「アマプラ同時上映会」第97弾！
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鬼才・三池崇史監督が、池内博之＆田辺誠一主演で放つ異色の青春バイオレンス、「BLUES HARP」。
早速見てみましょう！
登場人物とあらすじ
組長の座を狙うゲイのヤクザとミュージシャンを目指すヤクの密売人 のお話。
＜あらすじ＞
やりたいことが見つからず無為な毎日を送っていたハーフの青年・忠治は、組織から追われていたヤクザの健二を助ける。
これをきっかけに2人は友情を育んでいくが、同性愛者である健二は忠治に恋心を抱くように。
そんなある日、忠治はミュージシャンとしてデビューするチャンスをつかむ。
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こんな人におすすめ
- ダウナーな雰囲気のブロマンス映画を観たい📽
- ヤクザものが好き🔪
- 切ない恋、死ネタと聞くと（萌えで）心が疼く🫀
ネタバレ感想
売春婦である忠治の母は息子に興味がありません。
ライブハウスで働くハーフの青年・忠治は泥酔して女に絡んできた外国人の男を叩きのめし裏口でタバコをふかしていると、男たちに追われている血まみれの男・花村組の健二を見つけます。
忠治は花村組とは別の組のヤクザの下っ端から薬を卸して売り捌いているようです。健二はその場に居合わせた獣医のバイトをしていたという女に傷口を手当てしてもらいます。
忠治と健二は昔話をします。忠治は10歳で母に捨てられ施設送りに。彼の母は男を追ってベトナムで死んだそう。健二の傷の手当てをした女の名前はトキコ。
健二は忠治の家に泊まることになるのですが、血まみれになる悪夢を見て飛び起きます。全裸で眠る忠治を見て、興奮を覚える健二。
翌朝、健二の舎弟が迎えに来て「花村の親父が岡田と話をつけました。このご時世なんで末端の戯れ言ってことで…」と言葉を濁されます。
健二はホームレスの男に何かを渡すと、「この写真の男お前だろ？これやるからお前は俺の親父ってことで」と強引に言い置いて、スキップして去っていきます。
その頃、健二は薬を使って賭博をしている岡田組の中瀬古を袋叩きにしていました。三下のくせに余計な小競り合いを起こすなと殴られる健二。組長である花村には「一応筋は通ってる」と庇われます。健二に意味深な目線を送る、花村の女であるレイコ。健二を殴った男はその晩、謎の外国人たちに滅多刺しにされます。
忠治は相変わらず薬の売買を密かに続け、特に目的のない日々を送っていました。
銭湯に来た健二は男漁りをする中年男に近づくと熱湯をかけ、そのままコンクリート詰めにします。
忠治はゲーセンで時間を潰していた帰りに、偶然店で働くトキコに再会します。「キャンプは出島だ。ここだけが世界に開いてる。ここを超えなきゃどこにも行けない気がする」と言います。
レイコと寝る健二。「（親父の）遺言状の手配は済んだ。跡目は俺だ」と囁く健二に、「ワルね。私は遺言状があるってことしか言わなかったのに。私を捨てないでね」と流し目を送るレイコ。レイコと寝た後、健二は鬼気迫る勢いで歯を磨きます。
忠治はトキコと寝て、「いい感じだった」と言われ苦笑します。ライブハウスで突然歌手から声がかかり、舞台に上げられる忠治。ハーモニカで即興の曲を作り、盛り上げます。
ライブを終えると、歌手の母が泣きながら彼を外で待っていました。「親父がどうかしたのか！？」と叫ぶ歌手。
父はくも膜下出血で右半身不髄になったそうで、バンドを辞めて豆腐を作ると宣言する歌手。忠治は歌手に自分の代わりにバンドに入ってくれないかと頼まれ、了承。
同じ頃、トキコは勝手に忠治の部屋に同棲し始め、人並みの幸せを掴み始めます。
ある日、健二が忠治とトキコに「命の恩人だから」と謝礼を持ってきます。「面子を立ててくれ」と言われ渋々受け取る忠治。俺には夢がないとぼやく忠治に、健二は「俺は半端な日陰者に終わらない、頂点に立つ」と宣言します。
健二は突然「お前、俺のこと好きか」と尋ねます。「好きだよ」と笑顔で答える忠治に、健二は「そうじゃねえんだよ」と苦く笑い、帰っていくのでした。
健二は船乗りに遺言状を偽造させ、先の長くない小島という男と結託して花村を潰す計画を進めます。健二の舎弟である金子が「俺は兄貴とこうしていられれば満足です」と言うと、「今日は木曜日か」と健二はつぶやきます。（健二は金子と寝ているようです）
とある店で関西圏のヤクザである鉄心会の北村が死んでおり、小島は乾という舎弟に死体を海に沈めるよう言い含めます｡
健二が小島に会いに行くと見覚えのない男に馴れ馴れしく「久しぶりだな」と話しかけられ「どこかで会ったっけ」と返します。咄嗟に拳銃を向けられ、舎弟が応戦。小島に仲裁されます。
小島は自分の組との抗争に見せかけて花村を殺し健二が二代目になり、報復として小島の組長の命を取り、若頭の小島は組長になるーというシナリオに違和感を抱いています。なぜ俺を巻き込むのかと問う小島に、抗争が続くのは互いにとってリスクだからこれを機に手を組みたいと健二は言います。
「お互いこんなローカルな組の組長におさまっていたくないでしょう、これから勝負権獲得ってところだ」と微笑む健二に、「お前死ぬぞ」と忠告する小島。健二は「いい子にしてたって長生きは出来ないでしょう」と淡々と返します。
相変わらず暇になれば薬を売り、目的なく生きる忠治。歌手一家を本島に送り出します。
そろそろ薬から手を引きたいとヤクザに相談する忠治ですが、「礼儀ってもんを教えてやろうか」と脅されます。健二は忠治のライブを見にきて、「お前は最高だって伝えてくれ」とだけトキコに言って去ります。
後日、トキコは産婦人科で懐妊の知らせを受けます。酔い潰れたのか、ホームレスの父と路上で起きた忠治。子供ができたと言われ、喜び勇んでライブハウスのマスターに知らせに行きますが、そこでレコード会社の杉山というスカウトマンを紹介されます。
来週の木曜日にある次のライブでチーフを連れてくるから、そこでゴーが出ればメジャーデビューだと言われ戸惑う忠治。
健二の花村殺害計画も同じく来週の木曜日。抗争に見せかけるために何人か下っ端を殺さなくてはいけませんが、小島はまだ見繕っている途中です。金子は「ちょうどいい奴がいる」と忠治を殺すことを提案します。
一方、忠治はトキコのおかげで人生にいい風が吹き始めたと感謝します。「こんなの初めてだ。俺を必要な人がいる」と言う忠治に、「失敗してもいいからね。私もこの子もついてる」と背中を押すトキコ。
ヤクザに呼び出された忠治は、薬の売人であることをバラされたくなければ木曜の5時に顔を出せと脅されます。
レイコに遺書をすり替えさせ、また情事にふける健二。レイコが起きると股から血が流れていたためシャワーを浴びようと風呂場に向かいますが、そこでは健二が執拗に体を洗い嘔吐していました。それを見たレイコは絶句します。
健二の舎弟に忠治から連絡が入りますが、舎弟は「兄貴とは週末まで連絡が取れない」と電話を切ります。
トキコは今晩のライブを楽しみにしていますが、忠治は浮かない顔です。ヤクザに花村を殺せと銃で脅された上、トキコをいつでも殺せると言われ言葉を失う忠治。
レイコは荷物をまとめ、新幹線の改札口で花村に「大事な話がある」と電話します。
花村を殺す下っ端を殺す役の北川を送り出した途端、金子は突然「忠治を小島に売っちまった」と健二に謝り出します。
ライブハウスに現れない忠治を不審に思うスカウト。健二は忠治を救おうと全速力で車を飛ばします。
レイコに会うため一人でホテルに現れた花村を忠治はエレベーター前で待ち構えています。銃で撃った途端、そこに現れたのは健二でした。さらにそこで待っていたのは北川の死体と花村、そして組の男たち。
「笑えよ」と花村が近づいた途端、健二は発砲・花村は死亡します。健二の腹部からは大量の血が。健二は「まだ間に合うよな？ライブ…」と車を運転する忠治に囁きます。
片腕から血を流しながら、忠治はライブハウスにたどり着きます。店の裏手で忠治の演奏を聴きながら、冷や汗を流し煙草をふかす健二。健二のもとに来た花村の部下が、彼の眉間を狙い一発で彼を撃ち抜きます。
ライブ後、閑散としたライブハウスで1人、ライブ中に忠治から投げられたハーモニカを吹くトキコ。
まとめ
最後、さとうきび畑の傍を父に手を引かれて去っていく忠治の姿は何だったのでしょう…。もう帰ってこない平穏な暗喩？忠治は花村の組の者に追われて死ぬのかしら…トキコも…。
健二の花村殺し計画はレイコにどこまで明かされていたんでしょうね？そしてレイコはどこに高飛びしたのやら。本作の「その後」が気になります。
いや〜心にビリビリくる作品でした。
健二が花村殺しよりも忠治の命の方を重くとるとは…正直思いもしなかったな。あれだけ立身出世を渇望していたのに、それよりも忠治の方が大事なのか…彼にはもう奥さんも子供もいるのに…いや、健二にとっては彼が妻帯者がどうかなんて関係ないんですよね。ただ好きな人を守りたかっただけなんだ…。
健二のピュアな恋心と血生臭く暴力的な側面とのギャップがとても面白かったです。
個人的に、沖縄が舞台ってところが本作の良さをより盛り上げていたと思いました。
うだるような暑さの中でダウナーに繰り広げられる恋と組同士の小競り合い。日本でありながら、まるで東南アジアとか外国の物語を見ているような非日常感がありました。
俳優さんたちの演技力が高いとはお世辞にも言えませんが、作品の雰囲気は抜群に良かったです。小難しいことは何も考えずに、ぼーっと観ていたい映画だなと思いました。
今回3人が見た「BLUES HARP」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。
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