小野不由美「魔性の子」のネタバレ感想

小説

小野不由美先生「魔性の子」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


祟りを起こす謎の少年 のお話。

<あらすじ>
どこにも、僕のいる場所はない─教育実習のため母校に戻った広瀬は、高里という生徒が気に掛かる。
彼を虐めた者が不慮の事故に遭うため、「高里は祟る」と恐れられていたが、彼を取り巻く謎は、“神隠し”を体験したことに関わっているのか。
広瀬が庇おうとするなか、更なる惨劇が…。

 

こんな人におすすめ

  • 十二国記シリーズに興味がある📚
  • 戴極国で起きた事件を詳しく知りたい🕵️‍♂️
  • 「自分はこの世界の人間ではない」という感覚を持ったことがある🌍

 

ネタバレ感想

「十二国記」の概要説明

私は十二国記のアニメはすでに見ていたので、「戴麒がなぜか常世に保護されたのにまた蓬莱へ戻されてしまった」ということだけ知っていました。

本作では、その戴麒が再度蓬莱に流されてからの6年間、どんな生活を送っていたのかを第三者目線で描かれています。

十二国記シリーズを全く知らない方にご説明すると、異世界にある「泰」という国の守護神獣を「戴麒」というのですが、それがなぜか日本に生まれてしまい、一度は泰の国に戻ってくるのですが、また日本へ来てしまい、彼を守る妖たちによっていろいろ災いが引き起こされてしまうというお話です。

公式では本作は0巻と銘打っていますが、アニメでは本作の内容は9割方触れられていないので、読むのはアニメの後でも先でもどちらでも良いと思います👍✨

 

故国喪失者・広瀬の気持ちが分かりすぎて辛い

本作のラストシーン、泰国での記憶が戻った要の凛とした言動に対し、「俺を置いていくな」と縋る広瀬のエゴ塗れの言動の対比がとても良かったです。

主人公・戴麒の高里要は、泰国での記憶を失っています。でも、どこかに帰らなければならないという気持ちだけはあって、常に心ここに在らずというようにして生きています。

広瀬も要と同じで、世界に馴染めず、「きっと自分には別の帰る場所があるんだ」と信じていました。

でも、広瀬は生きづらさを感じているだけのただの人。

要は麒麟(神獣)なので、人の悪意に疎く、エゴというものがありません。

自分もお前もこの世のものではないのだと同族意識を感じていた広瀬は、いざ別世界への扉が開き、自分だけが置いていかれると思った途端に人間らしいエゴを露わにします。お前だけ逃げてずるい、俺も連れていけ…。

要は異世界の神獣、広瀬はただの人。神と人間の本性の隔たりが感じられるとともに、作中繰り返される「人が人であることは、こんなにも汚い」をはっきりと感じさせられた終わり方でした。

 

まとめ

泰麒(異世界にある泰という国の神獣)が日本に戻ってしまい、どんな生活を送ったかが描かれています。
要本人の意思とは無関係に、彼を害する者は皆負傷します。

その負傷していく様がまさに「祟り」で、それに怯え迫害する人間たちの心の弱さがまさにホラーでした。

要が周囲の人間に追い詰められ、いざ自殺しようかという時に異世界からの助けが来るシーンは圧巻で、涙が溢れました。

できれば十二国記のアニメ視聴後、もしくは「白銀の墟 玄の月」「黄昏の岸 暁の天」を読む前に読んでほしい作品です。

魔性の子
作者:小野不由美
どこにも、僕のいる場所はない─教育実習のため母校に戻った広瀬は、高里という生徒が気に掛かる。彼を虐(いじ)めた者が不慮の事故に遭うため、「高里は祟(たた)る」と恐れられていたが、彼を取り巻く謎は、“神隠し”を体験したことに関わっているのか。広瀬が庇おうとするなか、更なる惨劇が…。
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