炬太郎「泡沫の声を聴いて」のあらすじ・感想・レビュー・試し読み|爽やか王子様系大学生×元人魚姫ツンデレ男子の転生エモBL

コミック

一目惚れから再び動き出した恋心!前世の呪いを克服できるのか…!?、炬太郎先生「泡沫の声を聴いて」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


サウンド学科の大学3年生×ファッション学科の大学2年生(人魚姫の生まれ変わり) のお話。

<あらすじ>
亜依人は一見普通の男子大学生だが、実は「人魚姫」としての前世の記憶がある。
さらに前世のトラウマから、好きな人を前にすると立てなくなり声も出せなくなるという呪いにかかっていた。
「非恋愛主義」を掲げ、10年恋をしていなかった亜依人だったが、同じ大学で他クラスの徹に一目惚れしてしまう。

 

こんな人におすすめ

  • 人魚姫の物語が好き🧜‍♀️
  • 叶わぬ一途な恋に感動する😭
  • 好きな人のために努力する姿にときめく💘

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①作品紹介をお願いします
人魚姫が人間に生まれ変わりまた恋をするけど、人魚姫のときに受けた呪いがまだ残っていて、好きな人の前だと声が出せなくなってしまう。前世の悲恋を思い出し、恋はもうしないと決めるけど、ある日一目惚れをしてしまいー…って物語です。
担当さんから「転生」というテーマをいただき、その時たまたま人魚姫をモチーフにした曲を聴いていて、人魚姫の転生にしようと思いました。

引用:炬太郎先生インタビュー 2024/12/08 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる

②当て馬や重要な脇役は?
瑞貴(みずき)っていう女装男子が登場します。主人公の亜依人が好きな人の前で喋ることができないので、いろいろ支えてくれる友達です。彼のおかげでかなり賑やかになりました。

引用:炬太郎先生インタビュー 2024/12/08 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる

③今作にまつわる裏話はありますか?
自分でももう生きてる設定か分からないのですが、瑞貴はもともと親指姫の生まれ変わりでした。だから亜依人の理解者だし、燕がでてきたり、服飾の学校だったりします。

引用:炬太郎先生インタビュー 2024/12/08 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる

 

ネタバレ感想

ファッション学校2年生の春日井亜依人は、人魚姫の生まれ変わりです。10歳の時に初恋の人に出会って以来、「好きな人の前では、前世で死んだ時の感覚を思い出してしまい、声が出せなくなる」という呪いに苦しめられ続けていました。しかし、サウンド学科3年の橘徹に一目惚れしてしまい、呪いを解こうと奮闘することに。

この作品の推しポイントは、人魚姫の物語と、亜依人の人生がオーバーラップするシーンの美しさです。
徹に一目惚れして、いつまでこの呪いに怯えて過ごすのかと自分を鼓舞させる時に、「「俺」は生まれる前から諦めだけは悪かっただろ」とたくさんの枷を抱えながらも王子様を愛し抜いた前世を亜依人が思い出したり。
船の事故で海に投げ出された徹を救った亜依人に、前世の人魚姫が「あなたはもう人魚姫じゃない。彼を追いかける足があるし、彼を呼ぶ声もある。あとは、あなたの王子様を信じて。もう大丈夫よね?好きな人のためならどんなことだってできた。私たちは臆病じゃないもの。そうでしょ?」と呼びかけたり。

現実と絵本の世界が入り乱れていて、二つの世界が曖昧になる感覚は、まるで海の上をたゆたっているようで、まさに「人魚姫」の世界観にぴったりです。

亜依人が「泡になる」という恐怖や、「一歩踏み出すごとに足に剣で刺されたような痛みが走る」という激痛を必死で乗り越え、徹と本当の愛を見つけたい、今度こそ自分の王子様と幸せになりたいともがく姿は美しく、まさにBL版人魚姫だとうっとりさせられます。
濡れ場がないこともまた、絵本のような世界観を強く意識させて、それもまた良い読後感に繋がっていたと思います。

描き下ろし

徹が亜依人の初恋の人だと判明するお話です。

亜依人が人魚姫の前世を自覚したのは、「木下」という転校生に一目惚れしてから。それ以降、亜依人は小中とほぼ不登校になり、高校はどうにか通ったものの、大学は進学するかどうか悩むほどでした。
大学に進学してくれたから会えたと喜ぶ徹ですが、実は昔の苗字は「木下」で、亜依人と同じ小学校に通っていたと判明。しかも二人は同い年なので、間違いありません。
亜依人は「大学じゃなくてもどこかで出会えたと思う」と言うのですが、大学で偶然会えたのも、もしかしたら必然だったのかもと思わされます。前世の人魚姫が、今世でこそ王子様と幸せになってほしくて神様にお願いしてくれたのかも。

電子限定描き下ろし

徹から「もっと一緒にいたい」とわがままを言われて、珍しく授業をサボる亜依人のお話です。

徹がわがままを言うのは珍しいなと思ったんですが、亜依人が授業をサボらないというのは意外でした。小中は不登校だと言っていたので、大学でもそんな感じなのかなと思っていましたが…今は好きなことに熱中できるからかな?徹とどんならぶいちゃな1日を過ごしたのか気になります🤭

 

まとめ

人魚姫の生まれ変わりである大学2年生の春日井亜依人は、大学3年生の橘徹に一目惚れしてしまいます。しかし、亜依人は「好きな人の前では声も出せない」という前世の呪いを抱えていました。しかし亜依人は呪いを克服したいと奮闘し始め…。

人魚姫の生まれ変わりの青年が主人公なので、作中でたびたび前世の記憶が蘇ります。魔女に声を奪われた時のこと、王子様と歩くために手に入れた足は一歩踏み出すごとに剣に刺されたように痛んだ時のこと、王子様に愛されず海に泡となって溶けた時のこと…全てが、亜依人にとってはつい昨日の現実のことのように思い出されます。
しかし、今世こそ呪いに苦しめられずに愛する人を愛し抜きたい、今世でこそ王子様と幸せになりたいと願う亜依人は、その恐れを必死に押さえつけ、徹に向かっていきます。

愛したい、愛されたい、今度こそ…。愛する王子様を渇望し、愛したい、愛に応えたいと必死に努力する亜依人の姿は、まさに前世の人魚姫の姿が重なります。
でも、亜依人は人魚姫ではありません。今度は人魚ではなく、人間に生まれたのです。だからこそ王子様と幸せにならねばと、ページをめくるほど、読者は願いを強くしていきます。

美しくも儚い人魚姫。その魂を受け継いだ亜依人。彼と愛する王子様・徹とどんなふうに愛を深め、そして確かめていくのか。あなたにも本編を読んで噛み締めてほしいです🧜‍♀️🫧

タイトル
作者:作者名
亜依人は一見普通の男子大学生だが、実は「人魚姫」としての前世の記憶がある。さらに前世のトラウマから、好きな人を前にすると立てなくなり声も出せなくなるという呪いにかかっていた。「非恋愛主義」を掲げ、10年恋をしていなかった亜依人だったが、同じ大学で他クラスの徹に一目惚れしてしまう。

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