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「ボーダー 二つの世界」のアリ・アッバシ監督が「キャプテン・アメリカ」シリーズのセバスチャン・スタンを主演に迎え、実業家で第45代アメリカ合衆国大統領として知られるドナルド・トランプの若き日を描いたドラマ、「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」。
全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
引用:映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』公式サイト
アメリカ大統領 ドナルド・トランプと彼に「勝つためのルール」を伝授した悪徳弁護士 のお話。
<あらすじ>
1980年代、気弱で繊細な若き実業家ドナルド・トランプは、不動産業を営む父の会社が政府に訴えられ破産寸前まで追い込まれていた。
そんな中、トランプは政財界の実力者が集まる高級クラブで、悪名高き弁護士ロイ・コーンと出会う。
勝つためには手段を選ばない冷酷な男として知られるコーンは意外にもトランプを気に入り、「勝つための3つのルール」を伝授。
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予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- ドナルド・トランプの半生を知りたい🇺🇸
- ドナルド・トランプとゲイ(LGBTQ+)の関わりについて知りたい🏳️🌈
- 「負けない」「勝ち続ける」人生について考えたい💥
本作をもっとよく知るための小ネタ
①監督は前作に続き本作もカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されたアリ・アッバシ。敵にまわせば命取りになりかねない存在に覚悟を決めて向き合った。ドナルド・トランプが全米公開を阻止しようとするほど封印したかった過去が今、解禁される!
引用:映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』公式サイト
②トランプを演じるのは、『アベンジャーズ』シリーズのセバスチャン・スタン。「本人にしか見えない」と畏怖され、早くも賞レースの筆頭にその名が挙がる。第97回アカデミー賞では主演男優賞にノミネートされた。
トランプの師となる弁護士ロイ・コーン役に「ジェントルメン」のジェレミー・ストロング。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第97回アカデミー賞では助演男優賞にノミネートされた。
引用:映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』公式サイト
③原題の『The Apprentice』は「見習い」という意味で、トランプ自身が出演していたリアリティ番組と同じタイトルである。第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品。
引用:アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方 – Wikipedia
ネタバレ感想
「私ニクソンは長い人生の中で過ちも犯してきました。しかし不当に私腹を肥やしたことは一度たりともない。司法妨害をしたこともありません。捜査には進んで協力してきました。大統領が悪党かどうか国民は知る権利があります。誓って私は悪党ではありません」と記者たちに語るニクソン大統領。
若きドナルド・トランプは有力者が集うコモドアホテルで「大金持ちになるには生まれ持った才能が必要だ。最年少で会員になれた」と連れの女性に自慢します。
そこに、ラッセルという男が「友人があなたの入会を祝いたいそうで」と話しかけてきます。友人とはあの悪名高い弁護士ロイ・コーンのことだったようです。
カーマイン・ギャランテ、トニー・サレルノなど同じテーブルについている有力者たちをロイに紹介され、「トランプ・オーガニゼーションで副社長をしている。人脈が重要な仕事だ。知り合えて嬉しい」とはにかむドナルド。
ロイに「事業は苦戦中らしいな」と言われ、「政府と全米黒人協会に訴えられてる。”黒人に入居を拒んだ”と。示談を勧められたがそうすれば破産する」と返すドナルド。「反訴しろ。法廷で抗戦するんだ。”証拠を示せ”と」とロイは焚き付けます。「新しい弁護士を探さないと」とドナルドが苦笑すると、ロイは「私ならニクソン大統領と司法長官も味方だ」と胸を張ります。
車を飛ばして「トランプビレッジ」に向かうドナルド。ネイサンソン、トンプソン…と、マンションの住人から家賃を回収します。家賃を滞納するネイサンソンには「払えなければ出ていけ」と宣告し、「お前は俺の妄想だ」と叫びながら水をかけてくる住人には罵倒を浴びせます。
家族での晩餐中、政府と全米黒人協会に訴えられた愚痴を言う父に、ドナルドは「訴訟もあるしコモドアホテルもほしい。ロイ・コーンに頼めば勝機があるかも。彼はマッカーシーの側近だしニクソンとも交流がある」と提案します。しかし父は「三回も起訴された悪党に頼めるか。私も財政界に働きかけてるが無駄だ。政府は我々を潰しに来てる」と不服そう。食い下がるドナルドに兄のフレディは「話だけでも聞いてみたら」と援護してくれますが、父は「パイロットのくせに。どれほどの一家の恥だと思う?家族について聞かれてもお前のことは話さない」と吐き捨てます。
フレディと酒場に行くドナルド。フレッドは、昔は従業員がサボっているのを父に報告すればお小遣いがもらえたと思い出話をします。フレディは嫌がりますが、ドナルドは強引に2人分の酒代を支払います。
ドナルドは42丁目に周りのランドマークが反射するようなタワーを建てたいと建築会社に提案しますが、「今抱えている訴訟を片付けてからだ」と相手にされません。
ドナルドはロイに会いにコモドホテルへ行きますが、「今日は楽しい夜だから邪魔しないでくれ」とすげなくされてしまいます。ドナルドはトイレまでお仕掛けて、「司法省に不当に潰されそうなんだ。助けてほしい」と懇願します。
「リベラルの奴らはアメリカの精神を嫌ってる。資本主義、強権、真実、正義をな。奴らがやりたいのは我々から金を奪い、福祉と称して怠け者にばらまくことだ」と持論を展開するロイ。「訴状によると、公正住宅法違反らしい。判事はニーハー」とドナルドが言うと、「まずいな、堅物だ。公民権なんてバカバカしいにもほどがある。気取った左翼どもの中に自分の子を黒人と遊ばせたいやつがいるか?皆無だ。そんな偽善者が私を悪魔とよく言うよな」とロイは吐き捨てます。「政府を訴えろと言っていたのは本気ですか?」とドナルドが問うと、ロイは「本気だ」と返します。
ロイに命じられ、酒に弱いにもかかわらずどんどん酒を開けていくドナルド。
「俺はニューヨークを自分のものにしたい。そして再生させる。コモドアを最高のホテルに変えるから見ててくれ。ペン・セントラル鉄道もハドソンヤードも買う。野望はあるが親父と衝突してるんだ」と言うドナルド。ロイは「君は逸材だ。唯一無二の存在だ」とドナルドを褒め称えます。「哀れな坊やだが気に入ったよ」と同行者に話すロイ。
ドナルドを車で送りながら、「私はリンデンバウムのような弁護士とは違う。君は顧客だが貢献してもらうぞ。私の言う事に100%従ってもらう。明日の12時半、事務所に来い」とロイは命じます。
翌日、ロイの事務所に行くドナルド。ニューヨーク・ポスト紙をマードックが買収する件について部下に相談されるロイ。「ポスト紙のオーナーはアカの糞女だ。強欲な資本家にはいい獲物だ」とロイはバカにします。その後も次々と部下に相談され、答えを返していくロイ。ドナルドは放置されます。
腹筋中のロイに「部屋の10%は黒人に貸してる。月収が家賃の4倍未満だと入居審査で落としてるんだ」と事情を説明するドナルドですが、ロイは運動中だからと訴状を見ることすらせず「小切手は?」と催促します。「いつかこの壁に飾られたい」と、ニクソンとロイのツーショット写真が飾られた壁を指差すドナルドに「できるさ。誰もが勝者にはひれ伏そうとする。私は三回起訴されたがすべて勝った。政府に完封勝ちだ。勝つ秘密を知りたいか?”ロイ・コーンの勝利への3つのルール”だ」と答えるロイ。
「ルール1は、攻撃・攻撃・攻撃だ」と言うロイ。ロイは公民権局のキャッツという女性職員に「お前の男はお前を養えるか?訴訟を取り下げないと1億ドルの反訴を起こす」と脅します。司法省公民権局長のポティンジャーからすぐに「脅迫だ。弁護士資格剥奪に値する」と怒りの電話がかかってきましたが、無視。「ルール2、非を認めるな。全否定しろ」と言うロイ。
「異議あり。公民権局は48ページの報道資料をまとめただけだ。トランプ一族が黒人を差別していたという証拠は一つも提示されていない。略式判決で棄却してほしい」と裁判で言うロイ。記者たちにも「我々が優位に立っている」と堂々と言いますが、ドナルドと二人になった途端「書類にC(有色人種)のメモをしていただろう。これは負ける。ルール3、どれだけ劣勢に立たされても勝利を主張しろ。決して負けを認めるな。それが勝利のルールだ」とロイは言います。
司法省のウォルターに会いに行く二人。ウォルターに「カンクンで若い男と不謹慎な行為に及ぶとは。調べたところ、同性愛者は連邦政府から排除されるらしい」と彼と若い男のセックス中の写真をちらつかせて脅すロイ。「この訴訟を取り下げてほしい。無理なら、奥さんがポスト紙で夫が同性愛者だと知ることになる」とロイは言い、ウォルターは無言で帰っていきます。
ロイの脅迫現場を見て戸惑うドナルド。「現実は”人を追え、球を追うな”だ。欲しいものを手に入れたいなら人に集中しろ。この国は法より人だ」と言うロイに、「批判は気にならない?」と問うドナルド。「気にするな。何が正しいとかそんな基準は存在しない。真実など幻想にすぎない。人が作ったフィクションだ。大切なのは勝つこと。それしかない」とロイは言い切ります。
「明日大統領を辞任します」というニクソンの演説をぼんやりと聞いていたドナルドは、「政府が折れて示談することになった。罰金もなし、差別の認定もなしだ」というロイの電話を受けて大喜び。各社が追いかけている中、独占インタビューをさせるロイ。「訴訟が終わった今、やりたいことは?」と記者に問われ、「コモドアホテルの買収だ。ニューヨークで一番、いや、世界一ののビルを建てる」と答えるドナルド。電話するドナルドの言葉を、ロイが裏で指示しています。しかしロイの思うようにドナルドが答えられず、電話は中断。ドナルドは謝りますが、ロイは「何事も勉強だ」と慰めます。
ドナルドにスーツを試着させながら二人は話します。「コモドアホテルの件を親父に話さないと。親父は厳しいんだ」と言うドナルドに、「新聞を見れば分かる。いつまでも父親の言いなりか?」と言うロイ。ロイはドナルドに小切手を返し、「その代わり友情で返してくれ。君が大物になれば私も得する」と小切手をスーツ代に充てるように言います。
コモドアホテルで酒を飲んでいたドナルドは20分もホテルの玄関で入りたいとねばっているイヴァナ・ゼルニーチコヴァーと仲間たちを目にします。イヴァナの美貌に目をつけたドナルドは彼女をホテルに迎え入れ、宿泊しているホテルまで送ってやります。食事に誘うものの、彼氏がいると振られてしまいます。
新聞に「ドナルドは好青年」と書かれて、ドナルドの母は満足げ。「コモドアの計画を発表する前に父親に話すのが筋だろう。クライスラービルは差し押さえられてる。その近くにホテルなど建てるな」と怒る父に、「いつか俺が正しいと分かるよ」と立ち去るドナルド。
ロイのパーティーに行くドナルド。ロイは「モーガンは副市長で私の親友だ」「マードックは重油人物だ。ポスト紙に載せてもらって名前を売らないと」「コモドアのプレゼンを用意しておけ。ハイアットのCEOのプリツカーに会わせるからな」と次々に重要人物をドナルドに紹介します。「アメリカは私の最高の顧客だ」と乾杯の音頭を取るロイ。ドナルドは男性客同士がパーティーの最中にセックスしているのを見て、恐れて逃げ出します。
「コモドアホテルの跡地に豪華ホテルを建てて特別な場所にしたい。ホテル業界の雇用も守れます。ニューヨークは大恐慌に近い惨状ですが、我々が復活冴えたい」と役員たちにプレゼンするドナルド。「建て替えるのはいいが、コモドア周辺もボロボロだ。この地区全体を再建しなければ。それに税金が高いだろう。金は?」と問うプリツカーに、「税金は市長に免除してもらいます。市長も建設を願っているので」と自信満々に言うドナルド。「市が破綻寸前なのに?」といぶかしむプリツカー。「都市計画審議会は意のままにできる」と言うドナルドに、「絵空事では?」と役員たちは顔をしかめます。
「ロイ、助けてほしいんだ。1億5000万ドルのハイアットの税の免除を市長に頼んでほしい。なんでもするから」と頼み込むドナルドに、「奴に貸しがある。明日電話しろ」とロイは言います。結局、ロイのおかげでビーム市長はドナルドの計画を全面支持します。しかし福祉さえ削られている現状、裁判の参加者たちは投票での決定を訴えます。負けることを予期する人々の中で、ロイは「ルールを忘れたか?」とドナルドにささやきます。
ロイは自宅にたくさんの盗聴器をしかけており、すべてのデータを保管していました。議長に近づくロイ。「基金に入れたが帳簿を調べられてる。5万ドルだ。表に出るとまずい」という彼の会話を録音したテープをドナルドに聞かせます。「誰が相手でも勝ちたいならやれ。敵を徹底的に利用し、恐怖を植えつけろ」と言うロイ。
投票結果は、税が免除されることに決定。市民たちは「不正よ!」と激怒。
「盗聴は違法では?」と問うドナルドに、「目を覚ませ。アメリカの利益が最優先だ。資本主義を守るためならなんだってやる」と言うロイ。
イヴァナに部屋いっぱいの花を贈るドナルド。しかし、アスペンにモデルの仕事で行く、婚約者がいると断られます。ドナルドはイヴァナの仕事場まで追いかけます。「お金が好きなの。自分のブランドの服や宝石を売りたい。インテリアデザインの会社も作りたいわ。ビジョンがあるの」と語るイヴァナに、「今まで会った女性と違うね。結婚が目的じゃない」とうっとりするドナルド。人間は勝者と敗者に二分されると言いながら、ドナルドはイヴァナにキスしようとします。乗り気のイヴァナ。
「ビッグアップルは世界一の街。しかし腐敗が進んでいます。市長候補エド・コッチが財政の窮状を語ります。犯罪が増加する中、警察官を減らす動きも。一方、ドナルド・トランプは夢の実現へ突き進みます。1500室を備えた高級ホテルの建設です」とニュースに登場するドナルド。イヴァナとセックス三昧の日々で、夢見心地です。
「19年前の会計の監査など覚えてるはずがないだろう」と電話に向かって罵倒するロイ。「国税当局のレン中がまた邪魔をする」とぼやきながら、ロイはドナルドに政治通で汚い手口を好むロジャー・ストーンを紹介します。
「出会いがあって結婚することにした」と報告するドナルドに、「財産を半分持っていかれる契約にサインしただと?血迷ったか?結婚はゼロサムゲームだ。私が守ってやる」とロイはいきり立ちます。
ロイは婚前契約書し、イヴァナに署名させます。「離婚したら配偶者は年2万ドル受け取る」「プレゼントは返却する」などの条件を見て、イヴァナは笑いだします。「法律を持ち出すなら私も弁護士を雇うわ。もういらない」と彼女は立ち去り、ドナルドは慌てて「プレゼントは返さなくていい。署名したらボーナスで5万ドル渡すから。式は2日後だぞ」とイヴァナを説得。イヴァナは「10万ドルよ。式までに振り込んで」と突き放します。ドナルドは「俺はニューヨーク一の御曹司だ。幸せにする。愛してる」とイヴァナを説得します。
結婚式当日、イヴァナはロイを嫌がりますが、ロイは「君を守るのが私の仕事だから」とドナルドの背中を叩きます。「これだけ人が集まるとはな。愛してるよ。君は家族同然だ」と言うロイ。「ドナルドを助けてくれて感謝してる」とロイにお礼を言うドナルドの父ですが、「私が裏で動いているからな」と言ってロイが帰ると「クソ野郎だ」と吐き捨てます。
「もう飛びたくない」とくだを巻くフレディ。グラスを落として割って、「グラスが濡れてたせいだ」と店員に文句をつけます。ドナルドは「俺の大事な夜なんだ!たまにはしっかりしろ。俺の兄さんだろ」とフレディの首根っこを掴んで静かに説教をします。
イヴァナのブーケトスはロイがキャッチし、イヴァナの表情から笑顔が抜け落ちます。
「これまでも大規模な減税は投資や雇用を生み、商取引を増やし経済を強化してきました。アメリカを再び活気づける時です」とニュースが流れます。
「市長は任せとけ」と自信満々なドナルドに、ロイは「今回は楽勝だから私に任せてろ」と言います。
「空前絶後の素晴らしいタワーを建てる。名前は”トランプタワー”」と模型を見せながら市長のコッチに熱弁するドナルド。「君の実績は素晴らしいがどうして税を減免しないといけない?市民の税金で大富豪を優遇するわけにはいかん」と言うコッチに、「68階建てのビルを造るのに5000人の労働者を雇う」と反論するドナルド。「労働者と揉めてると聞いたぞ。給料が未払なんだろ」と言うコッチに、「もういい、あんた抜きで建てる。訴えてやるからな」とドナルドはさっさと帰ってしまいます。呆れるコッチとロイ。
「来月はパーク・ガラに参加しないと。参加費1万ドルで委員会に入れるの」とドレスアップするイヴァナ。「そんな大金を?パークアベニューの連中と仲良くするな。市長にもロイにも頼れない。コッチにはもう5万ドルも賄賂を渡してるし、ロイは700万ドル脱税してたらしいし。ロイの助けを借りずにテレビでコッチを批判する」と言いながら、乳母の腕から息子のドナルド・ジュニアを抱き上げて「お前の街だぞ」とニューヨークを見渡させるドナルド。
そこにフレディがジュニアへのお土産を持って顔を出しますが、ドナルドはおもちゃを投げ捨てて「何の用だ?」と冷たくあしらいます。「分かってる。俺は落ちこぼれだ。ちゃんと物も握れない状態になって…変わりたいとは思ってるんだけど…」と泣きじゃくるフレディ。イヴァナは部屋を用意させようとしますが、ドナルドはフレディに金を握らせるとどこかのホテルに泊まるように言います。
「トランプの偉業といえばグランドハイアット。しかしそれ以上の偉業が成し遂げられようとしています。5番街のティファニーの隣に超高層ビルを建てるのです。元モデルのイヴァナ夫人がインテリアデザインを。コッチ市長との対立が市民の注目を集めています」と報じるニュース。「コッチは言葉巧みだが決断力がない。アメリカは素晴らしい国だが潜在能力のごく一部しか使えていない。もし財産を失ったら大統領選に出るよ」とインタビューに答えるドナルド。
「アトランティックシティーを気に入るはずだ。未開の地なんだ。クソ、ゲイの病か」とロイとともに車で移動しながらLGBTQ+のパレードに舌打ちするドナルド。「旬を過ぎてる。他の州がギャンブルを合法化したら?降参だろ。タワーを優先しろ」と言うロイに、「カジノ経営は理解してるし、タワーはほぼ完成してる。アトランティックシティーに未来がある。あそこは金鉱だ」と言い返すドナルド。
実際にアトランティックシティーのカジノに視察に行く二人。ドナルドは「金を吸い上げる。トランプタワーもうまくいった」と意気込みますが、ロイは「ここは金鉱じゃない。急速に拡大しすぎだ。過剰に負債を抱えて首が回らなくなるぞ」と批判的。「弁護士らしくしろよ。うんざりだ」と言うドナルドに、「それなら顧問料を貰わないと」と返すロイ。ドナルドは「俺は成功者だからな、払ってやるよ」と言い返します。
その時、ドナルドの母から電話が入ります。フレディが死んだのです。
葬式に参列するドナルド。執拗に手を洗うドナルドに、「大丈夫?」と話しかける妊婦のイヴァナ。しかし「俺を見るな、触るな」とドナルドは拒絶します。
トランプタワーの開幕式に「時代の寵児となった心境は?」と押しかけるマスコミ。「市長にも妨害されたが我々の勝ちだ」とドナルドは胸を張ります。現れたロイは明らかに体調が悪そうです。医者から処方された痩せ薬を飲めば寝ずに仕事ができるとドナルドが薬を差し出しますが、ロイは断ります。そして、「ラッセルをハイアットに泊めてほしい。うちは寒すぎるようだ。肺炎で苦しんでる。誠実でいい男だから世話をしてやりたいんだ」と頼んできます。ドナルドは渋々彼を助けてやることに。
イヴァナはドナルドに命じられて豊胸手術をしましたが、毎晩どうセックスするかを指示してくるのでドナルドはもはや彼女に性的魅力を感じなくなっていました。
自分もコニーアイランドにトランプビレッジを建てたと自慢する父に、「こっちは超一流だ」と言い返すドナルド。「お前は”殺す者”、勝者だ」とドナルドは父に言われて微笑みます。
イヴァナはGスポットに関する本をドナルドにプレゼントしてしなだれかかりますが、彼は「君に性的魅力を感じない。義務だと感じるようになった」と拒絶。「医者に変な薬を飲まされた顔がオレンジみたいになったハゲのくせに!」と罵られ、ドナルドはイヴァナをレイプします。
「アトランティックシティーにカジノが2つ増えました。破竹の勢いで買収を続け、トランプ帝国は拡大する一方です。生みから空まで、”トランプ時代が始まった”との声も」と報道するニュース。トランプの名前をつけるのは自己顕示欲からかと記者に問われ、「トランプの名前をつけると業績が上がるんだ」と返すトランプ。イヴァナとの仲は冷え切り、ドナルドはソープ嬢を部屋に呼ぶように。
「アトランティックシティーはラスベガスとは違う。マイク・タイソン戦を誘致する。ボクシングで大儲けだ。タージマハルは前代未聞の規模になる」と言うドナルドに、「前の四半期のローンもそう言って払わなかったろ」「月末までに払わなければ破産手続きだからな。最後の警告だ。俺も追い込まれてるんだ」と言う男たち。「心配するな。俺の信用は堅い」とドナルドは自信満々です。
「ギャンブルは好きか?予算は10億ドルだ」とタージマハルの計画をロジャーに話すドナルド。ロイからの電話を後回しにします。「レーガンでこの国は豊かになる。追い風だよ。減税、規制緩和、軍の強化。いいスローガンができたんだ。”アメリカを再び偉大にしよう”」と熱弁を振るうロジャー。「この国がカモにされるのはもう嫌だ。1年で2000億ドルも失ってる。レーガンは知ってるか?アラブの石油王や日本人、左翼の悪党のせいだ。強くならないと国も世界もなくなる。強いのはソ連だ」と言いながら薬をコーラで流し込むドナルド。「そんなに言うなら出馬すれば?」とロジャーに言われ、「政府は負け犬のためにある。政治家のことは誰より知ってる。賢いのは一握りで残りは馬鹿だ。俺は馬鹿な政治家に金を出し動かす立場だ。だが大統領専用機でフェラされるのはいい気分だろうな。レーガンによろしく」と彼を見送ろうとするドナルド。ロジャーは「最近ロイに会ったか?ラッセルがエイズになったらしい。まだ顧問弁護士を?」と尋ね、ドナルドは「いや、分野ごとにいろんな弁護士を雇ってる」と返します。
「ロイの様子はどうだった?何か言ってたか?」と秘書のフィオナに尋ねるドナルド。「いいえ、何も。咳き込んでいました」と彼女が答えると、「俺は不在だと言ってくれ。訪ねてきたら会議室に通して」と指示します。
「恩を仇で返すのか?ラッセルが追い出された。しかも請求書も送られてきた」とドナルドに怒鳴るロイ。「ハイアットのミスだな」と飄々と言うドナルドですが、ロイに罵倒されるうちに「ラッセルについて宿泊客から苦情がきた。嘘をついただろ!当然の対応だ。俺は悪くない」と態度を変えます。ロイから距離を取ろうとするドナルド。「俺が怖いか?良識のかけらもなくなったな」と言うロイ。「最高の男から学んだ。俺も愛してるよ。健康でな!」とドナルドは言い捨てて車で去ります。
アーウィンというロイの後釜の若手弁護士を連れて父に会いに行くドナルド。「ドナルドさんはエンパイアステート近くの土地を買われました。信託に関して要請がありました。この書類を提出すれば信託にかかる税が控除されます。ですので署名を。今後はドナルドが信託の受託者になります」と説明するアーウィン。「節税だよ」とドナルドは言い、父は署名しようとしますが、母が書類を確認します。「兄弟を利用して…」と眉をひそめる母に、「台湾の銀行を黙らせるために必要なんだ。奴らの信用を得ないと」と言うドナルド。「父さんは物忘れが増えてる。判断させるのはよくないと分かるでしょ」と母は言いますが、「家族の世話をするのは誰だ?俺だろ。フレディはくたばったし…」と言うドナルド。母は「フレディの名前を出さないで!出ていって!」と激怒。
ドナルドは愛人と自堕落な生活を送ります。「今すぐ服用を中止してください。アンフェタミンの副作用は勃起不全や…」と話す医師に、「それは問題ないが食欲を抑えられない。髪は減るのに腹は出る。とにかく腹が出るのを抑えたいんだ」と主張するドナルド。医師は腹部と腰回りの贅肉を摘出する外科手術を勧めます。また、「男性型脱毛症ですね。頭皮縮小で隠せますよ。うちに専門医がいます」と医師に案内されます。「エイズをどう思う?ゲイ以外もかかるのか?」と問うドナルドに、「かかります。HIVは血液や精液から感染します」と答える医師。「触られたら?息がかかったら?」と言うドナルドに、「息がかかっても大丈夫です」と言う医師。
「ロイ・コーンが弁護士資格を剥奪されようとしています。顧客の財産を不当に奪ったという理由です。懲戒委員会は倫理観と職業適性を欠いた人物で病気を利用していると言っています。あなたはエイズにかかっているのでは?エイズとの噂が広がっているのは同性愛者だからですよ」とニュースで記者がロイにインタビューをしています。「デタラメだ。病気をなにかの言い訳にしたことはない。私は膵臓がんにかかってがん細胞が変な方向に曲がって苦しんでいるだけだ。断じてエイズではない。それに私は攻撃的でタフで同性愛者の特徴とは違う。正反対と言ってもいい」と答えるロイ。それを見ながらドナルドは鼻で笑い、テレビの電源を落とします。
ロイに電話をかけるドナルド。「テレビを見たよ。完璧だった。ラッセルはどうしてる?」と問うドナルドに、咳き込みながら「死んだよ」と言うロイ。「体調が悪そうだね。こっちは大変だよ。銀行の連中は取引に理解がない。借金のことをうるさく言うだけだ。イヴァナもひどい女で参ってる。いい相談相手がいないんだよ。俺の面倒を見てくれたのはあなただけだった。フロリダに招待するよ。きっと気に入る。一緒に海に行こう」とドナルドはロイを誘います。
ドナルドはロイを載せた車椅子を押しながら、気分はどうかと尋ねます。妙なコーディネートだと言うロイに、「カーリーに着せられた。俺の女だよ」と自慢するドナルド。豪邸の中を見せて周り、「ドナルド・トランプ」と刻印の入ったダイヤのカフスを「59歳の誕生日プレゼントに」とロイにプレゼントするドナルド。
晩餐の際にロイがイヴァナにそれを見せると、「ダイヤじゃなくてジルコニアだわ。安い偽物よ。あの人、恥知らずなの」と憐れむように言います。
「ロイは母親に紹介したい顔じゃないが、彼は友情を大切にする男なんだ。幸い俺は気に入ってもらえた。俺は酒もタバコも薬物も一切やらない。ロイは厳しくて容赦ない男だが本当は誠実に生きている。それが彼の名誉だ。ロイは俺のヒーローだ」とスピーチをするドナルド。ロイは立つと「言葉が出てこない。ドナルド、ありがとう。真のアメリカ人、愛国者、そして友。今後も偉業を重ね誇りに思わせてくれるだろう」と返します。星条旗のケーキを用意したドナルドですが、ロイはケーキの前で立ちすくみ、「もうベッドで休まないと」と部屋に戻っていきます。
「私の国、あなたの国、すばらしい自由の地。あなたの国を私は歌う。先祖が亡くなった地、最初の入植者(ピルグリム・ファーザーズ)の誇りの地、すべての山腹から自由の鐘を響かせよ。あなたは私の祖国、高貴で自由な地、あなたの名を私は愛する、岩も小川も森も神殿の丘も愛している、歓喜で震える私の心、私は愛している、音楽に風を膨らませよ、すべての木から鳴り響かせよ、、すばらしい自由の歌を、人々の声を呼び覚ませ、全ての者の息を合わせて、岩の沈黙を破らせいつまでも続けよ。先祖が亡くなった地、最初の入植者(ピルグリム・ファーザーズ)の誇りの地、すべての山腹から自由の鐘を響かせよ」と聖歌隊が歌う中、ロイの座っていた席やテーブルが消毒されていきます。
ロイの葬式も行われました。その頃、ドナルドは腹部の死亡切除の美容手術を行っていました。
「大作家のお出ましだな。批判的な内容も書くか?」とトニーに握手を求めるドナルド。「いい紹介記事は書いてこなかったのに僕に執筆依頼が来て驚いたよ」と言うトニーに、「表紙にしてくれたし文才もある。金は出すからよく書け」と命じるトランプ。
「過去のインタビューを読んだけど、本にするほどの物語がない。取引好きの他に…」とトニーが言うと、「俺は単なる取引好きじゃない。筋金入りだ。取引を愛してる。高額になるほど燃える。俺は芸術家なんだ。取引は芸術だ。取引は才能で決まる」と言うドナルド。「幼少期の話を聞きたい。クイーンズでの生活は?」とトニーが問うと、「いい子供時代だ。平凡で両親に支えられてね。厳しい親父に闘争本能を鍛えられた。はっきり言うと過去のことはあまり話したくない。過去に縛られたらだめだ。過去を深堀りするのはやめてくれ。あら捜しをされるのが俺は嫌いだ。人間は動物だ。みんな裕福になりたい。勝って威張りたいんだ」と主張するドナルド。「これじゃ売れない。人々が読みたいのは例えば特別な人間の奥義だ。行動原理とか」とトニーは言います。ドナルドは「それなら簡単だ。3つのルールを実践してる。ルール1、この世は無秩序だ。世界は混沌としてる。反撃して身を守るしかない。攻撃、攻撃、攻撃だ。誰かにナイフで脅されたらバズーカを打ち返すんだ。ルール2、この世の真実は何だと思う?誰もが勝手にそれぞれの真実を主張する。非を認めるな、全否定しろ、俺の主張が真実だ。重要なのがルール3、どれだけ劣勢に立たされても決して負けを認めるな。勝利を主張しろ。常にだ」と興奮しながら言います。
「ここ30年のアメリカの外交政策に似てる」と揶揄するトニー。「俺の場合は勝ち続けてきた。たとえ周りが負けと言っても俺は勝利に変えてきた」と言うドナルドに、「どこでそのルールを?」と問うトニー。「昔から俺は勘が優れてる。勝つための勘だ。生まれ持った才能が必要なんだ。俺は天性の才能を信じてる。生まれつき才能があるかどうかの違いだな。才能がないとな」と何度もドナルドは繰り返しながら、ニューヨークの町並みを見下ろします。
まとめ

作中ではドナルドはロイを軽視しているような、でも腐れ縁で見殺しにはできないような、そんな複雑な感情を抱いているように見えましたが、実際は弁護士資格を剥奪され住む家も失ったロイにドナルドはホテルの一室をあてがって死ぬまで住まわせたのだそう。アメリカ大統領選に勝利した時も、「ロイもきっと喜んでくれているよ」と側近に語ったとか。
ドナルドは今の地位を自分の力で勝ち取ったとも思っているけれど、それとは別にロイへの情も深く持っていたんだなと感じさせられるエピソードですよね。

トランプといえば成功した実業家のイメージが強いですが、実際は恫喝や脅迫で見せかけの勝利を勝ち取ってきただけで、ビジネスマンとして優秀なわけではないんですよね。
そして彼は女性やLGBTQ+の人々を見下し、差別しており、脂肪吸引やハゲ隠しをしたり、若い愛人を囲ったり妻をレイプするなどして「強い男」であろうとこだわります。有害な男性性に縛られた、いかにも家父長制にこだわる男です。
彼は金を稼いで誰かを見下したい、威張りたいということしか興味がなく、家族もロイも何もかもがその糧に過ぎません。さらにビジネスマンとして半人前の彼は、ヤクザな言動を繰り返すことでしか成功を得られない。だから周りには金を目的とした人か家父長制的偏見を持った人しか集まらず、彼は一生癒やされることがない、安らげない。
誰にも心を打ち解けさせることなく、鈍麻した心と体を抱えて死にひた走るドナルドは、まるで生きる屍です。彼の名声を羨ましく思う人もいるのでしょうが、私はただただ「成功」という言葉に生涯踊らされるだけの哀れな人だと感じました。

ドナルドがLGBTQ+の人々を差別しているのは連日のニュースからでもわかります(2025年1月20日には性別は男性と女性の二つで変更できないとする大統領令に署名し、LGBTQ+(性的少数者)の関連施策を撤回したことは記憶に新しいです)が、作中でもゲイの人々を見たときに「車で轢け」とドライバーに指示したり、ロイはエイズに感染しているのではないかと思った時に主治医に「息をするだけでも感染するのか?」と聞いたりと、自分とは異なる性的指向を持つ人々への悪意や嫌悪感を抱いていることが伺えます。ただ、ドナルドは彼自身の強い意思というものは存在せず、あくまで世論の多数派の意見を反映するだけの鏡だという声もあります。いずれにせよ、性的指向を理由に差別されることがあっていいはずはありません。アメリカで生きる性的マイノリティの人々が少しでも生きづらさを解消できるように変革されることを祈るばかりです。
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