い出し、声が出るようになります。本物の友仁がいなくても、自分の中のイマジナリー友仁に救われる多家良。
友人に恐れを抱いて芝居をやめたマネージャー冷田の「私は恐ろしかった 舞台上で彼女に踏み潰されることが」との言葉に対し、多家良は「俺の芝居を本当に潰せるのは友仁さんだけだよ」と友仁に壊されることに安堵さえ覚えている様子。いつ壊れてもおかしくないギリギリさを感じるからこそ、多家良は、多家良の演技は美しいのかもしれません。
ダブル 4
多家良は舞台「初級革命講座飛竜伝」に九十九、愛姫とともに出演することに。しかし九十九は特番出演で友仁に交代。多家良は黒津監督に「友仁さんと離れたかった」「秘密ならもうあるんです。俺友仁さんが好きなんだ」と告白します。多家良に心配して泊まりに来た友仁にありのままの気持ちを伝えるも、友仁は今まで向けられていた尊敬が薄っぺらく感じさせられてしまい、「踏みつけられたように感じる」と言います。新しい「初級〜」を模索する友仁。
舞台がどうなっていくのか、続きが気になります。
ダブル 5
多家良から離れようとするも、彼から求められることに喜びを感じる己を自覚する友仁。「あなたに見つけてもらったのか 俺があなたを見つけたのだったか」と心の中でつぶやく多家良。その翌日、「初級革命講座 飛竜伝」の初日の幕が上がります。
「初級革命講座 飛竜伝」は、多家良と友仁の最後の芝居になるのでしょうか。
まとめ
芝居への燃え盛る情熱、疾走感が紙から溢れんばかりで気圧されます。
友仁と組み立てた演技プランに沿い感覚的に演じてきた多家良が自我に目覚めた時、友仁という心・人生・芝居の支えとどう折り合いをつけるのか?
全く違うタイプの二人の役者が、どんなふうに板の上で、カメラの前で生きていくのか…その壮絶な生き様から目が離せません。