映画「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」のネタバレ感想|隠れゲイ俳優の波乱人生

映画

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ドラン監督がかつて少年時代、憧れの人気スター、レオナルド・ディカプリオに宛ててファンレターを書き送ったという自らの実体験をもとに構想した物語、「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:Amazon.co.jp: ジョン・F・ドノヴァンの死と生(字幕版)を観る | Prime Video

隠れゲイの人気俳優と子役少年が文通する のお話。

<あらすじ>
大ヒットTVシリーズに出演し、一躍スターの座へと駆け上った、人気俳優のジョン・F・ドノヴァンが死んだ。
自殺か事故か、あるいは事件か、謎に包まれた彼の死の真相をにぎる鍵は、世間で一大スキャンダルを巻き起こした、11歳の少年ルパートとの“秘密の文通”。
100通以上に渡る手紙から明かされる、華やかなスターの光と影、スキャンダラスな世界の表と裏。

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • 芸能界の光と闇を感じたい🌞🌛
  • グザヴィエ・ドラン監督作品が気になる👀✨
  • 「私は限られた人生をどう生きるか?」、立ち止まって考えたい💭

 

 ネタバレ感想

2006年ニューヨーク、大人気テレビドラマ「ヘルサム高校」で一躍有名になった俳優のジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さで死にました。

2017年プラハ、女性ライターのオードリー・ニューハウスは、ドノヴァンと文通をしていたルパート・ターナーという若手俳優にインタビューします。彼は11歳の頃にジョンと100通以上の手紙を交わしていたのです。

ルパートの父は、彼が2歳の頃に出ていき、今は母と二人暮らしです。ルパートは、女優志望だった母の希望で、子役として成功することを求められ、世界中を転々としていますが、芽は出ません。さらに、学校では同級生たちに「ゲイ」といじめられ、つらい日々。しかし、彼は大好きな「ヘルサム高校」を観ては、ジョンと仕事をすることを心の支えにしていました。

ジョンは、役者を目指してニューヨークに来ました。最初はボロアパートで友人と共同生活を送っていましたが、今や豪邸を購入までに。夢を叶えたように見える彼ですが、ョンはゲイであることを隠して生きることに苦しんでいました。親友のジミーにだけは、ウィル・J・ジュニアという男に恋をしていることを打ち明けられます。

いつまでも過干渉な家族を含めた周囲の喧騒を、ジョンは日に日に煩わしく感じるようになっていきます。
そして、ジョンはウィルにのめり込んでいきます。ウィルはジョンがホッケー選手だった頃に薬でモメていた頃を知っていましたが、黙っていました。しかしジョンの方は、彼が自分の醜聞を知っていると分かると、彼との関係を切ろうとします。

ルパートは学校の授業でジョンと文通していることを話しますが、味方だと信じていた教師に「創作だ」と嘲笑われてしまいます。さらに、いじめっ子にジョンの手紙を奪われたため、ルパートは彼の家に忍び込んでそれを奪い返そうとします。しかしそれを母に見つかり、「失望した」と頬をぶたれてしまいます。
その最中、「ジョンが11歳の少年と文通している」とマスコミに報じられ、世間は大変な騒ぎに。
ジョンは保身に走り、「文通などしていない」とテレビで否定。ルパートはひどく傷つきます。

部屋中に貼ったジョンのポスターを破り捨てるルパートに、母は「二度と彼に手紙を書かないで。どうせまたあなたを裏切る。そういう立場の人だから」と言います。
ルパートは母に命じられたオーディションに参加するため「ロンドンに行く」と学校にメモを残して失踪します。母は「会議があるから」と、ロンドンにいる別れた夫にルパートのお守りをさせようとしますが、担任教師は彼女にルパートの作文を見せます。
そこにはルパートの母への想いが綴られていました。ルパートの母は、夢を息子に託す自分をルパートが馬鹿にしていると思い込んでいましたが、ルパートの手紙には「母は親友だ」「両親の溝は、自分が母の夢を叶えられないせいだ」と書かれていました。母は土砂降りの中、ルパートを探しまわり、「ごめんなさい。あなたは必ず演技で成功するのよ」と泣きじゃくります。

その頃、ジョンはずっと二人三脚でやってきたマネージャーのバーバラから辞職を申し出られます。バーバラは、ルパートとの文通を嘘だと言った彼を許せなかったのです。
傷ついたジョンはウィルの部屋を訪れますが、「君は君のやるべきことをやって。僕は僕の望みを分かってる。誰かの秘密の存在は、僕の目指す場所じゃない」と穏やかに追い返されます。そして、ジョンがずっと狙っていた役は、他の人に奪われてしまいます。

ジョンは寂れたダイナーの厨房で、孫が彼のファンだという老人に出会います。「未来が分からない」と嘆くジョンに、老人は「君は過ちに気づいている。過ちを正すのは君と神の務めだ」と微笑みます。
ジョンは実家に帰り、母に花束を贈ります。母は、「あなたが私とは生涯分かり合えないと語ったことを知っているけれど、あなたは私から生まれたのよ」と涙を浮かべて言います。仲直りした母とジョンは、ジミーとともに風呂場でハッパを吸い始めます。母は、やけにさっぱりとしたジョンの様子に不安になります。それが人々がジョンを見た最後の姿になりました。

その後、ルパートは役をもらい、ニューヨークに呼び戻されます。ホテルに着いたルパートの母は、差出人不明の息子宛の手紙をこっそり読んでしまいます。そこには「偽ることもパフォーマンスだが、偽る前に生きてほしい。君は素晴らしい友人だ。君に会う道を必ず見つける。今はただ眠りが必要だ ジョンより」と書かれていました。

「望むものを手に入れて」と言うオードリーに、ルパートは「もう手に入れた」と笑い返すと、ボーイフレンドと共に去っていきます。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

グザヴィエ・ドラン監督の映像美が好きです。どのシーンを切り取っても絵になるというか。「わたしはロランス」も、コマ割りが独特かつそれぞれのシーンが色鮮やかで素敵でしたしね。
対外的にはあまり評価の高くない作品のようですが、個人的には「死」を扱っていながらも不思議と爽やかな後味なので、面白い作品だと感じています。自殺というテーマを軽々しく扱っていいと思っているわけではないのですが、人間の死のあっけなさというか、空虚な切なさをうまく描いているという感覚です。
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」「マティアス&マキシム」「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」が振るわなかったことでグザヴィエ監督は引退宣言をしていましたが、2024年8月7日に「1880年代フランスを舞台とした時代劇ホラー映画の脚本を執筆中」と報じられたとか。おしゃれな現代映画を撮られる監督、というイメージだったので、フランスの時代劇ホラーはかなり異色な印象!それはそれで、また楽しみです。
グザヴィエ監督の色彩センスは誰もが真似できるものではないと思うので、これからも精力的に作品を作ってほしいです!

小錦あや
小錦あや

映像はたしかにきれいなんですが、うーん。私はあまり響かなかったですね。セクシャリティをオープンにしなければ幸せになれないような、そんな描き方にも見えてしまいました。
とはいえ、ジョンが幸せになれなかったのは、セクシャリティをオープンにしなかったからではなくて、恋愛相手にも文通相手にも真摯ではなかった(セクシャリティを打ち明けたり、文通の事実を認めたりすることこそ、自分の言動に責任を持っている証であり、真摯に生きていることの証明になると思います)からだとは思うのですが。
それに、親と子は別人格にも関わらず、子どもに自分の人生を「生き直」させることを肯定するような流れだったのも、モヤッとしてしまいました。子どもに親の人生の責任を追わせて、親はそれに感涙するという、なんとも胸がムカムカする展開もあり…。

ルパートは子役としてあまりにも多くの時間を犠牲にさせられていて、俳優になる以外の選択肢を生まれながらにして与えられなかったのが哀れでした。その制限された生き方の中で、彼なりの自由(同性と恋愛したりとか)を勝ち取ってはいましたが…両手を挙げて名作とは言い難いなあと感じました。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

面白かったです。この作品を観て魂が揺さぶられたかとか、新たな価値観に出会えたかというとそうではないんですが、いろんな生き方や考え方の人間がこの世界にはいて、家族という枠に無理やり押し込められたがゆえに対立することもあって…一言で言うと、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず(方丈記「ゆく川の流れ」)」、諸行無常、という感じですね。

諸行無常、だからこそ、私達は人生をどう生きるのか?有名人であるジョンの死は多くの人にインパクトを残したでしょうが、それでも彼も、河の水の一滴に過ぎません。ルパートが力強く育っていることは、ジョンや母を反面教師としたからなのかもしれないと思うと、流れゆく水の一滴一滴にも、込められた意味と価値があるのだとしみじみと感じさせられますね。

今回3人が見た「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:Amazon.co.jp: ジョン・F・ドノヴァンの死と生(字幕版)を観る | Prime Video

 

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