映画「Bros」のあらすじ・ネタバレ感想|「ゲイだから○○」はもうたくさん!

映画

メジャー映画製作・配給会社による初のゲイのロマンティック・コメディー映画、かつ、主要キャストすべてがLGBTQ+の俳優ということで大注目を集めている、映画「Bros」

全編のネタバレ・あらすじを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ


オープンなゲイのラジオ番組ホストとゲイであることに消極的なイケメン弁護士 のお話。

<あらすじ>
マンハッタンに新設される国立LGBTQ+歴史博物館のキュレターを引き受けることなった、拗らせ気味のポッドキャスト&ラジオ番組のホストのボビー。
自立した独身人生を貫くつもりだったボビーだが、マッチョなイケメン弁護士のアーロンに出会い、お互い惹かれ合う。
しかし恋は前途多難で…。


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こんな人におすすめ

  • LGBTQ+へのあらゆる偏見にモヤモヤしている🌀
  • 海外でのゲイのリアルな恋愛模様を知りたい🌏
  • 恋に臆病な自分のお尻をひっぱたきたい🙌

 

 ネタバレ感想

ゲイのボビーはLGBTQ+の脚本家として成功しましたが、ゲイを信用できず、行きずりの男と時々寝ては独身を貫いています。
マンハッタンに世界初のLGBTQ+博物館を作り館長を務めるつもりですが、残り500万ドルが集まらず苦戦中です。
Tinderで男漁りをしますが、うまくマッチングできず欲求不満は募るばかり。そんな時、友人がDJを務めるクラブのパーティーで好みの男・アーロンを見つけ、衝動のままにキスします。アーロンは法律家で、気難しい資産家たちの相続の相談などを請け負っています。

ボビーはアーロンと連絡先を交換し、後日デートをしますが、ボビーが自分の部屋に誘うと「恋愛はしたくない。友達が4Pしたいみたいだから行かない?」と逆に誘われます。ボビーはアーロンに惹かれるものの、自分は彼の好みではないのだろうなと意気消沈します。

LGBTQ+博物館はどうにか完成しますが、まだ資金は足りません。資金家たちに寄付を呼びかけるボビー。ボビーは資金家たちのパーティーにアーロンを呼びますが、アーロンはゲイである自分に無理やり向き合わされたことで落ち込み、先に帰宅してしまいます。
翌日、アーロンは結婚を急かす母から、高校時代に片想いしていたジョシュがゲイであることを理由に婚約者と別れたと知らされ驚きます。さらにジョシュはインスタグラムでセクシャリティをカミングアウトするストーリーを流していました。

ボビーはアーロンに連絡を送り続けますが無視され、半ばやけになっています。デボラという有名女優がLGBTQ+博物館に興味を持ち、多額の寄付をしてくれることになりましたが、ボビーは焦るあまりアーロンとの愚痴を彼女に浴びせかけてしまいます。そのせいで彼女を怒らせ、寄付は取りやめに。
アーロンはボビーの頭の良さや魅力的な外見を愛してはいましたが、自分が彼に釣り合っているかどうか自信がありません。けれど、ボビーにデートに誘われると、断れませんでした。激しく求め合うボビーとアーロン。

アーロンは幼い頃、ショコラティエになりたかったと打ち明けます。でもいかにもホモっぽくて目指せなかったと言い、それがいかにも平凡でつまらない男っぽいだろ、君に釣り合わないと自嘲します。そんなことはないと否定するボビー。
ボビーは週末に500万ドルの寄付を集めにプロヴィンスタウンへ行きますが、アーロンもそれに着いていきたいと声をあげます。
プロヴィンスタウンに住んでいる金持ちのゲイプロデューサーに寄付を頼むボビーですが、アーロンの巧みな話術のおかげで寄付を引き出すことに成功します。感激するボビー。
ボビーはアーロンにその手腕でチョコレート作りもしてみたらいいのにと提案しますが、自信がないと断られます。自分が知りうる中でボビーは一番の自信家だとアーロンは言いますが、ボビーはこれまでの人生でずっと「君はゲイっぽすぎる」と言われいろんな道を閉ざされてきたことを話します。自信とは、頼りになるのは自分しかいないと知ることだと言うボビー。アーロンのことが好きだという気持ちが高まるボビー。二人はホテルで情熱的に交わります。

二人は付き合う寸前かと思いきや、クリスマスパーティーにジョシュが来てしまい、見ず知らずの男も含めて4Pを楽しんでしまいます。ボビーはもうアーロン以外の男と交わりたくないと打ち明けます。
アーロンの家族がクリスマスに田舎から彼を訪ねて来ることになり、アーロンは家族のいないボビーを誘います。保守的な家族を刺激しないようにと釘を刺すアーロン。
しかしボビーはアーロンが自分の人生を嫌っているのは保守的な家族のせいだと彼の両親にはっきり言います。アーロンは怒り狂い、男漁りへ。そこでジョシュとキスしていたアーロンはボビーに鉢合わせしてしまい、二人は喧嘩になります。ボビーは自分などアーロンの好みじゃないのだろう、はっきり言えと迫ります。

ボビーはアーロンを忘れようと男性ホルモンを打ってマッチョに変身しようとしたり、他の男と寝てみたりしますが、ありのままの彼ではどこでも受け入れてもらえません。
LGBTQ+博物館も、リンカーンのゲイ疑惑は確定したものではないため展示を取りやめるよう抗議が起こり、ボビーはむしゃくしゃして周りに当たり散らしてしまいます。
馴染みのクラブに行ったボビーは、アーロンから話がしたいと声をかけられます。
アーロンは、ジョシュのような平凡な男こそ理想だと思っていたけれど、ボビーのような常に刺激的な男こそ本当に求めていた存在なのだと打ち明けます。ボビーもアーロンのいなかった時間は長かったと打ち明け、二人はキスします。
しかし、ジョシュとキスしていたアーロンを見た瞬間「僕じゃダメなんだ」という気持ちが強まったと言うボビー。ボビーはアーロンを信じられないと言い去ろうとしますが、アーロンはボビーが自分自身を愛すべき存在じゃないと思うならそれは間違いだと言います。ボビーは何も言わずに背中を向けます。

ボビーは怒りをぶつけてばかりだったLGBTQ+博物館のメンバーに謝ります。アーロンはボビーのインタビュー記事を読みながらチョコレートを食べていましたが、思いきって仕事を辞めることにします。自分のチョコレートブランドを作った、LGBTQ+博物館創設祝いのチョコレートを作ったから食べて欲しいと言う動画をボビーに送るアーロン。
しかしボビーは何も言ってこず、アーロンは「もう終わったことだ」と思いつつ吹っ切れずにいます。

LGBTQ+博物館は無事オープン。ボビーは「誰にでも間違いはある。弱くても隠さなくていい、本当のあなたを隠さなくてもアーロンに愛されるはず」と仲間に背中を押され、アーロンに連絡します。アーロンはボビーからのメッセージを見て飛び上がり、走ってLGBTQ+博物館へ向かいます。ボビーはアーロンへの愛の歌を歌い、アーロンは目に涙を浮かべて歌に聴き入ります。思い出される二人の思い出。
駆け寄るデボラを「後で」と押しやると、ボビーは跪き、アーロンに「三ヶ月付き合って」と頼みます。

三ヶ月後、アーロンの母はLGBTQ+博物館を小学二年生の子供達の遠足ルートに取り入れていました。いつか子供が欲しいと言うアーロンから必死で逃げるボビーなのでした。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

誰よりも自信家に見えるボビーですが、実は「ゲイだから」という理由でさまざまな夢を打ち砕かれてきています。アーロンが他の男になびいてしまった時に、「やっぱり僕じゃだめなんだ」と打ちひしがれるボビーは、いつもよりずっと小さく、か細く見えて、こみ上げる苦しさに思わず泣いてしまいました。
そしてアーロンもずっとゲイである自分に自信が持てず、苦しんでいて……でもボビーと出会えたことで自分の夢にも向き合い、自分自身にも向き合えて……本当に良かったです。
ボビーとアーロン、正反対な二人に見えたけれど、凸凹がぴったり重なる二人でしたね。素敵な物語でした!

小錦あや
小錦あや

序盤〜中盤に複数プレイを楽しむシーンが二回ほど出てくるのですが、アメリカのゲイのスタンダードはこうなのか!?と、驚きました。日本のように付き合うと決めてからセックスをする文化ではないとは分かっていましたが、ここまで性にオープンなのか〜と面白かったですね。
ボビーが意を決して、アーロンに「複数プレイはやりたくない」と告げるシーンが可愛くて好きです。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

日本では異性愛以外をすべて、LGBTQ+、とくくって一枚岩のように見がちですが、この映画を見るとそうではないことがよく分かると思います。ゲイであること、異性愛者ではないことは別に欠点でもなんでもないし、聖人でなければならない必要もない!当然のことなのですが、それをはっきりと押し出してくれる作品で、とても爽快でした。