映画「劇場版 美しい彼〜eternal〜」(2023)のネタバレ感想・あらすじ・評価・動画配信|底辺“ぼっち”の平良と、美しく不遜な“キング”清居、 すれ違い続ける二人の恋の行方は——?

映画

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出会いの春が過ぎ、暑い夏を経て、秋深まり。冷たい冬も乗り越えて……。再び春がくる。二人は、卒業の季節に向かって走り出す―――、「劇場版 美しい彼〜eternal〜」

全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:「劇場版 美しい彼〜eternal〜」公式サイト/4月7日(金)公開

陰気なカメラアシスタント×人気の新人俳優 のお話。

<あらすじ>
無口で友達もいないクラス最底辺“ぼっち”平良が一目で恋に堕ちたのは、圧倒的に美しく、そして冷酷、クラスの頂点に君臨する人気者“キング”清居だった。
高校を卒業し紆余曲折の末、恋人同士になった平良と清居は、平良の家で幸せな同棲生活をおくっていた。
大学卒業が近づき、人気カメラマン・野口のアシスタントとして働きはじめた平良は、プロの仕事を目の当たりにし、俳優として活躍の場を広げる清居の邪魔になりたくないと、清居との距離を少しずつ置くようになっていく。

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • 「美しい彼」シリーズが好き👑
  • 凪良ゆう先生作品に興味がある📕
  • 王道のシンデレラ・ストーリーがやっぱり好き👠

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①シリーズ累計発行部数100万部突破!本屋大賞受賞作家・凪良ゆうの大ヒット小説がドラマを経て待望の映画化!
本屋大賞2020年・2023年と2度に渡る受賞を果たし、2023年度直木賞候補にも選出されている作家・凪良ゆうのBL代表作で、累計100万部突破の「美しい彼」シリーズ(2023年7月現在)をドラマ化。
2021年11月からMBSドラマ特区枠(全6話)で放送され大反響を呼び、シーズン2が2023年2月からMBS/TBSドラマイズム枠で全4話で放送しさらにファンが拡大。
公式SNSが更新される度に、「#美しい彼」がトレンド入りを果たし、「#美しい彼続編希望」の声援が日本のみならず、海外からも続出!そしていよいよドラマの続編、待望の映画化!

引用:「劇場版 美しい彼〜eternal〜」公式サイト/4月7日(金)公開

②萩原利久×八木勇征 W主演!ギャラクシー賞 2年連続受賞!
“陰と陽”正反対な2人の男子高校生を萩原利久×八木勇征が演じ、すれ違う恋心を瑞々しく、美しく描き、国内外問わず萩原利久×八木勇征に“沼ハマり”する人々が続出。
深夜ドラマで、限られた放送枠にも関わらず、多くの反響を呼び、シーズン1、シーズン2ともにギャラクシー賞《マイベストTV賞 第16回/第17回グランプリ》を2年連続受賞!
BLアワード2022 BEST映像部門1位獲得、韓国・ソウルドラマアワードでは、八木勇征が《アジアスター賞》を受賞し、WEIBO Account Festival 2022では、萩原利久が《優秀躍進俳優賞》、八木勇征が《優秀新人俳優賞》、そして2人で《話題俳優ペア賞》を受賞するなど、国内のみならず世界中で「ひらきよ」ムーブメントが拡散中!!

引用:「劇場版 美しい彼〜eternal〜」公式サイト/4月7日(金)公開

③ドラマのスタッフ&キャストの続投に加え、新たな豪華キャストが熱演!監督は酒井麻衣、脚本は坪田文がドラマに引き続き続投!!
キャストも平良と同じ写真サークルに所属し、部長を務めている小山和希役で、舞台『キングダム』主演など、活躍が目覚ましい高野洸が続投。シーズン1に続き、平良と清居の関係に新たな変化をもたらし…?!
清居の事務所の先輩、天才女優の安奈役には、ドラマ「あなたのブツが、ここに」主演など最注目の女優・仁村紗和。
そんな安奈の大ファンで、平良の推し活仲間・設楽克己役には、ドラマや映画・舞台と唯一無二の存在感で話題作に多く出演する落合モトキ。
業界屈指のカメラマン・野口大海役には、ドラマ「あなたの番です」や映画『シン・ウルトラマン』への出演ほか、幅広い役柄で多くの作品に出演する和田聰宏。
若手俳優の登竜門としても知られる仮面ライダーシリーズの「仮面ライダーリバイス』(2021/9/5~2022/8/28放送)で五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ役で主演を務め注目される前田拳太郎(ドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」など)は、清居の事務所の先輩であり、天才女優・安奈の恋人でもある人気絶頂アイドルグループのメンバー・桐谷恵介役を、フレッシュな魅力で演じている。
さらに、野口大海のアシスタントで平良の先輩の香田役を、MV監督としてもSEKAI NO OWARIのMVなどを手がける俳優の池田大が熱演!

引用:「劇場版 美しい彼〜eternal〜」公式サイト/4月7日(金)公開

 

ネタバレ感想

ーーなるべく心を平らかにし、刺激に敏感にならないこと。汚れた人工の川をくるんとしたまつげで流れていったアヒル体調のようであれ。何度も呪文のように繰り返した言葉。けれど俺の世界は変わってしまった。

野口から「起きろ。俺が起きた時間が集合時間なんだよ」と俺様口調で言われるも、清居のペースに慣れている平良は淡々と従います。

一方清居は安奈から恋人について聞かせてほしいとせがまれ、「あんなキモい奴いるんだって思いました。暗くていつも俯いてて救いようのないぼっち」とふざけた口調で紹介します。なぜ付き合ったのかと安奈に問われ、「まるで狂信者みたいに、俺を守るためなら何でもやりそうで…こいつなら信じてもいいかって思えたんです。いつも俺はあの瞳に吸い込まれてしまうんです」と言う清居に、惚気だとからかう安奈。先日は押し入れの中に清居の祭壇を作っていると知ってしまうも、「神への信仰を否定しないで!」と壊すのを大反対されたと清居が話すと、「幸せな話聞きたかったから」とどこか寂しそうに言う安奈。

野口に清居のことを話すと、「その子がお前の撮りたい子か。今度連れてこい」と言われます。しかし「野口さんには会わせたくないです。からかわれるの嫌だし」と文句を言う平良。アシスタントじゃなかったらクビだぞとからかわれつつも、同僚アシスタントの香田は二人の仲の良い様子に安心した様子。「学生からアシスタント取るなんて初だから」と言いつつ、卒業は大丈夫かと気遣ってくれます。もう卒業が近いのだと改めて実感する平良。

季節は巡って、平良と清居は新たな季節へと踏み出します。俺だけのキング、俺だけの清居、いや、俺だけの…と心の中でつぶやく平良。

清居の現場に赴き、不審者のような格好で清居を遠くから応援する平良。安奈のファンである設楽という男性から「また来てたんだね」と親しげに声をかけられます。遠くから清居を見守って応援することこそ自分の原点的な活動だと思う平良。「普通はどんどん気持ちって小さくなるけど、逆だって安奈が教えてくれた。見て、この安奈。忘れられないんだ、無垢で。あの気持ちは一生忘れられない」と、ファイリングした安奈の記事を見せてくる設楽。平良は気持ちがよく分かると同調し、二人は仲を深めます。
見るだけ、思うだけ、そこには余計な物思いがないから、設楽の愛は純粋だと思う平良。かつては自分もそうだったけれど触れ合う喜びをしった今はもうもとには戻れないとも思います。

帰宅した清居に豪勢な夕食を出す平良。「何のお祝いだ?お前が豪勢な食事を作る時は何か裏があるんだよな。言え」と問い詰める清居。平良は「浮気が原因で離婚するかもしれないんだ、菜穂ちゃんが!だからこの家を出なきゃいけなくて。今月で清居と離れ離れになるなんて生きる気力が尽きて…最後の思い出に」と土下座する平良。それで大量のエビコロを作ったのかと呆れる清居。
「俺と新居を探せばいいだろ。お前も仕事見つかったし」と楽観的な清居に、「でも…」と不安げな平良。清居はダメ押しとばかりに「野村伊兵衛賞、取るんだろ」とにやつきます。さらには「お前、俺と一緒に住みたくないの?俺のために存分にエビコロを作れ。あーん」と口を開ける清居。平良は「住みたいです!」と即答し、清居の口にエビコロを運びます。

「家探すならどこがいいかな?清居に無理はさせたくないけど、静かで交通の便がよくて」と考える平良に後ろから抱きつく清居。「こういうの一緒に考えられるのいいな」と言う清居に、「でも寂しい。この家にたくさん思い出があるから」とつぶやく平良。「まだ一ヶ月あるから新しいことできるだろ」と清居は慰めてくれます。

一緒にお風呂に入る二人。清居は普段はシャワー派ですが、今日は平良のために一緒に入ってくれるようです。「そういえば、清居と一緒に入ったことなかったね」とマイペースに言う平良に、「お前、たまに男の本能が勝ったりしねえの?」と顰め面の清居。「俺が泣こうが喚こうが担ぎ上げて無理やり押し倒してやりたいとか、むちゃくちゃにしてやりたいとか、思わないのかよ」と尋ねる清居に、「俺がそんなことした時には迷わず射殺してほしい」と平良は真顔で言います。「でも今すごくドキドキしてる」と言う平良に、「キスしてもいいぞ」と許可する清居。平良は清居の手の甲にキスしますが、清居は恥ずかしさのあまり顔をそらします。すると、「清居、きれいだ。鏡に映る清居もきれいだ」と平良はスイッチが入ったようで、清居の隅々にキスし始めます。

後日、二人で新居の内見に行きます。アヒル隊長を持ってきて、一緒に内見する平良。一軒目はチラシが入りっぱなしの家が多かったから治安が…二軒目がいいと平良は言いますが、清居は「風呂が狭いからだめ。バスタブ派になったんだよ」と反論します。不動産会社からは、「男同士のルームシェアは大家さんに嫌がられるんですよね。結婚のご予定があるならいいんですけど」と渋られてしまいます。

帰宅した二人。条件が厳しすぎると文句を言う清居に、「俺達の気持ちがわかってない」とSNSのタイムラインを見せる平良。「みんな清居を守りたいんだよ」と言いますが、不機嫌そうな清居を見て「俺は清居といられるならどこでもいい」と言い直します。次の内見の予定がなかなか合わない二人。野口は安奈の写真集の撮影中で、平良もそのアシスタントとして駆り出されています。予定が合わなくてごめんと謝る平良に、「ごめん禁止、頑張ってるのに謝るな」ときれいは謝ります。
前は見ているだけ、思うだけで幸せでした。でも今は清居と同じ世界にとどまりたい、同じステージで清居の写真をプロになって撮りたい、幸せを知ってしまったからこそ絶対に失いたくないという傲慢な思いが胸を占めます。

大学の写真部の部室に来た平良は、後輩の沢崎が自分を大好きでいてくれる佐紀という彼女を振ったという話を耳に入れます。沢崎は他の人に気持ちが移っているのに関係を続ける方がだめだと持論を展開。別れない方法ってないんですかねとぼやく沢崎の友人の堀井の言葉に、思わず「野村伊兵衛賞」と答えてしまう平良。その場にいた小山や沢崎たちは平良に「野村伊兵衛賞を獲りたい大学生なんですが、何をしたらいいですか」とネットの掲示板に質問させ、彼の無知を知らしめようとします。案の定、平良の質問には罵倒の嵐でしたが、「お前は直ちに病院に行くべき」との回答を見て、平良はそれをベストアンサーに選びます。しかもなんとそのベストアンサーを書いた人は野口だと判明し、まさかこんな近くにいたなんてと平良は気まずい気持ちになります。

安奈は若くして成功したため、週刊誌ではわがままだとか傲慢だとかと書かれることが多い女優ですが、実際の安奈は気さくで素直な女性です。「全然違う」と思う平良。
森林の中で安奈を撮影する野口。ゲリラ豪雨が来るようで、次の水辺の撮影を中止しようかと香田は提案しますが、野口は「濡れた方が安奈の強さが輝くから」とあえて豪雨の中での撮影を決行します。
野口は安奈とともに滝の近くの池に入ると、「笑って!悲しくなるくらい思いっきり!」などと声をかけます。それに全力で応える安奈。
雑で荒っぽくて支離滅裂な指示なのに、奇妙な迫力があり、まぶしくてまっすぐに見つめられない…と衝撃を受ける平良。撮影が終わると、安奈は「野口さんに撮ってもらえてよかった」と野口にハグを求めます。これが写真家として生きるということだと痛感する平良。
撮影した写真からは、暴力的なほどに安奈の魅力が伝わってきます。香田は「野口さんはあんなに売れっ子なのに自分のカラーがなくて、とことんモデルの個性に寄せていくんだよ。昔は風景ばかり撮ってたらしいけど芽が出なかったからポートレートに切り替えて、そしたら大正解だったみたい」と香田が教えてくれます。

「どう?俺の写真」と聞いてくる野口に、「どうしたらこんな写真が撮れるのかなって」と答える平良。「どう撮りたいかじゃなくて、何が撮りたいかだろ。あるんだろ、獲りたいもの」と言う野口。平良は「ないです。俺なんかが撮りたいなんて思っちゃだめだって思って」とつぶやきます。どうしても野口のような写真は平良には撮れそうにありません。

家でふとんカバーをかけかえていると、清居が「お前は家事が得意だよな。飯だってうまいし、掃除も洗濯も」と褒めてくれます。「清居に快適にすごしてほしいから。清居がいるから頑張れる」と答える平良。「そういえば俺、野口さんに撮ってもらうことになった。同じ現場だな」と無邪気に喜ぶ清居に、平良の表情が凍りつきます。平良に込み上げてきたのは、苦くて酸っぱい嫉妬の感情でした。野口には敵わないと分かっていても、自分よりきれいに清居を撮れると分かっていても、自分こそが清居を誰よりも美しく撮れるはずだと信じたいのです。嫉妬をぶつけるように、清居を襲う平良。清居が「痛い」と言うと、平良はハッとします。「俺、病院に行った方がいいかもしれない」と言うと、その場を去る平良。

清居の撮影日当日、平良は休みだったようで清居は密かにがっかりします。高校の同級生でと言う清居に、「接点なさそうだけど」と笑いつつも、「狭い箱の中に科も属も種も違う動植物がいっぺんに詰め込まれるって未発達な生きもんの育成環境にしてはヘビーだよな。でも平良は羊の皮を被った王様だからそうミスマッチでもないのか」と言います。「分かるんですね」と驚く清居に、「分かるよ。気弱そうに見えて我が強い。自分の中に誰にも触れられたくない場所があって、そこを荒らされると途端に牙を剥くタイプ。まあ自分の中に聖域を持ってるクリエイターは強いよ。それを邪魔な足かせにするか、自分の売りにできるかは本人次第だけど」と野口は語ります。
「あいつ、野村伊兵衛賞獲れますか?」と尋ねる清居に、吹き出す野口と香田。「学生映画でアカデミー賞獲れますかって言ってるようなものですよ」と笑う香田に、「じゃあ可能性はゼロじゃないんですね」と目を輝かせる清居。しかし、野口は「でも撮りたいものがない状態じゃね」と苦笑し、清居は驚愕します。
その時、清居のマネージャーである菅のもとに緊急の電話が。次のスケジュールはドラマ撮影の予定でしたが、何か事件が起こったようです。

清居の現場に来ていた平良は、なかなか撮影が始まらないことに困惑していました。すると清居のファンたちが「ネットニュース見て!」と騒ぎ出します。「人気アイドル桐谷恵介、安奈との熱愛発覚」と逢引している写真付きで報道されていました。桐谷には幼馴染の彼女がいたはずなのにと騒ぐ彼女たちに、清居ファン筆頭のパン姐さんは「同じ事務所の清居くんに飛び火しないように静観しましょう」と呼びかけます。それでも、安奈のせいでドラマがポシャったら、すでに撮影にも影響が出ているし…と他のファンたちは心配顔。「カメラの前以外では私達も同じだから、安奈さんへの言及は避けましょう」とパン姐さんは冷静に呼びかけ、平良も頷きます。安奈を心配する設楽。

ホテルに着いた清居は、安奈と合流します。「みんな安奈を心配してる。桐谷さんとは会えた?」と心配そうに尋ねる清居に、「向こうは事務所が24時間体制で張り込んでて絶対別れさせるって。結婚雑誌とか家電のCMやってるしね。私達はイメージがすべてだから、もう私と桐谷くんの問題じゃないの」と落ち込む安奈。菅は安奈に食事を摂るようにと気遣います。

帰宅した清居に、「ドラマの撮影はしばらく延期?」と尋ねる平良。「安奈は人前に出られる状態じゃない。CMは1本飛んだし、主演映画は止まってる。考えてみろよ。恋愛も仕事もいっぺんに失いかけてるんだぞ。騒ぎが落ち着いたら仕事は戻るだろうけど、問題は恋愛の方だ。前からメンタルが心配ではあったけど」と言う清居に、「しばらくうちに来てもらうのは?」と平良は提案します。安奈と住むのかと困惑する清居に、「菜穂ちゃんに住んでもらう。菜穂ちゃんは口が固いしマスコミ嫌いだから。最近不倫疑惑で話題になった衆議院議員の大泉誠一って人いるでしょ。あの人、菜穂ちゃんの旦那さんだよ」と言う平良。

安奈はしばらく菜穂と住むことに。菜穂の子どもの智也は照れているようです。
安奈は匿ってくれることに感謝しつつ、平良のような頼りになる彼氏がいて羨ましいと清居を茶化します。「騙されるなよ、普段のこいつはたちの悪いキモうざだから」と言う清居に、平良は満面の笑みで「高校の時からですから」とフォロー。吹き出す安奈に、「誰にでも言われたいわけじゃないです。清居は特別だから」と言う平良。安奈は「私も桐谷くんの特別になりたかったな。もう状況的に…」とつらそうにつぶやきます。しかし平良は「こんな状況だからじゃないですか。誰にも認められなくても、自分の中に輝く星が一つあれば生きていける。それが消えた時が本当の終わりです。俺なら死に物狂いでその星を守ります」と言います。「平良くんの輝く星って何?」と尋ねる安奈に、「清居です。清居さえいれば、俺は世界から石を投げられたっていい」と断言します。「なんか響いたな」と言う安奈。

しばらくホテル住まいになるため、どこのホテルにするかと持ちかける清居。しかし平良は「俺はしばらく野口さんのところにお世話になるよ。安奈さんのことがあって、清居ももっと気をつけなきゃいけないってパン姐さんが言ってた。清居の大事な時期に足を引っ張りたくないし、俺は清居の一番のファンだから」と言います。「お前は俺の彼氏だろうが、さっきの話は何だったんだよ」と激怒する清居。「いてくれたらいいっていうのは地球上にって意味で、そばじゃなくても消えるわけじゃないから」と言う平良に、「お前、変わったな。お前の”好き”は抑えられる”好き”なんだな。無我夢中で城田に殴りかかったお前はもういないのか?撮りたいもん、なくなったんだろ」と言って清居は去っていきます。

清居が星だったならよかったと思う平良。互いの釣り合いもしがらみも野村伊兵衛賞も関係ない超空間で出会えていればと野口のアパートで妄想を繰り広げます。
野村伊兵衛賞を獲りたい大学生の描き込みが消えてしまったと嘆く野口に、恥に耐えられなくなったのではと返す平良。「最近写真を見てくれって言わなくなったね」と言われ、平良は「最近撮ってないんで」と言葉を濁します。
「俺よりうまく撮れる人がいるって分かってるんです。でも抑えきれないんです。自分が浅はかで傲慢で恥ずかしいです」と言う平良に、「それを恋という。とことん惚れる対象に出会うと、自分にうまく写しきれるかどうか怖いよな。人でも動物でも風景でも。自信がないんだろ?自信がついたら獲りたいんだろ?そういう思い込みの激しさも若いクリエイターにありがちで眩しいね」と笑う野口。
「俺も昔はそうだった。やたら自信満々で、目に見えてるもんすべてがつまらなくて、”お前ら全部勝ちがない、消えちまえ”っていつも怒ってた。自信がありすぎるのと自信がなさすぎるのは肥大した自意識の表れっていう意味で同じ紙の裏表なんだよ。何かのきっかけで感嘆に翻る」と野口は続けます。「野口さんにもそういうことあったんですか?」と問う平良に、「忘れた」と言い残して席を立つ野口。
野村伊兵衛賞の大学生の書き込みはスクショに撮っとけばよかったと言う野口。「俺が失って二度と取り戻せないものだよ」とぼやく野口は、ネットニュースに清居が乗っていると言い出します。慌てて画面を見ると、「安奈の本命は事務所の若手俳優・清居奏」と記事が出ており、添付された写真は清居がマネージャーとともに安奈のホテルを訪れた時のものでした。

事務所の社長である山形からは、「記事を止められなくてすまない。火消しに使われたんだと思う。こっちに目を向けさせて桐谷くんとの関係は謝解だと」と言われる清居。たしかにテレビでは桐谷の話題は全く触れられていません。桐谷はそれでいいと思っているのかと不満を感じる清居。

野口は明日が桐谷の撮影なので、憂鬱そうです。平良は野口にお願いがあると申し出ますが、自分が聞くだけなら利益がないだろうと野口は渋ります。「俺が爆笑するくらい面白いこと言えたら叶えてやる」と言われ、平良は「野村伊兵衛賞狙ってる大学生は俺です」と答えます。爆笑する野口。

SNSで自分のファンたちが離れていくのを見ながら、「どんなに好きと言っていても一瞬で嫌いになれる…まあ、そんなものか」とぼやく清居。その時、平良から「電話してもいいでしょうか」とメッセージが送られてきたので、ため息をつきます。

翌日、野口のオフィスに来た桐谷は安奈の写真をじっと見つめます。桐谷のマネージャーに「写真は心の奥を写すものだから、彼と話し合う時間がほしい」と頼む野口。桐谷は今の自分を撮ってほしいと強引に頼んだのは自分だからと野口の要求を受け入れます。
野口は桐谷に会いたい人が来ていると言い、そこに安奈と清居が現れます。「会いたかった。本当にごめん。事務所と話し合いをしてる。俺は別れるつもりないから。もし許されないなら俺は芸能界を辞める。諦めきれないから」と謝る桐谷。「辞めるなんてだめだよ。私、桐谷くんのお芝居が好きだよ。その言葉だけで生きていける。桐谷くんは私の星だから」と言う安奈。

「もらえた言葉だけで生きていけるなんて強がりだろ」とこぼす清居に、「話したい」と頼む平良。清居は「いつもの場所で待ってる」と返します。
待っていた清居は男に「清居奏くんだよね?」と声をかけられた瞬間、殴打されます。

気がついた清居の前には、安奈の代表作をスクリーンで鑑賞する設楽の姿が。「スマホで安奈に電話したよ」と言う設楽に、「安奈とは友達だ」と縛られたまま返す清居。しかし設楽は「ホテルで同じ部屋にいたのに!お前みたいな三流役者が近づくのは許せない。桐谷みたいな頭空っぽのアイドルが相手だったのはまだ許せた。安奈は10代の頃から第一線で頑張ってきたんだから息抜きも必要だと思ったんだ。僕達ファンが守らないといけないと思った。でも今は顔だけの俳優とチャラチャラ付き合いやがって、分からせないといけないんだ!お前にはわかんないだろうな!でも彼は僕と同じだから分かるはずだ。”不審くん”なら!」と叫ぶ設楽。
安奈から清居の異変について知らされる平良。「お前とあいつを一緒にすんな。自分のことなんてどうでもいいくらい俺のことしか見てなくてお前よりあいつの方が狂ってる!」と叫ぶ清居に、「その目やめろ!」と激昂してナイフで斬りかかろうとする設楽。そこに平良が現れ、我を忘れて設楽を殴りつけます。
「平良くんは分かってくれるだろ?安奈だけが僕の存在証明なんだ」と血を履く設楽に、「相手を思い通りに動かしたいと思ったらそれは存在証明じゃない。俺はこの世に清居がいてくれるだけでいい。証明なんかしなくていい」と言う平良。「安奈も清居も桐谷も全員殺してやる」と言う設楽に、「清居に手を出したら俺がお前を殺してやるよ」と凄む平良。
清居を倉庫の外に逃がすと、ナイフを持って殴りかかってきた設楽を拳で返り討ちにする平良。しかし不意を疲れて設楽に殴りかかられます。

ーー俺は天国にいるのかもしれない。それくらい幸せな夢を見た。
腹から血を流す平良に、清居が泣きじゃくりながらしがみつきます。涙する清居は死ぬほど美しかった、自分のそばにいろと言ってくれた、なんというご褒美だろう、このまま昇天しても構わないと思う平良。清居は「お前がいないと…」と涙し、救急車が来たからと社長に取り押さえられていました。

病院で目を覚ます平良。傍らには菜穂と智也がいます。突き飛ばされた時に頭を打ったために、意識を失っていたようです。菜穂はさっきまで清居も付き添っていてくれたのだと言います。設楽も生きており、自分で自分を刺していたのだとか。
菜穂は自分たちは新たに住む家を探すから清居くんと家に戻ってと頼みます。清居は一緒にいたいと泣いていたそうです。智也には「平良は友達じゃなくてもっと大切な奴」とも言っていたようです。

清居の監禁事件により、芸能スクープの行き過ぎた報道が話題に。安奈と清居についてのニュースは監禁事件以降沈静化したようです。安奈を心配する清居。復帰の目処も経っていないのではとぼやくと、桐谷の事務所から連絡があり、手打ちになったとのこと。
「写真で発表するんだってさ」と言う香田に、「これを見たら何も言えないですよね」と答える平良。野口は安奈と桐谷のウェディングフォトを撮っています。「誤解は解いたほうがいいから」とたまたま来た清居も写真に入ることに。
清居を撮る野口を知らず知らず睨んでいた平良。「お前、マジで野村伊兵衛賞狙ってんの?まずは写真集を出すか個展をしろ。もたもたしてる時間はないぞ。今日はお前も撮ってみろ」と言う野口。
平良は野口のカメラを借ります。もたもたしていた平良ですが、清居に「撮れ」と言われ、引き寄せられるようにカメラを構えます。「野口さんよりきれいに撮れよ」と言われ、「当然だよ」と答えます。「答えはここにあった。俺は別の世界から清居を見つめる。孤立無援。絶体絶命の俺の原点。恍惚の時間」と心の中でつぶやきながら清居を撮り続ける平良。
撮影後、安奈と桐谷の写真を確認する社長とマネージャー。野口の手腕を絶賛するも、その後に出てきた清居の写真を見て、「あのアシスタントくんが撮ってくれたやつ?全然雰囲気違うね。清居くん、こんな顔するんだ」と二人は感嘆します。思わず微笑む野口。

大学の卒業式の日、小山は「平良に会えてよかった」と握手を求めます。「俺も」と固く握手し合う二人。そのまま二人は別れます。

いつもの場所で待ち合わせをする清居。カメラのシャッター音が鳴り、「来たな、ストーカー」と清居はにやりと笑います。
一緒に家に帰りながら、「あの時、安奈さんと桐谷さんの写真撮ればよかったのに」と言う清居。「それは野口さんにお願いした。俺は清居が撮りたいって。俺は清居奏が撮りたい。美しい清居を、俺が誰よりも美しく撮る」と宣言するなり、「清居、行きたいところがある!」と高校に向かって走り出します。
「制服じゃないし、老けた気がするし、いいのか?」と教室を見て回りながら言う清居に、「いいんだ。清居が一番だ」と太鼓判を押す平良。「後悔するぞ。時間は止められないんだからな」と言う清居ですが、平良は「どんな姿になっても、何があっても、清居は俺にとって誰よりも美しい。後悔なんかしない」と断言します。「だったらそばにいろ。絶対離れんな」と清居が言うと、「好きだ、清居。一生そばにいさせてください」と平良は清居の手の甲にキスします。「許す」と言いながら涙する清居。
しかし二人が唇にキスしようとしたところ、先生に見つかってしまい、慌てて逃げ出します。先生とおいかけっこをしながら、二人の心はいつしか高校時代に戻り、笑っていました。

ーーすれ違い、追いかけて、逃げて、でも諦められなかった。そんな人と今、手を繋いで、同じ方向に走ってる。契約はない。将来何が起こるか分からない。でも、絶対に離さない。何があっても、嵐があって離れ離れになったとしても、何度だって俺は清居を探して、何度だって恋をする。それが俺の永遠だ。

帰宅した二人は、そっと唇にキスします。
清居は「俺、お前のことすっげえ好きみたい」とつぶやき、平良は「清居」と呼ぶなり、清居にかぶりつくようにキスします。

ーー春夏秋冬、どれだけ時が巡り、晴れの日があっても、雨の日があっても、俺は一生清居のそばにいる。最高のキング。いや、俺の、俺だけの、美しい彼。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

最後の「俺だけの、美しい彼」で泣いてしまいました…。ドラマのシーズン2では清居があまりに大人になっているのに対して、平良が全く高校時代から成長していない感じで…二人の間に横たわる深すぎる溝のようなものを感じてしまっていました。でも、映画を見ると、たしかにより清居が大人になっているとは思ったものの、平良も清居と同じ方向に走ろうと一生懸命なのがひしひしと感じられて、「頑張れ!!」と観客が思わずエールを送りたくなるような、ひたむきさを感じてすごく良かったです。
「美しい彼」シリーズの実写化はこれで終わりなのかな…また特別編とかやってほしいです。

小錦あや
小錦あや

設楽については映画で掘り下げられるんだろうなと思っていた予想通りの展開でした。ただ、安奈と桐谷さんのエピソードは予想外だったな。たしかにドラマシーズン2で安奈が恋バナをやけに聞きたがってるなとは思ったんですが、平良と清居の恋のアドバイザー的な立ち位置なのかと思いきや…。安奈と桐谷の関係から、平良と清居の関係への示唆があるとは思いもしませんでした。
あと、菜穂も大活躍でしたね。ドラマだけの出演かと思っていたので意外でした。小山も恋愛には絡まなかったもののまた出演していて、「劇場版 美しい彼」というか「大集合 美しい彼」って感じで、楽しかったですね。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

相変わらず野口さんの平良への掘り下げが的確でしたね。彼は平良の内面をはっきり言語化してくれるので、冷静な視点で平良を見ることができてありがたいです。
それにしても、約2時間の映画でしたが体感は秒でしたね…あれはどうなるのかな、映画内で回収されるのかな、なんてドキドキハラハラしていたらあっという間でした。楽しかったな。

今回3人が見た「劇場版 美しい彼〜eternal〜」は、Amazonプライムビデオ、Huluで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:「劇場版 美しい彼〜eternal〜」公式サイト/4月7日(金)公開

 

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注意事項:視聴可能タイトルは予告なく変更もしくは終了する場合があります。本サイトでは紹介している作品の内容についての責任は持てません。