古宇田エン先生「オレとあたしと新世界」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人におすすめなのかなど、ネタバレ感想とともにご紹介します。
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
オカマのしのぶが勤めているゲイバーに、どうみても外国人にしか見えないマコトという青年が現れる。
イケメンのマコトに興味津々のしのぶだが、オネエとノンケでは恋が始まるきっかけなど見つからない。
そんなある日、マコトが店に血まみれであらわれて…!?
表紙左がマコト、右がしのぶです。
マコトの方がしのぶよりガタイは良いのですが、完全に受け役(攻め役やリバ描写はなし)。
なので、ガチムチ受けが苦手な方は要注意です!
2020年6月現在、刊行されているのは3巻までですが…古宇田先生いわく全4巻予定らしいので、どんなラストを迎えるのか楽しみです!
こんな人におすすめ
- 悲喜こもごものヒューマンドラマが見たい👀
- 恋人に尽くす、健気大型犬系男子が好き🐕
- ガチムチ受けが好き💪
ネタバレ感想
1巻
毎日を無気力に過ごすマコトは、仲良くしていた同僚に裏切られて大怪我をさせられます。(仲良くしていた同僚は職場の金を盗み、それをマコトが指示したと言いふらしてマコトは同僚たちにリンチされた)
その時たまたま仲良くしていたゲイバーのオネエ、しのぶに看病されるうちに仲良くなり、恋人になります。
しかし、ゲイバーの従業員+マコトで慰問旅行をしていた時に事件は起こります。みんなで乗っていたバスが事故に遭い、しのぶは植物人間になってしまうのです。
マコトは献身的に看病し続けます。心が折れそうになりながらも必死に…。
1巻は全キャラが愛おしくて、そして特にマコト(通称マコちゃん)の孤独、諦念が痛いほど伝わってきて胸が苦しくなります。
みんなに幸せになってほしい、どうして神様はこんなにマコちゃんに試練を与えるのかと辛かったです🤦♀️
幸せの絶頂に起こった事件、波乱の展開。2巻を読まずにはいられません!!!
2巻
1コマ1コマからほとばしる物語とエネルギー量が凄まじいです。
2巻では10年にわたってマコちゃんがしのぶの看病をする様子が描かれます。
植物状態になったしのぶを看病するしのぶママが言った、「息子だもの」「もう一人にしないから」には涙…😭
しのぶに似て、ママも情にあつい人なんだなあと心がじんわり熱くなりました。
そしてマコちゃんの傷痕の理由は衝撃でした。虐待か、いじめか…とは想像していましたが…。マコちゃんは壮絶な幼少期を送っていたんだな…。
10年間に亘るマコちゃんとしのぶの齟齬は、次巻で浮き彫りになりそうです。
しかし、看病するマコちゃんを支える東條さんが素敵すぎて辛いです🤦♀️
実は最初、マコちゃんの優しさにつけこむ悪い人なのかな?と勝手に勘違いしてたんですが、めっっっちゃくちゃ紳士で爆泣きしちゃいました…🤦♀️💦
マコちゃんをしのぶから奪うこともできるのに、強引に動かずマコちゃんの自然な心の変化を待とうとする我慢強さ…ウゥッ…ウゥッ…東條さんに幸せになってほしいです。お願いします古宇田先生…。
3巻
3巻ではしのぶが植物状態から目覚め、1年でリハビリを完了させ、「新世界」というゲイバーを開くことになります。
しのぶの店をマコちゃんが手伝うのですが、マコちゃんの給仕の仕方、「サラダとサバです」は読むたび爆笑します🐟www ワイルドwww
しのぶとマコちゃんの仲を応援したいけど、2人の10年間の溝が深すぎて違和感を感じます。
日本で男同士の婚姻が可能になったという設定なのですが、マコちゃんはしのぶから「結婚しない?」と言われて躊躇っていました。
マコちゃんの幸せって何なのでしょう。2人にとって家族、結婚、愛って何なのだろう…。
あと、濡れ場でマコちゃんがしのぶの荒っぽい言葉遣いに興奮してるのがかわいかったなあ。
マコちゃんのむっちむちばいんばいんなお色気ボデーが最高なので、ガチムチ受け好きの同士はぜひ読んでみてください!💪✨
4巻
10年間もの看病の末、やっと愛する二人は手に手を取って幸せな生活を送ったのでした。めでたし。とならないのが本シリーズ。
マコちゃんはしのぶの横でぐっすり眠れなくなってしまい、さらに一度は振ったはずの東條先生と連絡を取り続けてしまいます。しかもしのぶはそんなマコちゃんに気づいているという。ドロドロだ…🤢
結婚にためらいを見せたままマコちゃんは旅立ち、遠距離恋愛突入するのですが、空港に向かうときにほっとしているような顔をしているのがなんとも切ないです。
しのぶはもちろんマコちゃんにとって大切な人ではあるけれど、本当に恋人という立ち位置でいるのが正解なんだろうか、と思います。
昔のマコちゃんは世間知らずで、しのぶに手を引かれて広い世界を知っていったひよっこだったけれど、10年経った今は違います。他の男の味も知って、世の中の酸いも甘いも理解している、大人の男。10年の溝はあまりに大きいです。
5巻
東條さんとマコちゃんが連絡を取り合っていることはどうでもいいけど、マコちゃんが東條さんにだけは「本音」で話すことには怯えているしのぶ。なのにそれをマコちゃんを前にするとはっきり言えない。核心だからこそ突けない。もどかしいですよね。
マコちゃんはしのぶへの思いを、愛や恋とはまた別の、本能的で信仰に近いものだと自認していて、その思いが年を重ねるごとに複雑になって…。でもやっぱりどうしたってしのぶのことは手放せないのだと気づく、沖縄の雄大な自然の中での描写は素敵でした。
しのぶとマコちゃんの恋路を応援しながらも、東條さんの幸せも祈る私でしたw
まとめ
1巻は爆笑と号泣の連続で頭ぐちゃぐちゃになりますw
2巻・3巻……と読み進めるほど、登場人物全員が愛しくなります。誰にもつらい思いをしてほしくない。みんな幸せになれ!!
ザカザカ描かれたエモーショナルな筆遣い、緩急つけて心を揺さぶる巧みなストーリー展開、一度読んだら忘れられない魅力的なキャラクターたち…。
くうう、最高です〜!!!😆✨