ユノイチカ先生「夜明けの唄」シリーズを読みました!
圧倒的な筆力をたずさえた、新鋭・ユノイチカのデビューコミックス!
「ずっと貴方のそばにいます」
「…残酷なガキだ」
健気に恋する忠犬ワンコと、無愛想な愛し下手が紡ぐファンタジー・救済ロマンス。
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
黒い海からくる化け物と闘うたび、命が蝕まれてゆく戦巫子のエルヴァ。
それを知った少年アルトは憤り、エルヴァが救われる術を探しながら、そばにいることを誓う。
そうして8年―ともに過ごす日々で降りつもった恋心をそっと胸にしまったまま、アルトは精悍な青年へと成長した。
こんな人におすすめ
- ファンタジーBLが好き!
- 攻めと受けの体格差があると萌える❤️
- 大型わんこ攻めが好き🐶
ネタバレ感想
夜明けの唄
本作の世界では、夜の海に現れる魔物と戦う覡という役目を持った子供が、前の代の覡が死ぬたびに現れ、5年程度で死んでいくということを100年近くも繰り返していました。
覡は戦うほど「墨痣」と呼ばれる真っ黒な痣が体のあちこちに現れるため、その外見から人々からは気味悪がられています。
しかし主人公のアルトだけは覡の強さと優しさに惹かれ、懐きます。そして不思議なことに、アルトといる時間が長くなるほど覡の墨痣は消えていくのでした。他の覡に番となれるような人間を与えてもこうはなりません。
このように、なぜ夜の海に魔物が現れるのか?なぜ覡だけがそれに対抗できるのか?なぜアルトは覡の墨痣を治せるのか?海の魔物の正体とは?覡たちはこれからも5年ほどの周期で死んでいくしかないのか?謎が非常に多く、読むほどこの世界のことをもっと知りたくなります。
夜明けの唄 1【20P小冊子】
紙本の特典小冊子が電子化されたものです。全20ページ。アルトの12歳から18歳まで(2人の出会いから本編まで)を追います。ラブ要素はないものの、アルトのエルヴァへの変わらぬ愛情が感じられる温かい物語になっています。
夜明けの唄 2
黒い海に落ちたアルトが西の覡であるマニエリに助けられます。彼の境遇(好きだった子は結婚し、自身の痣もかなり広がっている)を憐れに思い「逃げろ」と忠告するアルト。
エルヴァはアルトを探しに行きたいけれど、覡としての使命を優先しなくてはならないので断念。お役目の合間にアルトを懸命に探すエルヴァ。やっとアルトを見つけたときにはじめてエルヴァが涙するのに心揺さぶられます。
心配しすぎて感情のコントロールができないエルヴァと、すっかり少年時代に戻っているアルト。お互いが大切でどうしたらいいか分からなくなっている2人がとてもかわいいです。
デートしたりと1巻よりもアクティブ&コミカルなシーンも多かったからか、エルヴァの笑顔や踊っている姿も見られて新鮮でした。
夜明けの唄 2【20P小冊子】
幼いアルトがのクリスマスに手作りのケーキを作り、エルヴァはすっかりケーキに魅了されてしまいます。そしてこれが2人のクリスマスの習慣になるのですが、ほっぺについたケーキをぺろっとしたりとキュンとするシーンもあり。
エルヴァのおかげで得たいいものも、自分が受け取ったいいものも、自分が作ったいいものも、すべてエルヴァに届けたいと思うアルトの愛を深く感じられるお話でした。
夜明けの唄 3
物語が大きく動き、謎がぐっと増える巻です。
これはファンタジーではなく陰謀渦巻く現代の話のようですが、背景が分からないためエルヴァとアルトがどうなるのかも全く分かりません。とはいえ、エルヴァがアルトのことを「俺のだ」と言うシーンはキュンとしました。領主一族が怪しいですね…。
夜明けの唄 3【20P小冊子】
エルヴァ曰く「天使だった頃のアルト」の過去のお話と現在のお話、二編が収録されています。小さいアルトは元気で健気でかわいいけれど、パワー系子犬といった感じです。
本の面白さには私もかなり共感しました。料理のお話は、読んでいるとお腹が空いてきます。
夜明けの唄 4
アルトの正体が明かされたのですが、それが衝撃的でした。
「狂った箱庭」というのは言い得て妙ですね。ただ、エルヴァたち覡が命を賭して黒海と戦っても報われない(厄介者のような扱い)ことにやるせなさを感じて苦しかったです。幼馴染のシヨンの思惑など、さまざまな事情が複雑に絡み合っていて、今後どうなるのか想像もつきません。
夜明けの唄 4【20P小冊子】
エルヴァとアルトのプチデートを楽しめる巻でした。アルトがエルヴァを好きすぎるがゆえに終始情緒不安定なんですが、エルヴァからおでこにチューされたりしてとろけていて、かわいい大型犬だなあ…とニヤニヤが止まらなかったです。プラトニックな関係なのに(だからこそ?)のキュートなイチャイチャでした。
夜明けの唄 5
島と覡の歴史が明らかになるも、領主と修道院の有り様、覡への仕打ちの非道さなどが心に澱のように溜まっていき、表紙の幸せそうなアルトとエルヴァとの対比に心が荒んでいくのを感じます。もはや現状を打破する(アルトとエルヴァが幸せになる)には島の外に出るしかないのではないかとさじを投げたくなります。
ミカを救済してほしいものの、何が救済かも分からず。ションはいまいち何を考えているのか分からず、不気味です。
夜明けの唄 5【12P小冊子】
アルト視点で、エルヴァへ片想いしていた時と両想いになった後のお話です。無防備すぎるエルヴァを前にして、優しくしたい、お世話したいという心と、劣情を耐えなければという心の間で引き裂かれるアルト。寝ぼけてアルトの指を食べようとするエルヴァがかわいすぎました。幸せを噛み締めて泣くアルトもまた愛おしいです。
まとめ
小さな島の覡・エルヴァと、彼を慕う少年・アルトの恋物語ですが、それはどちらかというとサブストーリー的な感じで、大筋は島と覡の謎を解き明かしていく歴史ミステリーといった感じです。
本編は薄暗く、巻を追うごとに重い展開になっていますが、特典小冊子は一転してエルヴァとアルトのラブラブいちゃいちゃした様子が見られるので、辛い方はぜひそちらも読まれると良い気分転換になりますよ。
ユノイチカ先生の圧倒的画力で描かれる、奥深い人間模様。今後エルヴァとアルトがどうなっていくのか、楽しみです!