吉尾アキラ先生「叶わぬ恋の結び方」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
受け大好きな歳上サラリーマン×運命の赤い糸が見える縁切り屋のお話。
<あらすじ>
縁切り屋を営む薫の元に、一件の依頼が舞い込む。
それは、ストーカーに困っているサラリーマン・原からのものだった。
はじめは薫の話を信じきれない様子の原だったが、気づけば好意を寄せてくるようになっていた。
こんな人におすすめ
- 「運命の赤い糸」で運命の人が分かったら…?という設定が気になる👀✨️
- 丁寧で繊細な心理描写が好き💭
- クールで強気に見えるけど、実は脆くて健気な受けに弱い🥺❤️
ネタバレ感想
赤い糸の執行猶予
運命の赤い糸が見える特異体質であるノンケ大学生の繋司(受け)は、自分の赤い糸が後輩のヒロ(攻め)につながっていることにショックを受ける。運命の相手が男だという事実を認めたくなくて、ヒロに冷たく当たるも…というお話です。
「叶わぬ恋の結び方」の受け・薫から赤い糸の切り方を教えられ、片想い相手・ゆいへの思いなどから糸を切ってしまう繋司。赤い糸が切れたらそこで話が終わってしまうのではと焦りましたが、むしろ繋司は(赤い糸が)切れたからこそヒロへの本当の気持ちに気づけてよかったです。
叶わぬ恋の結び方
運命の「赤い糸」を切る得意能力を持つ薫(受け)は、その能力と引き換えに誰とも赤い糸が繋がっていない。だから、薫が好きになる人は皆、「赤い糸」に結ばれた人と幸せになっていく。しかし依頼人であるイケメンリーマン・原(攻め)にアタックされ、薫は苦し紛れに「セフレならいい」と了承してしまい…というお話です。
原に抱かれるほど薫の体は彼しか受け入れなくなっていき、同じように心も彼に寄り添っていってしまう。でも、原はいつか「赤い糸」で結ばれた薫以外の誰かと幸せになる運命…。だからこそ、原が好きだからこそ、薫は原と幸せな時間を過ごした後に消えることを選びます。
しかし何の因果か、二人は再会してしまいます。原は「赤い糸」が繋がる相手ではなく、愛する薫と生きていきたいと決意。赤い糸を信じるのではなく、原を信じる薫。号泣です。運命ではなく、今目の前の愛する人を選ぶという決断がかっこよくて、涙が止まりませんでした。
いなくなった原のジャケットから、赤い糸に見立てた赤いピンキーリングがでてくるエピソードが特に好きで…。永遠の愛を誓う「指輪」を、「赤い糸」が結ばれている小指にかけているところが素敵でした。
繋いだ恋の叶え方
原と女性の間に赤い糸が結ばれる瞬間を見てしまった薫は…というお話です。
原の甘やかしっぷりも最高ですが、薫がクールな外見なのに超幼い甘え方するのが可愛すぎます!!「俺よりトイレのほうがいいんだ…」ってぬいぐるみを抱きしめてすねたりとか😂なんだその可愛い拗ね方はー!!
自分と同じく赤い糸が見える繁司に、薫が必死で「言わないで」と頼むのが胸にきました。薫は自己肯定感がすごく低いから、去る者を追わないんだなあ…。原は追って欲しいと思うけどなあ、と思いつつも、薫の気持ちも分かって、苦しいです。
普段は薫に優しすぎるくらい優しい原が、エッチの最中に微Sになって「見ててあげるから 俺の目見ながらイってみて」って言うのにはグッッッときました!!くー!!
あと、繁司の「俺があんたらにうまくいってほしいってそう思ったら駄目なのかよ…」には泣きました。自分が「赤い糸」に振り回されたからこそ、思うところがあるんだろうな。
「俺がしなきゃいけなかったのは 相手の幸せを思って手離す覚悟なんかじゃない “2人で”幸せになる覚悟だ」、この薫のモノローグは最高でしたね…。薫の泣き顔にもらい泣きしちゃったんですが、この時の原の優しい笑顔がまた心に沁みます。
原と薫のことが、もっとぐっと好きになる素敵な物語でした🥺✨
結んだ恋の伝え方(1)
原と同棲を始めた薫。原の両親と会うことになるも、彼の母から「息子と別れてほしい」と頼まれてしまい…というお話です。
日向、奏多と一緒にアニマルランドに行ったり、おたがいを名前呼びしたり、箱根温泉旅行に行ったりとイチャイチャする二人もたくさん見られるのですが、やはり最大の見どころは「原の親御さんとの対面」。これまでの薫なら原の母から「別れてほしい」と言われたら受け入れていたと思いますが、今の、原に愛されている自覚のある薫は「一度は手離そうとしてけれど出来なかった いけないことだと分かっていてもそれでもこの人が欲しかった」と独白していて、決して原への思いが揺るがないところがかっこよかったです。
原の両親に認めてもらうまでは時間がかかりそうですが、二人が幸せならそれでいいんです…!!
結んだ恋の伝え方(2)
出会ってから四年。すっかり二人でいることが日常になった原と薫。寝起きでいちゃついたり、おもちゃの手錠でえっちをしたり、原の職場の女性に牽制したり…と甘い日々を贈っていた。しかしそんな中、薫と同じ力を持つ叔父・一希が訪ねてきて…というお話です。
前半は二人のイチャイチャしている日常を1話完結形式で、後半は薫の叔父がやってくるお話でした。
特に好きなのは、原の職場の女性たちと出先でばったり出会うお話です。原に愛されている自信から牽制する薫には、昔の「赤い糸」がないからと不安がっていた頃の面影は微塵もなくて、それがすごく心強くてかっこよかったです😭(号泣)それにニヤニヤしている原…原の教育の賜物ですね😭
まとめ
原(攻め)の大人の余裕たっぷりの甘やかしっぷり、クール系美人な薫(受け)が原の前でだけ見せる甘えっ子で寂しがり屋な態度が最高すぎる!!
けれどそれだけではなくて、運命の相手と、今本気で愛する相手がいた時にどちらを選ぶか?と迫られた時に、運命の相手との縁を切ってでも、今愛する相手に全身全霊で愛を伝える原の姿に涙し…。運命の愛と自分の手で掴んだ愛、どちらを選ぶか?というシリアスな問いかけもありました。
運命の愛よりも、自分の手で掴む愛を選んだ原と薫。運命という不確かなものではなく、眼の前の相手そのものを信じて愛する。そんな、愛を信じる気持ちの強さに感動させられる名シリーズです。