台湾BLドラマ「HIStory5 未来のきみと出逢って~Love in the Future」の全話ネタバレ感想・あらすじ・評価・動画配信|時空を超えた運命の恋を描く

ドラマ

「アマプラ同時上映会」第108弾!

当サイトの運営者3人が、Amazonプライムビデオでアニメやドラマ・映画を同時視聴する企画です🎬✨

22年の時空を越えて出会う大海(ダーイー)CPと、社長と新人社員の格差CPの森林(センリン)CPによって描かれる、時空を超えた運命の恋を描くファンタジー・ラブストーリー、「HIStory5 未来のきみと出逢って~Love in the Future」

全話のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:HIStory5 未来のきみと出逢って~Love in the Future|フジテレビの人気ドラマ・アニメ・TV番組の動画が見放題<FOD>

寂しがり屋な俺様御曹司×過去からタイムスリップした、おばあちゃんっ子な配達員/謎多きスパダリ社長×孤児院出身の内気な新入社員 のお話。

<あらすじ>
1999年の大晦日、バイクで配達中だったホー・ボーウェイ(何柏緯)は、目が霞んで道端で倒れた。
次に目覚めた時には、知らない制服とバイクで、知らない街に立っていた。
2022年にタイムスリップした身分証の名前は、ダイ・ジョーニー(戴哲尼)!?

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • 台湾BLが好き🇹🇼
  • HIStoryシリーズは見逃せない!!👀✨
  • 身分差ロマンスが好き💕スパダリ攻め×平凡不憫受けが好き💕

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①魅力的かつ演技派な若手俳優が勢揃い!

タイムスリップした明るい配達員何柏緯=戴哲尼を演じるのは、張碩航(ショーン・チャン)。日本が原作の台湾ドラマ「オレん家のフロ事情~人魚と過ごした49日」の蒋江役で知られています。インスタグラムは、seanchang888。
富豪の2代目で、強引で俺様な海翼を演じるのは、王肇緯(ワン・チャオウェイ)。モデルの仕事を経て、リディア・ボーン(凰小岳)のマイスナー・スタジオ・イン・タイペイで演技の勉強をした期待の新人で、張碩航と「大海CP」を演じます。インスタグラムは、linusolarsystem2022。
ハンサムでいつも優雅な海神百貨の社長梁文森を演じるのは、ドラマ「遺失1/2」の陳璽安(アンソン・チェン)。インスタグラムは、x.a.c.anson。ちなみに、HIStory4に出演されているアンソン・チェンさんと同姓同名ですが、漢字も違う別人です。
純粋で内向的な林懷恩を演じるのは、ミニシリーズ「紅色気球」で注目を浴びた徐韜(シュー・タオ)です。インスタグラムは、jason_tauh。

 

②俺様×無邪気、甘々×純朴。2つのカップルのそれぞれの魅力にハマる!

明るく前向きで、無邪気な可愛さがあふれるダイ・ジョーニーと、俺様系でワガママだけど、つい強がってしまうハイ・イーの大海(ダーイー)カップル。
そして、ちょっと内気で純粋、何事にも一生懸命なリン・ホワイエンと、スパダリ感があって優しくて甘く、積極的なリアン・ウェンセンの森林(センリン)カップル。
ツンデレ系と溺愛系という、タイプの違う2つのカップルが紡ぐ物語に、胸キュンすること間違いなし!

 

③「HIStory4 隣のきみに恋して」のフー・ヨンジエ[リン・ジアウェイ(林嘉威)]×イエ・シンスー[アン・ジュンポン(安俊朋)]、永幸カップルも登場!

前作の「HIStory4 隣のきみに恋して」で人気を博した永幸カップルが、主人公たちをつなぐ重要な役どころとして、本作にも登場!「HIStory4」では描かれなかった、永幸カップルのその後のストーリーも必見!

 

ネタバレ感想

第1話

<あらすじ>
1999年最後の日、友人達に頼まれた物を配達し、ばあちゃんの臭豆腐の屋台に寄ったホー・ボーウェイは、次の配達の途中、目の前が霞み道路に倒れた。
目覚めると、周囲の景色は変わり、鏡に映る自分の姿も変わっていて、ダイ・ジョーニーとして2022年にタイムスリップしていた。
携帯が鳴り、依頼主からの配達はキャンセル、賠償金を払えと言われ、急いで会いにいく。

1999年最後の日、ボーウェイは友人たちがランチをしている店に足早に向かいます。友人たちを見つけると、ボーウェイは彼らに頼まれていたものを次々と手渡します。アージエに頼まれていた限定品の野球選手のカード、フイに頼まれていた長いマフラー…「最強の代行業」と呼ばれるボーウェイは、頼まれればお金と引き換えに何でも手に入れます。「欲しいものがあれば言って」と胸を張るボーウェイに、「日曜のテレビ番組に出ろよ。人探し企画で活躍できる」と言われ、乗り気になるボーウェイ。食事を買ってくると席を外すボーウェイ。友人たちは「今日は1999年最期の日です。2000年問題が危惧されます」と流れるニュースをなんとはなしに見つめます。「まさか世界の終末なんて本当にやってこないよな?」と不安がるアージエに、「僕は今この瞬間さえ楽しければ満足だ。今日年を越す瞬間にメイちゃんとこのマフラーを巻いて…」と1人で盛り上がるフイ。女の子も呼んでみんなで年越しをしようと盛り上がるフイたちですが、ボーウェイは「夜のバイトは報酬が2倍になるから行けない」と言い、さらには「僕には愛しのジンホワがいる」と言って去っていきます。ジンホワとは何者なのか、誰も知りません。

ジンホワおばあちゃんの手作り臭豆腐の店にやってきたボーウェイ。ジンホワに夕食を渡します。ジンホワは「最近は昼と夜の寒暖差が激しいね。帰宅したら薬膳スープを作ってあげるよ」と優しく声をかけます。夜遅くまでバイトで忙しそうなボーウェイに、「ウェイ坊、昼間も学校に通うだけで疲れるのに、夜も配達の仕事をして…頑張りすぎないでね。気をつけて運転して!」と体を労わります。

広場には大勢の人が集まり、年越しのライブを楽しんでいました。広場のカウントダウンライブをテレビで見るボーウェイ。両手を握りしめ、「家を買うお金が貯まりますように。ばあちゃんの健康も。それから…」と恋人たちをチラ見し、「必要ない!」と邪念を断ち切ると、強引に祈りを中断します。

夜中に街を走り続けていると、だんだん視界が霞んできました。そこで急に電話がかかってきます。ジンホワが「まだ帰らないの?薬膳スープはジャーの中に入っているからね」と報告する内容でした。疲れのあまり、ボーウェイは朦朧としてきます。トンネルを走っていると、妙な感覚に襲われます。次々とニュースが自分の周りを流れていくのです。

目覚めると、周囲の景色は変わり、道路に倒れ込んでいました。「ここはどこだ?台北なのか?なぜみんなマスクを?」と困惑するボーウェイ。見知らぬ男に心配され、倒れたバイクと共に助け起こされます。そんなボーウェイを、木の影から謎の男が見つめていました。「まずいぞ。2022年に飛ばしてしまった…」と焦る男。

「マスクをどうぞ。みんなで感染を防がないと」と助け起こしてくれた男にマスクを手渡され、困惑するボーウェイ。服も変わっていれば、バイクも変わってしまっています。バイクをどうやって動かせばいいか悩んでいると、バイクのミラーに自分の顔が映ります。そこに映っていたのは明らかに別人でした。頬を叩いてみると明らかに痛みがあり、夢ではありません。まさか「世界の終末」の予言が当たったのではと青ざめるボーウェイ。

ジンユエホテルでは、イーが「スーチー、電話に出ろ」と携帯を片手にイライラしていますが、何度電話しても留守番電話に繋がってしまいます。「これで諦めると思うか?」と言うと、イーは受付に電話をし、「息苦しい。診察が必要だ」と仮病を使います。

謎の男がボーウェイの足元に財布を落とします。ボーウェイが財布を確認すると、自分のものと思われる身分証が入っていました。自分はダイ・ジョーニーという名前のようです。謎の男は「君の携帯電話だ。さっき落としたのを見た」とジョーニーに携帯を差し出します。
男は「私のミスのせいで君はここに来た。まさかの事態だ。必ず助けるから」とジョーニーを落ち着かせると、「大帝様」からの電話に慌てて出ると走り出してしまいます。自分はどうしたらと焦るジョーニー。台北の街並みは自分の知るものとはすっかり変わってしまっています。
街頭ビジョンの天気予報で、今が2022年だと知るジョーニー。「仏様!助けて!」と思わず叫んでしまいます。

コロナ対策の完全防備をしたホテルスタッフがホテルのドアを叩くと、イーがマスクをしただけの軽装で外出しようとします。「気分がおかしくて脳と心臓もおかしいんだ!俺に何かあったらどうする!」と恫喝するイーを押しとどめると、「隔離期間中は気分が塞ぎやすいものです」と聞く耳を持ちません。イーは苛立って室内に逆戻りします。

ジョーニーは記憶を辿って、ジーイエン路二段289号室にある自宅に戻ろうとします。思いきって「ばあちゃん!俺だよ!臭豆腐売りのばあちゃんを知らない?ホーって苗字の…」と縋るように尋ねますが、冷淡にあしらわれてしまいます。家もばあちゃんもいない…と途方に暮れるジョーニー。よく考えれば、22年後といえば、ばあちゃんは95歳です。もう死んでしまっているかもしれません。

ジョーニーの携帯が鳴ります。慌てて出ると、「俺の出前は?1時間も待ってるんだぞ!低評価をつけてやる!」とイーが激怒します。「それくらいで死ぬと?失恋の呪いをかけてやる!」と応戦するジョーニー。「一家全員孤独になれ!」とさらに被せてくるイー。イーは激怒して、「クレームを入れてやる!」と電話をぶち切ります。

途方に暮れるジョーニーは、「まずはここで生き残ることが大事だ。ばあちゃんのもとに帰ることは後で考えよう」と考え直します。バイクをよく観察すると、食べ物を積んでいます。ジョーニーは食品配達業者なのでしょう。イーが怒っていた理由をようやく察するジョーニー。サービスセンターから電話がかかってきて、「防疫ホテルのお客様がキャンセルしたいそうよ。弁償して欲しいと」と言われます。弁償できるほどの金がないことは先ほど財布を見て分かっています。慌てて住所を聞き、届けることにします。しかし、「防疫」だなんて変な名前です。

大帝様から「姿を隠せ」と怒られた謎の男は、ジンユエホテルの受付スタッフに変装していました。ジョーニーがホテルに着くと、「感染防止のために外に料理は置いて。後で届けておくから」とホテルを追い出します。何の感染だか理解できないジョーニーに、「COVID-19よ。手を出して、殺菌するから」と説明する男。実は男が持っているのは消毒用アルコールではなく、「回帰水」という元の世界に戻す水でした。「僕の手は綺麗だよ」と嫌がるジョーニーに手こずる男。天界の者は下界のものに強要することはできません。

食事は破棄してくれとイーから頼まれたと男が言うと、ジョーニーは配達費ももらえないのかと憤慨。イーに電話をかけてくれと男に頼みます。テレビ電話の技術に驚くジョーニーに、「悪い評価をつけてやる」と罵るイー。配達途中で事故に遭ったんだと同情を引き、急に媚を売り始めるジョーニー。さらには「今後、君からの依頼ならなんでも引き受ける」と安請け合いしてしまいます。イーは「交渉成立だ。怪我人は責められない」と言い、ジョーニーの運んできた食事を食べ始めます。
機転のきくやつだ、スーチー探しを頼もうか…とイーはひとりごちます。

夜の公園で1人、疲れ切った様子で飲み物を飲むジョーニー。どうやらジョーニーには家族がいないようです。身分証で分かるのは戸籍上の住所で、実際の住所は不明。「今夜どこで寝れば?」と苛立ってペットボトルを投げると、謎の男・フードーの頭にぶつかります。
「何も食べてなくて手が滑って…」と謝るジョーニーに、フードーは「俺は感染症の流行で失業し、路頭に迷ったんだ」と自己紹介します。フードーは「食べ物ならたくさんあるから食え」と果物や餅をどっさり出してくれます。喜んでかぶりつくジョーニー。
今日はここで寝ようと公園のベンチを紹介してくれた上、「困ったことがあれば俺になんでも言え。助けてやる」と親切なシードーに、ジョーニーは感謝します。

シードーが人差し指を空中でくゆらせると、おもむろに光が放たれます。「神力で対処できる期間が過ぎてしまった。他の方法を考えないと…」と考え込むシードー。

翌朝、ジョーニーは夢の中で「戻りたいなら目覚めた場所に行ってみろ」と声がしたことを覚えていました。(実はシードーが囁いていたのですが)このチャンスを逃すまいと元の場所で寝っ転がるジョーニーですが、通行人に119番を呼ばれそうになってしまい、うまくいきません。
公園を散歩していると、電撃攻撃だ!とじやれあう子供達を発見。そういえば映画で、博士が雷の電力を使って主人公を未来に送っていたな…と思い出したジョーニーは、「雷を使えば僕も過去に戻れるのでは?」と思いつきます。

リン・ホワイエンは「2836日も準備したんだからきっと受かる。自分を信じて頑張れ!」と木に向かって話しかけていました。顔を上げた彼とばったり目が合ってしまうジョーニー。履歴書を忘れた彼を慌てて追いかけます。これから子供の頃から憧れていた会社に面接に行くから緊張していると言う彼に、「うちのばあちゃんは臭豆腐屋をやる前は『匂いで嫌われるかも』と不安がっててが、『恥じることはない』と堂々としてた。君も自分らしく振る舞えばいい」と励ますジョーニー。「これは僕にとっての一大事なんだ。失敗はできない」と思い詰めたようなホワイエンに、「緊張を解く方法を教えるよ。手のひらに『人』と書いて食べるんだ。それでもう大丈夫」と言い、2人は笑い合います。

ハイシェン百貨店に面接に行くホワイエン。「何か趣味はある?彼女はいる?」と仕事とは無関係の質問をする面接官に困惑しながらも、「ハイシェン百貨店で働くことは僕の夢で…」と語ろうとするホワイエン。しかし面接官はため息をつくと話を遮り、「採用だ。試用期間は3ヶ月。問題ないね」と言い、嬉しそうなホワイエンにもどうでもよさそうな対応をします。ホワイエンは同級生たちの言っていた難しい面接とは随分違うことに不安を覚えつつ、面接に合格したことを誰かに伝えようと携帯を取り出します。
廊下の向こうからやってきた男性と思いきりぶつかってしまうホワイエン。あまりにもイケメンだったので、思わず見惚れてしまいます。

ジョーニーはイーから高評価と追加注文をもらい、感謝を伝えるためにテレビ電話をしていました。イーは「人探しを頼む。あとで電話番号を保存しておいてくれ」と頼みます。「テレビ番組みたいだ!」と大喜びするジョーニー。「なんでも言って。食事や生活用品の買い物、洗濯もできるよ。なんでも届ける!」と意気込むジョーニーは、「僕のあだ名は『最強の代行業』なんだよ」と胸を張ります。イーの笑顔にうっとりしつつも、次の仕事に向かうジョーニー。

イーは恋人のルー・スーチーに会うためにアメリカから帰国しましたが、彼女は死んだ祖母の夢を理由にイーに別れを切り出しました。それからずっと連絡が取れないままです。彼女に直接話がしたい…それがイーの依頼でした。
困っているジョーニーを見かねた天界の男は、ジョーニーの携帯にスーチーの情報をニュース速報として流します。スーチーは明日2時パーティーに出席するようです。車のナンバーまで書いてあるので、追跡できそうです。

スーチーの車を尾行していたジョーニーですが、高速道路に入られて振り切られてしまいます。一部始終をイーに報告すると、イーから「今の時給の2倍を払うから任務を果たせ」と命じられます。調子に乗ったジョーニーは、社用の携帯しかないから自分のものが欲しい、服もほしい、追い出されたから家も欲しいとねだります。イーは面倒になり、全部支払ってやると啖呵を切ります。

ホワイエンはハイシェン百貨店で働き始めました。1人だけ残業をさせられるホワイエンですが、例の面接官が直属の上司になってしまいます。上司から「君とウェンセン社長はどんな関係だ?面接の時、社長から口添えがあった」と尋ねられてしまうも、「面識はありません」と困惑するホワイエン。
暗いオフィスでこけそうになったホワイエンは、ウェンセンに抱き止められます。「私の前でわざとそんな歩き方を?」と含み笑いで尋ねられ、「僕の不注意です!」と慌てるホワイエン。まだ帰らないのかと尋ねながらホワイエンの散らかした書類を見つめるウェンセン。「これは君の仕事じゃない」と冷静に言うウェンセンに、「同僚に頼まれて…」と口籠るホワイエン。「仕事とノルマは人によって違う。君自身の仕事はどうなる?業績を分けてもらえると?」と厳しく叱るウェンセンに、「断り方が分からなくて…」とホワイエンはしょげてしまいます。「適切な断り方を身につけるべきだ。今すぐに帰りなさい」「でも約束は果たさないと」とウェンセンの指示に強硬に反対するホワイエン。「最初に断るのが私になるとは」と笑うウェンセンに、ホワイエンは「僕の採用を後押ししたと課長から聞きました。理由を聞いても?」と恐る恐る尋ねます。「別に。君はうちの会社に適してると思ったんだ。『裏口』じゃないぞ」と笑われ、「社長の期待に応えられるように頑張ります!」とホワイエンは心からの笑顔を見せます。ホワイエンの背中を見守るウェンセン。

最近稼ぎが良いのだと喜ぶジンホワの健康を心配するボーウェイ。921大地震で家の壁にヒビが入ったのに大家さんは何もしてくれない、お金が貯まったら引っ越そうと言うジンホワに、ボーウェイは「お金のことは僕に任せてって言ったでしょ」と念を押します。ジンホワは「あなたの両親がまだ生きていればこわな苦労もせずに済んだのに」と申し訳なさそうなジンホワに、「ばあちゃんといられて幸せだよ。家を買えば引越しを繰り返さずに済む」とボーウェイはジンホワを励まします。
夜の公園でジョーニーは臭豆腐の屋台を見つめながら、「ここで生き抜いてみせるから、僕の帰りを待っててね」とジンホワに心の中で語りかけます。

立ちぼうけしているジョーニーに話しかけるホワイエン。君のおかげで緊張せずに面接が受けられたから、お礼に臭豆腐を奢るよと言われ喜ぶジョーニー。「ばあちゃんの臭豆腐の次にうまい」と喜ぶジョーニーに、「おばあさんのお店はどこにあるの?」と無邪気に尋ねるホワイエン。「とても遠いところにある…とにかく、いつ会えるか分からないんだ」とジョーニーが口籠ると、ホワイエンは「僕は君に勇気づけられた。元気を出して。希望を持ち続けることが大事だ」と背中をさすってくれます。「僕に比べれば君は幸せ者だよ。子供の頃、僕は施設を転々としていて、内気な性格だからいつも1人でいた。でもレンドー育幼院に転入し、ハイシェンの援助を受けてから、人生が価値あるものになった。だから、ハイシェン百貨店で働くことが夢だったんだ」とホワイエンは語ります。

ジョーニーはイーから「ドア横 植木鉢の下に鍵を隠しておいた。ここがお前の仮住まいだ」と倉庫を開け渡されます。食品も簡易ベッドも揃った倉庫を見て、イーは一体何者なのかと不思議がるジョーニー。

眠ったジョーニーを起こそうとするイー。イーの顔が近づき、微笑みかけてきます。「笑顔が本当に素敵だな…」とぼんやり思っていると、イーの顔がどんどん近づいてきて…?

 

第2話

<あらすじ>
ハイ・イーの準備した場所で暮らし始めたダイ・ジョーニーはルー・スーチーの事を彼から聞き出そうとするが、実はハイ・イーは彼女をよく知らなかった。
ダイ・ジョーニーは彼女に近づくために、自分も上流階級の人間のフリをしなければと、外見から整えようとする。
海神百貨店に勤め始めたリン・ホワイエンは、同僚に仕事を頼まれ帰宅が遅くなったり、先に並んだエレベーターも人に譲るお人好し。

ジョーニーはイーとキスする夢を見て、現実に帰る手段も見つからないのにと自己嫌悪しながら目覚めます。ジンホワに電話してみますが、「現在使われておりません」とエラーの音声が響きます。
マッサージ機器のチラシを見て、ジンホワとマッサージし合おうといいながら屋台を押して帰った日のことを思い出すジョーニー。必ず過去に戻ると決意を固めます。

その頃、イーはサムに「ダイ・ジョーニーという男について調べてほしい」と電話で頼んでいました。

ジョーニーは昨晩、「酔って目覚めたら過去に戻れるかも」と酒を飲んだために頭痛で苦しんでいました。そこにイーが現れ、スーチーの情報を送ったから目を通しておけと命じます。スーチーはルーグアングループの社長令嬢、年齢は26歳、シカゴ大学で修士号を取得した才女と書かれており驚くジョーニーに、「俺の未来の伴侶だ。レベルの低い女は選ばない」とイーは自信満々。ジョーニーはこれだけの情報では彼女に近づけないと言い、彼女の好きな食べ物は?お酒は?と尋ねますが、イーは「和牛か何かだろ。女ならワインだろ」と決めつけてばかりで彼女のことを何も知らないようです。本当に彼女のことを愛していたのかと不思議がるジョーニーに、「何としても1週間以内に彼女を探し出せ。失敗したら倍の違約金を支払わせるからな」と脅すイー。ジョーニーはそれまでに過去に戻ってやると密かに意気込みます。

公園に来たジョーニーは「先日はありがとう。家が見つかったから一緒に住みませんか?連絡をください」と、フードー宛の手紙をベンチに置いて去ります。

ハイシェン百貨店に出勤したホワイエンは、エレベーターに乗ってきたウェンセンと目が合います。先に並んでいたにも関わらず順番を抜かされて次のエレベーターを待つことになりそうになるホワイエンに、ウェンセンは「君に話があるから乗りなさい」と命じます。ウェンセンは「もう(エレベーターの順番は)譲らなくていい」と言うと、ホワイエンはおずおずと頷きます。
その後、ホワイエンはウェンセンに呼び出され、「朝食は?」と尋ねられます。首を横に振ると、「有名店が出店を希望しているから、君が試食を」と社長室で食べるように促されます。
ウェンセンは幼き日のホワイエンのことを思い出していました。かつてのホワイエンは、周囲からいじめられては「皆なぜ僕ばかりいじめるんだ!大嫌いだ!」と木を殴ってストレスを発散させていました。ウェンセンによく似た青年は「解決法を教えよう。君が強くなればいじめられなくなる。僕もそうやって成長してきた」と声をかけ、去っていきます。

調査費としてイーから大金をもらったジョーニーはイーのことをネットで調べたりとネットサーフィンしているうちに楽しくなってしまいます。ジンホワの情報は見つからず、途方に暮れます。ここで知り得た情報を過去に持ち帰って大富豪になろうとするジョーニー。

ホワイエンは課長から「朝、社長室に呼ばれていたよね?」と何をしていたか確認されます。ウェンセンに試食させてもらっていたと言うホワイエンに、課長は(出店予定なんてない。センセンはホワイエンが好きなのか?こいつは純朴そうだが手強そうだ)とひとりごちます。セールのカタログを刷るのに監修係がいないと言う課長に、ホワイエンは自分がやりたいと立候補します。早速印刷所に行くように命じられ、ホワイエンはオフィスを後にします。課長はホワイエンの外回りを増やして、ウェンセンから遠ざけるつもりです。

ジョーニーはSNSでスーチーの投稿をチェックします。イーには、金持ちのふりをしないと彼女の社交圏に入れないから僕を飾り立ててほしいと頼みます。「愛はお金で買えないけど、お金がなくなれば愛も一緒に消えてしまうよ」とそれらしくイーをそそのかすジョーニー。これは投資だよ、経験を積んだら君が会長・僕が社長で探偵事務所を開業して困っている人を助けようと言うジョーニーですが、イーは鼻で笑います。

帰社したホワイエンは、「販売データの分析を明日までに頼む」「今日は彼氏との記念日だから、決算資料はあなたが作って」などと同僚たちが勝手に仕事を押し付けて帰ったことに絶句します。それでも懸命に仕事を片付けるホワイエンを見つけるウェンセン。
もっと幼い頃のホワイエンを、ウェンセンはこっそりと見つめて知っていました。ホワイエンはハイシェンからの援助へのお礼に手紙を送っていましたが、それはウェンセンのもとに届けられていました。「ハイシェンからの援助のおかげでピアノが弾けます。初めて作曲したので気に入っていただけたら嬉しいです。ハイシェンで働けるように頑張ります」という手紙を読んで微笑んでいた過去の自分を思い出すウェンセン。思い出に浸っていると、ホワイエンから「まだ会社に?」と尋ねられます。ウェンセンは「また残業か?断れないなら責任を持ってやり遂げなさい」とアドバイスします。ホワイエンはウェンセンを見送ろうとしますが、「2人なら速い」とウェンセンはホワイエンの仕事を手伝い始めます。

イーは「愛でお金は買えないが…」というジョーニーの言葉を思い出していました。バーで支払いができず戸惑っているイーを見て、スーチーは「昨夜死んだ祖母が夢に出てきて、『2人は合わない』と言ったの。別れましょう」と急に別れを切り出したのでした。(愛なんて最初からなかった。ジョーニーに見透かされるとは)と心の中でつぶやくイー。

クラブに着飾って来たジョーニー。ピーターという男の誕生日のようです。ジョーニーはワインを持ってスーチーに近づきます。グラスを差し出すと「ワインアレルギーなの」とあっさり振られます。アプローチしてもあっさり振られてしまいます。

ウェンセンにまたしても呼ばれたホワイエン。一緒にスペアリブのランチを食べようと誘うウェンセンに、「妙な噂が立てば、僕はよくても社長に迷惑が…」と心配するホワイエンの言葉を遮って、「肉を切って私に食べさせなさい」と命じるウェンセン。ウェンセンはホワイエンの手を唐突に握ると、「なぜ拒まない?拒まなければ同意したと思われる」と顔を近づけます。慌てて離れるホワイエン。「理不尽な要求は拒まないと。君は善良な人間だけど、我慢できる源田を示さないと」と言うウェンセンに、「僕にそれを教えたかったんですね。よく覚えておきます」と萎縮するホワイエン。「食べよう」と誘われ、なごやかなランチタイムが始まります。

スーチーがショッピングしているのを見てジョーニーが「友達のJJだよ」とゴリ押しして彼女に近づきますが、スーチーは激怒してジョーニーを店から追い出してしまいます。
一部始終をイーに報告しますが、「服を買った金は返して貰わないとな。無能な奴ほど言い訳が多い」と言われてしまいます。「君だって変な理由で振られてる!本当の理由はお金だな?」と図星を突きます。イーからは電話を切られ、損する前に元の世界に帰らなくてはという意識をより強くするジョーニー。イーに別れのメッセージを送ると、スマホを持って橋の上に立ちます。飛び降りれば元の世界に戻れるのではという魂胆です。
しかしそこに突然フードーが現れ、「ひょうたんを落としてしまったから探してくれないか」と頼んできます。フードーは念力でジョーニーを川に落とそうとしますが、ホワイエンが突然現れてジョーニーを引き戻してしまいます。

ホワイエンは「僕らもう友達だよね?困り事があれば僕に言って」と親身になってくれます。ジョーニーは「起きたら全く違う世界に変わっていて…」と経緯を説明しますが、理解してもらえません。とりあえず2人は連絡先を交換することになります。

イーは夢の中で、父を探す自分と、「さよなら」と自分を捨てるスーチーの姿が何度も思い出され、うなされていました。
ジョーニーからのメッセージを見ると「僕はひっそりと去る。訪れた時と同じように。ハイ・イー 君に出会えてよかった。またね」と書いてあります。

イーに借りた倉庫に戻って来たジョーニー。ジョーニーは「あの詩を知ってるか試した」とふざけ、イーは怒ります。夜中まで勤怠管理かよと憎まれ口を叩くジョーニーに、女でも連れ込まれたら困るとそれらしい理由をつけるイー。彼女を作る暇なんてないと言われて、イーはどこかホッとします。「好きな人じゃないと恋人にはなれないよ」と言うジョーニーに、好きなタイプをつい尋ねてしまうイー。自分の質問の滑稽さに気づき、慌てて「もう寝る」と電話を切ります。
ジョーニーはイーが自分を気にしていることを嬉しく思いつつも、彼に恩返しをせねばという気持ちを強くします。

起床したホワイエンは、起床してすぐに携帯が見つからないことに焦ります。新品を買い直したら今月生活ができなくなります。昨日ジョーニーと別れた後、会社に戻って残業しました。携帯はオフィスにあるはずです。焦って家を出ると、ウェンセンが自分の車の近くに立って声をかけて来ます。
「君の?」と携帯を差し出され、「どうして僕の携帯を!?」とホワイエンは喜びます。給湯室に落ちていたのだそうです。「君に届けに来たんだ」と言うウェンセンは、ついでに会社に送ると言います。恐縮しつつも車に乗るホワイエン。うまくシートベルトをつけられないでいると、ウェンセンが代わりにつけてくれます。優しい手つきと顔の近さにドギマギするホワイエン。

倉庫を漁っていたジョーニーは、シャボン玉を出す銃で無邪気に遊び始めます。そこにイーが通りかかり、ジョーニーは固まってしまいます。なぜ外にいるのかと尋ねると、「隔離期間が終わったからだ。荷物を運べ」と言うなり、さっさと倉庫に入っていってしまいます。

ウェンセンの車で会社に向かいながら、ホワイエンは彼の横顔を見つめてしまいます。会社に慣れて来たかと尋ねられ、ぎこちなく返事をするホワイエン。「また断れなくなったら私に連絡を」と言われ、嬉しくなってしまいます。同僚に見られないようにと、ホワイエンはウェンセンにコンビニの前でおろしてもらいます。ウェンセンはホワイエンが降りるなり、「かわいすぎる!」と悶絶します。

イーは倉庫内のソファーでだらだらと雑誌を読んでいます。家に帰らないのかと聞いても、「待っている人などいない」と言われます。イーに「任務はどうするんだ?」と尋ねられ、「隔離期間が終わったなら会いに行けば?」とジョーニーは促しますが、「それはダメだ」と跳ねつけられます。
しかし、スーチーに近づくには社会的地位が必要です。イーはジョーニーに「そのボンボンになりすませ」と身分証明書や服を買い与えます。その場で着替え始めるジョーニーを凝視してしまうイー。

その時、突然外で雷が鳴ります。「雷だ!」と大喜びで外に出ていくジョーニーに目を白黒させるイー。

 

第3話

<あらすじ>
ダイ・ジョーニーは雷に打たれれば2000年に戻れるのではと、雨の中空に向かって金属の棒を突き上げた。
死のうとしているのかと、ハイ・イーは羽交い絞めにして止める。
2000年の元旦から突然タイムスリップしたとダイ・ジョーニーが言っても、ハイ・イーは信じない。

ジョーニーは雷に打たれれば2000年に戻れるのではと、雨の中空に向かって金属の棒を突き上げます。しかし「焼肉になるぞ!」とイーに力づくて羽交い絞めにされます。2000年の元旦から突然タイムスリップしたとジョーニーが言っても、「イーロン・マスクのところにでもいけよ」と嘲笑するだけでイーは信じてくれません。

突然倉庫が停電し、半狂乱になるイー。ジョーニーはイーを宥めると、懐中電灯の代わりにペンライトをつけます。イーは幼い頃にボーウェイがペンライトをかざして「こんなところでどうしたの?」と話しかけてくれたことを思い出します。イーに「広場の近くにいなかったか」と尋ねられ、いたけれどその後すぐに渋滞を避けて違う道を通り、気づいたらここにいたと説明します。イーは自分の頭がおかしくなったのか、脚本でもあるのかと混乱します。
ジョーニーは自分がホー・ボーウェイという名前で、文化大学四年生、ソンジャン区ジーイエンの家でばあちゃんと二人暮らしをしていたと改めて自己紹介します。イーは一向に信じてくれませんが、ジョーニーは「いつかこの世界から僕が消えれば君は信じるはず。任務を果たしたら何としても帰ってやる」と鼻息荒く言い放ちます。

ハイシェン百貨店の給湯室でひとり思い出し笑いをしていたホワイエンは、課長から見咎められます。「ウェンセン社長と一緒に昨日出社しただろう。噂になってるぞ」と言われ、ホワイエンは慌てて否定するとその場を立ち去ります。「僕のセンセンを狙うのは許せない。見てろよ」とホワイエンの後ろ姿を睨みつける課長。

イーは「ワームホールを抜ければ全く異なる星系に行ける。つまり時空を越えられる」というネット記事を読みながら、狐につままれたような顔になります。そういえば、ジョーニーは携帯にやたらと驚いたり、家から何から要求してきました。やはり別の時空から来たのかと考え始めます。

課長はホワイエンにもっと仕事を回すように同僚たちに指示します。試用期間中の新人には難しい仕事も多いと渋る同僚たちに、「試用期間だからこそストレス耐性を見極めたい。僕が責任を取るから」と言う課長。同僚は1階の展示と会員特典の搬入も手伝ってくれとホワイエンに仕事を押し付けます。ホワイエンはまだ仕事が残っているし、仕事を押し付けるのはやめてほしいとはっきり言い返し、それをたまたまウェンセンは見ていました。「さすがホワイエン」とこっそりガッツポーズをするウェンセン。

イーはジョーニーの料理の腕を褒め、3食作ってくれと頼みます。代わりに洗濯をやってくれとジョーニーは言いますが、イーは炊事洗濯掃除全てジョーニーがやる代わりに家賃を払ってやると押し付けてきます。どうせ短い間だからとジョーニーは耐えることに。

ドラッグストアに来たジョーニー。たまたまそのドラッグストアでホワイエンが商品のディスプレイを担当していました。社員割引で安くなるからと買い物を手伝ってくれるホワイエンにジョーニーは感謝します。買えば買うほど安くなったと大喜びするジョーニーに、たかがそんなことでと軽蔑するイー。しかもジョーニーはハイシェンのスーパーではいつも試食をやっているからそれを夕食にしようとイーを連れ出そうとするので、イーは「その労力をスーチー探しに使えよ」と怒ります。しかしイーの腹がタイミングよく鳴ったので、結局はジョーニーの言う通り、スーパーに行く羽目に。

社長室でウェンセンが寝ていると、ホワイエンがこっそりと入ってきます。ホワイエンはウェンセンのデスクにファイルを置くと、ウェンセンの寝顔をじっと見つめます。ウェンセンの長いまつ毛や高い鼻梁、整った唇を見つめていると、髪が頬にかかっているのが気になります。髪をどけてあげようと手を伸ばした瞬間にウェンセンが起きて手を払いのけてしまい、その拍子に2人はキスしてしまいます。
ホワイエンの持ってきた書類をすぐさま確認するウェンセンですが、ホワイエンが退室した瞬間に動揺を隠すことができません。

ジョーニーは「任務の計画を立てた」とスーチーに接触するための計画をイーに説明し始めます。「ネットで読んだけど、箱入り娘には華やかな経験を与え、経験豊富な女性にはメリーゴーラウンドをと。スーチーは後者だ。子供の頃を思い出させるのさ。ロマンチックだろ?」と、スーチーを遊園地に誘い出そうと言うのです。ならばボンボンになりすましてスーチーを遊園地デートに誘え、俺がお前という悪党から彼女を救い出すと言うイーに、頷くジョーニー。颯爽と俺が登場すればスーチーも心を動かされるはずと夢見るように言うイーに、犠牲になりたくないと文句を言うジョーニー。追加料金を払うからと言われ、ジョーニーは笑顔で承知します。「やっぱりお前は金でしか動かない」とイーが言うも、「君だからやってあげるんだよ」とジョーニーに言われ、満更でもないイー。

ポールという名前でトレーニーとしてジムに潜入したジョーニーは、スーチーの専属トレーニーになります。強くて逞しい人が好きだからと言われ、筋肉隆々のボクサーたちと戦うことになるジョーニー。

イーは腕立て伏せをしながら、スーチーからの別れの言葉を思い出していました。スーチーのことなんて別に好きじゃなかった、愛想をつかしたのは俺の方だと鏡を見つめながらひとりごつイー。

ハイシェン百貨店ではホワイエンが1人でランチを食べていました。ウェンセンが電話をしながら歩いてくるのが見えて、ふとキスしたことを思い出してしまいます。思わず隠れてしまうウェンセン。「キスした後、何も言われなかったけれど、怒ってないのかな?」と考え込むホワイエン。

ジョーニーはボクサーたちにボコボコにやられていました。スーチーは「たかが名刺一枚で私を騙せると思った?あなたはポール?それともJJ?」と言い、ジョーニーは「騙した!」と血を流しながら叫びます。そこにイーが飛び出してきて、ボクサーたちからジョーニーを助けます。
「あなたが彼を雇ったの?」とイーに厳しい目を向けるスーチー。「俺をコケにした罰だ。捨てられたのは君の方だ。話すだけ無駄だ」と言うイーに、「こんなことをするなんて別れて正解だった」と吐き捨てるスーチー。イーはジョーニーを抱き起こすと去っていきます。

ウェンセンに呼び出されたホワイエン。和食弁当を買ってきたから食べてと言われ、もう食べたと戸惑いながら答えます。飲食店フロアでは見かけなかったがと面白がるように言われます。
実はウェンセンはホワイエンが陰でこそこそと思い悩んでいる様子を見て知っていたのでした。弁当を食べることにするホワイエンの隣に座るウェンセン。「社長もどうぞ」と思わず「あーん」をしてしまい、ウェンセンは嬉しそうにそれを受け取ります。「美味しい。また買ってこよう」と笑顔のウェンセンに、ホワイエンも思わず笑顔になります。
肩を奇妙に揺らすウェンセンを見て、「肩が悪いんですか?」と心配そうに尋ねるホワイエン。寝不足のせいかもとウェンセンが答えると、マッサージしましょうかとホワイエンは提案します。ウェンセンの肩を揉むホワイエン。
自分が高校時代に作った曲を流しながらマッサージをするホワイエンに、ウェンセンは思わず「知ってる」と言ってしまいます。慌てて打ち消すように「いい曲だと言ったんだ」と言い、ホワイエンは嬉しそうにします。「好きだよ、」とウェンセンが言うと、ホワイエンは一瞬動きを止めます。「君の曲が」と言われてホッとするも、「ありがとう」と頭を撫でられ、ホワイエンはどぎまぎしてしまいます。

満身創痍で倉庫に戻ってきたジョーニー。イーはジョーニーを心配します。体を見てみると、あざだらけです。ジョーニーは「僕はしぶといから大丈夫」とふざけますが、「サンドバッグになれとは言ってない。勝てないと分かったら逃げろ」とイーは激怒します。救急箱を出して手当てをしようとするイーですが、手当てをするなど初めてでやり方が分かりません。ジョーニーに手を握られながらおそるおそる手当てをしていきます。不意に近づくお互いの顔。手当てを終わらせようとするジョーニーですが、「仕上げが残ってる」とイーに息を吹きかけられて緊張のあまりジョーニーは目を瞑ります。イーは自分のせいでジョーニーを大怪我させてしまったことを申し訳なく思います。

夜、ベッドで眠るジョーニーのおでこに手を当てると、感染して熱を出したわけではないと分かり、ホッとするイー。イーは「ホー・ボーウェイ」とネットで検索します。ボーウェイは実在した人間のようです。すぐさま、サムにボーウェイについての詳細な情報を調べさせます。

スーチーはウェンセンとカフェでお茶をしています。ルーグアングループとハイシェンとの提携に興味があるということで…とウェンセンが仕事の話をしようとすると、スーチーはウェンセンと呼びたい、友達になりたいと甘えてきます。ウェンセンは快諾しますが、スーチーは「親密な関係になりたいの」とさらに迫ってきます。そのさまをジョーニーは見かけると、「スーチー、君のせいで身体中が痛いよ!僕の彼氏をお金で奪おうとするなんて!しかも人を雇って僕を襲わせたんだ!この女は本当に酷い!」と大騒ぎします。ウェンセンが「彼の話は信じていませんよ」と穏やかに否定すると、スーチーは明らかにホッとした表情になります。「なぜまだ独身なの?」とスーチーに問われ、ウェンセンは「ふさわしい相手が現れるのを待っていました」た言い、スーチーは明るい表情になります。

会長と副会長をハイシェンに迎えるウェンセン。セールの準備は万全かと問われ、昨年の業績を超えられそうだとよどみなく答えるウェンセン。君の企画書は素晴らしい、君が社長に就任してからハイシェンは進歩し続けているよと絶賛する会長。ウェンセンに任せておけば安心だと後押しする副会長。資料を車に忘れたからと会長と2人きりになるウェンセン。
会長は「うちのバカ息子から連絡はないか?大した所持金も持っていないはずなんだが」と問われ、知らないと答えるウェンセン。会長は息子に手を焼いているようです。ウェンセンが自分からも連絡をしてみると言うと、会長は「ハイシェンに来てから何年経った?」と唐突に尋ねてきます。ウェンセンが18歳で施設を出てからもう12年が経ちます。「時々帰っていますが、リウ院長はお元気ですよ」と朗らかにウェンセンは答えます。息子は君を見習うべきだと困ったように笑う会長。

イーがネットでセール情報を見ていると、そうとは知らないジョーニーは「家事もせずに遊んでばかりいてはダメだ。君もゴミの分別とか生きることに必要なことを学ぶべきだ。僕がいなくなったらどうするんだ」と怒ります。しかしイーは「俺から離れるつもりなのか?」と脅すように言います。ジョーニーは「ばあちゃんを待たせてるんだぞ。帰りたいよ…」と辛そうに言いますが、イーは吐き捨てるように「行くなよ」と言います。ジョーニーが聞き返すと、「俺のことは放っておけ」と逆ギレします。ジョーニーは家事の仕方やゴミの分別方法をイーに逐一教えます。ジョーニーと一緒に家事をするのが楽しくなってくるイー。水をかけあったりとふざけ合う2人。

またもハイシェンの試食コーナーにいるイーとジョーニー。せこせこ試食するな、買えと嫌がるイーですが、ジョーニーは「ハイシェンの跡継ぎでもない限りあんな高級食材を食べ放題にはできないだろ」と言い返し、1人で試食しまくります。イーは呆れて帰ってしまいます。
試食コーナーを見ていたジョーニーは、女性店員から「ニー君、久しぶり!」と親しげに声をかけられます。自分たちは知り合いなのかと不思議がるジョーニーに、「とぼけないで!ニーモー同盟は永遠よね?」と言われ、焦ります。

 

第4話

<あらすじ>
海神百貨店で偶然幼馴染のモーモーに会ったダイ・ジョーニーは、交通事故で記憶を失ったと言って、自分の過去を聞き出す。
その様子を見たハイ・イーは、一緒に夜市に行こうと言われても行かず、いらいらして部屋で待ち、帰って来たダイ・ジョーニーに突っかかった。
リアン・ウェンセンはルー・スーチーとの食事に、リン・ホワイエンを同席させ最愛の部下と紹介した。

ジョーニーは女性店員・モーモーに交通事故に遭って記憶喪失になったから君のことが思い出せないと打ち明けます。モーモーはひどく心配してくれ、ジョーニーの過去について教えてくれることに。手始めにジョーニーの好きな飲み物を奢ってくれます。モーモーに勧められた飲み物をすっかり好きになるジョーニー。モーモーは他にもジョーニーの好物だった、バニラ味のチャールンビンも奢ってくれます。モーモーとの関係を尋ねると、小学校から高校までの同級生だったそうです。ジョーニーの家族については、彼が高校一年生の時に両親が離婚し、一人暮らしをしていたそうです。家賃と学費は両親が出しており、お金の余裕はなかったもののほかは順調だったようです。ジョーニーを探すイー。モーモーに腕に抱きつかれたまま現れたジョーニーに頭を抱えるイー。3人で夜市に行こうと言うジョーニーですが、イーは「俺がいない方がいいだろ」とモーモーに敵意をむき出しにして1人で帰ってしまいます。夜の8時になっても帰ってこないジョーニーに腹を立てるイー。ジョーニーはイーにお土産を買って帰ってきます。モーモーとは幼馴染だと説明するジョーニーですが、イーは「過去から来たくせに幼馴染がいるはずない」「モーモーが気に入ってるのはお前じゃなくてジョーニーだ」と嫌味ばかり言います。「モーモーに恋愛感情はないのか?」と恐々聞くイーに、「彼女は親友だぞ」とジョーニーは驚いたように言います。やけに突っかかってくるイーは、ジョーニーの買ってきた食料を奪って去ってしまいます。

ハイシェン百貨店では、ホワイエンが課長に「ウェンセンに失恋したんだ。ルーグアングループのご令嬢と密会していたんだよ」と打ち明けられていました。ウェンセンのことが好きなのかとホワイエンが尋ねると、君のことを誤解していて悪かったと謝ってくる課長。

スーチーは、人生設計においても仕事においても、自分たちは最高のパートナーだとウェンセンに迫ります。ウェンセンは業務提携に関する仮契約書を差し出し、スーチーに確認してもらいます。スーチーの機嫌は上々。すぐにサインしてくれます。いざ2人きりでディナーという段階で、突然ホワイエンが現れます。ウェンセンが呼んでいたようです。
ホワイエンは恐縮しながらも同席します。残業続きで労を労わりたいからと言うウェンセンに、デートに社員を呼んだのかと棘のある言葉を言うスーチー。ウェンセンは「彼は私の最愛の部下なので」と微笑みます。「今日の食事がそれだけ特別だってことね」と勝手に納得したスーチーですが、ウェンセンがホワイエンに肉を切ってやったりワインを注いでやったりするのが気に食わないようです。スーチーは「覚えていなさいよ」と言い捨てて去っていきます。気まずげなホワイエン。

イーはジョーニーと冷戦状態です。腹が減りましたが、ジョーニーはイーが謝るまで食事を出さないつもりです。2人とも無職にも関わらず散財するイーに困ったジョーニーは、配達員の仕事を再開しようとネットで検索し始めます。

食事を終えたホワイエンはウェンセンと席を立ちますが、どこかオドオドとしていて不安げです。ホワイエンはなぜ自分を呼んだのかと尋ねます。ウェンセンは「デートだと知っていたならなぜ来た?彼女と付き合って欲しい?」と逆に尋ねます。ウェンセンはホワイエンに顔を近づけ、彼の目をじっと見つめます。ホワイエンは何も言うことができません。

モーモーはジョーニーの職探しを手伝ってくれるようです。イーと付き合っているのかと尋ねられ、ジョーニーは誤解だと慌てて否定します。イーを好きな自分もモーモーは嫌いになったりしないかと不安げに尋ねます。モーモーは当然だと言い、イーは確実にジョーニーのことが好きだと背中を押します。
ジョーニーは、自分にとって大切な人はジンホワだけだったので、他にも大切な人ができるなんてと不思議な気持ちです。

スーチーとのデートの日、課長は店の外でウェンセンたちが出てくるのを見張っていました。しかし最初にスーチーが怒り心頭の様子で駆け出してきて、課長は首を捻ります。しかも店内ではウェンセンとホワイエンが親しげに2人きりで食事をしているではありませんか。

イーが山のように通販をするので、金の使い方を注意するジョーニー。俺よりモーモーに構ったらどうだと言い返され、嫉妬してるのかと図星を突きます。

ハイシェンでは、課長をはじめとしてホワイエンの同僚たちが彼の噂をしていました。「来て間もないのに社長と送り迎えだけでなく食事も一緒にするなんて」「絶対にホワイエンが誘ったのよ。あざとい奴」「白々しいわよね」と悪口を言う彼らに、ホワイエンは「やめてください」とはっきり噂を否定します。しかし課長は「後ろ盾を得た途端に強気になったな。僕らに説教するつもり?」とよってたかってホワイエンを責めます。そこにウェンセンが現れ、課長のトニーに、「君も私の車に乗せたよな?私とそういう関係になったか?」と一喝され、課長は黙ってしまいます。
ウェンセンはホワイエンを連れ出すと、自分がいなくても切り抜けられただろうが…と言いつつ、ホワイエンがはっきりノーと言っていたことについて見直したと褒めます。ウェンセンの教えである、譲れない一線は死守せよということを実践しただけだと照れるホワイエン。ウェンセンは、君にとっての「一線」とは?と尋ねます。ウェンセンだと答えるホワイエン。ウェンセンへの無礼は許せないと憤るホワイエンに、そんな君に魅力を感じるよとウェンセンは微笑みます。嬉しそうなホワイエン。

ハイシェンを彷徨いていたジョーニーは、配達員の仕事への復帰決定の知らせを受けて大喜びします。美味しそうな肉の塊を見て、ごちそうを作ってイーとの冷戦状態を終わらせようかと悩むジョーニー。ジョーニーはホワイエンを呼び出し、肉を割引させます。ルームメイトに随分優しくするんだねと不思議そうなホワイエン。ジョーニーはムーディーな食卓を作りますが、イーは「割引品に興味はない」と鼻で笑います。「じゃあステーキは僕が全部食べちゃう!」とジョーニーが宣言すると、イーが慌ててベッドから転がり出てきます。いつも特売品ばかりなのにと驚くイー。肉が焼き過ぎだと文句を言うイーに、ジョーニーは機嫌を損ねてしまいます。せっかく作ってくれた料理に難癖をつけてしまったと申し訳なくなるイー。

しかしその時急に地震が起きて、倉庫内の物が次々と落ちてきます。咄嗟にイーに駆け寄り、彼を抱きしめて守ろうとするジョーニー。素直に感謝され、ジョーニーは照れます。「余震が来るかもしれない。どこに逃げればいいか確認してくる」と言うジョーニーに、イーは「どうしてそこまで?」と尋ねます。「1999年の921大地震を経験したんだ。大きな揺れに驚いてばあちゃんと家を飛び出したんだ。全土が停電し、中部では家屋が倒壊した。多くの人があの夜に命を落とした」ととつとつと語るジョーニーを見て、生々しい口ぶりは本当に被災した者の言葉のようだと感じるイー。ジョーニーは「今も怖いけど、経験があるだけマシだよ」と微笑みます。イーは「余震に備えて手を繋いで寝てやる」とふざけ、ジョーニーはそのおふざけに乗ってやることにします。手汗がひどいと笑い合う2人。ジョーニーはイーの横顔を見た後、「ありがとう」と言って、安心して眠りにつきます。

ホワイエンが地震で落ちた家具を直していると、ウェンセンから「大丈夫か」と電話がかかってきます。ホワイエンが自分は無事だが社長はと問うと、ウェンセンは「窓の外を見てみろ」と言います。そこには車のそばに立つウェンセンが。今すぐに降りると言うホワイエンに、「雨も降ってきたし、もう遅いからもう寝なさい。様子を見にきただけだから」とウェンセンは彼を宥めます。ウェンセンを見つめるホワイエン。

イーはモーモーとカフェに来ています。ジョーニーの幼馴染らしいなとイーが高圧的に言うと、モーモーは「2人がお互いを思い合ってるのは知ってるわ」と協力的な姿勢を見せます。イーはジョーニーの過去について教えて欲しい、ルームメイトとしてあいつを理解したいからと回りくどく頼みます。モーモーは意気揚々と「彼は部屋に服を脱ぎ散らかしていて、足の踏み場もなくて…」と話し始めます。倉庫に帰ってきたイーはモーモーに教えられた通り、バニラ味のチャールンビンをジョーニーに渡しますが、ジョーニーは「甘いものは苦手だ」と困ったように言います。それに、ジョーニーは服を脱ぎ散らかすことなどなく、いつも整理整頓しているし、綺麗好きです。モーモーはジョーニーが美意識が高くケアを欠かさないと言っていましたが、今のジョーニーはケアなどしているところは一度も見たことがありません。「中身はやはりボーウェイなのか」と思い始めるイー。
仕事を終えたジョーニーは臭豆腐をお土産に買って帰ってきます。「臭いはキツイけど味は最高なんだよ」というその言い方は、自分がかつて聞いたことのあるセリフです。イーはジョーニーに「本当に過去から来たなら詳しく聞かせてくれ。幸運のアイテムが流行ったことは?」と尋ねます。「そういえば幸運のミサンガが流行ってた!1人の迷子にあげたよ」と言うジョーニー。イーの顔色がどんどん悪くなっていきます。ジョーニーは空腹のせいだろうと思い、料理を作り始めます。

その晩、眠るジョーニーの寝顔を見つめるイー。ポケットからミサンガを取り出すと、ジョーニーの寝顔にかざします。思い出すのは、街灯で逆光になってよく見えなかった青年の顔です。イーは思います。「何度もこのミサンガに向かって願った。あの人にまた会いたいと。こんな形で再会するとは、本当に不思議だ…。ジョーニー、ありがとう」。「お前を留まらせてみせる。俺のそばに」とイーはつぶやき、ジョーニーの頬を撫でます。

カフェでスーチーとお茶をするウェンセン。ウェンセンは「私の考えは伝わったはずです。仕事以外で会う必要はないかと」とクールな態度ですが、スーチーは「私の考えも伝えておきたいの。あなたが誰を愛そうがどうでもいい。結婚相手としての適性が大事なの。私たちが結婚すればあなたの今後も安泰でしょ?ルーグアングループの後ろ盾があれば、ハイシェンで絶対的な地位を手に入れられるわ」とメリットをちらつかせます。「私はただの人形ですか」とため息をつくウェンセンに、「誰でもなれるわけじゃないわ。結婚した後に誰を愛しても構わない。お互い自由にやりましょう。契約結婚よ」とスーチーは笑顔で言い放ちます。ウェンセンは「私にとって婚姻は神聖なものです。取引のように簡単に契約はできません。偽りの愛は受け入れられないし、好きでもない人との結婚も私には無理です」と断ります。スーチーはウェンセンを睨みつけます。

イーはジョーニーを社長と呼ぶと、突然「出勤するぞ」と追い立てます。配達の仕事に復職したばかりだから嫌だと言うジョーニーに腹を立ててイーは1人で行こうとしますが、よく考えるとイー1人で行かせると碌なことになった試しがありません。ジョーニーは嫌々、イーについていきます。

イーとジョーニーはスーツを着て、社員としてハイシェンの社内に立っていました。半信半疑なジョーニーは、ハイシェンの古い倉庫に住んでいるのがバレたらやばいと慌てますが、イーは古い倉庫だから平気だと謎の自信を漂わせます。
ゾン主任から「ハイとは珍しい苗字だが、会長の親族ではないよな?」と確認され、「親族ならこんな妙な入社の仕方はしません」と否定するイー。
大企業で働く夢が叶ったと大喜びのジョーニーを見て、イーはいい気分になります。ハイシェンの館内を見回っていると、たまたまホワイエンに出会います。彼に自分も入社したことを伝え、「これからは先輩として頼むよ」と一緒に食事をしようとします。

しかしその時、ホワイエンは同僚から冷凍庫の商品整理を手伝ってと高圧的に頼まれます。しかし仕事を終えて外に出ようとすると、なぜか扉が開きません。必死で助けを呼ぶホワイエンですが、携帯もつながらず、震えて縮こまることしかできません。
その頃、ホワイエンの同僚たちは「ホワイエンを冷凍庫に閉じ込めて大丈夫かしら」「トニー課長を怒らせた罰よ」とせせら笑っていました。その雑談を偶然耳にしたウェンセンは激怒し、慌ててエレベーターを飛び出します。凍死しかけていたホワイエンは、ウェンセンの呼び声でうっすらと身動きします。ウェンセンは冷凍庫に飛び込むと、ホワイエンの頬を叩いて彼の目を覚まさせます。

 

第5話

<あらすじ>
会社の冷凍庫に閉じ込められたリン・ホワイエンは、リアン・ウェンセンに助け出された。
すでに意識が朦朧としている中、想いを打ち明けるリン・ホワイエンに、リアン・ウェンセンは「ずっと好きだった」と答える。
リアン・ウェンセンのベッドで目を覚ましたリン・ホワイエンは、昨日の事は夢だったのかとリアン・ウェンセンに確かめる。

意識が朦朧とするホワイエンを抱き起こし、助けたウェンセン。ホワイエンの意識を繋ぎ止めるために、ウェンセンは必死で話しかけます。ホワイエンは「あなたが好きです。一緒にいられてとても幸せだった…守ってくれてありがとう」と震えながら告げて、意識を失います。ウェンセンは自分のスーツを脱いで彼に着せ掛け抱きしめると、「私もずっと前から君が好きだった。寝ちゃだめだ…」と泣きじゃくりながら告げます。
ウェンセンはホワイエンを自宅に連れ帰り、介抱します。彼が目を覚ますまでじっとベッドサイドに座って彼を見つめます。ホワイエンとの記憶を思い返しながら、ウェンセンはホワイエンの手を握り、彼を助けてほしいと神に祈ります。祈りが届いたのか、ホワイエンは目を覚まします。「天国はこんなところだったのか」と言うホワイエンに、「バカだな」と返しながらおでこにキスを落とすウェンセン。

倉庫ではイーがジョーニーから家事分担の相談をされていました。しかしイーは何かに夢中でジョーニーの話を半分も聞かずに「感染の影響が大きいな」と2022年の各社セール状況を見ながら独り言を言います。イーの手元を夢中で覗き込んでいると、彼の膝に思いきり倒れ込んでしまいます。抱き止められるような格好になり、1人で大慌てするジョーニー。

ジョーニーは会社のチャットにホワイエンを介抱するウェンセンの写真がアップされていることに大騒ぎします。つい先日はスーチーとデートしていたのにバイセクシャルなのか、ホワイエンに確認しなきゃと首を突っ込むジョーニーに、「友達でも恋愛には干渉するな」と釘を指すイー。やきもちを焼いているのかとジョーニーに図星を突かれ、さっさと夜食を作れと怒りだします。

目を覚ましたホワイエンは、自分がどこにいるのか分かりません。ベッドサイドにウェンセンの若い頃の写真があるのを見つけ、ウェンセンに介抱されたのは夢ではなかったのかと写真を抱きしめて舞い上がるホワイエン。物音がしたので慌ててウェンセンを探すと、彼はシャワー中でした。「目を覚ましたのか」と喜ぶウェンセンは全裸。「失礼しました!」と慌ててシャワー室を出ると、ホワイエンは覗き魔だと思われてかもしれないと頭を抱えます。同じ頃、ウェンセンは自分の裸がホワイエンの目に堪えうるものだったかをいまさらながらに確認するのでした。

いざ出勤時間になっても、イーはのろのろとしか支度をしません。ジョーニーはイーにシャツを着せてやりながら、「前世の罰なのかな」と言いますが、「前世の徳だろ」と言い換えられます。突然「僕と一緒にいてドキドキする?恋をしてる気分になる?恋愛対象になる?試してみない?」とジョーニーに問われ、「ど、どうやって…」と困惑するイー。イーの心臓の上に手を乗せると、激しく脈打っています。ジョーニーの頬に手を添えるイー。2人の顔は近づきますが、イーは「これで満足か?仕事に遅れるぞ」と意地悪そうに笑います。ジョーニーの後を追うイー。

ウェンセンはホワイエンと朝食をとりながら、体調はどうかと尋ねます。もうすっかり良くなったと微笑むホワイエンは、「昨日気を失った時、僕は何か言ってましたか?あなたも何か言ってくれたような…」とおどおどと尋ねます。「そうかな」と煙に巻こうとするウェンセンに、「それにキスもしてくれたような」とホワイエンは言いますが、ウェンセンが苦笑するので「か、勘違いです。あれは夢か」と慌てて言い直します。「バカだな。夢か現実も分からないのか?それは現実だよ」とウェンセンが言うので、「じゃあ僕たちは恋人同士に?」とホワイエンは顔を赤らめます。
ウェンセンはおもむろに立ち上がると、ホワイエンを後から抱きしめます。「あの日、スーチーとの食事会に君を呼び出した。利用されて嫌だったか?」と問われ、ホワイエンは「いいえ、役に立てるのは嬉しいです」と緊張したように答えます。「私のキスを忘れたようだ。記憶を呼び覚まそうか?」と言われ、何度もキスされるホワイエン。優しいキスの嵐に、ホワイエンはうっとりと身を委ねます。

出社したイーとジョーニーですが、データ入力の仕事を必死でこなすジョーニーの隣で、イーはゲームをして遊んでいます。イーは裏技を教えてやるといい、一瞬で仕事を完了させてしまいます。その時、ジョーニーの携帯にウェイ・ソーモー(モーモー)からチャットが届きます。「HIStory3 番外編」というPDFファイルとともに、「読めば分かるわ。頑張れ」というメッセージが書かれていました。明らかに挙動がおかしくなるジョーニーに、エッチな写真でも送りつけられたんだろうとふざけて携帯を取り上げるイー。なんとそこには男性同士で絡み合いながらキスする漫画が描かれており、イーも慌てふためきながら自分のデスクに戻ります。

ウェンセンはトニー課長を呼び出すと、なぜホワイエンを冷凍庫に閉じ込めたのか、あと一歩遅かったら死んでいたんだぞと叱責します。課長は「仕事を学びたがっていたのでその機会を与えたのです。冷凍庫のドアが故障していたのは総務に連絡済みで…」と言い訳します。ウェンセンは「ドアの故障は明らかに人為的なものだと聞いている。警告しておく。今後職場でのいじめを二度と起こすな」と激昂します。

ウェンセンがホワイエンを抱きしめている写真を見ながら、同僚たちは「羨ましいわ。私も社長にハグされたい」「ホワイエンって誰よ。社長を取られたわ」と文句を言います。ウェンセンは、人の評価を気にするなと教えてくれました。心を強く持たねばと、同僚たちにお茶を入れようとするホワイエンですが、逆に同僚たちに「君の好きなお茶を入れてあげるよ」「SNSで話題のクッキーよ。食べて」と妙に優しくされます。「俺たちに至らない点はあったと思うが、社長に言わないでくれよ」とゴマを擦られ、課長は余計にホワイエンが気に食わなくなります。

ジョーニーはゾン主任から声をかけられ「イーを呼んでこい。話がある。10分以内に呼び戻さなければ試用期間は打ち切りだ」と言われ、慌ててイーを探し回ります。イーは館内を散策しており、化粧品売り場の女性社員と歓談していました。販促活動を増やしてほしいと言う社員に、販促活動を増やすのもいいが男性向けの商品も増やしてみるのはどうかと言うイー。楽しげに話す2人を見て、ジョーニーは「朝は散々僕のことをからかったのに、もう他の女といちゃついているのか」と苛立ちを隠せません。
イーを連れ帰ると、主任から「今日から正社員に登用する。会社史上最速で登用された2人だ」と褒め称えられます。張り切るジョーニー。
イーは先ほど社員からもらったスキンケアの試供品をジョーニーにプレゼントだと渡します。喜ぶジョーニーを見て、イーは機嫌良さげです。

昼時になり、ジョーニーはホワイエンにランチを奢ります。試用期間を無事に終えられるか不安だと言うホワイエン。ジョーニーはウェンセンにはきっと恋人がいる、恋人はスーチーに違いないと忠告しますが、ホワイエンはスーチーとは業務提携のようなものだから安心していいと胸を張ります。「社長から大事にされてるんだね」と嬉しそうなジョーニーに、ホワイエンは「本当に優しくしてくれる」と惚気ます。羨ましがるジョーニー。

仕事を終えると、イーはジョーニーを馴染みのバーに連れてきます。高い酒や高いつまみなんかいらない、無駄遣いだ、家で祝いの食事をとればいいだろと文句を言うジョーニーに、イーはせっかく正社員のお祝いなのにと機嫌を損ねてしまいます。しかもタイミングの悪いことに、モーモーから電話がかかってきてしまいます。嬉しそうに電話に出るジョーニー。腹立ち任せにイーがワインを開けると、ジョーニーは「モーモーとお祝いしてくる」と席を立ってしまいます。バーに1人取り残されるイー。イーはジョーニーに贅沢をさせてやりたかっただけなのです。しかし、その気持ちを理解してもらえず、悲しみます。イーの携帯にボーウェイのプロフィールが送られてきます。「祖母ジンホワは2000年に他界」と書かれているのを見て、イーは黙ってグラスに注いだワインを飲み干します。「戻る理由はもうないぞ」とつぶやくイー。
モーモーに、イーのことが好きだけれどどうアプローチすればいいか分からないと相談するジョーニー。モーモーはアプローチの方法をあれこれ一緒に考えてくれます。

ウェンセンの車で帰宅するホワイエン。待たせてしまった、疲れたろうと心配するウェンセンに、「あなたは忙しいし、一緒にいられて幸せです」と健気なホワイエン。ウェンセンは思わずホワイエンの手を握り、その手にキスをします。
昼食はとれたかと尋ねられ、ジョーニーという友人ととったと話すホワイエン。ジョーニーはすぐに正社員になるくらい優秀で、優しくて…と手放しで褒めるホワイエンに明らかにやきもちを焼くウェンセン。「私の前で他の男の話をするな」と頬を膨らませるウェンセンに、ホワイエンは「かわいい」と言って、思わず彼にキスしてしまいます。機嫌の治ったウェンセンは、ホワイエンを夕食に誘います。ホワイエンは自分の好物を食べに行こうと提案します。
臭豆腐の屋台にウェンセンを連れてきたホワイエン。庶民の料理だから口に合わないかもと心配するホワイエンに、ウェンセンは自分もよく食べたと言います。実は自分も孤児院出身だと言いかけますが、店員がサービスで料理を持ってきてくれたので、話すのをやめてしまいます。

ホワイエンは意を決して、自分の過去を話し始めます。ハイシェンが支援する施設で育ったのだが、会長にぜひ会いたいと言います。ポストカードを送り続けたものの、就職できたので直接お礼が言いたいというのです。ウェンセンは早速来週にでも会えるように手配すると約束してくれます。

翌朝、朝食を用意してくれたジョーニーに、イーは謝ります。怒らせたかったのではなく、自分を大事にしてほしかったのだと真意を伝えます。ジョーニーも謝り、朝食を食べ始めます。朝食にいつもと違うところはないかと言われ、ベーコンは焦げているし卵は半生でコーヒーもぬるいと指摘すると、ジョーニーは怒ってしまいます。しかしよく見ると卵もパンもハート型にくり抜いてあります。後になって気づいたイーは途方に暮れます。

出社したイーは、店員に「ハート型の朝食」にはどんな意味があるのかと尋ねます。あなたを好きってことでしょうと言われ、動揺するイー。店員はフードーが女装した姿でした。「相手の気持ちを踏み躙らないでね」とイーの後ろ姿に声をかけると、優しい置き手紙のお礼にここで幸せになれるようにと願いをかけます。

モーモーにイーのことを相談するジョーニー。イーは遠くから2人の話を聞いています。モーモーは「彼を落とせば達成感があるはず」と言い、「君が好きだ」と強引にいけば…とジョーニーを抱き寄せます。そこにイーが現れ、「仕事中にデートかよ」と激怒します。ジョーニーは誤解を解こうとしますが、モーモーはイーの恋心を煽ろうと、誤解させたままにしようとします。怒るジョーニーを、「もうすぐ幸せの朝日が拝めるわよ」と慰めるモーモー。

トニー課長はホワイエンを大声で呼び出すと、「うちの飲食店フロアである店長が何ヶ月も賃料を滞納して退去処分を受けた。例の店長が抗議活動をしてる。どうにかしろ」と無理難題を押し付けます。「僕の担当範囲ではありません」とホワイエンは拒絶しますが、課長は「これも仕事のうちだ!うちに残りたければ取り掛かれ!フロアから出ていくよう店長を説得してこい。うまく処理できなければ会社を辞めてもらう」と言い、同僚たちは見て見ぬ振りをします。
「ここは俺の店だ!」と、新しい店の前で座り込む店長に手を焼くホワイエン。そこにフードーが現れ、店長は「お前!なんでこんなところに!」と縋るように言います。フードーは店長の妻のようです。店長はフードーとホワイエンを前に、「感染してから味覚が戻らないんだ。すぐに退去しろなんて言わないでくれ、もう少し時間が欲しい」と懇願します。ホワイエンが「何があっても僕たちが手助けします。僕が試食係になりますし」と言うと、店長は快くその場を後にしてくれます。

ジョーニーがデスクに戻ると、イーの姿が見当たりません。映画館で人と会う約束をしていたと同僚に言われます。映画館でイーは黒ずくめの男と話していました。ジョーニーはモーモーと自分は決して付き合っていないと言いますが、イーは信じてくれません。さらに、イーは電話を取るなりどこかへ走り出してしまいます。
ジョーニーは、イーのことが好きなんだと彼の後ろ姿に向かって叫びます。

 

第6話

<あらすじ>
告白をした後、ハイ・イーは姿を消した。
ダイ・ジョーニーが家の前で待っても、携帯に連絡をしても、全く連絡が取れない。
ふと部屋の中にある見覚えのあるミサンガを手にする。

驚いて振り返ったイーは、閉まりゆくエレベーターの中。イーは呆気にとられたような顔のまま、閉まっていくドアの向こうに消えていきます。
ジョーニーは家である倉庫の前でイーを待っていましたが、どれだけ深夜になっても彼は一向に帰ってきません。イーにチャットも何通も送ってみましたが、一つも返事がありません。告白を受け入れないにしても、イーなら何か言い返すはずです。なぜ突然姿を消したのでしょう。モーモーのアドバイスは役に立たないと悶えていると、ジョーニーはベッドで見覚えのあるミサンガを見つけます。

ボーウェイは夜中に配達中、道端に座り込んでいる少年を見つけます。「自分で帰れる」と去勢を張る彼に、自分のつけていた幸運のミサンガをプレゼントします。「これに向かって叶えば願いは叶うんだ」と言うと、少年は「父さんに会いたい」と願います。
イーがその少年だったと気づくジョーニー。自分たちが出会ったのは運命だったのかと気づき、イーを探さねばという思いに駆られます。イーの行きそうな場所は全て行き尽くしましたが、どこにも彼の姿はありません。

手術進行状況一覧の掲示板を見つめるイー。合流した叔母に、父が心筋梗塞の手術に入ったが、何時間経っても出てこないとイーは不安げに言います。持ち堪えてくれと父に祈ります。

ホワイエンは終業後にウェンセンの家に寄ります。チャイムを押しても反応がなく、電話をしても留守番電話に繋がってしまいます。こんな時間まで残業をしているのかと不安になるホワイエン。そういえば、ウェンセンが自分の誕生日を暗証番号にしたからいつでも会いにきてくれと言っていたのを思い出します。押してみるとその通りに開いたので、ホワイエンは家にあがらせてもらいます。

同じ頃、ウェンセンは病院にいました。携帯を見てホワイエンに電話をかけるウェンセン。夜食を届けにきたんだけどと言うホワイエンに、会長が…と言いかけるウェンセン。追求しようとするホワイエンに、ウェンセンは「会社で緊急事態が起きて対処してるんだ」と簡潔に説明します。心配するホワイエンに、「何時に帰れるか分からないけど、こんな時間に1人で帰らせるのは不安だから家で寝てくれないか」と頼みます。終わったらすぐに帰るからと言われ、ホワイエンは急かしたくないと一度は断るも、改めてお願いされ、部屋で寝させてもらうと約束します。仕事が済んだらちゃんと休んでねと労わるホワイエンに、「家に来てくれて本当に嬉しいよ」とウェンセンは優しい言葉をかけてくれます。電話を切った後、「愛してる」とこっそり言って、1人でにやけるホワイエン。

イーやウェンセンたちは手術室から出てきた医者に駆け寄ります。医者は「心筋梗塞で手遅れでした。手は尽くしましたが…お悔やみを」と言って、去ってしまいます。泣きじゃくるウー副会長。「どうやって受け入れろと?彼はハイシェンのことを何より気にかけてた。トップの座を空けてはいけない。時期会長の人選を早めよう。明日、臨時役員会を開くぞ」と涙しながらも話を進める副会長。ウェンセンも了承しますが、イーはまだ1人、深い悲しみの中にいます。

ジョーニーはイーを探し回ってすっかり疲れ切っていました。イーとあんなに長く暮らしていたのに、彼の家も知りません。イーから電話があったので慌てて出るジョーニーですが、イーは「俺は無事だ。会社の用事があって…」としか言いません。「今日は帰れないから待たなくていい」とだけ言って電話を切られてしまい、ジョーニーは首を傾げます。
父の遺体を前にして、イーは何度も「父さん」と呼びかけます。
イーがかつて迷子になった時、父は一生懸命に探してくれました。父が電話している間に、イーがいなくなってしまったのでした。「捨てられたかと思った」と言うイーに、「そんなわけない。心配したぞ」と彼をきつく抱きしめる父。
病室のイーは「僕はここだよ。目を開けてくれ…」と涙します。

帰宅したウェンセンは、自分のベッドで眠るホワイエンを見つけます。涙を堪え、ベッドに静かに腰掛けるウェンセン。ホワイエンが寝ぼけて起き出し、「会社の用事は済んだ?大丈夫?」とウェンセンに尋ねます。「すまない。会長に会わせると約束したが、実現できそうにない」とウェンセンは謝ります。「大丈夫だよ、急いでない」とホワイエンは言いますが、ウェンセンは会長は涙ながらに心筋梗塞で突然亡くなったのだと打ち明けます。ウェンセンの膝に突っ伏して泣きじゃくるホワイエン。ウェンセンもホワイエンの肩をさすりながら泣いてしまいます。

出社したジョーニーは、出社してきたイーがウェンセンに「会長」と呼ばれていることに気づきます。
臨時役員会を仕切るのはイーの叔母です。「次期会長を決めなくては。”父の仕事を背負うのは子”、会長となりハイシェンを背負うのはハイ・イーよ」と叔母は決定事項のように言いますが、役員の1人とウー副会長は「ハイ・イーは業務を経験していない。突然会長の任を任されるのは重圧では?」「こんな青二才が会長になるなんて。国外で消費三昧の生活を送ってきた彼に企業経営が分かるのか?」と立て続けに嫌味を言います。加えて、「リアン社長には会長を支えてきた実績がある。彼こそが適任だ」と推します。
ウェンセンは「身に余るお言葉です」と謙遜しながらも、会長の任は受けられないとはっきり断ります。「私にとって最優先の任務は前会長の葬儀の準備です」と言うのです。「前会長はハイシェンにすべてをささげてきたのだから、早く次期会長を決めなければ彼の魂も休まらない」とせっつくウー副会長。
イーの叔母は、前会長の遺言書を出します。「万が一のことがあれば、ハイ・イーを次期会長に」と明確に記述があるとウー副会長の目の前に叩きつける叔母。確かに、前会長であるハイ・ヤンのサインもあります。

イーは「父の精神を受け継ぎ、全力を尽くし、ハイシェンに更なる発展をもたらします」と言い切ります。ウー副会長は、自分もハイシェンの発展のために人生を尽くしてきたと言い、「もちろん遺言書の内容を尊重したいが、理性的に考えて、安易に後継者を決めるべきではない!ハイ・イーを会長代理とする。任期は3ヶ月だ。その間、リアン社長と競争してもらおう。業績で買った方がハイシェンのリーダーに。挑戦する勇気は?」とイーを煽ります。役員たちからは「公平な判断だ」と指示する声が上がります。叔母は「兄の志に背くことになる」と反対の声をあげますが、イーは「引き受けましょう」と涼しい顔をします。ウェンセンを睨みつけるイー。

ジョーニーが出社すると、ゾン主任はサンドイッチとコーヒーを持ってきて「ジョーニー先輩、朝食はまだかな?」と妙に優しくしてけれます。理由を聞くと、「新会長が私をどう処分するつもりか不安で…」と言います。イーか新会長!?と驚くジョーニーに、主任は「やっぱりあれは覆面調査の一環だったのかな」とひとりごちます。「何かあったら君が口添えしてくれないか」と頼んでくる主任の言葉も耳に入らず、ジョーニーは呆然とします。

無造作にかけられたヤンのスーツを見て涙を堪えるイー。父のデスクには小さい頃の自分と父の写真が置かれていました。
ヤンと最後に会ったのは、海外への飛行機に乗る直前でした。ヤンは「私の言いたいことは分かるだろ?どうせ最後にはお前が継ぐことになる」と言いますが、イーは「俺は自分の選んだ道を進みたい」と反発します。さらには「父親の優しさを感じたことは一度もない。あんたは来る日も来る日も仕事に明け暮れて、年越しの夜も仕事の電話で俺を迷子にした。俺が家業を継ぐと思うか?」と憎まれ口を叩きます。イーは「あの副会長は怪しい。俺を信じるか?」と言いますが、ヤンは「彼は戦友だ。お前は分かってない」と反論し、イーは「やっぱり俺のことを信じてないんだ」と呆れます。
自分の好きなように生きると言い放つイーに、「力さえつけてくれれば何をしてもいい。だがお前にはハイシェンを継ぐ義務がある」と叫ぶヤン。イーは「1人でも生きていけると証明してやる」と言い捨てると、会長室を出て行ったのでした。

父との最後の会話があんな喧嘩になってしまうなんてと、写真を見つめながら後悔するイー。大荷物を持った叔母が、会長室を訪ねてきます。中には、9歳、15歳…と幼いイーに渡せなかったヤンからの手紙が入っていました。手紙を開くと「誕生日おめでとう。キャンプに行く約束をしたのに、仕事のせいでまた約束を破ってすまない」と書かれていました。「誕生日を覚えていたのか。俺なんか愛していなかったのかと」と涙するイーに、叔母は「当然でしょう。子を愛さない親なんていないわ。忙しくて渡せなかったのよ。息子の成長を見守れないと愚痴を言っていたわ」とヤンを擁護します。叔母は、イーの母は実家の反対を押し切って全てを捨ててヤンと結婚したと言います。実家とは縁を切ってハイシェンを創業するために力を尽くしたものの、若くして命を落としたと。ヤンは周囲から相当に責められたのだそうです。「兄が心血を注いでハイシェンを育て上げたのは、あなたの母親に報いたかったからよ。父親失格だったけれど、息子を愛してたわ」と言う叔母に、イーは「自分に腹が立つ。なぜ反抗ばかりしていたのか…。二度と会えないと分かっていたら…。父さんに会いたい」と泣きじゃくります。叔母に「教えてくれてありがとう」と感謝すると、イーはハイシェンを守ると決意します。叔母からは、ウー副会長はずる賢いから、状況を落ち着かせることが重要だとアドバイスされます。

トニー課長は、「例の店主による抗議事件には僕も関わっていました。責任を取るために辞職します」とウェンセンに辞職届を出します。ウェンセンは課長はベテランで、仕事への姿勢も素晴らしいと褒めた上で、「こんな理由で辞めるのか?」と追求します。課長は「僕は会社に残る資格はありません」と憔悴し切ったように言います。「ホワイエンの件か。君の弁明を聞けていない。なぜ彼を標的に?彼は新人で、君はベテランだ。全く脅威でもなんでもない」とウェンセンははっきりと尋ねます。課長は「ホワイエンに嫉妬していました。あなたが好きだからです。初めて会った時からずっと。そんな気持ちを大事に抱えてきました。いつか振り向いてくれるかもと。でもホワイエンばかりが可愛がられるのが耐えられなかった。なぜ彼なんですか?」と早口で言い切ります。ウェンセンは静かに「人を愛するのに理由は要らない。君の気持ちは嬉しいが、応えることはできない。私にはホワイエンがいる。他の人が立ち入る余地はない」とはっきりと断ります。課長は「分かりました。辞めさせてください。ホワイエンへの償いにもなります」と言いますが、ウェンセンは課長の目の前で辞職届を破り捨てます。驚く課長。「私には一緒に戦っててくれる相棒が必要だ。君はとても優秀だし信頼している。どうか残って欲しい。恋人にはなれなくても、仕事上の戦友として共に過ごすことはできる」とウェンセンは右手を差し出します。課長は「喜んで。今まで以上に努力します」と彼の手を握りしめます。

会長室に殴り込んできたジョーニー。「なぜ正体を隠して僕を騙した?聞かれなくても僕に教えるべきだったろ!ずっと一緒にいたのに!」と激昂するジョーニーに、「友達になったのは俺の立場が理由ではないんだろ?なら教える必要はないだろ」と飄々と応えるイー。「どうして僕を信じてくれなかったの」とジョーニーが言うと、「信用の問題じゃない。そのうちいなくなるから知らせる必要はないと思った」とイーは言います。「僕は君の人生をただ通り過ぎるだけの存在なのか。君と絶交してやる!」と怒り散らすジョーニーに、「なんとでも言え。誰にでも秘密はある。俺は何も悪くない」とイーは返します。足音荒く帰るジョーニーの背中を眺めながら、「なぜ分かってくれないんだ」とイーは目に涙を浮かべます。緊急案件を捌くのに忙しいイー。ジョーニーはイーが追いかけてこないいことに焦っていました。ジョーニーは絶好したことを早くも後悔していました。サムが撮った何枚かの写真を確認するイー。

クレーンゲームで遊びながら、ジョーニーはモーモーに恋愛相談をしていました。「絶対に彼が謝るまで待った方がいい。絶対に譲歩しない方がいい」とアドバイスされますが、ジョーニーは「僕が始めた喧嘩なのに…」と困惑気味です。ジョーニーはきっと時代が違えば恋愛観も違うのだろうと思い、モーモーのアドバイスに従うことにします。

イーはウェンセンを呼び出すと、ウー副会長とルーグアングループの幹部と彼が親しげにしている写真を突きつけます。
「ただの会合ですが…。業務提携のどこに問題が?」と困惑するウェンセンに、イーは「ウー副会長はまだしも、ルーグアンとも結託してるのか!」と罵ります。イーはウー服価値がウェンセンのために支援者集めをしていると激昂しますが、ウェンセンは「あなたの想像に過ぎません。ルーグアンの力を借りたいならルーさんと付き合います」と呆れます。イーは「父の右腕だったくせに、何を企んでる!言っておくが、ルーグアンとの結託が事実なら厳罰に処する!」とウェンセンを口汚なく罵るイー。ウェンセンは「会長といえども、根拠なく侮辱するのは許せません」と怒りをあらわにします。イーは「俺がハイシェンにいる限り絶対に見逃さない」と捨て台詞を吐くと、部屋を出ていきます。その現場を何者かに撮られているとも気づかずに…。

タクシーで帰宅中のイーは、ジョーニーに電話します。モーモーと遊んでいたジョーニーは「20コールは待たないと電話にでちゃダメよ」と言われ、その通りにすると、19コール目で電話が切れてしまいます。その頃、イーは叔母からの電話に出ていました。

 

第7話

<あらすじ>
モーモーのアドバイスに従い電話に出ないダイ・ジョーニーに、ハイ・イーはイラ立つ。
会長補佐として異動を命じても、拒否された。
ダイ・ジョーニーは、自分に創業家の子息だと隠していたことを怒っている、とリン・ホワイエンに打ち明ける。

ジョーニーが電話に出ないことに苛立つイー。自分から謝るのはしゃくで、「俺は悪くない」と言い聞かせます。
イーと同じエレベーターに乗り合わせたホワイエンは、自分がハイシェンの支援を受けていた幼育院の出身で、感謝していると思わず彼に話しかけます。
ホワイエンがジョーニーの友人だと気づいて何かをことづけようとしますが、やめます。

ジョーニーと会ったホワイエン。ホワイエンはイーがジョーニーに事情を打ち明けられない事情があったのではと擁護し、こんな時こそ支えてあげないととアドバイスします。
その夜、ジョーニーはイーの好物を作って夜遅くまで家でイーの帰りを待っていましたが、彼はとうとう帰ってきませんでした。

出社したイーはウェンセンにセールの成果報告を早く上げろと嫌味っぽくせっつきます。イーは客が減り店の撤退が目立つのは、ルーグアンに買収させようとしているからではないかと疑います。ウェンセンの忠誠心を舐め腐るイー。その様子を男が見ており、ウー副会長に報告していました。

ジョーニーが出社すると、ゾン主任が「会長からの通達で、君は今日から会長補佐だ」と言われます。やっぱり自分が必要なんだと嬉しくなるジョーニーですが、モーモーから簡単に快諾してはならないと言われたことを思い出し、全社員の憧れの地位である会長補佐の辞令を拒否します。
その頃、イーは久々にジョーニーに会えると楽しみにしていましたが、異動拒否されたと報告を受け、落ち込みます。

その晩、ウェンセンはウー副会長と会食をしていました。役員は全員君を推していると背中を押されるも、なぜスーチーを振ったのかと問われます。私なら彼女の手を借りなくても欲しいものを手に入れられると自信満々なウェンセンに喜ぶ副会長。
副会長は、1ヶ月以内に会長になれる方法があるとウェンセンに話を持ちかけます。そこに友人のアルバイトを肩代わりしてあげていたホワイエンが給仕として入ってきて、ウェンセンは驚きます。気まずそうなウェンセン。
ホワイエンはウェンセンが席を立ったのを見計らい、「ウー副会長と手を組むのは間違ってる。良心が痛みませんか?見損ないましたよ」と彼の手を振り払います。ウェンセンは「君を傷つけたりしない。信じて欲しい」と言いますが、ホワイエンは「会長が傷ついたら僕も傷つきます」と吐き捨てて去ります。

ジムに来たジョーニーはわざとらしくイーの隣でトレーニングを始めますが、ずっとこれ見よがしに無言です。最終的にはお互いに喧嘩を売り合い、帰ってしまいます。

ホワイエンはウェンセンの家に早朝から尋ね、会長を手助けするように喧嘩腰で頼みます。ウェンセンは役員の誰もが自分を支持しており、ここ数年の業績は自分のおかげだと言います。ホワイエ