中華BL界隈では有名な「P4P」。
ですがその実態は人によってバラバラ。創作者の中には、P4Pってやってみたいけどどうやったらいいの?何が正解なの?と不安な方も多いと思います。
私は2022/8/7の曦澄WEBオンリーで小説同人誌のP4Pを実際にやってみました。
その反省も踏まえて、今回は「世界一わかりやすいP4Pのやり方」をご紹介したいと思います。
これからP4Pをやってみたい方が参考にしてくだされば幸いです。
①スケジュールを立てよう
P4Pは簡単に言えば「利益も損も出さない同人活動」のことです。作った同人制作物を購入者全員で割り勘すればいいんですね。
では、早速みんなで割り勘するためのスケジュールを立てて行きましょう。スケジュールを立てるのに必要なのは以下の4項目です。
⑵購入希望者は何人いるのか?(GoogleフォームやTwitterのアンケート機能で調査)
⑶制作物の販売媒体は何を使うか?(BOOTH、ピクトスペース、自家通販…)
⑷配送方法はどうするか?配送料はいくらか?
購入希望者を募ったら、なるべく早く制作物の販売ページへ誘導しましょう。そうしないと、「あの時は購入したかったけどもう要らない」と無断キャンセル(本来P4Pのルール違反なのですが…)する人が出てきてしまうので。
つまり、⑴⑶⑷はあらかじめ決めておいて、⑵を募っている間に制作物の入稿を同時並行することになります。
②印刷所を決め、制作物がだいたいどれくらいの金額になるのか確認しておこう
さて次は、どこの印刷所を使うのかを決め、制作物がどれくらいの金額になるかを下調べしましょう。
私は字書きなのですが、いくつかの印刷所に「こういう装丁でこういうオプションをつけて全○ページのA6サイズ(文庫本サイズ)の本を○部作ってみたいです」とご相談してみて、一番のやりたいことができそうで安い印刷会社(ワンブックスさん)に決めました。
初めて同人誌を作られる方は、シメケンプリントさんがおすすめです。原稿チェックが迅速かつ丁寧なので。
この時印刷所さんから教えていただいた印刷にかかる金額は、購入希望者の方々に参考にお伝えするために覚えておきましょう。
実際にかかる金額は入稿後に分かります。
③購入希望者はだいたいどれくらいの数なのか確認しよう
購入希望者数を数えるのは、Googleフォームがおすすめです。Twitterのアンケート機能でも良いですが、Googleフォームのほうが、結果をcsvファイルでダウンロードできたりと便利です。
さて、購入希望者には何を聞けば良いでしょう?
まず制作物を複数作っている場合は、(1)複数点のうちのどれが欲しいのか?(2)トラブルが起きた時用の個人的な連絡先(メールアドレスもしくはTwitterID)は?
また、(3)転売対策として、1.購入者はそのジャンルを本当に好きな人なのか?(転売屋ではないのか?)2.20歳以上か?(「成人済み」だと19歳以下、高校生らが含まれてしまうのでNG)3.(自分が取引用に作った)P4P専用アカウントをフォローしているか?4.詳しい注意事項を別媒体(privatterなど)に書いておき、それを厳守できるか?
を書いておくと良いでしょう。
参考までに、私がP4Pをした時のprivatterの注意事項記事とGoogleフォームの質問事項を載せておきます。
https://privatter.net/p/9049924
▼Googleフォーム(曦澄小説同人誌購入申し込みGoogleフォーム)
https://forms.gle/tSJHKPf3FqmyRPYY7
購入希望者数を調べるタイミングはいつでもいいですが、できれば購入日と近い(1週間以内)ほうがいいと思います。「前はほしかったけどもう要らない」というキャンセル者をなるべく出さないで済むので…。(私の場合、購入希望者255名中のうち途中から5名ほど音信不通の方がいらっしゃいました)
さて、ここからは私が実際にP4Pをやってみての反省点についてです。(読まなくてもいいです)
まずTwitterに流したP4Pの流れ説明画像で誤記してしまい、入稿日とP4Pの締め切りが被ってしまいました。入稿は、P4Pを締め切った後に余裕を持って行うことをおすすめします。
次にprivatter。「購入までの流れ」で「8/8(入稿日)以降、DMよりBOOTHシークレット販売のURLとパスワードをご連絡させていただきます」と書きました。たしかに間違ってはいないのですが、8/8は入稿日なので絶対にBOOTHシークレット販売のURLとパスワードをお知らせすることはできません。入稿後、印刷所からの金額確定メールをもらってはじめて本の金額が確定するので。なので、8/9以降とか8/10以降とか書いておいて、決済完了日を8/18ではなくもっと先に延ばせば皆さん慌てることなく入金できたかなと思いました。
Googleフォームの設定で失敗だったなと思ったことは2点あって、1つは「私のアカウントをフォローしていますか?」という質問事項を作らなかったこと。もう1つは、Twitterアカウントの名前欄をIDと別に作らなかったことです。
privatterには「本が到着するまでは諸々の進捗報告や急ぎの連絡をすることがあるので当アカウントをフォローしてほしい」と書いたのですが、全体の1〜2割ほどの方がアカウントをフォローしておらず、お一人一人にリプライでフォローをお願いしてまわることになりました。
また、Twitter名は似たIDが多くあった場合に識別するために書いていただいたのですが、質問を別項目にすればcsvファイルで別列として表示されたのに、TwitterID名と一緒に書く仕様にしてしまったせいで見た目もデータもごちゃっとしてしまい、使いづらくなってしまいました。
というわけで、privatterに書くべき注意事項とGoogleフォームの理想型を作ってみました。
これからP4Pをされる方は、これをたたき台にして作っていただけたらと思います。(私自身いろんな方のP4PのGoogleフォームやprivatterの注意書きを読んで作ったので、それなりにまとまっていると思います)
https://privatter.net/p/9246270
▼Googleフォーム(【P4P例】同人誌購入申し込みページ)
https://forms.gle/fP7E4VWCzEks47HL6
Googleフォームの使い方は、こちらの記事を参考にしました。
以上、参考にしていただければ幸いです。
③原稿を入稿しよう
入稿方法は公式サイトの専用ページからなど印刷所によって違うので、印刷所から提示された方法に従いましょう。
入稿後、2〜3営業日以内に印刷所から印刷にかかる最終金額が連絡されると思います。
ちなみに、私は原稿はPagesで書いたのですが、Pagesの使い方はこちら👇で詳しくご説明しています。
④購入者にのみ販売ページを公開+最終金額を公表しよう
中華BLは原作(BL)自体、基本的に禁止されているものなので、二次創作も当然ひっそりと行われなければなりません。なので、販売するときは購入者にのみ購入ページを公開します。私はPixivのBOOTHの「シークレット公開(月550円)」機能を使って、購入者にのみDMで購入ページのURLをお知らせしました。
また、原稿を入稿すると印刷所から最終的な印刷代金が提示されるので、購入者にのみ販売ページをお知らせするのと同時に、印刷代金+制作物を作るのにかかった費用(上述のシークレット公開機能利用料なども含む)=結局いくらで販売するのか?をお知らせしましょう。
以下、私が購入者の方々にDMした時のメール文面です。参考にしていただければ幸いです。
P4Pの特徴ですが、作者はなぜその最終金額になったのかを公表できるようにしておく必要があります。(同人誌の作者が利益を得てはいけないため)
購入者に1円単位でまで金額の内訳を書く必要はありませんが、何にいくらかかっているのか、尋ねられた場合はすぐ答えられるようにしておきましょう。
ちなみに、ごく少部数(10冊程度)を販売する方は、わざわざBOOTHを経由せずに、直接自分の銀行口座に本の代金を振込してもらって終わりでもいいと思います。
ここで私の反省点なのですが、私は自分が普段使っているアカウントでP4Pを行ったのですが、P4Pをするなら部数の多少無関係に絶対に「P4P専用アカウント」を作った方が良いです。なぜなら、販売ページのURLを送ったり銀行口座を伝えたりと、購入者にのみ伝えたいアナウンスをするのに、いちいち購入者を多数のフォロワーの中から探し出して連絡(DM)するのがめちゃくちゃ手間だからです。私は255人分を手作業でDMしました…。
「自分はそんなにP4Pの購入者の人数いないから」と思っている方でも、絶対に!新しくアカウントを作った方が便利なので、これからP4Pをされる方は絶対に新しくアカウントを取得すべきです。
あと、BOOTHはシステム利用料などで全体の売上の2割ほど持っていかれるので、個人的にはあまりおすすめしません…。(他のサービスはやり方が煩雑なので今回は使いませんでしたが、次回以降はピクトスペースなどを使ってみたいです)
⑤印刷物が届いたら、梱包・発送しよう
印刷所から印刷物が届いたら、購入してくれた人たちに発送しましょう。
印刷物に印鑑を押したり、相手の氏名を記入するなどして転売対策をして、梱包・発送します。
梱包する冊数の多い方(100冊近い方)はOPP袋(本を包む透明な袋)やプチプチはホームセンターで買うと良いです。安く大量に買えますよ。冊数の少ない方(10冊前後)はダイソーなど100均の方が余りなく使えておすすめです。
本の梱包方法は以下の記事を参考にしました。
ちなみに、私はpixivの「あんしんBOOTHパック」という送付先が匿名になるサービスを使って送付しました。
「あんしんBOOTHパック」の使い方は、こちら👇をチェックしてみてください。
⑥おつかれさまでした!
以上がP4Pのやり方です。
なんとなく流れや注意すべき点は分かったでしょうか?
「ここがよく分からない」という部分があれば、当サイトのお問い合わせページから教えていただければ追記していきます。
あなたがもし今中華BLで初めて同人誌を出したいと思っているならば、「絶対にやってみるべき!」と背中を押したいです。
私は人生初の同人誌をP4Pという形でやってみましたが、学ぶ点が多くてとても楽しかったです。
P4Pをやってみよう!一緒に中華BLの沼を泳ごう!