ユノイチカ先生「夜明けの唄」シリーズを読みました!
圧倒的な筆力をたずさえた、新鋭・ユノイチカのデビューコミックス!
「ずっと貴方のそばにいます」
「…残酷なガキだ」
健気に恋する忠犬ワンコと、無愛想な愛し下手が紡ぐファンタジー・救済ロマンス。
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
黒い海からくる化け物と闘うたび、命が蝕まれてゆく戦巫子のエルヴァ。
それを知った少年アルトは憤り、エルヴァが救われる術を探しながら、そばにいることを誓う。
そうして8年―ともに過ごす日々で降りつもった恋心をそっと胸にしまったまま、アルトは精悍な青年へと成長した。
こんな人におすすめ
- ファンタジーBLが好き!
- 攻めと受けの体格差があると萌える❤️
- 大型わんこ攻めが好き🐶
ネタバレ感想
独自の世界観に惹き込まれる
本作の中の世界では、夜の海に現れる魔物と戦う覡という役目を持った子供が、前の代の覡が死ぬたびに現れ、5年程度で死んでいくということを100年近くも繰り返していました。
覡は戦うほど「墨痣」と呼ばれる真っ黒な痣が体のあちこちに現れるため、その外見から人々からは気味悪がられています。
しかし主人公のアルトだけは覡の強さと優しさに惹かれ、懐きます。そして不思議なことに、アルトといる時間が長くなるほど覡の墨痣は消えていくのでした。他の覡に番となれるような人間を与えてもこうはなりません。
このように、なぜ夜の海に魔物が現れるのか?なぜ覡だけがそれに対抗できるのか?なぜアルトは覡の墨痣を治せるのか?謎が非常に多く、読むほどこの世界のことをもっと知りたくなります。
人生や命の解釈を再考させられる
覡の候補生たちを育てる修道院のシスターは、「料理がうまい人が家事をやるように、覡は海の魔物と戦って死ぬという役割を生まれながらに持っている」と、ある日覡たちが「発症(覡の特徴が体に突然発現する)」し親から引き離されることも孤独のあまり死ぬこともなんとも思っていないようでした。
刑吏たちも、「海の魔物に食べてもらえるなら磔の手間がなくて済む」と下卑た笑いをしていました。
しかしその一方で、覡は「絶対に魔物に人を殺させない」と誓って毎晩海で戦い続けています。
何のために人は生きるのか、それを他人が決めていいのか、覡の幸せとは何なのか。何度読み返しても、何が正解なのだろうと自問自答してしまいます。
ジブリアニメのような優しいタッチの絵柄
本作を読んでいて感じたのは、「絵柄に冷たさや鋭さがない」こと。まるでジブリアニメのように、優しいタッチで描かれています。
なので、漫画を読んでいるというよりもアニメを見ている感覚で読み終えました。覡が海で戦うシーンは波の音が聞こえてくるようだし、アルトが工房で鍋を直すシーンでは鉄を叩く音が聞こえてくるよう。
1コマ1コマが細部まで丁寧に描かれており、まるでそこに本当に世界があり、人々が息づいているようなリアルさがあります。
ジブリアニメをお好きな方は、本作もきっとお好きだと思います!
まとめ
久々の大ヒット!!!すごい名作に出会ってしまいました…!!!😭✨
まだ1巻ですが、すでに50巻くらい続いてほしい気持ちです。
夜の海に現れる謎の魔物たちと戦う運命を背負わされた子供たち「覡」。覡たちは毎晩彼らと戦うたびに墨痣が身体中に広がり、そして人々から奇異の目で見続けられ孤独のあまり若くして死ぬ…そんな謎の慣習が100年ほど続いた頃、アルトという少年が1人の覡の墨痣と孤独を癒やします。
アルトは何者なのか?海の魔物の正体とは?覡たちはこれからも5年ほどの周期で死んでいくしかないのか?
謎多き1巻、次巻が楽しみです!!