支配する側でずっと生きてきたのに、蔑んでいた担任教師に命令され従う喜びを教えられる―!?、彩田あまた先生「強制Switch」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
Sub(?)の堅物担任教師×Domのヤリチン問題児 DK のお話。
<あらすじ>
支配欲をもて余すヤリチンDomの真洋は、支配されたい欲を持つSubを奴隷扱いする問題児。
そんな真洋の天敵は、いつも注意してくる担任の大永。
相手はSubなのに、目が合うとなぜか強く出られない。
こんな人におすすめ
- 少し変わった設定のドムサブものが読みたい📚
- 教師×生徒の禁断愛にドキドキする🏫
- 普段はツンツンな俺様がエッチになると途端にかわいくとろけるところが見たい👀
本作をもっとよく知るための小ネタ
①――当て馬や重要な脇役は?
真洋の兄の真詞、真洋の友人の新島など。最初の方に出てくるSubの中江君も。
重要ではないですが4話に出てくる変態Domの彼も少し気に入ってます(笑)。
引用:彩田あまた先生インタビュー 2022/09/26 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
②――今作にまつわる裏話はありますか?
大永は最初の方に構想を練っていた時とは結構違うキャラクターになりましたね。キャラクター像や関係性、シナリオの大幅な流れが定まった後、各話の流れも最初に全話分作ってあるのですが、描いてる途中で変わったりもしました。
大幅な変更はもうないかもですが、エピソードが変わったり…… みたいな可能性は無きにしも非ず?
引用:彩田あまた先生インタビュー 2022/09/26 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
③――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
コマンドを使う時に英語で言う時と日本語で言う時と両方あるのですが、これは「どっちがしっくりくるか」というなんとなくな感覚で選んでいます。
出来るだけコマンドらしく英語を使いたいのですが、日本人なので皆日本語で話してるわけで、そんな中でコマンドが英語ばかりだとなんか……うーん……てなるのです、難しい(笑)。
引用:彩田あまた先生インタビュー 2022/09/26 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
ネタバレ感想
強制Switch
Subを見下して自分勝手なプレイをするDomの生原真洋は、幼馴染で担任教師の大永律に怒られるとなぜか逆らえません。あいつはSubのはずなのに、と歯痒く思う真洋。そんな中、同級生の中江にレイプ同然のプレイをした挙句、Subdropに陥らせた真洋に大永はいよいよ激怒して「Switch」と命じ…。
DomSub作品は漫画も小説もいろいろ読んできましたが、本作ほどDomSubの世界観やDomキャラ、Subキャラそれぞれの欲求や恋愛観などについて丁寧に説明してくれている作品はありませんでした。その意味で、本作は「初めてDomSubユニバースの世界観に触れる」という初心者に特におすすめだなと感じました。
それに、Dom、Switch、Subの中でもS、A、B、Cとフェロモンの強さに4段階のランクがあり、それによってコマンド力が違うという独自設定が面白く、「DomSubの世界観が好きだけど少し変わった設定が見たい」という方にもおすすめです。
なぜかSubを毛嫌いして見下している真洋。両親亡き後は、Subである優しい兄に大切に育てられたにも関わらず、真洋は兄のこともよくは思っていないようです。ここらへんの謎は2巻以降で分かるのかも。
Subは自分のDomとしての欲求を満たすための道具だと思っている真洋は、校則で校内のプレイが禁止されているにも関わらず、イライラした時はSubの生徒に強引な命令をして憂さを晴らしていました。
それだけ横暴なDomはみんな嫌がるだろうと思いきや、真洋はA級とかなりランクの高いDonであり顔もかっこいいので、Subの生徒たちは、怖がりながらも「いつかプレイして欲しい」と寄ってくるようです。自分がSubならば、Domには逆らえないからこそ、その力が強ければ強いほど怖いと思ってしまいそうなんですが、相手が強い力を持っているほど屈服させられる感覚があって気持ちよかったりするのかな? 真洋はSubに対して一切の温情を与えないので、プレイの内容で相手を満足させているわけではないと思われます。この世界での、DomとSubの感覚の違いをもっと知りたい!
生徒へレイプまがいのプレイを校内でも繰り返す真洋に、再三注意を重ねてきた担任教師の大永律。実は彼は真洋の兄・真詞の友人で、真洋が幼い頃は三人で川の字になって寝たりとかなり親しく交流していました。
兄のような目で努めて穏やかに真洋を見守ってきた律ですが、真洋の素行の悪さにとうもう堪忍袋の緒が切れます。実は、律は以前、真詞から「両親の遺品整理中に幼少期の真洋のホルモン検査の紙を見つけたが、弟はどうやらSwitchらしい」「真洋の素行が悪すぎた場合はSubにSwitchして保護下においてほしい」と密かに頼まれていました。律はS級のDomなので、A級のSwitchである真洋に対抗できる稀な存在なんですね。
大永は「お仕置き」と称して真洋をSubにして乳首をいじめたり、アナルを指でいじったりして激しくイかせます。けれど言葉で彼を追い詰めることはなく、とにかく撫でて褒めて慈しみます。
その結果、真洋はなぜかDomとしてプレイする時には感じたことのない圧倒的な安心感と幸福感に包まれ、普段ずっと感じているイライラやだるさがなくなるのを実感するのです。大永がDomとして真洋を包み込むような優しいプレイをしてくれるからなのか、それともSubの方が快感を感じやすいからなのか、なぜ大永とのプレイがこれほど気持ちいいのかと困惑する真洋。
普段はまるで暴君な真洋が、大永の前ではとろとろにとろけて甘えん坊になる様子がかわいすぎる…!!ツンデレ美人受けが好きな私にはドストライクでした。SubとしてSpaceに入ると、まるで人が変わったかのように素直になる真洋。まだ男子高校生らしい幼さがその時だけ垣間見えて、普段からもっと大永に頼って甘えていいんだよ〜!と抱きしめたくなります。
真洋は大永とのプレイにハマっていく一方で、大永が自分とのプレイに満足しているのか、他のSubともプレイしているのではと疑い、嫉妬します。真洋本人は嫉妬だとは認めていませんが、大永にも気持ちよくなってほしいと思う真洋が健気でかわいくて…ときめきます!
大永は、最初は「あくまで教育の一環としてプレイしている」と言っていましたが、真洋が危なっかしい言動をするたびにお仕置きを重ね、そうするほどに、「満たされるのを感じる」「真洋とのプレイは気持ちいい」と真洋を特別視するような言葉を多く言うようになってきます。
大永は真洋のことをもともと弟のような気持ちで大事にしていたと思いますが、彼がプレイを通して甘えてくれることで、その殻が破られつつあるのかもしれません。弟のような存在から、Subとして愛しい存在へ。
二人の変化が楽しみです!
強制Switch 2
真洋は大永とのプレイでSubとしての欲求不満が解消され、精神的に安定するように。大永の前ではSubとしての自分を受け入れ、素直に甘えるようになってきました。
イツメンの新島が真洋の異変を察知し、面白半分でコマンドを命じられる展開にはヒヤヒヤしましたが…和解できてホッ。
一方で、大永と真詞と真洋の関係、真洋がグレてしまった理由なども明かされます。本巻では真洋の大永への想いや、自分のSwitchという特殊なダイナミクスへの向き合い方などははっきりしていないので、次巻で分かるのかも? 真詞や中江との今後も気になるところです。
強制Switch 3
Domでいたいという欲求と、大永にSubとして抱かれたいという欲求…相反する気持ちに揺れながらも、真洋は大永に抱かれることを選びます。そして3巻にして初挿入!!大永にあまあまな言葉責めをされて、とことんかわいくなっちゃう真洋がたまりません。
大永が紳士的なプレイで真洋の欲求を満たせているからか、真洋が切り替えに慣れてきたからか、真洋はDomとSubの切り替えがうまくなってきました。過去に虐げてしまったSubとも和解し、1巻の常時ブチ切れ問題児時代からの成長を感じます。
一方、大永は真洋の欲望を満たし切りたいという理性的な思いとは裏腹に、本能のまま・思うがままに真洋を犯したいという欲望が溢れそうになるのを必死で抑えています。さらに、穏やかになった真洋に対する周りの見方が変わったこともあり、真洋の周囲への嫉妬も感じるようになって…。抑えようと努力しているものの、我慢できずに学校でプレイしちゃうのにはドキドキしちゃいました。
早く二人がパートナーになれますように、と願うばかりです。
まとめ
横暴なイケメン高校生Domの生原真洋は、Subを「Domの欲求を満たすだけの惨めな存在」だと見下しており、プレイを求めてきたSubの同級生にレイプ同然のプレイをして放置します。校内で犯罪まがいのプレイをしたことに激怒する、Subと噂の担任教師の大永律。大永は真洋を呼び出すと、「Switch」と命じて…。
天上天下唯我独尊・Dom至上主義な真洋は、自分がSwitchだと知って衝撃を受けます。しかし、大永からSubとして甘やかされながら淫らな命令をされると、不思議なほどに心も体も落ち着いてしまう…。そんな自分に嫌悪感を感じながらも、普段どれだけSubとプレイしても常に感じている不快感を取り除けるならと、大永がわざとプレイをするような状況を作り出そうとしてしまいます。
大永とのプレイの最中にだけ、真洋のツンデレが外れ、生来の甘えん坊っぷりが顔を出すのがとにかくかわいい!
大永も、普段は生真面目な堅物教師ですが、真洋とのプレイ中は甘々で優しくもエッチな攻め様になるのがたまりません。
プレイをしていない時としている時での二人のギャップは、特に見どころです。
DomSubユニバースの世界観設定を使った作品の中でも、とりわけダイナミクスに関する説明が丁寧な本作。しかも、Domゆえ、Subゆえの欲求や心の動きも、キャラクター個人の心理描写とは別に丁寧に追っていて、何がダイナミクス由来なのか、個人の感情由来なのかがきちんと切り分けられて言及されていて、そのおかげでキャラクターたちの心の変遷をとても理解しやすいです。
「なんとなく」好きなのではなく、「こういう理由で」相手を好きなのだと言語化したい、してほしい人にとって、バッチリハマる作品だと思います。
極悪ツンデレ高校生Switchを、甘やかに優しく躾ける極上担任教師Dom。教師と生徒という禁断の関係を超えて、密やかに愛し合う二人のラブストーリー。
唯一無二の個性に溢れた名シリーズです。