映画「デュー あの時の君とボク」のネタバレ感想|業深い悲恋の輪廻転生

映画

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韓国映画「バンジージャンプする」をリメイクした、タイBL映画「デュー あの時の君とボク」を観ました!

ネタバレ感想も交えながらがっつりネタバレしちゃいます!☺️✨

登場人物とあらすじ

引用:映画『デュー あの時の君とボク』公式サイト

タイの閉鎖的な田舎町に住む内向的な男子高校生と都会からの転校生 同級生同士のお話。

<あらすじ>
1996年のタイ、同性愛への偏見が色濃い町で、厳格な家庭に育った高校生ポップと、母と二人暮らしの転校生デューは出会った。
二人の友情はほのかな愛情へと成長。
その関係は学校にも家族にも知れ渡り、周囲に理解されず追いつめられていくポップとデューはやがて離れ離れに…。

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こんな人におすすめ

  • 衝撃的なラストに唖然としたい😳
  • メリバ、死ネタが好きな闇寄りの嗜好だ💀
  • 輪廻転生モノが好き🐍

 

 ネタバレ感想

1996年8月、タイの小さな田舎町・パンノイに暮らす高校生の5組ポップは、音楽を聴き踊りながら通学している3組・チェンマイからの転校生のデューと出会います。
雨の中傘を差しながらバイクを運転していたため視界が悪く、池に突っ込む二人。制服が泥だらけになったためデューはポップに体操着を貸し、自分は鼓笛隊の服装に着替えてふざけます。

朝礼で、性的に逸脱した生徒は精神科医と兵士により研修を受けさせられると通告されます。研修を受けた生徒たちは体のあちこちに傷を作っています。ポップの父は母に対して高圧的で、家族は常に萎縮しています。

暴力、DV、虐待

デューはポップが気になるようで、母の送迎があっても敢えてないと言ったり構ってほしげです。
合同体育の時間もチャチャチャを踊ろうと嬉しそうに誘います。二人は踊りながら薄々互いの気持ちに感付き始めます。

1997年2月、ポップはデューの膝の上で横になるほど親しくなっていました。騙し絵を見せるデューですが、ポップはどれもわからないと首をかしげます。
互いに見つめあっては気まずげに目を逸らす日々。ポップはずっと町に馴染めずにいます。

1997年3月、チェンマイの塾へ通うようになった二人。お揃いのポケベルを購入します。二人で遊んでいる時にバンジージャンプの映像を見て以来、一緒に行きたいと願うようになるデュー。塾で「優勝者は無料でニュージーランドにいける」というアカデミーのキャンペーン紹介をされ、バンジーの国だ!とデューは大喜びで英語の勉強をし始めます。

ポップはデューが毎日徹夜で英語を勉強しているのを見て追い詰められたような心地になり、普段は後ろの席に乗せてやるにもかかわらず突然デューにバイクに乗れるようになれと練習させます。デューは君の後ろに乗せてもらえるだけで十分だと怒り、二人は喧嘩します。しかし突然大雨が降ってきて、ポップは雨の中デューを迎えにきます。
電話ボックスの中で震えていたデューを見たずぶ濡れのポップは「怒ってない」と彼を抱きしめ、口付けます。

帰宅して二人が一緒にシャワールームから出てきた時、ルームメイトが部屋に入ってきて二人は呆然とします。ポップはニュージーランド旅行を勝ち取りますが、彼はルームメイトにデューとの関係がバレたのではとその晩のうちに悲観し地元に帰ってしまいます。
しかしポップは英語の宿題で密かにデューへの想いを綴っており、先生はそれを褒めて(デュー宛と知らず)デューに皆の前で朗読させます。

「夜が白み始める前 日差しの暖かさを感じる前 花々が咲き誇る前 そして甘美な夢を見る前 僕の心は空っぽだった
君が僕に愛を教え 明るい光を見せてくれた
味方のいなかった僕に ただならぬ情を注いだ 意欲をくれた 生きる意欲を このイカれた世界で」

ポップの詩を読みながらさまざまな想いが心をよぎるデュー。

1997年5月、ポップと教室で再会するデュー。しかし彼はデューと視線を合わせようとしません。

日当のポップが放課後に黒板を掃除していると、デューが「ポップのクソッタレ」「僕と口を利かない気か?」「馬鹿野郎」と無言で黒板に次々書いていきます。ポップはとうとう怒りを爆発させます。「君が期待させたのに」と言うデューに「俺たちの間に何があろうとそれは無理だ。友達と思えるのか?父さんや学校にバレたら?」と叫ぶポップ。「町を出ればいい」「俺はお前とは違う。お前みたいに見下されたくないんだ。みんなと同じがいい」と喧嘩する二人。
喧嘩の原因を両親の前で言うよう教師に促され、ポップは何も言えず号泣します。デューは自分が同性愛者であることを告白し、母に「こんな僕でも愛してくれる?」と帰り道に泣きながら尋ねますが、母は何も返しません。

翌日、「デューはポップに性行為を強いて拒絶されたから殴ったらしい」と噂は広まり、彼の机には「ホモの尻軽野郎」とひどい侮辱の落書きが並んでいました。

ポップはデューを人気のない場所に呼び出すと、矯正研修キャンプでは免許証しかチェックされないから代理出席すると申し出ます。涙し、ポップを抱きしめるデュー。「一緒にいられるならどんな関係でもいい」と泣きじゃくるデューをポップは抱きしめます。

キャンプを終えて傷だらけのポップを夜中に出迎えたのはデューでした。「この町から出よう。行くのはどこでもいい。家族は僕たちのことまだ息子だと思ってるかな?」と笑うデューの手を握り微笑むポップ。
ポップが痛む体を押さえて帰宅すると、「矯正キャンプで働く友達がお前が参加する姿を見たって言ってたぞ!家族に恥をかかせたな!ホモとも戦えない軟弱な奴め!」と父から何度も殴られます。思わず父に殴り返すポップ。「なぜ身代わりになったのか本当に知りたい?手に負えないくせに!」と叫ぶポップに「もう息子なんかじゃない!」と最終通告を突きつける父。

ポップはポケベルで「11:30の最終列車に間に合うから乗ろう」と連絡しますが、デューはそれを母に見られて「どういう関係なの?二人でどこへ行くつもり?」と問い詰められます。ポップはデューに何度も電話をかけますが、「二人きりの親子なのにどこにも行かないで。どんなあなたでも愛するから」と懇願されたデューは「行けない。母さんが独りになる」と断ります。
「何もかも犠牲にしたのはお前といるためなのに!俺が失ったものを返せ!これまでのことは全部忘れろ。お前への好意は全て哀れみだ」とポップは激怒。

ポップは駅でデューが来てくれるのではとギリギリまで待っていましたが、当然デューは来ません。ポップは失意のうちに一人で電車に乗ります。

23年後の2019年 パンノイ、ポップは結婚し化学教師として母校の高校に戻ってきました。
授業中をサボって先輩とつるんでいる問題児のナッチャーから目を離すなと恩師のラチャニー先生に言われ、さらに本人もポップを舐め腐った態度で、ポップは困惑します。

バンコクで事業に失敗して帰省したくせに臨時教師なんて家のローンはいつ返済できる?と追求してくる相変わらずの父と食事するポップ。妻・オーンが手を差し伸べてくれ、どうにかその場は収まります。

後日また授業に出ないナッチャーを探していると彼女は上級生たちとタバコをふかして遊んでいました。彼女を追いかけ回すうち、二人は池に落ちます。今度はもっと良い方法で対処してと言われ、ポップはナッチャーを寮の部屋から送迎することにします。

高3の時になぜバンコクに行ったの?高3のトップは君の彼氏なの?と質問し合う二人。ナッチャーはとにかくこの街を出たい、チェンマイに行きたいと言います。「マジで?(Seriously?)」というナッチャーの口癖がデューと同じで動揺するポップ。

その晩、帰宅したポップは「3/25までに50万バーツ払って」というローンの督促状を見てため息をつきます。

翌朝、ナッチャーは席を勝手に移動しておりポップは咎めますが、その机はかつてデューが落書きされたもので表面が激しく凸凹しています。ポップは丁寧にヤスリをかけて机を綺麗にしてやります。翌日、嬉しそうにその席につくナッチャー。

「査定前に担当クラスの生徒を課外活動に出させなさい。コンテストとかに参加させるのよ。ナッチャーの世話をよく頑張ってくれたわね」とラチャニー先生が褒めます。
チェンマイに行けるから化学コンテストに参加してみないかとナッチャーを誘うポップ。ナッチャーはポップに惹かれ始めていましたが、オーンの存在を知り自分の気持ちに戸惑います。

オーンのことを思ってコンテストに集中できないナッチャーをバイクの後ろに乗せて街を散策するポップ。ポップはナッチャーにデューの面影を見て彼女に惹かれている自分を自覚します。
ナッチャーから「奥さんは良い人です」と釘を刺され笑うポップ。互いに教師だから生徒だからと一線を引きます。

化学コンテストで受賞できず落ち込むメンバーたち。ナッチャーは友達(トップ)が来ているからと先に帰ってしまいますが、それをいやに気にかけるポップに不安感が募るオーン。
ナッチャーはトップの泊まっている部屋に妙な既視感を感じます。その部屋はかつてポップとデューがチェンマイの塾に通うため一緒に暮らしていた部屋でした。

その日を境に、ナッチャーはまた遊び歩くようになります。トップもナッチャーの個人的な番号に電話をかけてくるポップに怒りを感じます。
「(ポップとナッチャーは)チェンマイで二人乗りしてた」と噂になっているらしく、「あいつともう寝たんだろ?」とトップに言われたナッチャーは激怒し彼を殴ります。

翌日、トップはナッチャーをピックアップし遅刻して学校に来ます。遅刻したことを咎められ逆恨みするトップ。

ポップは留年がかかった授業の宿題を代わりにしてやった(かつて自分がデューに書いた愛の詩を提出した)ことをナッチャーに咎められ、「みんなと同じがいいからもうこんなことはやめて」と言われます。

家出の一年後、ポップは家族の車で実家に戻ります。デューはポップが家を出た日に死んだと聞かされ、ポップは涙します。
落ち込んだ時はいつも行くパーデーンという場所にデューを連れて行くと、彼は「母は公務員で転勤が多いから僕には居場所がない」と呟いていました。
そしてその場所を見つけたナッチャーは、「ポップ&デュー」の書き込みを壁に見つけて号泣し、書き込みを上からめちゃくちゃに傷つけて潰そうとします。

正規職員に昇進されたポップ。ラチャニー先生にもうナッチャーの世話はいいと言い渡されます。
服装検査で校則違反を指摘されたトップはポップを侮辱し殴り合いになります。そして別室で話し合いをさせられるのですが、ナッチャーはその部屋に見覚えがありました。どちらが喧嘩を仕掛けたのかと尋ねられ、ナッチャーはかつて縋るような目をしていた学生時代のポップを思い出し、彼を庇います。

トップの両親は権力者ですが、普段の素性の悪さと校則違反を理由に即退学の勧告が出されます。

橋の上で、「あなたの知っている私じゃなくても愛してくれる?私なら愛したい」とトップに言うナッチャー。しかしトップは呆れたように無言で去っていきます。涙し立ち尽くすナッチャー。
その時、ポップのスマホにナッチャーから「この画像(パーデーンの壁に書かれたポップとデューの名前)の意味が知りたいから今すぐ来て」と言われますが、オーンから「詮索はしないけれど今夜だけはそばにいて」と懇願され、ポップはオーンに従います。

翌日、ナッチャーの寮の部屋に行くポップ。部屋中に貼られた懐かしい画像を見て、ポップは顔を綻ばせます。ナッチャーがデューの輪廻転生した姿だと分かったポップは堰を切ったように「当時できなかったことを取り戻したい」とデューへの想いを伝えます。号泣し彼に抱きつくナッチャー。

すると玄関にトップがおり、その様子をライブ配信していました。オーンのもとに行けとナッチャーに言われ彼女を探すと、オーンは泣きながら道を歩いていました。「いつか再会する時にはお互いもっと幸せになりましょう」とバスに乗られ、ポップはただ泣いて立ち尽くすしかありませんでした。

ポップは職場も解雇されます。ラチャニー先生に「例の動画を見た。デューを思い出したわ。過去の傷にとらわれず成長して」と励まされ、ポップは思わず泣きじゃくります。

ナッチャーは「教師とも交際してたのか」「ヤリマン女」と動画に次々書き込まれ部屋で泣き続けていました。彼女の部屋にはトップが現れます。町を逃げようとする二人。

「君との日々が僕の人生の中で唯一の美しい日々だった」とパーデーンの壁の傷の前で懺悔するポップ。

部屋の騙し絵を見ているうちに、ナッチャーは次々にポップとの思い出が蘇り笑いながら泣き出します。

デューはポップが町を出て行ったあの日、電車に間に合うようにと必死で乗り慣れないバイクを飛ばしていました。しかし車に撥ねられ死んでしまったのです。
今日もまたあの日と同じようにポップは最終電車を待っており、ナッチャーはトップのバイクで走り出し、一度は車の事故に遭うも、今度は生きてポップの胸に飛び込みます。
「ポップ」と彼にしがみつくナッチャー。

「長い眠りから覚めたら記憶を失ってた。君は結婚してたし家庭を壊したくなかった」「トップのことは?」「二人とも失敗したね」「僕はすぐ歳をとるし君も大人になる。僕よりもっといい相手が現れるかも」「大人になりたくない」「僕もだ」と、二人は電車に乗り寄り添いながら話します。

前世でできなかったことをする二人。観覧車に乗ったり、海で遊んだり、そしてバンジージャンプ…という名の飛び降り自殺をするのでした。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

ナッチャーの輪郭、特に鼻筋の美しさは神がかってますね…。チェンマイの夜、店や車の光に照らし出された彼女の横顔に見入るポップの気持ちに共感しました。

あと、幼げな風貌だけれど熟練の演技力なのもギャップ萌えでした👍✨

小錦あや
小錦あや

タイの同性愛者への偏見を考えると、たとえ住む場所を変えてもゲイのカップルは生きていきづらかったのではないかと感じます。しかし、異性愛で歳の差があるくらいなら住む街を変えたりすれば問題なかったのでは?ポップは家族から一度勘当されてるわけで、今更デューより両親の方が大事とは思わないはず。

ナッチャーとデューの名前や外見がいくらネットに流れているといっても、お金を貯めて削除依頼するなり何なり、2人で生きていく方法はあったと思うんですよね。

でも、それよりも2人は死を選んだ…。多くの人の悪意にさらされて、もうそもそも生きる気力が2人にはなかったのではないかな…と苦しかったです。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

売り出し方と実際の作品の内容のギャップにぎょっとしてしまいました。最近流行りのタイBL(きゅるん❤️)って感じで売り出してますけど、作品の内容、地獄ですからね。「2gether」みたいなのを期待して観たBL好きな方は多いと思います。宣伝方法はもっと作品に沿ったあり方にしてほしいなあ。

今回3人が見た「デュー あの時の君とボク」は、Amazonプライムビデオ、U-NEXTで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:映画『デュー あの時の君とボク』公式サイト

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