芽玖いろは先生「赤くて甘い」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
歯科医の野田先生は、髪と眼鏡とマスクで常に顔を隠している。
ホストの有朋は太客を逃す原因となった彼の顔を見てやろうと意気込んでいたのだが、目が合った瞬間、真っ赤になったその顔は─可愛かった。
赤面症だという先生に、克服するための練習相手を買って出た有朋は…。
こんな人におすすめ
- アホ攻めが受けを落とそうと頑張る姿を応援したい🎺♫
- 芽玖いろは先生の絵が好き🎨
- 脇役の甘々ゲイカップルが気になる👨❤️👨
ネタバレ感想
赤くて甘い
色恋営業を常とする売れないホスト・有朋(攻め)は恋敵だと勝手に敵対心を抱いていた歯科医師・野田(受け)が赤面症であることを知る。それをきっかけに彼をかわいいと思い始めた有朋は野田に猛アタックし…というお話です。
チャラい有朋に口説かれて、内気な野田が少しずつ彼を好きになっていくさまがかわいい!!そして、有朋も野田にハマっていることを誰にも相談できないと悩み、野田に気持ちを信じてほしいと悩む姿がかわいい!!
野田が有朋に課した条件は、色恋営業メインの彼には厳しいと思うので、続きもぜひ読みたいです📖✨️
青くて苦い
ホストクラブの上位ナンバー・ミヤは、後輩ホストのタマに密かに片思い中。しかしノンケのタマとどうなるはずもないと諦めている。しかしミヤは「営業で女を抱くと、男に抱かれたくなる」という性癖を持っており、タマにそれを知られて「相手が誰でもいいなら俺でもいいじゃん」と抱かれてしまい…というお話です。
前作の攻め・有朋のホスト仲間で、仲良しカップルとして登場していたタマとミヤがメインカップルです。とはいってもカップルになるまでを描いているので、前作とは違ってシリアス展開多め。ちなみに、本作単独でも問題なく読めます。
現オーナーの天王寺に拾われてこの世界に入ったミヤは、男からの抱かれ方も彼から学びます。タマはミヤが自分に天王寺の影を見ているのではと距離を置くんですが、ミヤがタマを好きでたまらないのに口に出せなくて苦しんでるのと同じくらい、タマもミヤのことが心配で仕方ないんですよね。どっちもどっちでかわいい。
ホスト業界特有の「太客と寝る(そこに恋愛感情はない)」みたいな悪習も出てはくるんですが、二人とも過酷な環境で生まれ育ったのに、根が素直で一途なので、その恋路を応援したくなっちゃいます。
天王寺が主役のお話は、続編「ウルフハウンド」で読めます。
描き下ろし「青より甘い」は、二人が恋人になってからのお話です。ミヤがタマへの愛をこれでもかと垂れ流しててかわいかったです😂♥️
ウルフハウンド
「青くて苦い」でミヤを躾けたオーナー・天王寺邑(受け)が、現役No.1ホストだった頃。黒服バイトの弥勒(攻め)はひょんなことから邑のトラウマに触れ、それまで従順だった態度を一変させ…というお話です。
本作単独でも読めますが、オーナーがミヤにどんな思いを抱いていたのかが垣間見えるので、本作を読むとより「青くて苦い」のほろ苦さを楽しめます。
邑は自分の客をミヤに回して代わりにヤらせていたけれど、その客にミヤが何をされていたかを後から知って動揺します。これは客が予想外にヤバい人だったからではなくて、ミヤが傷つけられたからだと思いたいです(ミヤ推し)。
弥勒との関係も周囲は「本命では」と噂するものの本人は頑なに認めず。しかし誠心誠意、邑に尽くす弥勒に徐々に絆されていきます。人なんて信用しない。信用出来るのは金だけ。その信条を決してブレさせない邑が弥勒だけは弱さを見せ、最後は「そばにいさせてやるよ」「ついてこいよ」と彼を選びます。
KING IS DEAD
ホストシリーズで登場する3組のカプの「その後」を集めた短編集。構成的には、弥勒×邑編(ウルフハウンド)→タマ×ミヤ編(青くて苦い)→有朋×野田編(赤くて甘い)と、作品刊行順とは反対に過去から現代に遡るような形になっています。
弥勒×邑編は、邑の引退式エピソードが読めて感動しました。弥勒の忠犬っぷりも見られて満足です。皆の前では天上天下唯我独尊のキングっぷりを遺憾なく発揮している邑も、弥勒の前だけでは力を抜いて誘ってくるのがとってもえっち…。最後の最後までいい顔してました!
タマ×ミヤ編は、ステイホームでいちゃいちゃしまくり。ローター挿れたままえっちしたりと、他カプよりもぐんとエロ度が濃厚なカプでした。有朋に巻き込まれたりとなんだか楽しそうな二人がかわいかったです。
有朋×野田編は、相変わらず有朋はアホで軽薄な男なんですが、野田にだけは王子様なんですよね。野田は有朋に会いたくて家に行っちゃうくらいなので、もう相思相愛すぎ!!と読みながらにやけちゃいました。有朋と野田が黒服を手伝うエピソードも面白かったな。
シリアスっぽいものから、えちえち満載なもの、ギャグっぽい雰囲気のお話まで、まんべんなく収録されており、10周年作品というにふさわしい一冊でした!
まとめ
芽玖先生の凄いところは、どんなテイストの作品の完成度も圧倒的に高いこと。
読み進めるのが辛くなるような恋も、かわいすぎて思わず笑みがこぼれてしまうような恋も、各キャラクターの心と体の動きを丁寧に描きあげてくださいます。
ざかざかと細く荒いペンで描いたような独特の絵柄、空気感がある先生です。
試し読みを読んでみて、あっこの絵が好き!と思ったら、もうその瞬間からあなたは芽玖先生沼の入り口に立っています…ウェルカム新たな沼の住人よ…☺️✨
「赤くて甘い」のほんわかラブ甘から「青くて苦い」「ウルフハウンド」のようなシリアスほろ苦まで、幅広く芽玖先生の魅力を楽しんでほしいです!